KDIとは?KGI・KPIとの違いや設定の手順、注意ポイントをわかりやすく紹介

KDIは、目標達成に向けた具体的な行動を数値化した指標です。KGIが「最終的なゴール」、KPIが「中間目標」を表すのに対し、KDIは「具体的な行動」にフォーカスしています。KPIを達成するために「どのような行動を、何回実施するか」といった取り組みを明確にするのが特徴です。
本記事では、KDIの役割やKGI・KPIとの違い、目標設定の具体的な手順をわかりやすく解説します。KDIを正しく活用すれば、効率的な業務改善や成果の向上につながり、組織全体の成長を促進することが可能です。

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目次
KDIとは?
KDI(Key Do Indicator:重要行動指標)は、目標達成に向けた具体的な行動を数値化した指標です。中間目標である「KPI」を達成するため、どのような行動が必要なのかを明確にします。
たとえば、「売上高の増加」といった目標を達成するために、「今月の見積もり数を⚪︎件にする」というKPIを設定した場合、その実現に向けた「商談件数」や「訪問件数」がKDIとなります。
KDIの役割
KDIの主な役割は、KPI達成に必要な行動を数値化して示すことです。「何をどれだけ行うべきか」を詳しく設定することで、個人やチームが日々の業務で取るべき行動を把握しやすくなります。
漠然とした目標だけでは、進捗を把握したり、改善点を見つけたりするのは難しいですが、KDIを設定することで、可視化しやすくなります。また、行動を数値で管理すれば、問題発生時にも迅速に原因を特定し、適切な対策を講じやすくなるでしょう。
KDI設定の具体例
KDIには、どのような設定があるのでしょうか。「KPI」と、それに連動した「KDI」の具体例を3つ紹介します。
KPI | KDI | 詳細 |
---|---|---|
新規顧客数の増加 | ・週に10回の新規営業電話を行う ・毎月5件の新規顧客訪問を実施する |
新規顧客を獲得するために、積極的な営業電話や顧客訪問といった具体的な行動を定めている |
Webサイト訪問者数の増加 | ・毎週2本のブログ記事を公開する ・月に3回、新規コンテンツを配信する |
Webサイト訪問者を増やすためには、役立つブログ記事の公開や価値のあるコンテンツ配信が効果的 |
見込み顧客の購買意欲の向上 | ・月に3回、見込み顧客に向けたウェビナーを開催する ・週に2回、メールマガジンを送信する |
見込み顧客の購買意欲を高めるため、ウェビナーの開催やメールマガジンの配信を具体的な行動として設定 |
KDIとKGI・KPIの違いとは?
KDIとKGI・KPIには、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの特徴を解説します。

KGIは「最終的なゴール」
KGI(重要目標達成指標)は、経営やマーケティング活動で最終的に達成すべきゴールを数値化した指標です。簡単にいえば、企業が目指す最終的な目標のこと。売上高や利益率、新規顧客数などが代表例として挙げられます。
単に「昨年より売上を増やしたい」と漠然と考えるのではなく、「来年度末までに売上高を20%向上させる」といったように、具体的な数値に落とし込むことが重要です。設定することで、目標達成までのプロセスが見えやすくなり、チーム全体の認識も統一しやすくなるでしょう。
KPIは「中間目標」
KPI(重要業績評価指標)は、KGIを達成するための中間目標を指します。顧客満足度や受注数、商談化数などが挙げられ、企業や業種によって異なります。
KPIを設定すると、最終目標までの道筋が明確になり、各段階で達成すべきポイントが整理されます。たとえば、KGIが「売上を来年度までに20%増やす」の場合、それを実現するための要素を細かく分解し、「商談化数⚪︎件」「受注数⚪︎件」といったKPIを設定することで、どのような成果を上げるべきかがわかりやすくなります。こうすることで、チーム全体が停滞することなく、スムーズに動けるようになるでしょう。
KGI・KPI・KDIのメリット
KGI・KPI・KDIを活用することで、以下の代表的な3つのメリットについて紹介します。
定量的な目標設定ができる
KGI・KPI・KDIは、すべて数値で設定するため、目標や行動をデータに基づいて明確に把握できます。目標を数値化することで、プロジェクトの進捗を客観的に評価しやすくなり、改善点の発見もスムーズになります。
さらに、KGIからKPI、KDIへと細分化することで、チーム全体に具体的な行動指針を示せるのも大きな利点です。
正当な評価がしやすい
KGI・KPI・KDIを活用すると、個々の成果を客観的に判断できます。評価基準が明確になるため、公平な人事評価が可能です。KPIだけでなく、KDIでは「どれだけ行動したか」に焦点を当てるため、試行錯誤のプロセスも評価対象になります。
たとえば、KPIが未達成でも、KDIの実施数が多ければ、その取り組み自体を評価できます。このように、結果とプロセスの両面を考慮した評価基準を確立できる点が、大きなメリットといえるでしょう。
改善点が見つけやすい
KGI・KPI・KDIを組み合わせることで、目標達成に向けた課題を早期に発見しやすくなります。特に、進捗を細かく把握するには、KPIやKDIが役立ちます。
KPIの達成状況を確認することで、課題を早期に特定し、計画を迅速に修正できます。また、KDIを活用すれば、どのアクションが不足しているのかを具体的に分析できるため、効率的な改善策が講じやすくなります。これにより、問題を放置せず、効果的に成果につなげられるでしょう。
目標設定の4つのステップ
目標を設定する際には、段階ごとに整理し、4つのステップで進めていきましょう。

