マーケティングオートメーション(MA)の導入でよくある失敗事例9選・成功に向けた対策と一緒に紹介

マーケティングオートメーション(MA)は、見込み顧客の獲得から育成、選別までを効率化し、企業のマーケティング活動の成果を向上させる仕組みです。とはいえ、導入しただけですぐに成果が出るような万能ツールというわけではありません。
実際には、MAツールの導入や運用でつまずき、「思ったような効果が出ない」「結局使いこなせなかった」と感じる企業も少なくないのが現状です。導入したものの活かしきれなければ、大きな機会損失にもつながりかねません。
本記事では、MAツールの導入でよくある失敗パターンと、その対策をわかりやすく解説します。つまずきやすいポイントを事前に知っておくことで、スムーズな運用と着実な成果につなげましょう。

これを読めば全てがわかる!
世界一わかりやすい!マーケティングオートメーションとは
BtoB・BtoC問わず、導入する企業が増えているマーケティングオートメーション。本書では、MAが必要とされる理由からその導入効果まで、図解と合わせてわかりやすく解説しています。MAを知るなら必読の1冊です。
目次
マーケティングオートメーション(MA)とは
マーケティングオートメーション(MA)ツールの導入で失敗しないためには、まず「MAとは何か?」を正しく理解しておくことが大切です。
MAとは、営業やマーケティングの業務を効率化し、成果につなげるための仕組みです。たとえば、見込み顧客(リード)の行動を記録し、その行動に応じて適切なタイミングでメールを自動送信するなど、これまで手作業で行っていた業務を自動化できます。その結果、担当者は戦略的な業務に集中しやすくなります。
重要なのは、リードと信頼関係を築き、成約につなげていく流れを仕組み化することです。このプロセスを自動化できるのが、MAツールの大きな特長です。
近年、購買行動は多様化しています。すべての顧客に同じアプローチをしても効果が出にくくなっているため、ニーズに合わせたきめ細やかな対応が求められています。MAツールは、顧客情報の一元管理や行動履歴の把握などを通じて、こうした対応をサポートしてくれる心強いツールといえるでしょう。

マーケティングオートメーション(MA)ツールの導入でよくある「失敗事例」9選
では、MAツールを導入すると、どのような失敗が多いのでしょうか。ここでは、よくある8つの失敗事例をご紹介します。
失敗その1:目的・目標があいまいなまま導入してしまう
MAツールを導入する際に多いのが、「なんとなく効果がありそうだから」とあいまいな理由ではじめてしまうパターンです。目的がはっきりしていないと、何に取り組めばよいのか、どの機能を使えばいいのかわからず、結果としてツールが活かされないまま終わってしまいます。
まずは、「自社がMAを導入する理由」を明確にしましょう。「営業チームに渡すリード数を月に20件増やしたい」「メールの開封率を15%まで高めたい」など、数値目標を設定することがポイントです。目標が具体的になることで、運用の方向性も自然と見えてきます。あわせて、チーム全体で目的を共有し、どのように運用するかを事前に整理しておくと、導入後の混乱も防げます。
失敗その2:見込み顧客の数が少ない
MAツールは、見込み顧客へのアプローチを効率化するためのツールです。しかし、対象となるリストが少ないと、そもそも施策が機能しません。また、データの母数が少なすぎると、施策の効果検証が難しくなり、改善にもつなげにくくなります。
たとえば、配信リストが500件あるとしても、メールの開封率が20%なら、実際に読まれるのは100件ほどになります。さらに、その中から商談につながるリードを生み出すとなると、かなり限られた数になってしまいます。
MAの導入を検討する前に、まずは社内にある顧客リストの件数や質を確認しましょう。もし十分な件数がない場合は、社内に散在している顧客データの統合や、新しい見込み顧客の獲得施策を優先的に進めることが必要です。リストの整備が進んでからMAを導入することで、より高い成果が見込めます。
失敗その3:機能が複雑すぎてツールを使いこなせない
MAツールの中には、マーケティングの専門知識を前提に設計されているものも多く、初心者にとっては操作がわかりづらく感じることがあります。
特に中小企業では、マーケティング専任の担当者が1名だけ、あるいは他の業務と兼任しているケースが多いです。こうした体制で高機能なツールを導入しても、十分に使いこなす時間や余裕がなく、思うような成果が出ないまま終わってしまうこともあります。なかでも、MAツールのシナリオ設計やスコアリング機能は、ある程度の知識と経験を要するため、ハードルが高くなりがちです。
そのため、ツール選定の際には、自社の体制やスキルレベルに合ったものを選ぶことが重要です。まずは、操作がわかりやすく、基本的な機能に絞ったツールからはじめると、現場にもスムーズに浸透します。必要な操作に慣れてきたら、段階的に活用の幅を広げていくようにしましょう。
失敗その4:運用開始までの「設定」で時間がかかっている
MAを導入しても運用のPDCAが回っていない場合、運用を開始するまでのステップに時間がかかっていることがあります。弊社が以前に行った調査では、MA導入(契約開始)後から実際に運用を開始するまでに、約60%の会社が4カ月以上の時間を要していることがわかりました。MAの運用を開始するには、一般的に以下のような過程を経る必要があります。

