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ブランディングとは?目的・進め方・成功事例をわかりやすく解説

2026/05/25 (公開:2025/07/29)
ブランディングとは?目的・進め方・成功事例をわかりやすく解説

ブランディングは、企業や商品が持つ独自の価値や印象を明確にし、顧客に伝えていく取り組みです。

商品やサービスがあふれる中で、単に「質が良い」だけでは選ばれない時代になりました。競合が増え続ける市場で、「選ばれ続ける」ために重要なのがブランディングです。

本記事では、ブランディングの意味・目的・種類・8ステップの進め方・国内外の成功事例まで、BtoBマーケティングの実務視点を交えながら体系的に解説します。

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ブランディングとは?基本の定義と重要性

まずはブランディングの定義から、誤解されやすいポイント、構成要素、必要とされる背景まで、基礎から整理します。まずここでしっかりと理解しておくことが、実践的なブランディング活動への第一歩となります。


ブランディングの定義

ブランドと聞くと「高価」「贅沢」なイメージを持つ人もいますが、必ずしもそうではありません。

ブランドとは、商品や企業に対して感じる印象や価値のことです。たとえば、ある外食チェーンが「早くて手ごろ」「家族でも気軽に行ける」といったイメージを確立していれば、それも立派なブランドです。価格の高低は関係なく、「他とは違う価値がある」と認識されることがブランドの本質です。

そしてブランディングとは、企業や製品・サービスが持つ独自の価値や個性を顧客に明確に伝え、他社にはない独自の存在感をつくる活動です。単に製品を販売するだけでなく、顧客の心に深く響くイメージや信頼を構築し、選ばれ続ける関係性を目指します。


ブランドを形づくる代表的な要素

ブランドは複数の要素が組み合わさって成り立っています。代表的な要素は次の通りです。

視覚・構造面の要素 価値・体験に関する要素
・ブランド名

・ブランドカラー

・ブランドロゴ

・ミッション・ビジョン

・原産国・開発国

・製品・サービスの特徴

・パッケージデザイン

・宣伝キャラクター

・ブランドの価値(実用的・感情的な利点)

・ブランドアイデンティティ(見た目や独自性)

・一貫したメッセージ(理念や価値観のぶれのなさ)

・顧客体験(利用時の印象や満足度)

これらの要素が整っていることで、顧客の記憶に残るブランドとなり、他社との差別化や競争力の向上へとつながります。


ブランディングが求められる背景

ブランディングが必要とされる理由は、主に3つあります。

背景 説明
競合との差別化 類似商品・サービスが増え、「選ばれる理由」を明示しなければならない時代になった。
顧客の信頼獲得 企業の理念やこだわりを伝えることで、顧客との心理的なつながりが深まり、長期的な関係構築が可能になる。
企業価値全体の向上 商品やサービスだけでなく、背景にある価値やストーリーも評価されることで、高い利益率の維持や優秀な人材の獲得につながる。

ブランディングとマーケティング・プロモーションの違い

ブランディング、マーケティング、プロモーションは互いに連携して機能しますが、それぞれ目的と役割が異なります。

ブランディングによって築かれた信頼基盤の上で、マーケティングやプロモーションがより効果的に機能し、相乗効果を生み出します。

この3つは別々に存在するものではなく、それぞれが補完し合いながら成果につながっていることを理解しておきましょう。

活動 目的 時間軸
ブランディング 企業・商品に対する信頼や好感を育てる 長期的(継続的な信頼蓄積)
マーケティング 商品・サービスを市場に届けるための活動全般 中~長期(市場調査から販売まで)
プロモーション 商品の販売を促すための短期的な施策 短期的(割引・広告・キャンペーン等)

ブランディングの種類(分類)

ブランディングは、目的や対象によっていくつかの種類に分けられます。

自社がどの領域に課題を抱えているかを把握した上で、適切な種類のブランディングに取り組むことが重要です。ここでは代表的な5つを紹介します。

種類 対象 主な施策例
インナーブランディング 社内(従業員) 社内報、社内SNS、全社ワークショップ
商品・サービスブランディング 消費者・顧客 SNS発信、導入事例、展示会
コーポレートブランディング 社会・取引先 ロゴ刷新、社会貢献活動、IRページ
採用・育成ブランディング 求職者・社員 採用サイト、社員インタビュー、説明会
インフルエンサーブランディング SNSフォロワー・業界関係者 インフルエンサーとのコラボ、専門家推薦

インナーブランディング

インナーブランディングは、社内に向けたブランディング活動です。企業の理念や価値観を従業員に伝え、共通認識を育てます。

具体的には、社内報やイベント、社内SNS、従業員向けのイベントなどを使い、企業文化を根付かせる取り組みが行われます。従業員が自社ブランドを理解し、行動に移すことで、組織全体の一体感が高まり、顧客への高品質なサービス提供にもつながります。


