営業力の強化方法を組織・個人別で解説!成果を出す組織の共通点も紹介

営業力とは、単に商品やサービスを売る力ではなく、顧客の課題を理解し、信頼関係を築きながら成果につなげる力のことです。個人としての提案力やコミュニケーションスキルはもちろん重要ですが、組織としての情報共有や戦略の仕組みも営業力に大きく影響します。
「また、あの商談でうまく話せなかった…」「成果がなかなか出ない」と感じることがあるなら、それは個人のスキルだけでなく組織の環境やプロセスが関係しているかもしれません。本記事では、個人と組織の両面から営業力を強化する具体的な方法と、改善のポイントを解説します。
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目次
営業力とは何か
営業力とは、商談から受注までの「成果につなげる能力」のことです。営業力と聞くと話術を連想する方も多いかもしれません。しかし実際には、話術や売り込み力だけではなく、「戦略的に行動して継続的な成果を生む力」も含まれます。また営業力には、「個人の営業力」と「組織の営業力」の2種類があることも忘れてはいけません。営業力を伸ばそうと個人が頑張っても、組織的な営業力が低いとより良い成果につながらないことがあります。
組織としての営業力
組織の営業力は、チーム全体で安定した成果を出す力のことです。たとえば、営業戦略が明確で、目標や進捗をメンバー全員で共有できる組織では、誰か一人が異動や退職をしても売上が大きく変動しにくく、安定した成果が期待できます。また、情報や成功事例をチーム内で共有することで、個々の営業担当者が効率よく成果を出せる環境が整います。
こうした安定力や個人のスキルを伸ばす力が、組織として求められる営業力です。
個人に求められる営業力
個人の営業力は、顧客との信頼関係を築き、商談を成果につなげる力のことです。たとえば、顧客の課題やニーズを正確に把握して適切な提案を行い、商談の流れを論理的に整理できる営業担当者は、受注率が高く安定した成果を上げられます。また、データを収集・分析して戦略に活かす力や、プレゼンテーションで相手に納得してもらう力も必要です。
こうしたスキルを備え、商談を成果につなげられる能力が、個人に求められる営業力です。
営業力が高い組織の5つの共通点
営業力が高い組織は、個人のスキルに頼ることなく、チーム全体で成果を出せる仕組みが構築されています。ここでは、強い営業組織に共通する5つの特徴を解説します。
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①営業プロセスが整理・可視化されている
営業力が高い組織は、営業プロセスが明確に定義され、誰もがその流れを把握できる状態になっています。どの段階でどのような活動を行うべきか、次に何をすればよいかが明確です。プロセスが可視化されると、営業活動が個人の感覚に頼るのではなく、チーム全体の共通認識になります。新入社員でもベテラン社員でも、同じ質の営業活動が行えるのです。
可視化すべき具体的な項目
商談ステージの定義と進捗状況、各ステージにおけるアクション基準、商談ごとの活動履歴とネクストアクション、パイプライン全体の数値など、営業活動のあらゆる情報をCRMツールなどを活用してリアルタイムで確認できる状態が理想です。例えば、「ヒアリングフェーズでは顧客課題を確認する」「提案フェーズでは稟議担当者を特定する」といった、次のステージに進むための具体的な行動基準が明示されていることが重要です。さらに、受注率や商談化率などのKPIをステージごとに設定・追跡することで、どのプロセスに課題があるかを客観的に把握し、継続的な改善につなげることができます。
可視化がもたらす組織への効果
こうした状況は、成果につながった手法をチームで共有し、再現性を高めることにもつながります。個人のスキルや経験に依存しない営業活動が実現することで、チーム全体のパフォーマンスが底上げされ、安定した成果を継続的に生み出す組織へと成長することができます。
②顧客情報や知見が組織全体で活用されている
顧客情報や営業活動を通じて得られた知見を属人化させずに、組織全体の資産として活用しています。具体的には、過去の商談履歴や顧客からのフィードバックなどが、チーム内でリアルタイムに共有できる仕組みが整っています。
こうした情報共有の基盤は、セールスイネーブルメントの考え方と深く結びついています。セールスイネーブルメントとは、営業担当者が最適なタイミングで最適な情報・ツール・コンテンツを活用できるよう、組織として継続的に支援する取り組みです。蓄積された商談データや顧客インサイトをチーム全体で共有・活用することは、まさにこの考え方を体現しています。
