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KGIとは?KPIやOKRとの違い、設定するメリットやポイントを解説

(公開:2025/02/28)
KGIとは?KPIやOKRとの違い、設定するメリットやポイントを解説

KGI(Key Goal Indicator)は、企業やプロジェクトが目指すべき最終的なゴールを定量化したものを指します。ゴールをしっかり設定することで、チーム全体の方向性が明確になり、効率的に戦略を実行しやすくなります。

本コラムでは、「KGIとは何か?」という基本から、具体例やKPI・OKRとの違い、さらにKGIを設定する際のメリットや注意点について解説します。

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KGIとは?

KGI(Key Goal Indicator)は、日本語で「重要目標達成指標」と訳され、最終的なゴールを意味する言葉です。ビジネスや経営における最終目標を定量的に示すもので、成果を具体的な数値で表す点が特徴です。

KGIを設定することで、組織全体の方向性が明確になり、目標達成に向けた行動を取りやすくなります。特に、マーケティングや経営戦略の立案において、達成までのプロセスを可視化するための重要な指標といえるでしょう。

【具体例】どのようなKGIがある?

主な具体例として、以下のようなものが挙げられます。

・売上高
・利益率
・市場シェア率
・新規顧客獲得数
・顧客維持率

KGIの設定内容は、業界やビジネスモデルによって大きく異なります。たとえば、大規模な企業であれば、利益や効率性に重点を置くケースが多いです。「営業利益10億円を達成する」や「新規顧客の売上を前年対比120%にする」といった具体例が考えられます。このように、KGIは企業の目指すべき姿を具体的に示し、目標達成への道筋を明確にします。

 

KGIとKPI・KSF・OKRとの違い

KGIと関連する言葉に「KPI」「KSF」「OKR」があります。ここでは、それぞれがKGIとどのように異なるのかを詳しく解説します。

KGIとKPI・KSF・OKRとの違い

KPIは「中間目標」

KPI(Key Performance Indicator)は、日本語で「重要業績評価指標」と呼ばれ、KGIを達成するためのプロセスを測る指標を指します。KGIが「ゴール」を示すのに対し、KPIはそのゴールに向かう「中間目標」といえるでしょう。

たとえば、KGIを「売上高」と設定した場合、その売上を増やすための「サイトのアクセス数」や「コンバージョン率」がKPIとなります。KPIの特徴は、日々の業務に直接結びつく具体的な数値である点です。設定することで、現場レベルでの進捗確認や業務改善がスムーズに行えるようになります。

関連記事:KPIとは?KGIとの違いやメリット、設定手順など簡単にわかりやすく解説!

 

KSFは「成功に必要な要因」

KSF(Key Success Factor)は、日本語で「重要成功要因」と訳され、KGIやKPIを達成するために、必要な要因や行動を示します。数値目標ではなく、「成功のために何をするべきか」という視点からプロセスを検討していくのが特徴です。

たとえば、「市場シェアを20%に拡大する」というKGIを設定した場合、KSFには「競合分析をもとに製品を改善する」や「効率的なマーケティング戦略を立てる」などが挙げられます。KSFを設定することで、KGIやKPIを達成するための、実践的な業務行動がわかります。

 

OKRは「目標と主な成果」

OKR(Objectives and Key Results)は、日本語で「目標と主な成果」と訳され、チームや個人の目標を管理するフレームワークです。企業の目標と個人の目標を連動させることで、モチベーションを高める効果があります。

OKRの設定は、「達成目標(Objectives)」と「主な成果(Key Results)」に分けて行います。たとえば、「目標:新規顧客層を開拓する」をObjectivesとし、「成果:6か月以内に新規顧客数を30%増加させる」といったKey Resultsを設定します。一般的には、簡単には達成できない目標を掲げるため、理想的な達成率は60〜70%とされています。OKRのメリットは、目標設定が柔軟である点です。四半期ごとに見直すことが推奨されており、変化の多い環境でも対応しやすい手法といえます。

 

KGIを設定する4つのメリット

ここからは、KGIを設定する主なメリットを4つ紹介します。

明確なゴール設定ができる

KGIを設定することで、目指すべきゴールを社内で共有しやすくなります。たとえば、「多くのお客様に商品を届ける」といった抽象的な目標にしてしまうと、社員ごとに解釈が異なり、具体的な行動計画を立てにくくなります。しかし、「売上を前年比120%に増加させる」といった数値化されたKGIを設定すれば、目指すべき方向がはっきりします。

さらに、ゴール達成の基準が明らかになることで、チームの結束力も向上します。社員一人ひとりが自分の役割を理解し、優先すべき業務がわかるため、チーム全体として効率的に動けるようになるでしょう。

 

モチベーション維持につながる

適切なKGIの設定は、従業員のモチベーションを向上させる効果があります。目的が明確になることで、自分の業務がチームにどう貢献しているのかを実感しやすくなり、日々のタスクにもよりやりがいを感じられるでしょう。