【要件定義】 【運用体制の設計】 【運用計画】 【導入準備】 |
これを完了させるまでに多くの時間と人的リソースを要します。さらに、最も本質的な課題は「これほど時間と労力をかけて作った体制やルール・方針を、運用開始後には変えづらいこと」だと言えます。時間をかけて考え、部署間で調整して決めたルールを、実運用を開始した直後に変えることは容易ではありません。MAツールの運用開始までのステップの複雑さと、複雑さゆえの変更のしづらさが、PDCAサイクルが回らない状態を引き起こす要因になっているのです。
失敗その5:人的リソースやスキルが不足している
MAを導入しても、運用を担当する人がいなければ、その効果は十分に発揮されません。MAは便利なツールですが、戦略の立案やシナリオ設計、分析・改善など、使いこなすには一定の知識と手間が必要です。マーケティングの基本的な理解も求められます。円滑な運用のためには、マーケティングと営業の間をつなぐ調整役や、ツールに詳しい担当者が必要です。導入前に「誰が運用を担当するのか」「必要なスキルをどう補うのか」をあらかじめ整理しておきましょう。
失敗その6:コンテンツが不足している
MAツールを導入しても、コンテンツが足りなければリード育成はうまくいきません。MAは「見込み顧客に適切な情報を届けること」が重要で、検討段階に応じた多様なコンテンツが必要になります。
たとえば、製品に興味を持っている人でも、「まず概要を知りたい人」と「導入手順まで知りたい人」では、求めている情報が異なります。さまざまな顧客に適したコンテンツがそろっていないと、メールを送っても効果が薄くなり、離脱されてしまう可能性があります。
また、サイト上のコンテンツが少ないと、顧客の行動データを分析しても判断材料がそろわず、営業へ引き渡すタイミングが見極めづらくなります。MAを効果的に活用するには、あらかじめ顧客の関心や検討ステージごとに、届けるべき情報を準備しておくことが大切です。
失敗その7:マーケティング部門と営業部門の連携が不十分
MAツール導入時に見落とされがちなのが、マーケティング部門と営業部門の連携不足です。両者が別々に動いていると、せっかく獲得したリードもスムーズに引き継がれず、商談化しないまま終わってしまうことがあります。
たとえば、マーケティング側が「スコア80点で営業にパスする」と決めていても、営業からは「まだ検討段階で早すぎる」という反応が返ってくることがあります。逆に、営業が求めるレベルに達する前にリードを渡してしまい、フォローの負担が増える場合もあります。こうした認識のズレを防ぐには、導入前の段階で、両部門がリードの定義や引き渡し基準をすり合わせておくことが大切です。運用開始後も定期的に情報を共有し、営業現場のフィードバックを反映しながら改善していくとよいでしょう。
失敗その8:運用するための「設計図」がない
MAツールを導入したものの、具体的な運用設計がないまま使いはじめてしまうケースも多いです。「導入すれば何とかなる」と考えがちですが、しっかりと準備していなければツールの効果を活かしきれません。
運用をスムーズに進めるには、顧客がどのようなプロセスで購入に至るかを整理し、それに合わせた施策を設計しておくことが必要です。以下の方針を決めておくと、運用の見通しが立てやすくなります。
|
ただし、このような設計はMA運用のなかでもハードルが高いとされています。最初から完璧を目指すのではなく、まずはメール配信のような基本的な機能から試してみるのもひとつの方法です。顧客の反応を見ながら、徐々にシナリオ機能や自動化を取り入れていくことで、無理のない形で設計を進められます。
失敗その9:効果が出る前に「使えない」とあきらめてしまう
導入してすぐに効果が見えないからといって、「このツールは役に立たない」と判断してしまうのは、よくある失敗のひとつです。特に、経営層から「早く成果を出してほしい」とプレッシャーがかかると、十分な検証を行う前に運用をやめてしまうケースも少なくありません。
しかし、MAツールは短期的に売上を伸ばすものではなく、中長期的に顧客を育てていく仕組みです。見込み顧客を商談へとつなげるには、ある程度の時間とプロセスが必要です。
成果を得るには、「継続的に運用を続けること」「検証と改善を積み重ねること」がポイントです。はじめのうちは手応えがなくても、運用を続けるうちに営業との連携もスムーズになり、徐々に成果が見えてきます。短期的ではなく、地道に取り組み続ける姿勢が成果につながります。

