【例文付】展示会アンケートの作成手順&外せない注意点5つ
展示会アンケートとは、展示会の際に、自社ブースに訪問してくれた来場者に回答してもらうアンケートのことです。
展示会アンケートは、来場者の製品の検討状況を把握し、アプローチする際のヒントを得るために非常に有効です。適切なアンケートを作成することで、より高い成果を得ることができます。しかし、どのように展示会アンケートを作成すればよいのかわからないと悩む方は多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、展示会アンケートを実施する目的をはじめ、作り方や作成時の注意点などをわかりやすく解説します。最終章ではテンプレート例や展示会アンケートに有用なツールなども紹介していますので、ぜひ最後までお付き合いいただけますと幸いです。
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展示会アンケートを実施する目的とは?
展示会アンケートとは、展示会の際に、自社ブースに訪問してくれた来場者に回答してもらうアンケートのことです。展示会でアンケートを実施する目的は2つあり、見込み顧客の検討状況や課題を把握することや、見込み顧客の育成を効果的に実施するヒントを得るといったことがあります。以下で詳しくみてみましょう。
①来場者の製品の検討状況を把握するため
展示会アンケートを実施する目的の一つは、来場者の検討状況や購買フェーズを把握することです。
成約見込みの高い顧客
アンケートで「導入を検討していて、他社製品も視野に入れている」と回答した方には、他社との比較資料や特別割引などの特典を用意した上でアポイントを取ったり、「見積もり希望」にチェックを入れた方には、予算をヒアリングしたり、社内上申をフォローするためのアポイントを取ることができます。
成約見込みの低い顧客
一方で、来場者の中には、製品の購入を検討している方もいれば、直近製品を検討しておらず情報収集を目的としている方もいます。アンケートで「導入予定はない・購入するか未定」と回答した成約見込みの低い顧客には、展示会後に営業からアプローチし商談に誘導するのではなく、セミナーやお役立ち資料といったマーケティングの施策に誘導し、ナーチャリングを行うことで、中長期的に商談や受注に繋げていくことができます。
このように、アンケートを実施することで、顧客の検討状況にあったアプローチを実現できるのです。
②来場者にアプローチする際のヒントを得るため
もう一つの目的は、来場者にアプローチする際のヒントを得ることです。
アンケートを通して把握できる来場者の課題やニーズは、展示会後のアプローチを行う上で大きなヒントとなります。アンケートに「貴社の抱える課題についてお聞かせください」という質問を記載して回答を引き出すことができれば、アプローチの際にそれに応じた深いヒアリングや提案が可能になります。
具体的には、展示会終了後のお礼メールや、電話でのフォローの際に「○○の課題を抱えているとのことですが、弊社にはそれを解決できる▲▲という製品があります。」と伝えることで、スムーズにアポイントを取ることができ、顧客の課題の解決に繋がる提案も効率的に行うことができます。
このように、展示会のアンケートを実施することで、開催後のフォローをパーソナライズで行うことができ、最適なアプローチを行えるようになるのです。
展示会アンケートの作り方
展示会アンケートは基本的に4つの手順で作ります。ひとつひとつ詳しくみていきましょう。
①展示会アンケートの目的と目標を設定する
まずアンケートを作成する前に、展示会アンケートを行う目的と目標を設定しましょう。
目標を明らかにすることで、アンケート調査が不要と判明するケースもあります。以下は、展示会アンケートを実施する目的の代表的な例です。
- 検討状況の把握
- 課題やニーズの把握
- その他、良好な関係を築くためのヒントを得るため
- 顕在層や準顕在層の商談獲得
いずれの目的においても、展示会でのアンケートの実施は非常に有効で、展示会後のマーケティング活動や営業活動を効率的に進めることができるようになります。
②ターゲットを設定する
目的と目標を定めたら、次にターゲットを設定します。
具体的には、アンケートで「デモを試してみたい」「他社製品と比較検討中」「導入時期が決まっている」と回答した人は「確度が高い」、反対に「導入は未定」「情報収集のため」と回答した人は「確度が低い」と判断できます。また「導入を予定しているが、予定時期は1年以内」としている場合は、「今後確度が高まる見込み顧客」と設定する方法もあります。
あらかじめターゲットを明確に設定しておくことで、確度が高い顧客には営業による電話でのアプローチを、確度が低い顧客にはメールナーチャリングを行うなど、迅速且つ適切なフォローアップが可能になります。
③質問項目をリストアップする
次に、アンケートに記載する質問項目をリストアップしましょう。以下のような質問項目が一般的です。