商品・サービスブランディング

商品やサービスの認知度や信頼感を高めるためのブランディングです。商品そのものの魅力や独自性を明確に打ち出し、消費者に選ばれる理由を作ります。

BtoB分野では、導入事例や課題解決のストーリーなど、実績を通じた訴求が特に効果的です。


コーポレートブランディング

企業全体のイメージや信頼性を高めることを目的としたブランディングです。製品やサービスだけでなく、企業全体の信頼性・革新性・社会貢献性などを社会や取引先に伝え、企業の価値向上を目指します。ロゴや社名の刷新、社会貢献活動などが代表的な施策です。


採用・育成ブランディング

求職者や社員に向けて自社の魅力を発信するブランディングです。自社の文化や働きがい、成長の機会を伝えることで、優秀な人材の獲得と定着を図ります。採用サイトやSNS、説明会、社員インタビュー記事の掲載などが主な手段です。


インフルエンサーブランディング

影響力のある個人の発信を通じて、商品・サービス・企業の認知拡大を図る手法です。特にSNSでの情報拡散力が高く、ビジネス分野では専門家や業界リーダーの推薦が信頼獲得につながります。

インフルエンサーの選定においては、自社の価値観と合致するかを見極めることが重要です。


ブランディングを行うメリット

ブランディングは単に企業名やロゴを整えるだけの作業ではありません。自社の理念や価値を顧客や社会にわかりやすく伝えることで、選ばれる理由をつくる戦略的な取り組みです。

ここでは、ブランディングによって得られる主な4つのメリットを解説します。


価格競争に巻き込まれない競争優位の確立

自社の強みや特徴を明確に打ち出すことで、他社との差別化につながるのが、ブランディングの大きなメリットです。たとえば、製品の品質やサポート体制、環境への配慮など、価格以外の価値を伝えることで、顧客に「このブランドを選ぶ理由」を感じてもらいやすくなります。

その結果、価格競争に巻き込まれにくくなり、自社ならではのポジションを築きながら、安定した利益を確保しやすくなります。


顧客ロイヤルティとリピート率の向上

ブランディングを強化すると、顧客から継続的に選ばれやすくなり、リピート率の向上につながります

ブランドへの信頼は、製品やサービスの品質だけでなく、一貫した情報発信や企業姿勢の積み重ねによって築かれていきます。「この会社なら安心して任せられる」と感じてもらうことで、顧客ロイヤルティが高まり、安定した売上や長期的な関係構築を実現することが可能です。


新規顧客の獲得と市場拡大

ブランド力のある企業は、口コミやSNSを通じて情報が広がりやすく、新たな顧客層にもアプローチしやすくなります。信頼性のあるブランドとして認識されれば、既存市場にとどまらず、新しい分野や海外市場への展開も後押しされます。

たとえば、すでに評価されている企業が新規事業を立ち上げた場合、その信頼がそのまま新市場での優位性となるでしょう。

関連記事:新規顧客を獲得する方法10選!4つのステップや効率化のポイント、役立つツールなど徹底解説


広告宣伝コストの削減

強固なブランドが確立されると、顧客が自発的に情報を拡散してくれる「口コミ効果」が生まれます。

既存顧客が紹介者となることで、新規獲得コストが下がり、広告宣伝費を抑えながら安定的に顧客を獲得できる状態を目指せます。特にBtoB領域では、ブランド想起力の高さが「指名検索」の増加にもつながるため、比較検討フェーズでの優位性確保にも効果的です。


ブランディングの進め方を8ステップで解説

ブランディングは一度設計したら終わりではなく、継続的に実践・改善していくプロセスです。まず全体像を把握した上で、自社の状況に合わせて各ステップを着実に進めていきましょう。以下の8ステップが実践の基本フレームとなります。


ステップ1:目指すブランド像を明確にする(環境分析)

まずは、自社がどんなブランドになりたいか、ブランドの方向性を定めます。市場や業界の動向、自社の強み、顧客のニーズ、競合の特徴を客観的に分析し、自社がどのような価値を提供すべきかを明らかにします。

以下のフレームワークを活用することで、より精度の高い方針を導けます。

フレームワーク 概要
3C分析 自社(Company)・競合(Competitor)・顧客(Customer)の3軸で市場環境を分析する。
PEST分析 政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Society)・技術(Technology)の外部環境を整理する。
5フォース分析 業界内の5つの競争要因(新規参入・代替品・買い手・売り手・競合)を把握し、自社ポジションを検討する。
SWOT分析 強み(S)・弱み(W)・機会(O)・脅威(T)で自社を総合的に評価し、戦略の方向性を導く。