世界一わかりやすいマーケティングオートメーション
この資料では、以下のことを紹介しています。 ✔ マーケティングオートメーション(MA)とは ✔ MAが必要とされる3大理由 ✔ MAの導入で得られる4つの効果
MAツール導入で「失敗しない」ための5つのポイント
では、MA導入で失敗しないためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。ここでは、導入前に押さえておきたい5つのポイントをご紹介します。
1.自社のマーケティング課題と目的を明確にする
MAを導入する前に、「なぜ導入するのか」という目的を明らかにしておく必要があります。よくある失敗でも挙げたように、「なんとなく便利そう」「他社も使っているから」といったあいまいな理由ではじめてしまうと、期待した効果が得られない可能性があります。
まずは、「新規リードが集まらない」「見込み顧客との関係が深まらない」など、現状の課題を具体的に整理しましょう。何を改善したいのかがはっきりすれば、ツール選びや運用の方向性もブレにくくなります。あわせて、現在取り組んでいるマーケティング施策とその成果も洗い出しておくと効果的です。どこに課題があり、何を強化すべきかが見えてくると、導入の目的も自然とクリアになります。
2.「自社にとって本当に必要な機能」を持つツールを選ぶ
MAツールは製品ごとに特長が異なり、機能も価格帯もさまざまです。高機能なツールでも、使いこなせなければ意味がありませんし、コストパフォーマンスも悪くなってしまいます。「多機能だから安心」「価格が安いからお得」といった理由だけで判断せず、まずは自社に必要な機能を整理しましょう。
自社に合った機能がそろっていれば、余計な手間やコストをかけずに効率的な運用が目指せます。目的を明確にしたうえで、複数の製品を比較し、自社に合ったツールを選びましょう。
3.運用体制(リソース・スキル)を確保する
MAツールを効果的に活用するために、誰が運用を担当し、どの程度の工数を確保できるか明確にしましょう。担当者のスキルも重要なポイントです。MAの経験がない場合は、操作がシンプルで直感的に使えるツールが向いています。一方で、マーケティングに強いチームであれば、高度な自動化や分析機能があるツールのほうが力を発揮できます。
また、営業部門との連携体制も整えましょう。見込み顧客を営業に引き渡すフェーズでは、マーケティングと営業の協力が不可欠です。導入前から関係者で役割や業務フローを整理しておくと、運用開始後もスムーズに進めやすくなります。
4.施策の結果を分析し、PDCAサイクルを高速で回し続ける
MAツールを導入したら、実施した施策が「どんな成果を生んだのか」を分析し、次の改善につなげていくことが重要です。一度うまくいった施策でも、環境やニーズの変化によって効果が薄れてしまうケースもあります。
そこで活用したいのが、「PDCAサイクル」です。「計画(Plan)→実行(Do)→検証(Check)→改善(Action)」を繰り返すことで、施策の質を着実に向上できます。MAツールは、データ収集や分析機能が備わっているものも多いため、PDCAをスムーズに進められるでしょう。大切なのは、施策を実施してそのままにしないことです。成果を確認しながら細かく見直していく作業が、失敗を防ぎ、成果につながる運用につながっていきます。
5.サポート体制を確認しておく
MAツールの導入には、初期設定や運用設計など、慣れるまでに手間がかかる部分があります。はじめて導入する企業では、「正しい使い方がわからない」と不安を感じることも多いでしょう。そんなときに頼りになるのが、ツール提供元のサポート体制です。
サポートの内容はツールによって異なります。FAQのみの簡易的なものもあれば、チャットや電話、操作レクチャーまで含まれる手厚いサービスもあります。どこまでサポートしてくれるのか、事前に確認しておくと安心です。
はじめてのMA導入でも安心!『BowNow(バウナウ)』

