展示会でリードと商談を増やす6つの方法
展示会は、リードを獲得し、商談へとつなげるために効果的な手法の1つです。しかし、事前準備や用意するものが多く、労力や費用がかかるという側面があります。
そのため、展示会へ出展するからには、より多くのリードを獲得し、商談につなげたいと考えている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、展示会でリードの獲得率を向上させる方法や商談に繋げる手順などを詳しく解説します。展示会でのリード獲得や商談の増加のために、本記事がお役に立てれば幸いです。
準備から展示会後の迫客方法まで!
展示会の効果を最大化させる12の手法
展示会の準備から当日運営、展示会後のアプローチまでを3つのフェーズに分け、各フェーズ毎に展示会効果を最大化するために即実践可能な12の手法をご紹介します。
目次
展示会でのリード獲得を左右する3つの要素
効果的にリードを獲得するには、リード獲得を左右する3つの要素を知っておく必要があります。以下の3つの要素について解説します。
- 展示会全体の来場者数
- 出展ブース、もしくはブース近くを訪れる来場者の数
- リード獲得率
展示会全体の来場者数
リード獲得を左右する要素の1つとして「展示会全体の来場者数」があります。
展示会の規模は、来場者数が数十名といった小規模な展示会から、数万名規模の大型の展示会まで、様々なものがあります。自社のターゲットが来場する展示会に出展することを前提とし、一定の来場数が確実に見込める展示会に出展することが肝要です。
ただし、来場者数が多い展示会は、基本的に出展費用が高額になる傾向にあります。展示会に出展することで得たい効果や目標を、予め具体的に設定したうえで費用対効果を算出し、出展するかどうかを決めるようにしましょう。
出展ブース、もしくはブース近くを訪れる来場者の数
「出展ブース、もしくはブース近くを訪れる来場者の数」も、リード獲得を大きく左右します。特に大型展示会の場合は会場が非常に広く、ブースの場所によっては訪れる人が少ないというケースがあります。
しかし展示会ではリード獲得における公平さを保つため、自社の出展ブースや出展ブースの前以外での来場者への声掛けや名刺交換などの集客業務は、基本的に禁止されています。
そのためリードを獲得するためには、人通りの多い場所でのブース出展や、遠くからでも興味や注意を引きつけられるような装飾を施すなどの工夫が必要です。
リード獲得率
先述した「来場者数の多い展示会」の「人通りの多い場所」にブースを出展できたとしても、それだけではリード獲得にはつながりません。来場者に積極的に声をかけて名刺交換を行い、最終的に商談に繋げることが何より大切です。
そのため、展示会出展当日までに、「どのように来場者に声をかけるか」「名刺交換や商談に繋げるために行うべきことは何か」を検討し、準備や練習を行っておきましょう。
展示会でリード獲得率を向上させる方法6つ
展示会でリード獲得率を向上させるには、具体的にどのようにすればいいのでしょうか?以下では5つの方法について詳しく紹介します。
①リード獲得数の目標を決定し、チームに共有
リード獲得率を向上するには、目標(KPI)を明確にし、会場でリードを獲得するメンバーと共有することが重要です。
事前に、名刺獲得数・アポ獲得数・案件獲得数・成約数・売上などの指標を具体的に設定します。関係者間で同じ認識を持つことで、目標に対するコミットメントが高まります。
目標設定の方法
展示会では、「出展にかかる費用に対し、どのくらいの売上を回収したいのか」を、事前にROASを用いて算出し、それを目標として設定します。
ROASとは、Return On Advertising Spendの頭文字をそれぞれとった言葉で、マーケティングの施策にかけた広告費に対して得られる売上、いわば費用対効果を%で表したものです。例えば、ROASが500%であれば、かけた費用の5倍の売上を回収する、ということになります。会社として目指すべきROASの数値が決まっていないのであれば、BtoB企業であればだいたい500〜1,000%のあたりを目指すとよいでしょう。
以下は、ROASを500%とした場合の、目標売上額を算出するための計算式です。
展示会に限らず、マーケティングの施策の費用対効果を測るうえで、非常に便利な方法なので、ぜひ覚えておきましょう。また、この計算式でもとめた目標売上額から逆算し、「商談数」や「名刺獲得枚数」の目標値を決定します。
目標の売上額 = 展示会にかけた費用 × 500 ÷ 100 |
②事前の役割分担
展示会では、出展規模と目標に合わせて、参加人員数とそれぞれの役割を決めておきます。短い時間の中で成果を最大化するため、「効率」を意識した役割分担を行っておくことが重要です。一般的には、以下の3役にわかれて、当日の運営を行います。
- ①商談担当:ブースで商談を行う
- ②名刺獲得・商談パス担当:名刺獲得と、お客様を商談へ誘導する
- ③マーケティング担当:運営責任・集計やオペレーションの統括を行う