情報共有の仕組みが整っていると、顧客への提案内容をより良いものに改善したり、次に取るべき戦略を立てる際に役立ちます。また、担当者が不在でも他のメンバーが顧客の状況を把握できるため、機会損失の防止にもつながります。さらに、セールスイネーブルメントの視点では、こうした仕組みが営業メンバー一人ひとりのパフォーマンス向上にとどまらず、組織全体の営業力の底上げにも貢献するという点で、大きな意義を持っています。
③人材育成や評価体制が整っている
営業力が高い組織では、個人の努力や経験だけに頼るのではなく、組織として人材育成と公正な評価の仕組みが体系的に整備されています。育成と評価が連動することで、営業メンバーは自身の成長方向性を明確に持ちながら日々の活動に取り組むことができます。
育成の仕組みが体系化されている
入社時のオンボーディングから、中堅・ベテランに至るまで、それぞれのフェーズに応じた育成プログラムが設計されています。ロールプレイングや同行営業といった実践的なトレーニングはもちろん、成功事例・失敗事例をチームで振り返るナレッジ共有の場が定期的に設けられています。個人の経験を組織の学びに変換する仕組みが整っていることが重要です。
評価基準が明確で透明性がある
営業成績という結果だけでなく、プロセスや行動面も含めた多角的な評価基準が設けられています。評価の基準と内容がメンバー全員に開示されており、誰もが「何を達成すれば、どのように評価されるか」を事前に理解できる状態になっています。透明性の高い評価体制は、メンバーのモチベーション維持にも直結します。
フィードバックが継続的に行われている
評価は年に一度の面談で完結するものではなく、日常的なフィードバックループが構築されています。マネージャーが商談データや活動履歴をもとに具体的なアドバイスを行い、メンバーが自身の課題をリアルタイムで認識・改善できる環境が整っています。継続的なフィードバックが、個人の成長スピードを大きく左右します。
④効率的な営業活動で高い生産性を維持している
営業力が高い組織は、無駄な作業を徹底的に排除し、生産性を高める工夫をしています。たとえば、営業支援ツール(SFA)を活用して顧客情報や進捗状況を管理し、商談に集中できる時間を確保しています。こうしたサポートツールを導入することで、個々の営業担当者が自律的に活動でき、より効率的に目標達成を目指せます。
また、営業活動の成果を定期的に分析し、課題を見つけて改善を繰り返すことで、常に高い生産性を維持しています。
⑤新規顧客獲得の仕組みが整っている
営業力が高い組織は、新規顧客を獲得する仕組みを体系的に構築しています。個々の能力に頼るのではなく、マーケティング部門と連携して見込み顧客を効率的に獲得する仕組みを整えています。
たとえば、マーケティング部門が購買意欲が低いリードを育成し、興味が高まったら営業がアプローチするといった役割分担を行い、効率的なアプローチで新規開拓の成功率を高めています。
営業力が低い組織の5つの特徴
営業力が低い組織は、個人の能力に依存し、継続的に成果を出す仕組みが構築されていないことが多いです。ここでは、特に問題となる5つの特徴について解説します。
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①顧客データやノウハウが共有されていない
営業力が低い組織は、顧客情報や商談で得たノウハウが、個々の営業担当者に留まっている傾向があります。たとえば、過去の商談履歴や顧客からの要望が共有されず、担当者以外が状況を把握できない、いわゆる「属人化」の状態です。これでは、担当者が変わった際や、不在時の顧客対応が難しくなります。また、成功した営業手法が組織全体で共有されないため、新人や経験の浅い社員が育ちにくく、結果的に組織全体の営業力が低下してしまいます。
②特定の営業担当者に依存している
特定のトップセールスに売上が偏っている組織も、営業力が低いと言えます。優秀な社員に頼る体制は、その社員が体調を崩したり、退職したりした場合に、組織全体の売上が大きく変動するリスクを抱えています。さらに依存状態は、個人のスキルや経験がブラックボックス化しやすく、再現性がないという問題につながります。組織全体で安定した成果を出すためには、個人の能力に依存しない仕組み作りが大切です。
③社内競争が過度で協力体制が弱い
健全な競争は組織の成長につながりますが、過度な競争は逆効果になる場合があります。たとえば、個人目標ばかりが強調されるあまり、チーム内での協力体制が乏しくなり、情報共有や協力がおろそかになる、足の引っ張り合いになる、というケースがあります。これでは、効率的な営業活動は難しく、組織全体の成果を最大化できません。個人の目標だけでなく、チーム全体の目標を掲げ、メンバーが気持ちよく協力し合える環境を整えることが大切です。
