採用でのMA(マーケティングオートメーション)ツール活用方法

「売り手市場」といわれるようになって久しく、どの企業も優秀な人材の採用には苦労されているのではないでしょうか?
近年では「採用マーケティング」という言葉も生まれ、採用においても、営業活動における新規顧客獲得と同様、「求職者と適切なコミュニケーションを取りながら内定まで追っていく必要がある」という認識が一般化しつつあります。
また、採用活動におけるデジタルの持つ役割も増大しています。求人情報の掲載・閲覧からエントリーシートや応募書類の送付、結果の通知まで、WebサイトやメールのほかSNS、採用に特化したツールも利用できるようになり、応募者・採用側とも就職・採用活用のすべてをオンラインで完結させることが可能になりました。
採用活動に利用できるデジタルツールの一つに、MA(マーケティングオートメーション)ツールがあります。
MAといえばリードナーチャリングをメインにマーケティング活動の効率化に寄与するツールですが、採用にどのように役立つのでしょうか?
本コラムでは、採用でのMAツール活用方法を具体的にご紹介いたします。
MA(マーケティングオートメーション)ツールとは
MA(マーケティングオートメーション)ツールとは、マーケティングプロセスの中でも特に、顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化・自動化できるツールです。
インターネットの普及やデバイスの進化により、見込客と企業やブランド、商品・サービスとの接点は、デジタル上で増加しました。
また、見込客は、商品・サービスを認知してから実際に購入するまで、オフラインとオンラインを自由に行き来しながらさまざまなチャネルに触れ、購買フェーズを進んでいきます。
MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用することで、こうした見込客の行動を追跡し、必要なタイミングで必要な情報を提供したり、適切にコミュニケーションを取り、購買へつなげることが可能になります。
MAが採用で使える理由
MAが採用で使えるのは、マーケティング活動と採用活動のフローが似ているためです。
マーケティング活動で見込客は、「製品・サービスの認知、製品・サービスへの興味・関心、詳細情報の検索、購入検討、購入」という流れをたどります。
一方、採用活動での求職者の行動も、「企業の認知、企業そのものや求人内容への興味、エントリー、説明会への参加、応募、筆記試験、面接、内定承諾、入社」と、似たような流れをたどります。
このため、MAツールの活用を少し応用するたけで、採用に使えるようになります。
MAで求職者の行動をログから分析し、求職者の疑問を解消したり興味を持つような情報を発信することで、応募者数や内定承諾者数向上につなげることができるのです。
採用での活用方法
では、具体的にはどのようにMAツールを活用すれば、採用で成果が期待できるのでしょうか?ご紹介していきます。
まず、下準備として、エントリーのあった求職者の情報をMAに登録しておく必要があります。
こうすれば、ログ機能を活用してどの求職者がいつどのWebページにアクセスしたかといった情報を蓄積できるようになります。
①求職者が興味のあるコンテンツを配信
MAツールには、「ログ分析機能」が付いています。
これを活用して、求職者が興味を持っていそうなコンテンツを配信しましょう。
通常のマーケティングでいえば「リードナーチャリング」に当たるプロセスです。
メールだけでなく、LINEやSMSと連携しているMAも多くあり、そうしたチャネルでコンテンツを届けることも可能です。
たとえば、複数の職種を募集している場合に、特定の職種の求人ページだけを閲覧しており、ほかの職種を閲覧していない求職者であれば、その職種に興味を持っていることがわかるので、該当諸油種で働く先輩の一日のスケジュールが掲載されたWebページのURLを知らせたり、職種限定でのオフラインイベント開催などの案内を送ることで、より理解を深めてもらうことが期待できます。
一方、複数職種の求人ページを閲覧していたり、会社情報を掲載したWebページも閲覧している求職者なら、会社そのものに魅力を感じており、職種に強いこだわりがないという可能性が考えられます。この場合、会社説明会や会社見学の案内を送るなど、会社の魅力をさらに訴求するコンテンツや、追加で募集することになった職種の求人情報を送るのが最適です。
また、選考が進んで、もし採用に至らなかった場合、ほかの職種への応募を促すことも可能です。
②リスト管理業務の効率化
採用活動では、求人情報を掲載する複数チャネルから応募がありますが、MAで管理することで一元管理できるようになります。
MAツールの「フォーム作成機能」を活用してエントリーフォームを作成すれば、応募者の情報が自動的に登録されるので、わざわざMAに登録する手間を省くことができます。
さらに、応募媒体や参加イベントなどでタグを作り、求職者にタグ付けしておくことで、タグでソートしてリスト化できるため、一斉メールの送信が効率化できます。
たとえば、イベント開催時には開催前の事前メールや、開催後の参加お礼メールを送ったり、「○月○日のインターンに参加した学生」などでセグメント化し、リテンションするようなメールを送ることなどが考えられます。
「すでに一次面接を通過したリスト」「選考に進んで欲しいリスト」など、さまざまな条件でリストを管理し、リストごとにアプローチすることが可能になるため、採用業務におけるリスト管理業務が効率化します。
③選考希望数、内定承諾数アップにつながる
あらかじめ求職者の興味がわかったうえで、必要と思われる情報のみを提供できるようになるため、求職者に嫌われることなく自社の求人への興味を高めることができます。
ただでさえ忙しい求職者に、興味のない求人情報や採用イベント情報が大量に届けば、会社への印象は悪化すること必至です。
また、エントリーしてくれたり会社説明会に参加してはくれたものの、その後の動きがない求職者に対し、リテンションメールなどを送って働きかけることで、一度は自社の求人に興味を持ってくれた、いわば休眠求職者ともいうべき層の取りこぼしを防ぐことができます。
以上のことから、MAの活用により、選考希望数、内定承諾数アップにつながる効果が期待できるのです。
まとめ
MAツールに求職者の情報を登録しておくことで、求職者の行動を可視化でき、興味の対象やタイミングを把握することができるようになります。説明会や面接といったオフラインで受ける応募者の印象だけでなく、オンライン上での行動も加味して選考を進めることで、より自社が求める人物像に近い人材を採用することができるでしょう。
セールス部門にパスするリードの集客やナーチャリングで大きな効果を発揮するMAツールを採用でも活用できるようになれば、一石二鳥ですね。
ご紹介した採用でのMA活用方法は、どれもBowNowで実践できるものばかりです。BowNowでは、期間無制限で使えるフリープランもご用意していますので、興味を持たれた方は、ぜひお気軽に試してみてください。
