MAツールのスコアリングとは?仕組みからMA初期の設計で失敗を防ぐ方法まで徹底解説!
MAツールのスコアリング機能は、リードの行動に点数を付けて、成果につながる可能性の高いリードを可視化する機能です。評価することで、アプローチの優先順位が明確になり、営業効率を上げることができます。
本記事ではそんなMAツールのスコアリング機能について詳しく説明するほか、スコアリングが難しいと思う場合の代案も紹介します。
MAのスコアリングは難しい!?
300名の実態調査から考える、成果につながるMAの選び方とは
総勢314名のMAツール運用担当者から聞いた、MAのスコアリング機能の活用の実態をもとに、自社に合ったMAツールの選び方や、スコアリング導入のメリット・デメリットなどをご紹介します。
目次
7 まとめ
MAツールのスコアリングとは
MAツール(マーケティングオートメーションツール)には、リード(見込み顧客)の行動に点数を付けて興味関心度合いをはかる「スコアリング機能」があります。Webへのアクセスやメールの開封、リンククリック、セミナーへの参加など、様々な行動に点数を付けることで成果につながる可能性の高いリードを可視化させる機能です。
そもそもスコアリングとは
スコアリングは「リードスコアリング」とも呼ばれる評価手法です。リードを属性や行動によって評価することで、アプローチの優先順位が明確になり、効率的な営業を可能にします。主に、「数を打てば当たる」といった不確定性の高い営業から抜け出し、営業効率を高めるために行われます。
MAツールのスコアリング機能
MAツールのスコアリング機能は、特定の「属性」や「行動」をとったリードに自動で点数を付けるというものです。
あらかじめ「この行動は〇点」と点数を決めて、設定しておく必要があります。またツールによっては、以下のような機能も搭載されています。
- 計算期間を設定
- 属性(企業情報や役職)でフィルタリング
- 特定の行動をスコアリングから除外
- ホットリードになったら通知
スコアリングの方法
実際にスコアリングを行う方法を、3つのステップにわけてご紹介します。
STEP1. ターゲット像とカスタマージャーニーマップを作成
自社のターゲット像を明確にします。その後、ターゲットがどういう過程でサービスを認知して購入に至るのか、購買までのプロセスも考えます。
スコアリングは顧客の属性や行動によりスコアを付けるため、受注確度の高い行動(属性)に高い点数を割り振れるよう、事前にペルソナとカスタマージャーニーマップを整えておくことが重要です。より具体的に考えることが、精度の高いスコアリングにつながります。
STEP2. 行動・属性でスコアリング
スコアリングには「行動スコア」と「属性スコア」の2種類があります。
行動スコア・・・「資料ダウンロードをしたら〇点」「メルマガを開封したら〇点」「セミナーに参加したら〇点」など、行動でスコアを付ける。 属性スコア・・・役職、企業規模、業種、地域などでスコアを付ける。 |
どのような行動をスコアリングできるかはツールにより異なります。大抵は、Webサイトの閲覧やメールの開封、資料ダウンロードなどのオンライン行動が対象です。
属性スコアの場合、意思決定権のある役職についている人や、商品が売れそうな業種ほど高い点数を付けます。自社が求めるターゲットにマッチする属性が高得点になるよう設定することで、顧客情報を逐一確認しなくても、数字で重要度が判断できるようになります。
STEP3. ホットリードを抽出し営業部門へ渡す
事前に「一定期間内に〇点以上スコアを獲得」「いくつかの行動と属性が〇点以上を超える」など、ホットリードの条件を定めておき、行動・属性スコアの合計が決めた数値を超えたら、「ホットリード」として抽出します。
ホットリードは営業が直接アポイントを行い、点数の低いリードはメルマガなどでナーチャリングを行うなど、点数によりアプローチ方法を変えることで営業効率を高めることが可能です。
スコアリングのメリット
MAツールでスコアリングを行うことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは大きく3つに絞り紹介していきます。
顧客の状態に合わせたナーチャリングが可能になる
セミナーの参加や資料ダウンロードをしたからといって、購入意思があるわけではありません。購入意欲を高めるナーチャリングは必要です。しかし、ナーチャリングには時間がかかります。新しいリードがどんどん入ってきたら、情報があふれて、次第に管理できなくなるでしょう。
そこで重要になるのがスコアリングです。ホットリードを抽出できるため、リードが増えても検討の見込みが高い顧客を見落とす心配がありません。リアルタイムに情報更新がされるため、興味関心が最大限高まっていると思われるタイミングで接触できます。
営業とマーケティングを最適化
営業がアプローチすべきリードと、まだニーズが顕在化しておらず、マーケティング部門でナーチャリングが必要なリードが明確になるため、営業とマーケティングの役割が最適化されます。
営業とマーケティングが重複してアプローチしてしまうといった事態を防ぎ、スムーズな連携が可能になるのもスコアリングのメリットです。
マーケティング施策を効率化
リードの興味・関心度合いが数値でわかるため、スコアごとに最適な施策を実行できます。マーケティング活動を効率化させるのに役立つでしょう。数値化することで、効果測定や分析もしやすくなります。
スコアリングを続けることで、購買活動につながる行動とつながらない行動といった情報が蓄積されるため、リードの理解を深めることも可能です。
スコアリングのデメリット
ホットリードは、始めから確実に抽出できるわけではありません。企業によってターゲットやサービスが異なるため、「この行動は〇点にする」という基準が無く、自社のサービスや特徴に合わせて調整していく必要があります。求める成果を出すためには時間がかかるでしょう。PDCAを回して修正を重ね、精度を高める作業が必要です。
また、高い点数のリードでも、確実に「購入意欲がある」とは言えません。営業に渡しても結果が出ないこともあります。スコアリングで定めたホットリードは、あくまで「他より可能性の高いリード」という認識になります。
MAツール導入企業の多くが「スコアリングは難しい」と回答
MAツール利用者で「スコアリングが難しい」と感じる人は少なくありません。実際、クラウドサーカスが2021年10月に発表した「マーケティングオートメーションに関するアンケート調査結果レポート」では、「あなたが、マーケティングオートメーションで難しい(使いこなせない)と感じる機能は何ですか?」と質問したところ、シナリオ機能に並び、スコアリング機能が上位を占めました。
「難しい(使いこなせない)と感じる機能」は、2017年から5年連続でスコアリングが上位を占めており、多くの企業が苦心していることがわかります。また、「スコアリングが難しい(使いこなせない)」と回答した人の多くが、「費用対効果の計測方法がわからない」 「機能がつかいこなせないから」という回答をしています。スコアリングはメリットが多い一方で運用のハードルが高く、難しい手法と言えます。
MAのスコアリングは難しい!?