MAツールの導入を検討する企業様から、「使いこなせるか不安」「コストが気になる」といった声をよく耳にします。そういった不安を持つ方におすすめなのが、MAツール「BowNow(バウナウ)」です。国内シェアNo.1※で、現在14,000社以上に導入されている実績があります。
シンプル設計で、はじめてでも使いやすい
BowNowは、「使いやすさ」と「成果の出しやすさ」にこだわって設計されたMAツールです。独自のABMテンプレートを活用することで、複雑な設定を簡略化しているため、MAの初心者はもちろん、営業との兼務をしている方でも無理なく運用できます。14,000社以上の運用支援から得た知見をもとに、企業が直面しやすい課題にも対応しやすい機能がそろっています。
無料プランで気軽にスタートできる
「いきなり本格導入するのは不安」という方には、無料ではじめられるフリープランがおすすめです。基本的な機能はしっかり備わっているため、自社に合っているかを確認しながら安心して試すことができます。設定もシンプルなため、専門知識がなくてもスムーズに使いはじめられます。
充実のサポート体制で導入後も安心
BowNowは、導入後の支援が手厚いのも特長です。カスタマーサクセスチームが、電話・メール・チャットを通じて、運用に関する悩みや課題を丁寧にサポート。動画や勉強会などのコンテンツも充実しており、MAに不慣れな担当者でも安心して使い続けられます。
※出典:株式会社DataSign「DataSign Webサービス調査レポート 2025.6」
詳しくはこちら:MAツール『BowNow(バウナウ)』公式サイト
詳しくはこちら:他社MAとBowNowの違い
まとめ
失敗例とその対策を押さえておけば、MA導入後のつまずきを減らせるはずです。遠回りを避けて効果的に導入するためにも、事前の準備と継続的な見直しが重要になります。
大切なのは、「目的の明確化」「自社に合ったツールの選定」「継続的な改善運用」です。まずは、なぜMAツールを導入するのかを明確にして、自社に最適なツールを見つけましょう。MA導入を検討している方は、ぜひBowNowのフリープランから試してみてください。導入を成功させて、ビジネスの成長を加速しましょう。
『世界一わかりやすいマーケティングオートメーション』をダウンロードする
以下のステップに沿ってフォーム入力することで、資料ダウンロードいただけます。

この資料でこんなことがわかります!・マーケティングオートメーション(MA)とは ・MAが必要とされる3大理由 ・MAの導入で得られる4つの効果
監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子

新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。