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MAツールのシナリオとは?効果的な設計方法と成果を出すためのポイント

2023/08/31 (公開:2023/08/08)
MAツールのシナリオとは?効果的な設計方法と成果を出すためのポイント

マーケティングオートメーション(MA)におけるシナリオとは「シナリオ設計機能」を指し、特定のアクションを起こしたリード(見込み顧客)に対し、あらかじめ設定しておいたアクションを返す機能です。

成果を上げるには一定数のリードを保有していなければならず、カスタマーセグメントが重要になります。ただしシナリオ設計を複雑にしてしまうと成果が出づらいケースもあり、MAツールを導入してはいるものの、シナリオ機能をうまく使いこなせないという声も聞かれます。

本コラムでは、シナリオ機能の基礎知識と成果につながる設計のポイントをご紹介します。

MAツールのシナリオ機能とは?

MAツールの特徴的な機能のひとつである「シナリオ機能」とは、セグメント化したターゲットごとに、リード(見込み顧客)が特定のアクションを取った場合に、あらかじめ設定しておいたアクションを返す(特定の情報を提供する)ための筋書き、つまりシナリオを設定しておく機能です。

事前に設定した道筋に沿って自動的にメールを送信する機能と、そのメールに対する見込み顧客(リード)のリアクションによって自動的に道筋を分岐させる機能とが含まれます。

次の図はMAの「シナリオ」を用いたリードクオリフィケーションの例で、リードが起こす「特定のアクション」は、メール配信に対する「開封」やセミナー案内に対する「参加」を指しています。

ひとつのアクションごとに、その行動を取ったか・取らなかったかで道筋を分岐させていき、「ここまで辿(たど)り着いたらホットリード」とするゴールを決めておきます。

なお、MAのシナリオは「リードありき」の機能とも言え、より有効に活用するためには一定数以上のリードを保有している必要があります。

 

MAのシナリオ

 

シナリオ設計のメリットと必要性

シナリオ機能を活用することのメリットは、「どのような(属性の)リードに・どのような情報を・いつ提供するのか」をあらかじめ設定したうえで、それぞれのリードに適したコミュニケーションを自動的に実施でき、リードナーチャリングの効率が上がることです。

メール配信などのマーケティング活動のなかで、リードのリアクションによって対応を変えたい場面にはシナリオの活用がおすすめです。

MAツールでのシナリオ設計の手順

MAにおけるシナリオでは、特定の行動を起こしたリード(見込み顧客)に対し、あらかじめ設定しておいた行動を返すことが基本です。

シナリオを設計する際には「いつ・誰に・何を・どのように」の4つの要素が重要になります。具体的な手順をこの4つの要素に沿ってご紹介します。

手順1.誰に(ターゲット)

まず、対象となるターゲットを明確にします。

どのような人をターゲットとしてシナリオを設定するのかは、企業ごとに、また、扱う商材やサービスごとに異なります。自社のマーケティングではどのような属性を持つリードを対象にシナリオを展開するのかを考え、ターゲットを明確にしましょう。

実際のターゲット設定の例として次のようなものがあります。これらの他、「自社のWebサイトへのアクセスは確認できるけれど、具体的な行動に写っていない」という人もターゲットとなるでしょう。

  • メルマガへの登録は完了しているが、次の行動に移っていない人
  • 資料請求に至ったが、商品やサービスの購入には至っていない人

手順2.いつ(タイミング)

次に、「いつ、どのようなタイミングでアプローチするか」を決めます。タイミングはおもいに次の要素に沿って考えましょう。

・起点となる行動

リードによるWebサイトの閲覧や資料ダウンロードなどの行動

・時間帯

どの時間帯にメールを配信すると開封されやすいか

・頻度

複数回にわたってメールを配信する場合は、その頻度や間隔

MAツールを活用すれば自動的にメールを配信できますが、配信されたメールをリードが必ず開封・閲覧してくれるとは限りません。

なお、メール配信のタイミングを見誤り、リードに都合の悪いタイミングや不適切な頻度となってしまった場合は、顧客との関係が悪化するおそれがあります。

せっかく登録してもらったメルマガを解除されたり、メールをブロックされたりしないよう、タイミングは慎重に検討しましょう。

手順3.何を(コンテンツ)