- 参加目的
- 興味関心のあるトピックやテーマ
- 気になっている製品
- 導入時期(検討状況)
- 商談希望の有無
あらかじめ、把握したい項目を考えることにより、見込み顧客の確度やニーズを的確に集めることができ、アンケートの効果を最大限に発揮できるでしょう。
④質問項目を作成する
前のステップでリストアップした項目をアンケートに落とし込みます。
質問項目を作成する際には、回答率を上げるために、「回答者の負担を減らす」という視点が必要です。例えば、設問はすべて記述形式にするのではなく、「はい/いいえ」といった選択式で答えられる設問であれば、選択肢を用意することで回答者も答えやすくなります。また、集計する際の効率化や回答結果の精度向上にもつながります。
逆に、記述形式が多くなってしまうと、回答者の負担が大きくなってしまうことはもちろん、抽象度の高い回答が寄せられることもあるため、来場者の課題やニーズを明確に把握しづらくなる可能性があります。
展示会アンケート作成における注意点5つ
展示会アンケートを作成するには、どんなことに気をつけるとよいのでしょうか。特に気をつけるべき点を5つ解説します。
①展示会アンケートの作成段階から、営業チームと連携しておく
展示会アンケートの作成段階から、営業チームと連携することが重要です。
アンケートを実施した後、その回答結果をもとに来場者へアプローチするのは営業チームです。そのため、アンケート作成の段階から営業チームと密に連携し、「営業する際に必要な情報が得られる質問になっているかどうか」を協議しながら作成しましょう。
②回答・集計方法を工夫しておく
アンケートを実施した後の集計方法を工夫することも大切です。
例えば紙でアンケートをとる場合、集計やデータ化などの手間が発生します。可能であれば、アンケート作成ツールやフォームといったITツールを活用することをおすすめします。
アンケート回収後の集計やデータ化などの業務効率化や、スムーズなアフターフォローにもつながる上、入力のしやすさやセキュリティ面における安全性も高いため、回答者・回収側のどちらにとってもメリットがある方法といえます。
また、ITツールで作成したアンケートは、来場者が会場でも手軽に回答できるよう、スマートフォンから回答できるようにしておくことをおすすめします。二次元バーコードなどでアンケートURLを読み込めるようにしておくと便利です。
③展示会アンケート内で、個人情報の利用目的を明示しておく
より多くの来場者に回答してもらうためには、個人情報の利用目的を明示しておく必要があります。
利用目的に加え、アンケートで取得した個人情報の「管理方法」「開示有無」なども明らかにしましょう。個人情報の取り扱いに不安を感じる方は多いので、しっかりと明示することで安心して回答してもらうことができます。
④質問項目は「わかりやすさ」「答えやすさ」を意識する
「わかりやすさ」「答えやすさ」を意識し、アンケートを作成しましょう。
前述の通り、できる限り選択方式の設問を増やしたり、解釈にばらつきが出そうな表現や専門用語は避けたりするなど、回答者目線に立って質問項目を設定することが大切です。
⑤質問項目は多くし過ぎず、目安3分以内に答えられるようにする
質問項目はできる限り限定し、目安として3分以内で回答できる量(設問数は最大でも15問以内)に収めるようにします。
来場者は多くのブースを回ってアンケート回答に協力している可能性が高いので、回答者の負担を減らすためにも、短時間で答えられる設問を心がけましょう。質問したい項目をリストアップしたら優先順位をつけ、設問数をできる限り絞るとよいでしょう。
これにより、アンケートの回答率の向上や、離脱の防止にもつながります。
展示会アンケートのテンプレート例
以下は、展示会アンケートのテンプレートです。テンプレートをベースに、回答しやすい設問数を意識しながら、アンケートを作成してみましょう。
問1:所属している企業 ※必須
( )
問2:お名前 ※必須
( )
問3:日中連絡がつくお電話番号 ※必須
( )
問4:メールアドレス ※必須
( )
問5:今回の展示会への来場目的を教えて頂けますか。当てはまるものに✓をいれてください。※必須
□導入を検討している製品・サービスに関する情報収集
□展示会のテーマ『〇〇〇〇〇』についての最新情報の収集
□展示会主催のセミナーへ参加するため
□その他( )
問6:問5で「導入を検討している製品・サービスに関する情報収集」と回答された方に伺います。今回は、どのような製品・サービスの導入を検討されていたのでしょうか。検討の理由と合わせて簡単にお聞かせください。
( )
問7:▲▲▲▲(自社製品・サービスのカテゴリー名)の導入検討状況として、当てはまるものに✓をいれてください。 ※必須
□導入を検討しており、他の製品と比較している
□導入を検討しており、情報収集している
□まだ導入を検討していないが、興味は持っている
□導入を検討しておらず、とくに興味もない