④顧客目線に立った提案ができていない
営業力が低い組織は、顧客の真の課題やニーズを深く理解し、共有する仕組みが整っていません。個々の営業担当者がどれだけ頑張っても、顧客データや市場の動向が組織全体で共有されなければ、的外れな提案になりがちです。結果として、自社の製品やサービスを一方的にアピールするだけの営業活動に陥ります。顧客の視点に立つ提案は個人のスキルに見えますが、そのスキルは個人の努力だけでは限界があります。支えて成長させるための、組織として顧客情報を蓄積・分析し、活用できる体制は必要不可欠です。
⑤営業プロセスの課題をつかめていない
成果が上がらない原因を特定できないのも、営業力が低い組織の特徴です。たとえば、商談数が少ないのか、成約率が低いのかなど、どこに問題があるかが不明確なまま、漠然と「もっと頑張れ」と、抽象的な指示に終始してしまうことがあります。こうした状況は、営業プロセスが整理・可視化されていない場合に起こりやすいです。ボトルネックがどこにあるか見つけられないため、適切な対策を打つことができません。結果として、根本的な課題が解決されず、組織の成長が停滞してしまうのです。
営業力を強化する方法(組織編)
組織の営業力を強化するには、個人の能力だけに頼らない仕組み作りが大切です。ここでは具体的な方法を7つ紹介します。
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①営業戦略やターゲットを明確化する
営業戦略やターゲットを明確化する利点は、チーム全員が進むべき方向を理解でき、同じ方向を向いて営業活動に取り組めるようになる点です。足並みをそろえて目標に進むことで効率的な営業活動、ひいては組織全体の生産性の向上につながります。営業組織として目指すべき姿を明確にするだけでなく、チーム全員が理解して行動できるよう、具体的な情報を共有することが大切です。
②営業プロセスを仕組み化・標準化する
組織の営業力を高めるには、営業プロセスを仕組み化し、標準化することが重要です。これは、日々の営業活動を見える化し、誰が行っても一定の成果を得られる状態を目指すことを意味します。一部の優秀な営業担当者に売上が依存している状態では、その人が不在になったとき、会社に大きな損失を与えてしまいます。また、知識やノウハウが共有されていないと、人材育成も難しくなるでしょう。
営業プロセスの仕組み化・標準化を進めるには、まずトップ営業担当者の活動を整理し、顧客の期待にどう応えているか把握することから始めます。これにより、理想的な営業プロセスが明確になります。その後、顧客へのアプローチから商談、アフターフォローまで、一連の流れの型を決めてメンバー全員で共有します。個人のスキルに左右されず、誰もが効率的に活動できるようになるため、対応のバラつきが減るほか、ミスの防止にもつながります。
③データや情報を一元管理し、社内連携を強化する
組織の営業力を向上させるなら、データの一元管理と社内連携の強化が欠かせません。営業担当者が情報を個人で管理しているだけでは、組織の営業力向上につながらないため、案件の進捗や顧客情報を見える化し、部門を超えて共有する体制を整えることが大切です。
特に、マーケティング部門との連携を強めることは重要です。マーケティング部門が持つ顧客ニーズや市場動向に関する情報を共有すれば、より的確な営業戦略を立てられるようになります。個人の力だけでは成果を出すのが難しい時代だからこそ、部門を超えた連携の重要性は高まっています。まずは定期的なミーティングを開き、積極的に情報共有の場を設けることから始めましょう。こうした取り組みを進めることで、自然と部門間の連携も強まっていきます。
④公平な評価制度と人材育成の仕組みを整える
営業担当者のやる気を引き出し、力を最大限に発揮してもらうための組織作りも必要です。そのためには、明確で公平な評価基準を設けます。評価が曖昧だったり、評価の機会が少なかったりすると、努力が正当に評価されていないと感じ、モチベーションが下がってしまうためです。
組織として売上向上を目指す前に、個人の営業成果をきちんと見える化し、正しく評価とフィードバックができる環境を作りましょう。その上で、成果だけでなく、知識やスキル、活動への姿勢といった多角的な観点から評価する仕組みを設けることで「公平な評価制度と人材育成の仕組み」が整えられます。こうした仕組みがあると、社員は自分の成長を実感し、安心して前向きに業務に取り組むことができ、生産性も向上します。
⑤ITツールを活用して営業力を底上げする