さらに、配信するコンテンツやクリエイティブの内容を決めます。ターゲットに設定したリードが興味を持ちそうなコンテンツを中心に、次のような内容を用意しましょう。

コンテンツづくりではあくまで顧客目線に立ち、信頼性の高い内容を備えることが重要です。

  • 自社の事業紹介や提供している商品・サービスの紹介
  • 商品・サービスを実際に使った成功事例
  • リードの「悩み」や課題を解決するコラムの配信やセミナーへの招待

手順4.どのように(手法)

最後に、リードへのアプローチの手段を選定します。おもな手段には次のようなものがあります。

特にBtoBビジネスではEメールがもっとも重要なアプローチ方法とされます。Eメールでは配信のコストがかからず、「1人1アドレス」であればダイレクトに自社サイトに誘導できるというメリットがあります。

  • ダイレクトメール、Eメール
  • 自社のWebサイト、オウンドメディア
  • SNS
  • アウトバウンドコール
  • 営業

重要なのは「リード(見込み顧客)にとって必要なタイミングで、必要な情報を提供すること」です。ここまでご紹介した手順1から4の「誰に・いつ・何を・どのように」を踏まえると、たとえば次のようなシナリオが想定されます。

メルマガに登録しているものの、配信したURLをクリックしない人

→配信しているメルマガの内容に興味が無いか、その内容では解決できない別の悩みを抱えている可能性

→次回の配信ではコンテンツ内容を変えてみる

また、資料請求をしているものの購入に至らない人には、検討に入っているであろうタイミング、資料請求から数日から1週間後をめどに再度ダイレクトメールを送る、といったアプローチも考えられます。

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成果が出るシナリオ作りの準備と4つのポイント

成果が出るシナリオ作りの準備として、まずはカスタマーセグメントを行います。

  • 「属性」の分析:リードが属する業界・業種、職種や役職を確認します。
  • 「ニーズ」の分析:リードを獲得した経路、過去の質疑応答内容を確認します。

過去の会話内容を参照するには、CRMやSFAを利用してデジタル分析を行います。特定の属性に属するリードがどのような質疑応答を行っているのか(=どのような情報に興味があるか)、どのような課題を解決するために自社の商品・サービスを購入・契約しているのか(=「ニーズ」は何か)を明確にしましょう。

次に、実際のシナリオ作りにあたっての4つのポイントをご紹介します。

【ポイント1】ペルソナ設計

ペルソナとは自社がターゲットとする「お客様像」を指し、年齢・性別・職業など各種の項目について詳細に設定した人物像のことです。

シナリオ作りの準備では、自社の商品・サービスの価値を提供できる対象はどのようなお客様であるのかを想定しておく必要があります。特にBtoBの場合、ペルソナ設計では「企業像」と「人物像」の両方を想定しましょう。

・「企業像」のペルソナ

企業の業種や規模などのほか、自社の商品・サービスに関わる課題の状況や、実際に商品・サービスが導入される際の状況を想定します。過去のデータを分析し、どのような企業が、どのような状況のもとで導入(購入)を検討してくれるのかを具体的に想定しましょう。

・「人物像」のペルソナ

「人物像」は企業担当者とし、どのような部署の、どのような職種・立場の人が、どのような課題や悩みがあるときに自社の商品・サービスを検討するのかを想定します。その際、すでに取引をしている顧客の情報や、一般に公開されているアクセス解析データなどを参考にすると良いでしょう。情報収集のために自社で独自にユーザー調査を行うという手もあります。

【ポイント2】カスタマージャーニーの策定

設計したペルソナがどのように商品購入に至るのか、リードの購買プロセスを考えましょう。

BtoBの場合は、前提として何らかの課題があり、その解決に向けた情報収集から購入検討が進むことが多いとされています。そのような購買フェーズの各段階でペルソナがどのような課題を持ち、どのような情報を求めているのかを、データやアンケート結果をもとに検討します。