また、KGIによって成果が可視化されることで、努力が正当に評価されるようになります。公平な評価制度は、従業員のやる気を高めるだけでなく、さらなるスキルアップにもつながります。加えて、共通の目標に取り組むことで、チームワークも強化され、組織全体に一体感が生まれる点も大きなメリットです。

 

ステークホルダーの理解を深める

KGIの設定で、株主や取引先、顧客といった外部のステークホルダーに、自社の取り組みを伝えやすくなります。言葉だけでは伝えきれない内容を補足し、相手の信頼を得る助けとなるでしょう。

さらに、目標達成に向けた進捗状況を定期的に公開することで、組織の透明性や信頼性が示せます。良好な関係を築きやすくなり、新たなビジネスチャンスや支援を得るきっかけになるでしょう。

 

目標への進捗を確認できる

KGIを設定すると、最終目標の進捗を客観的に確認することが可能です。数値として目標が明確になるため、現状どの程度達成しているかがわかり、状況に応じた対応を取ることができます。

たとえば、「年間売上を1億円にする」というKGIが設定されていれば、四半期ごとの進捗状況を評価しながら、戦略を柔軟に見直すことができます。このように、KGIを活用して進捗状況を可視化することで、目標達成を目指すだけでなく、組織全体で課題を共有できます。迅速な改善行動を促す効果も期待できるでしょう。

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KGIを設定する際の4つのポイント

実際に、KGIを設定する際はどのような点に注意が必要なのでしょうか。ここでは、設定するときに押さえておくべきポイントを4つ紹介します。

SMARTの法則を活用する

KGI設定におけるSMARTの法則の活用

KGIを設定するときには、「SMARTの法則」を活用すると、具体的で効果的な目標が立てられます。この法則は、次の5つの要素から成り立っています。

・Specific(具体的に):目標が明確で、あいまいさがないこと
・Measurable(計測できる):進捗や成果を数値で評価できること
・Achievable(達成できる):実現可能で現実的な目標であること
・Related(経営目線に関連している):目標が企業のビジョンや従業員の活動と関連していること
・Time-bound(期間制約がある):目標達成の期限が設定されていること

この5つの項目を確認することで、目標があいまいにならず、達成に向けた具体的な行動計画が立てられます。特に「関連性」を意識することが重要です。

たとえば、企業のビジョンが「持続可能な社会の実現」であるにもかかわらず、KGIが「短期的な収益拡大」のみを追求している場合、目標に一貫性がなくなり、組織全体の方向性がブレてしまう可能性があります。SMARTの法則を使って、ビジョンと整合性の取れたKGIを設定することで、全員が同じ目標に向かい、効率よく取り組めるようになるでしょう。

関連記事:SMARTとは?成果に繋がる目標設定の方法や、活用の注意点など徹底解説

 

定量化できる指標を選ぶ

KGIを設定する際は、必ず数値化できる指標を選びましょう。目標が定量化されていないと、達成状況を把握できず、チーム内で目指す方向性の認識にズレが生じる恐れがあります。

単に、「顧客満足度を向上させたい」という目標を掲げるだけでは、進捗を評価することは難しいでしょう。しかし、「顧客満足度を5段階評価のうちの4に引き上げる」といった形で数値化すれば、モニタリングが可能になります。定量化することで、効果的な施策の立案や進捗確認がスムーズに行えます。

 

改善可能な目標を設定する

KGIの設定には、現実的に改善可能な目標を選ぶことが大切になります。どんなに具体的な目標を掲げても、それが施策によって改善できないものであれば、達成することは困難です。施策の結果が、KGIにどのように影響するかを見極め、目標と施策が連動するように設計しましょう。

たとえば、「来期の売上を2倍に増やす」という目標を掲げても、極端な値上げや、非現実的な販売数の増加をしなければいけない場合、達成は難しくなります。目標設定の際は、達成の可能性と改善余地のバランスを見極めることがポイントです。

 

KGIにつながるKPIを設定する

KGIと連動したKPIを設定することも非常に重要です。KGIとの結びつきが弱いKPIを追いかけても、最終的な目標には到達できません。たとえば、KGIとして「売上を20%増加させる」と設定した場合、「アプリの滞在時間を延長する」という指標が、直接的な売上につながらないのであれば、それをKPIにするのは適切ではありません。

このような問題を防ぐには、「KPIツリー」の活用が効果的です。KGIを段階的に分解し、実行可能な指標を洗い出すことで、KGIと関連性の高いKPIを設計できます。これにより、目標達成に向けた具体的で効果的な行動が導き出されるでしょう。

KPIツリー

関連記事:ロジックツリーとは?作り方や例を4つの種類別に徹底解説

 

まとめ

KGIを正しく設定することは、ビジネスの成功を後押しします。明確なゴールを設定し、KPIやKSFと組み合わせることで、チーム全体が一丸となって目標に向かえるでしょう。

はじめてKGIやKPIを設定するときは、何を目標にすればよいのか、悩むこともあるかもしれません。しかし、ポイントを押さえて設定すれば、ビジネスの道しるべとして大きな効果を発揮します。ぜひKGIを活用して、戦略的で効率的な目標達成を目指してみてください。

 

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監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子

新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。

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