③トークスクリプトの用意
トークスクリプトを用意しておくことも、リード獲得率向上につながります。
ブースに訪れた人に対して何を話すのか、ある程度の型ができていると、メンバー間のスキルを一定以上に保つことができます。メンバーも安心して臨むことができ、より良質なパフォーマンスの発揮にもつながるでしょう。
声かけトークのポイント
展示会での声かけを行う際は、最初の60秒ルール」に則り、来場者に声をかけることがポイントです。
これは、60秒前後で製品のキャッチフレーズや簡単な紹介を行い、来場者に興味を持たせ、ブースでの商談へ誘導するかどうか判断するというものです。60秒のトーク内容は、「エレベーターピッチ」の型を参考に考えることをおすすめします。「エレベーターピッチ」の型とは、ターゲットユーザーや潜在的なニーズ、プロダクトのカテゴリなどを組み合わせることで、サービスの価値を最も簡潔にまとめるためのテンプレートです。
60秒ルールに沿って興味を引いたら、本当に自社のターゲットであるかどうかも確認する必要があります。「ちなみに貴社はどういった事業をされているんですか?」「差し支えなければどのようなことを担当されているのですか?」と質問し、確認してみてください。
ターゲット外の来場者とそれ以上長く話してしまったり、商談担当に繋いでしまうと、機会損失に繋がってしまうためです。訪れた人が内容に興味を持ってくれる、且つターゲットであれば「よかったらお話、聞いていきませんか?」と提案し、商談担当にパスします。また、声をかけて話を聞いてくださった時点で、必ず名刺交換は行います。
④事前ロープレの実施
トークスクリプトがあっても実践できなければ意味がないため、事前にロープレを実施することが非常に重要です。
展示会場は非常に多くの人が往来しており、話す内容以前に以下のような「行動・態度」も、リードの獲得率や成果に大きな影響を与える要素となります。事前のロープレの際には、下記の項目を声かけの内容と合わせてチェックし、改善しておきましょう。
- ①声の大きさ
- ②表情と視線
- ③来場者へ近寄るタイミング
- ④清潔感のある身だしなみ
⑤ちらしとノベルティの用意
展示会の来場者への配布物として、ちらしとノベルティも用意しておくことをおすすめします。
来場者にちらしやノベルティを手渡しながら声掛けを行うことで、来場者の興味関心を引きやすくなります。足をとめてもらえる確率の向上が期待できるはずです。
⑥早めの名刺交換の徹底
声がけの際に足をとめてくれた来場者とは、できるだけ早めに名刺交換をするよう徹底しましょう。
具体的には、声がけをしてちらしやノベルティを受け取ってくれたタイミングや、ブースに足を止めてくれたタイミングで交換すると良いでしょう。 基本的に不自然なタイミングでないのであれば、早めの名刺交換を徹底することで、リード獲得率の向上が見込めます。
リード獲得で終わらない、商談に繋げる手順
リード獲得のポイントはわかりましたが、その後どのように商談へとつなげていけばいいのでしょうか?具体的な手順を4つのステップに分けて紹介します。
①即日対応!名刺情報のデータ化
展示会後、名刺交換をした顧客の情報は必ずデータ化しましょう。データ化することで情報を社内ですぐに共有することができ、その後のフォローもスムーズにいきます。
また、来場者は展示会場で多くの企業のブースを訪れています。展示会後はすぐにお礼メールを送付することで、競合よりも先手を打って、顧客と接点を持つきっかけができます。データ化しておけば、お礼メールの送付も営業担当からのフォローもスムーズに進められるはずです。
現在ではリード管理を行える様々なツールも登場しているため、リードのデータ化が迅速に行えるよう、事前に調べておくと良いでしょう。
②お礼メールの送付
前のステップでも少し触れましたが、名刺情報をデータ化したあとは、すぐにお礼メールを送付することが大切です。
来場者は、必ずしも訪れたブースの存在をすべて覚えているわけではありません。自社の存在を思い出し、覚えておいてもらうために、お礼メールの送付は有効です。展示会終了後は、早めにお礼メールを送付することで、競合他社との差別化や、営業からアクションする際に顧客と会話がしやすくなるというメリットもあります。
また、MAツールなどを活用すればこのお礼メール送付の作業を自動化することも可能です。またMAツールは、お礼メールを送付したあとに、「どの来場者がメールを読んでくれたのか」など履歴で確認できるようになっており、その後の追客の参考にすることができます。
関連記事:MAツールとは?基礎知識から機能・事例までわかりやすく解説
お礼メールの例文
展示会では、終了後すぐにお礼メールを送れるように、送付する文章を事前に用意しておきましょう。以下にお礼メールの例文を記載しますので、ぜひ参考にしてみてください。
〇〇様
お世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。
先日開催された▲▲▲▲▲(イベント名)にて、〇〇株式会社のブースへお越しいただき、
誠にありがとうございました!