STEP1. 目的を明確にする
最初のステップは、「目的」を明確にすることです。この段階では、数値目標を具体化する必要はありません。達成したい姿や、理想の状態をイメージし、それが現実的で期限内に実現可能かを検討しましょう。目的があいまいなままだと、後の目標設定がブレてしまいます。戦略全体の土台となる重要なステップなので、丁寧に進めることが大切です。
STEP2. KGIを設定する
目的が決まったら、次にKGIを設定します。KGIは「いつまでに」「どれくらい達成するのか」を具体的な数値で示します。たとえば、「半年間で売上1,000万円を達成」や「顧客満足度85%を獲得」など、測定可能な目標を決めましょう。抽象的な理想ではなく、実現可能な数値を設定することで、次のステップで決めるKPIやKDIも現実的なものになります。
STEP3. KPIを設定する
KGIを達成するための中間目標として、KPIを設定します。具体的で測定可能な指標を選ぶことで、進捗が把握しやすくなります。たとえば、「毎月リード件数を20件獲得」や「メール開封率を30%に向上」といった数値を設定すると、施策の効果が明確になり、必要な改善点も見えてきます。適切なKPIを設定することで、目標達成に向けた効果的なアクションが取れるようになります。
STEP4. KDIを設定する
最後に、KDIを設定します。KPIをもとに、「何を」「どのくらいの頻度で」「どのタイミングで」実行するかを明確にすることが重要です。たとえば、「週に5件のブログを公開する」「1日10件の見込み顧客に電話をかける」といった具体的な行動に落とし込みましょう。優先順位をつけることで、効率的に目標へと近づけます。
ただし、KDIの数が多くなりすぎると、重要な施策が見えにくくなります。必要な項目に絞り込むことで、実現しやすくなり、KPIの達成につながりやすくなるでしょう。

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KGI・KPI・KDIの設定で注意すべき2つのポイント
KGI・KPI・KDIを設定するために、特に重要な2つのポイントを紹介します。
KGI・KPI・KDIが連動しているか
KGI・KPI・KDIは、個別の指標ではなく、それぞれが密接に関係しています。具体的な行動指標(KDI)を積み重ねることで、中間目標(KPI)の達成につながり、最終的にKGIの実現へと結びつきます。この流れが途切れると、目標達成までに余計な時間や労力がかかる可能性があります。
特に、KDIとKPIが適切に連動していないケースはよく見られます。定期的にチェックし、各指標がスムーズに連携するよう調整することが重要です。仕組みを見直すことで、KGI達成の確率を高められるでしょう。
目標設定を定期的に見直す
目標を設定したら、それで終わりではありません。定期的な見直しを行うことが大切です。ビジネス環境は常に変化しており、設定した目標が市場に合わなくなることもあります。特に、KDIは具体的な行動指標であるため、外部の影響を受けやすい傾向があります。
目標が現状に適しているか、達成可能な内容になっているか、優先順位に問題がないかを確認しましょう。定期的に見直すことで、KGIの達成がスムーズになり、より実践的な目標設定が可能になります。
KDIを分析する4つのステップ
最後に、KDIを分析する手順を紹介します。

STEP1. 現状を把握する
KDIの分析は、まず現状を正しく把握することからはじめます。現時点でどの程度達成しているのかを定期的に測定し、具体的なデータを集めましょう。たとえば、「10日間で4つのコンテンツを公開する」というKDIを設定した場合、10日目に2記事しか配信できていなければ、達成率は50%となります。
このように数値で進捗を確認することで、遅れや課題が明確になります。現状を正確に分析することが、次のステップで適切な対策を講じるための土台となります。
STEP2. 未達成の原因を探る
KDIの進捗が目標に届いていない場合、その原因を特定しましょう。時間配分に問題があるのか、リソースが不足しているのか、計画そのものが適切ではなかったのか。複数の視点から要因を洗い出すことで、課題がクリアになり、次のステップで改善策を立てやすくなります。問題を客観的に見極めることが、KGI達成への近道です。
STEP3. 改善策を実施する
未達成の要因がわかったら、それを解決するための具体的な改善策を検討します。たとえば、記事コンテンツの執筆が間に合わなかった場合、作業の効率化やスケジュールの見直し、外部リソースの活用などが考えられます。
重要なのは、実行可能な対策を選び、確実に実施することです。場当たり的な対応ではなく、KGI達成を見据えた戦略的なアプローチを意識しましょう。
STEP4. 達成するまで分析を続ける
KDIが達成されるまで、分析と改善を繰り返すことが重要です。要因を特定し、対策を実行しても、すぐに成果が出るとは限りません。時には見落としがあったり、想定外の課題が発生したりすることもあります。一度の分析で終わらせず、継続的に検証を行いましょう。
また、チーム全体で取り組むことで、より精度の高い分析が可能になります。KGIの達成を目指し、PDCAを意識した改善サイクルを回し続けることが大切です。
まとめ
KDIの設定により、KPI、KGI達成に向けた具体的な行動が明確になります。KGI、KPI、KDIまでのプロセスを適切に連携させれば、組織全体が効率よく目標へ向かうための仕組みが構築できます。また、KDIを的確に設定すれば、課題の発見や改善策の実行がスムーズになり、効果的な目標達成へとつながるでしょう。
最初は設定に戸惑うかもしれません。ただし、手順に沿って進めながら定期的な見直しや分析を重ねれば、その効果を実感できるはずです。KDIを上手に活用し、目標達成へ向けた戦略的なアプローチを実現していきましょう。
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監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子

新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。