営業組織の生産性を高めるには、ITツールの活用もおすすめです。ITツールを用いることで、詳細な顧客情報や案件情報から営業の勝ちパターンを導き出せるようになり、新人や若手社員の教育にも役立ちます。個人の経験に頼りがちだった情報を社内で共有でき、組織全体の営業力向上につながります。
SFA・CRMの活用
営業活動の効率化とマネジメントには、SFAとCRMの活用が効果的です。SFAは、営業の活動履歴や案件の進捗、予算などを一元管理するツールです。活用することで、これまで見えにくかった営業活動が明確になり、マネージャーは遅れている案件に気づきやすくなります。チーム全体で進捗を把握し、課題を共有できることも大きな利点です。一方、CRMは顧客との関係構築を主な目的としたツールです。顧客情報を一元管理し、行動パターンや興味・関心を分析できます。SFAと連携して使うことで、より深く顧客を理解し、良好な関係を築くことができます。
MAによる見込み客管理
営業力の底上げ、特に、成約につながりやすい見込み客を見つけて、アプローチの優先順位を効率的に決めたい場合は、MA(マーケティング オートメーション)ツールが効果的です。MAツールには、サイトの訪問歴や資料ダウンロード歴などのリアルタイム情報をもとに、顧客の興味関心を可視化する機能が搭載されています。興味関心が最も高い”ホットリード”を可視化・抽出できるため、営業担当者は成約につながりやすい見込み客へ重点的にアプローチが行えるようになります。
たとえば、MAツール「BowNow」には、見込み客の行動履歴をもとに、ホットリードを可視化するABMテンプレートというものがあります。顧客の一元管理やフォーム作成機能もあるため、フォームをくぐった見込み客の情報を記録し、その後の行動履歴を蓄積して、興味関心度合いを見える化する、という一連の行動を自動化できます。担当者はその結果から、興味関心の高まった「成約につながりやすい見込み客」のみ抽出してアプローチすることが可能です。
MAツールを使うことで個人の感覚や経験に頼るのではなく、データに基づいた効率的な営業活動が可能になります。その結果、チーム全体で確度の高い商談に集中できるようになり、営業力の底上げにつながるのです。
⑥ナレッジを共有する
ナレッジを共有することは、組織全体の売上向上につながります。日々の活動から得られた成功事例やベストプラクティスはもちろん、失敗事例もチーム内で共有すれば、各メンバーが学び、成長できる機会が増えます。組織としての営業力強化を狙うなら積極的に行いたいところです。ナレッジ共有は、新人教育にも役立ちます。トップ営業担当者が持つノウハウを仕組みとして共有すれば、個人のポテンシャルに左右されず、誰でも一定の成果を期待できるようになります。
⑦外部リソースを活用する(アウトソーシング)
営業組織の営業力を高めるには、外部のリソースを活用することも一つの方法です。自社の限られた人員だけでは手が回らない業務を外部に委託することで、社内の営業担当者は本来注力すべきコア業務に集中できます。
外部委託の大きな利点は、非効率な業務を効率化できる点にあります。たとえば、新規顧客へのテレアポや見込み客のリスト作成、営業事務といったノンコア業務を外部に任せることができます。さらに、自社にないノウハウを得られるのも魅力です。外部の専門家をうまく活用することで、営業組織全体のパフォーマンスを向上させられます。
営業力を強化する方法(個人編)
営業力を強化するには、組織全体の仕組みを整えることに加え、営業担当者一人ひとりのスキルを高めることも重要です。ここでは個人の営業力を高める方法を7つ紹介します。
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①自社商品やサービスを深く理解する
顧客に最適な提案をするためには、まず自社の商品やサービスを深く理解する必要があります。商品知識がなければ、具体的なメリットを訴求できず、顧客に刺さらない提案になってしまいます。また、競合との違いや優位性も明確に伝えられません。その状況では、相手からの信頼を得るのは難しいでしょう。
自社商品を深く理解することは、説得力のある提案につながります。たとえば、顧客の課題に対して自社商品がどのように役立つかを具体的に示せるようになります。さらに、常に最新情報をアップデートする姿勢を持つことも大切です。顧客から「この人だから相談したい」「この人の情報なら安心」と思ってもらえる「専門家」を目指しましょう。
②顧客課題を引き出すヒアリング力を磨く