当日は"これからマーケティングを始めたい・強化したい方"向けに、
簡単に使いこなしやすい■■■■(サービス名)をご紹介させていただきました。▼お渡ししたパンフレットの電子版はこちら
http:~~~~~▼その他、■■■■(サービス名)に関連するお役立資料・事例については、以下よりご参照いただけます。
・▲▲(資料名)
http:~~~~~
・▲▲(事例タイトル)
http:~~~~~イベントでの質問や、さらに詳しい情報をご希望の場合は、このメールに【興味あり】とご返信ください。
ご要望に応じて、最適な内容をご案内させていただきます。ご不明点やご質問がございましたら、お気軽に〇〇@〇〇.co.jp までご連絡ください。
今後とも〇〇株式会社をよろしくお願い申し上げます。
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XXXXXX株式会社
住所:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
TEL: XX-XXXX-XXXX メール:XXXX@XXXX.jp
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③営業からのフォローコール
リードをデータ化してお礼メールを送付した後は、営業からフォローコールを行いましょう。商材の検討度合いや検討タイミングの見極めも兼ねて、ターゲットのリードには、展示会後に個別で電話、もしくはメールでフォローすることが大切です。
展示会に出展していた他の企業も同様の動きをしていることが考えられるため、展示会の翌日から、遅くても5日以内にはフォローする必要があります。商材の購入を検討している見込み顧客であれば、このタイミングで商談を打診します。
④ナーチャリングコンテンツの用意・配信
商談につなげるために最も大切なものの一つに、ナーチャリングコンテンツの用意・配信があります。
展示会で出会う人の全てが、いますぐ商材を検討する層ではありません。商談や、製品・サービスの購入のための情報収集や視察を目的に来場している層や、ニーズが顕在化している層である「直近検討中」の人は全体のわずか2.5%とされています。
中長期的に自社の商材に興味を持ってくれたり、顧客になる可能性がある人がほとんどであるため、展示会後にナーチャリングコンテンツの配信によって定期的に顧客と接点を持ち、商談化へと育てていくことが重要です。
また、米国のアドバイザリー会社であるシリウスディシジョンの調査では、営業担当が放置した見込み顧客のうち、約8割が2年以内に競合他社に流れていることがわかっています。ナーチャリングによってしっかり追客をすることは非常に重要なことなのです。
まとめ
本記事では、展示会でのリード獲得を左右する要素から、リード獲得率向上の方法や商談に繋げる手順などを、詳しく紹介しました。
展示会では、多くの企業が出展する中で、いかに自社に興味を持ってもらえるかがキーとなります。そのためには、目標の共有やトークスクリプトの準備、事前ロープレの実施など、やるべきことがたくさんあるため、かけた時間や労力が無駄にならないよう、本記事で紹介したポイントを参考に、しっかりと展示会の戦略を立ててみてください。
リード獲得後は迅速なフォローを行うことで、より多くの商談成立が期待できるはずです。獲得したリードは放置せず、中長期的にしっかりとナーチャリングを行って商談へと確実につなげていきましょう。
準備から展示会後の迫客方法まで!
展示会の効果を最大化させる12の手法
展示会の準備から当日運営、展示会後のアプローチまでを3つのフェーズに分け、各フェーズ毎に展示会効果を最大化するために即実践可能な12の手法をご紹介します。
監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子
新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。