顧客の購買プロセスは「カスタマージャーニー」とも呼ばれます。カスタマージャーニーに沿って、適切なタイミングでメッセージを送ったり、アプローチを仕掛けたりすることで、リードの検討度合いをより高める効果が期待できます。

【ポイント3】キャンペーン設定

次に、リードとのコミュニケーション内容を設計します。どのようなキャンペーンを実施するかを設定しましょう。

策定したカスタマージャーニーをもとに、リードに対してどのようなコンテンツを、いつ見せるかを具体的に設計していきます。

リードが持つ悩みや課題、その緊急度の高さは十人十色です。それぞれの購買意欲を高め、検討フェーズを進めるには、どのようなコンテンツ内容をどのタイミングで見せるのが適切か、どのような情報を提供し、どのような状態になってもらいたいかといった施策の設計が重要になります。

一例として、自社サイトの商品紹介ページを閲覧したユーザーには、関連商品の情報を提供したり、その商品が解消する「悩み」(そのユーザーが抱えていると思われる「悩み」や課題)をテーマにしたセミナーに招待するなどのキャンペーンを展開すると良いでしょう。

また、ユーザーのアクションに対して自社がどのような行動を返すかを具体的に決めておきましょう。

【ポイント4】PDCAを回す

MAにおけるシナリオは一度設計して終わりではなく、微修正を重ねながら検証・改善を繰り返すことで成功モデルを作ることができます。PDCAサイクルを繰り返し、シナリオのブラッシュアップを続けていきましょう。

このように検証と改善を前提とするシナリオ設定では、最初から詳細で複雑なキャンペーン内容にするよりも、シンプルで単純な内容から始めるのがおすすめです。

また、そもそもシナリオはリードの「属性」あるいは「行動」にあわせて設計する必要がありますが、自社にはどちらがより効果的かを検証しましょう。BtoBの場合でも、顧客の興味・関心の高さは「行動」に現れると言われることから、まずはリードの「行動」を軸としたシナリオを目指すのがおすすめです。

これらのほか、成果が出るシナリオ作りのポイントとして次の項目を意識すると良いでしょう。

  • カスタマージャーニーをじゅうぶんに練っておく
  • 仮説を立てるだけでなく、データで裏付ける
  • キャンペーンの結果は必ず分析・検証し、次に活かす
  • SFA・CRMとの連携でシナリオの精度を高める

シナリオ設計に活用するフレームワーク

カスタマーセグメントができ、シナリオ作りの準備が整ったら、いよいよ実際のシナリオ設計に進みましょう。次の2つのステップが基本のフレームワークになります。

【ステップ1】カスタマーセグメントをもとに、MAに登録されているリードをセグメント分けする

職種や役職が不明確なリードの扱いに注意しましょう。このステップを踏むことでオプトアウト(離脱)を防ぎます。

【ステップ2】情報提供の順番とコンテンツ内容を決め、「分岐」を設計する

CRM・SFAのデータ分析による過去の会話内容などをもとに情報提供の順番を決め、シナリオに落とし込んで「分岐」の方法を設計する

効果的なシナリオ運用のポイント

「誰に・いつ・どのような内容を・どのような方法で配信するか」という4つの要素から作成するMAのシナリオは、自社のターゲットと顧客のニーズをつかんでマーケティング活動の効率を高め、それぞれの顧客に対して最適なアプローチができる点で有用な機能です。

シナリオは分析と改善を重ね、PDCAを回していくことを前提として、最初から複雑にしないことが大切です。特に特にBtoBではシンプルなシナリオでスタートするのが良いと言われます。

重要なのは、シナリオを展開した結果、自社の保有リードのなかから検討度合いの高い顧客をいかに見つけ出せるかということです。シンプルな運用と継続的かつ柔軟な改善が成功のポイントとなるでしょう。

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おわりに

MAの運用で重要だと言われるシナリオ設計ですが、MAツール自体を始めて導入するという企業様においては、手間のかかりそうな作業という印象を持たれることもあるでしょう。

MAツール「BowNow」ではステップメールの開封をトリガーとして簡易的なシナリオ設計ができる機能を備えており、まずは低価格からMAツールのシナリオを試したいというかたは「BowNow」をご検討頂けますと幸いです。

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