営業力は、話す力だけでなく、顧客の本当のニーズや課題を引き出すヒアリング力も重要です。どんなに優れたトークスキルがあっても、顧客の課題を正しく理解できなければ、適切な提案はできません。優れたヒアリング力は、顧客の発言を注意深く聞く姿勢と、その意図や感情を汲み取る共感力で作られます。顧客自身も気づいていない潜在的な課題を発見できるように、顧客に寄り添い、共に課題解決に取り組む姿勢が大切です。
③データ分析やロジカルシンキングを身につける
個人の勘や経験に頼るのではなく、データ分析と論理的思考力に基づいて行動することで、営業活動の質は大きく高まります。ロジカルシンキングを身につければ、複雑な顧客の課題を論理的に整理し、筋道立てて解決策を提示できるようになります。客観的なデータから導き出した提案は、顧客に納得感を与えるだけでなく、「この人は信頼できる」という信頼性の構築にもつながります。
ロジカルシンキングを身につけるなら、日々「結論→根拠→具体例」の順序を意識して生活します。たとえば会議で提案する際、まず要点を端的に伝え、その後に裏付けとなるデータや事例を順番に示す、など論理的に話すクセをつけましょう。加えて、業務やニュースを見たときには必ず「なぜそうなったのか」「ほかに考えられる要因は何か」と自問し、仮説を立てて検証するプロセスを習慣化します。こうした積み重ねで、論理的思考力を鍛えることができます。
データ分析では、SFAなどのツールに蓄積された顧客情報や過去の案件データを分析して、成約につながった共通の「勝ちパターン」を見つけ出す、といった手法が役立ちます。
④プレゼンテーション力と提案力を強化する
顧客の共感を引き出し、購買などの行動を促すには、プレゼンテーション力と提案力、つまり、顧客が抱える悩みや課題を明確に捉え、自社の商品やサービスがどのように解決できるかを分かりやすく伝える力が求められます。単に商品の魅力を並べるだけでは、顧客の心を動かすことはできません。
プレゼンテーション力と提案力を磨くには、顧客視点を徹底的にシミュレーションすることが大切です。商談前に顧客の業界動向や社内状況をリサーチし、「もし自分が顧客なら何を疑問に思うか」を想定して説明のストーリーを組み立てます。図表やグラフ、ビフォーアフターのイメージなど、視覚的に訴えることで説得力を高められます。営業力の強化を目指すなら、相手の心に響くような伝え方を磨きましょう。
⑤信頼関係を築く人間力を高める
顧客に選ばれ、中長期的な関係を築くためには、人間力も必要です。顧客は単に商品やサービスが良いからという理由だけでなく、「この人になら安心して相談できる」「任せられる」という人間的な信頼感で契約を決めることも少なくありません。誠実な対応や専門家としての知見を示すことで、顧客からの信頼を少しずつ積み上げていきましょう。顧客の「ビジネスパートナー」として認識してもらえるようになれば、単発の契約で終わることなく、継続的な取引につながりやすくなります。
⑥ロールモデルを持つ
営業スキルを効率的に向上させるには、お手本となる「ロールモデル」を持つことが有効です。成績が良い営業担当者の手法や考え方を学び、自分の営業活動に活かすことで、成長を加速させられます。身近な先輩や上司だけでなく、社外の同分野で活躍している人物から学ぶのも良い方法です。
ロールモデルを一人に絞る必要はありません。顧客対応はAさん、仕事への取り組み方はBさんというように、複数のロールモデルから得意分野を学ぶことで、より迅速に営業力を高められます。他者の成功を客観的に分析する習慣をつけ、自分自身のスキルアップに役立てていきましょう。
⑦タスク管理能力を磨き、効率的に行動する
営業担当者の仕事は、顧客との商談だけでなく、事務作業や他部署との連携など多岐にわたります。こうした多忙な業務の中で成果を出すためには、タスク管理能力を磨き、効率的なスケジュールを構築するスキルも大切です。
たとえば、売上への貢献度が低い活動は優先度を下げたり、アシスタントに依頼したりするなど、リソースの選択と集中を行います。日々の業務を計画的に進め、重要な営業活動に集中できる環境を自分で整えることが、生産性向上につながります。
【クラウドサーカス営業責任者インタビュー】営業はサイエンスであり、だからこそアートである
ここまで、組織・個人それぞれの視点から営業力強化のポイントを解説してきました。最後に、クラウドサーカスの営業責任者・小此木氏のインタビューをもとに、営業力の本質と強い営業組織づくりへの考え方をご紹介します。
営業の価値は「顧客が気づいていない課題」を見出すことにある
営業力が高い組織や個人に共通するのは、顧客の表面的な要望だけでなく、その背景にある潜在課題を見抜く力を持っていることです。小此木氏は営業の本質についてこう述べています。