300名の実態調査から考える、成果につながるMAの選び方とは
この資料では、以下のことを紹介しています。 ✔ スコアリングとは ✔ スコアリングは使いこなせない?
MAツール運用担当者314名に聞いた実態 ✔ 自社に合ったMAツールを知ろう!MAツール3大タイプとは
スコアリングで失敗しないためには
スコアリングで失敗しないためには、適切なスコアを得られるように精度を高めることが大切です。ブラッシュアップを続けることで良い効果が得られるようになります。
全ての行動に点数を付ける必要はありません。現在の顧客が見込み顧客だったころの行動を参考にするなど、リアルな情報を元に点数を考え、自社にとって重要な行動にのみ、適切な数字で加点できるよう調整しましょう。
始めから完璧な配点を目指すのではなく、最初はざっくり考えて、徐々にブラッシュアップしていくのがおすすめです。実用前に、既存の顧客情報を元にスコアリングのテストを行い、精度を確認しておくのも良いでしょう。
スコアリングを自動化するABMテンプレートがおすすめ
スコアリングに不安がある場合は、始めからスコアリングの代用機能が搭載されているMAツールを導入しましょう。例えば、MAツール「BowNow」には、スコアリングやシナリオの設計をしなくても自動的にステータス分類をして、ホットリード可視化させる「ABMテンプレート」というものがあります。
ABMテンプレートとは?
ABMテンプレートは、「Webサイトを1か月以内に〇回閲覧したリードは、ステータスが潜在から顕在に変わる」など、スコアリングに似た設定を自動で行うテンプレートです。MAツール『BowNow』を導入した企業、約14,000社のノウハウをもとに作られています。
詳しくはこちら:MAツール『BowNow(バウナウ)』のABMテンプレートとは
縦軸は、自社で設定するターゲットランクです。重要な顧客をA、B、Cでランク分けします。横軸はA、B、Cでランク分けした顧客が「潜在」「顕在」「アポ見込み」など、どの状態にいるのかを表しています。確認したい面、例えば「顕在化」の面をクリックすると、該当するリードの一覧が表示される仕組みです。
リードが特定のアクションを一定数行ったら、潜在から顕在へステータスが更新され、自動で営業担当者に通知が入ります。ABMテンプレートの画面を確認しなくても、顕在化したタイミングでお知らせしてくれるため、営業効率向上に役立つでしょう。
また、ABMテンプレートが搭載されているMAツール『BowNow』については、以下より詳しくご確認いただけます。よろしければ、合わせてお役立ていただけましたら幸いです。
関連ページ:MAツール『BowNow』とは
スコアリングの注意点と成果を出すために必要なこと
では、スコアリングで成果を出すためには、どういったことに注意したり、ポイントとして抑えればよいのでしょうか。
スコアは過信しすぎない
購買活動を100%予測することはできません。スコアを過信しすぎず、PDCAを回しながら調整していくことが重要です。テンプレートを使わず、自社で全て行う場合は、細かく調整しながら精度を上げていきましょう。
また、高得点1つだけで判断しないよう、複合的な要素で高いスコアになるよう考えることも重要です。時間により興味関心は移り変わるため、時間経過で関心度合いが下がっている可能性も加味する必要があります。
マーケティング部門と営業部門の連携が鍵
MAツールのスコアリングで成果を出すには、マーケティング部門と営業部門の連携は欠かせません。営業部門へと引き渡したリードがその後どうなったのか、何割が商談につながり何割が受注へつながったのかなど、それぞれの成果を確認しながら改善することが重要です。
競合他社が先に話を進めている顧客が多い場合は少し早めに行動するなど、様々な情報を取り入れて進めましょう。
まとめ
MAツールに搭載されているスコアリング機能は、マーケティングや営業の業務を効率化させる手段として有効です。しかし、事前準備や緻密な調整が必要になるため、多くの人が「難しい」「使いこなせない」と感じる機能でもあります。
「本当に自社のマーケティングチームや営業チームの状況に、スコアリングの導入が合っているのか」「自社のチームのマーケティングスキルが、スコアリングの運用に適したレベルまで習熟しているのか」など確認した上で、自社に最適なMAツールの導入を検討するようにしましょう。
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監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子
新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。