問8:ご希望の無料相談として、当てはまるものに✓をいれてください。 ※必須
□●●●●(自社の製品・サービス名)についてもっと知りたい
□●●●●デモンストレーションを受けたい
□●●●●他社の製品との比較に役立つ情報がほしい
□●●●●自社に近い属性の企業の事例を知りたい
□〇〇に関連する、■■について相談したい
□社内検討用の資料がほしい
□特になし
問10:その他、ご要望・ご感想あれば、ご記入ください。 ※任意
( )
展示会アンケートのフォーム作成から、開催後の追客まで使える「MAツール」とは
前述でも、ITツールを活用した展示会アンケートの回収をおすすめしました。本章では、該当するひとつのツールとして、MAツールについてご紹介します。
Web上で回答できるアンケートフォームを作成できるため、転記作業も発生せず、回収後の集計も非常に楽になります。
また、MAツールは、顧客情報とアンケート結果を紐づけた情報管理や、追客にも活用できる便利な機能が揃っていますので、合わせて次章で詳しく解説します。
MAツールとは?展示会で活用するメリットと合わせて解説
MA(マーケティングオートメーション)とは、「顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化し自動化する」ことで、それを実行してくれるソフトウェアを『MAツール(マーケティングオートメーションツール)』といいます。セミナーにおけるMAツールの活用には、以下の4つのメリットがあります。
顧客情報を一括管理
MAツールは、大量の顧客情報をデータで一括管理することができます。また、顧客の属性別などでデータをグループ分け(セグメント)することができ、顧客情報をわかりやすく管理することにも役立ちます。
アンケート結果を簡単に回収・保存できる
MAツールは、簡単にフォームを作成することができます。展示会アンケートはもちろん、別のマーケティングの施策として、自社でセミナーを開催するときや、Webマーケティングで資料ダウンロードフォームを作成するときなどにも活用できます。
展示会のアンケートフォームは、Web上での回答はもちろん、二次元バーコードに変換し参加者に展開すれば、スマートフォンからも手軽に回答することができます。フォームから送信された回答結果は、すべてデータでMAツール内に保存されます。
開催後の分析や個別フォローに活用できる
展示会アンケートの回答結果は、MAツール内で顧客情報と紐づけて管理されるため、「どの顧客といつどんな展示会で接触したのか、その後のマーケティングの施策でも成果に繋がったのか」といった情報を、適切に管理することが可能です。
また、展示会アンケートの回答結果ごとに顧客を抽出することなども可能で、その抽出・分析結果をもとに今後のマーケティングや営業活動の打ち手を思案するときに、役立てることができるのです。
シンプルで使いやすいMAツール「BowNow」とは?
展示会の業務で役に立つ『MAツール』について、簡単にご紹介しました。数あるMAツールのなかでも、はじめてMAツールを導入する際におすすめのツールをひとつご紹介します。『BowNow(バウナウ)』というツールです。
BowNowは、国内シェアNo.1※のMAツールで、2024年1月時点の導入社数は13,000社を超えています。運用体制が小規模である企業や、ツールに不慣れな企業でも安心して導入・運用できるよう、「リーズナブルな価格」と「シンプルな操作性」にこだわり、開発・提供されています。価格設定も無料で利用できるフリープランからあること、導入後に約3か月間の無料カスタマーサクセスサポートが受けられることも魅力の一つです。
※出典:株式会社DataSign「DataSign Webサービス調査レポート 2023.12」
関連記事:MAツール『BowNow』とは?
まとめ
本記事では、展示会アンケートを実施する目的や作り方、作成する際の注意点などの基本的な知識に加え、テンプレート例や、展示会の業務におすすめのツール『MAツール』など、実践的な内容についても解説しました。
展示会アンケートは、ブースに訪問した見込み客の検討状況や課題を把握するのに最適なツールです。適切なアンケート設計ができれば、展示会後のフォローアップを効果的に行えるようになり、商談へとつながる可能性は高まります。
アンケートの作成から管理まで行う際には、展示会で獲得した見込み客の選定をするという意識を持って取り組むと良いでしょう。本記事がみなさまのお役に立つと幸いです。
準備から展示会後の迫客方法まで!
展示会の効果を最大化させる12の手法
展示会の準備から当日運営、展示会後のアプローチまでを3つのフェーズに分け、各フェーズ毎に展示会効果を最大化するために即実践可能な12の手法をご紹介します。
監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子
新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。