「営業の仕事って、お客様が気づいていない課題を見出し、その解決策を提供することだと思っています。その未来を先読みし、お客様が気づいていないような、今後起こるかもしれないネガティブな事象を回避する。そしてできれば、より素敵な未来に導く。それが営業の仕事なんです。」
情報があふれる現代では、顧客自身がインターネットで解決策を調べられます。だからこそ、顧客がすでに認識している課題に答えるだけでは、営業担当者としての差別化は難しくなっています。顧客がまだ気づいていない潜在課題を先読みして提案できることこそが、営業担当者の本質的な価値です。
一方で、小此木氏はこうも指摘しています。
「お客様が気づいていない課題を教えられるセールスパーソンって、全体の10%くらいだと思っています。9割の方はただの商品説明、セールスパーソン都合の押し売りになってしまっている。」
この現実は、個人のスキルだけに頼ることの限界を示しています。本記事でお伝えしてきた顧客情報の組織的な共有やヒアリングプロセスの標準化は、こうした「10%の営業力」を組織全体の共通水準へと引き上げるための取り組みにほかなりません。
「業界の外側にいる目線」が最大の武器になる
営業力の強化において、もう一つ重要な視点が「客観性」です。小此木氏は、業界に深く根ざしているからこそ見えなくなってしまうものがあると語ります。
「業界にずっといないからこそ、客観的に見えるという利点があります。その業界では当たり前でも、他の業界を見渡すと当たり前ではないこともある。同じ業界の中でも、意外と自社のポジショニングや強み・弱みを把握していないこともあります。」
実際に小此木氏が経験した印刷会社への提案は、この考え方を端的に示しています。「印刷物の売上を上げたい」という依頼に対し、小此木氏はあえて正面から応えることをしませんでした。
「訪問して最初に『印刷物の売上をあげるための提案はしません』と伝えました。本来印刷業とは、様々な人に"情報"を適切に届けることが本来の価値です。そのため『印刷物の売上をどう伸ばすか?』ではなく、『消費者にどのような手段で情報を届ければ喜ばれるか?』を考えませんか?と提案しました。」
この提案をきっかけに、その会社は「情報伝達業」として業態転換を果たし、WEBサイトやAR、デジタルサイネージなど、情報を伝える専門家として新たな道を歩み始めました。表面的な要望ではなく、その背景にある本質的な課題を見極め、顧客の想定を超える提案をすることが、強い営業力の真髄と言えます。これはまさに、本記事で解説してきた「顧客目線に立った提案」が実際の商談でどのような力を発揮するかを示す好例です。
強い営業組織は「サイエンス」と「アート」の両輪で成り立つ
こうした営業力を組織全体に根づかせるには、どうすればよいのでしょうか。小此木氏は営業の本質をこう表現しています。
「営業はサイエンスであり、だからこそアートだと思っています。全セールスパーソンが持つべき汎用的なロジックと、個性という非ロジカルな部分。これらが組み合わさって、はじめて人の心を動かすアートになると考えています。」
ここでいう「サイエンス」とは、営業プロセスの可視化やKPIの設定、データ活用、標準化された育成プログラムなど、本記事でお伝えしてきた再現性のある仕組みの部分です。そして「アート」とは、その仕組みの上に乗る個人の個性や人間力、顧客への共感力といった、数値では測れない要素を指します。仕組みだけでも、個人の才能だけでも不十分です。両者が融合したとき、はじめて顧客の心を動かし、組織として継続的な成果を生み出す営業力が完成します。
まとめ
営業組織全体の生産性を高めるには、個人の力だけでは限界があります。組織と社員が団結して、営業力の強化に取り組むことが大切です。時代の変化に対応し、持続的な成長を続けるには、ITツールが役立ちます。特にMAツールは成約につながりやすい見込み客を可視化できるほか、行動データから興味関心も分析できます。MAツール「BowNow」は無料で使えるフリープランがあるため、興味があるかたはぜひ一度試してみてください。 以下のステップに沿ってフォーム入力することで、資料ダウンロードいただけます。 この資料でこんなことがわかります!・BtoBマーケティングにおける、戦略やKPIの考え方 ・デマンドジェネレーションとはなにか ・リード獲得の施策にどういったものがあるのか・顧客育成やMAツールの基本 監修者 新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。『【3,500ダウンロード突破!】BtoBマーケティング知識大全』をダウンロードする
クラウドサーカス株式会社 石本祥子
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。