関連記事:3C分析とは?やり方やポイント、活用方法をわかりやすく解説

関連記事:PEST分析とは?やり方や具体例などをわかりやすく徹底解説

関連記事:【図解で解説】SWOT分析とは?目的から分析方法・活用事例まで解説

関連記事:5フォース分析とは?活用方法や具体例をわかりやすく紹介


ステップ2:社内でブランディングの重要性を共有

ブランディングは社外に向けた取り組みであると同時に、社内の協力が不可欠です。経営層から現場まで、すべての従業員がブランドの考え方や方向性を理解し、共通の意識を持つことが、統一感のあるブランド体験を提供する土台となります。

全社ワークショップや朝会での共有など、対話の場を設けることが効果的です。


ステップ3:ブランドの基本コンセプトを固める

「誰に、どのような価値を届けるか」という問いに明確に答えるのが、ブランドコンセプトです。顧客の課題や期待に寄り添い、それに応える形でブランドの中心となる価値を定めます。明確なコンセプトは、営業や広告などあらゆる活動の軸になります。


ステップ4:ブランドアイデンティティを設定する

ブランドの印象を形づくる要素には、ロゴやキャッチコピー、配色、デザインなどがあります。これらに統一感を持たせることで、ブランドの個性を一貫して伝えられます。

視覚的な印象だけでなく、言葉や態度も含めた全体像を設計することが重要です。


ステップ5:ブランドが提供する価値を定義する

ブランドの価値とは、顧客がそのブランドを選ぶ理由です。

価値には複数の種類があり、それぞれを意識して設計することで顧客から長く愛されるブランドが生まれます。以下の3つのブランド価値を理解しましょう。


3種類のブランド価値(機能的・感性的・情緒的)

ブランドの価値は大きく3つの層から構成されます。それぞれを意識して定義することが重要です。

価値の種類 内容
機能的価値 品質・性能・使いやすさなど、製品・サービスが持つ実用的な価値 「処理速度が速い」「サポートが手厚い」
感性的価値 デザイン・雰囲気・世界観など、感覚的に感じる価値 「使っていると洗練された気持ちになる」
情緒的価値 使用時の満足感・社会的つながり・価値観の共有から生まれる価値 「このブランドを選ぶ自分が好き」「社会貢献できている実感」

ステップ6:ブランド名やロゴを具体化する

ブランドを象徴する名前やロゴは、直感的にブランドの特徴を伝える重要な要素です。覚えやすく独自性があり、かつブランドの価値や世界観を感じさせる名称やデザインが求められます。

実際に使われる場面(名刺・ウェブ・看板など)を想定しながら作成することがポイントです。


ステップ7:タッチポイントごとのブランド体験を設計する

ブランドとの接点(タッチポイント)とは、SNS・広告・営業資料・店舗の内装・接客対応など、顧客がブランドに触れるすべての場面を指します。あらゆる接点で一貫したブランド体験を提供することが重要です。

接点ごとに提供する体験を整理し、メッセージがぶれないよう設計します。


ステップ8:定期的に効果測定・改善サイクルを回す

ブランディングは長期的な施策です。一度実施しただけでは高い効果が見込めません。定期的に調査や分析を行い、認知度や顧客の印象を確認し、必要に応じて戦略を見直すことが求められます。継続的な改善を重ねることで、ブランドの価値をさらに高めていくことが可能です。

KPIとしては、ブランド認知率・NPS(顧客推奨度)・指名検索数などが指標として用いられます。


効果を高めるために意識するポイント・注意点

ブランディングの施策を実行に移す前に、成果を左右する重要なポイントと陥りがちな落とし穴を押さえておきましょう。

計画段階から以下の4点を意識するかどうかで、ブランディングの効果に大きな差が生まれます。


一貫性のあるブランドコミュニケーション

ブランドの価値を伝えるには、一貫性のある情報発信が欠かせません。広告・SNS・営業資料・店舗の内装など、すべての顧客接点において同じ価値観やメッセージを伝えることが大切です。

情報の内容や見せ方にばらつきがあると、顧客の混乱を招き、ブランドへの信頼が揺らぐおそれがあります。


顧客とのエンゲージメントの強化

ブランディングは一方的な発信だけでなく、顧客とのつながりづくりも重要です。商品やサービスを通じて顧客と信頼関係を築くことが、ブランドへの愛着を育てる第一歩になります。

SNSでの対話、アンケートによる意見収集、イベントでの交流などを通じて、顧客の声を取り入れながらブランドを成長させましょう。


競合との差別化

市場での存在感を高めるには、自社ならではの強みを明確にし、それをブランドに反映させる必要があります。競合の特徴や顧客のニーズをしっかり把握した上で、自社の立ち位置を定めることが重要です。

奇抜な要素を取り入れるのではなく、顧客視点での納得感ある独自性が求められます。


企業規模・フェーズに合わせたブランディングを行う

ブランディングに必要なリソースや優先施策は、企業の規模や成長フェーズによって異なります。むやみに大企業の施策を模倣するのではなく、自社の現状に見合ったアプローチを選ぶことが重要です。

以下は規模・フェーズごとの優先すべきブランディング内容と主な施策例ですので、ぜひ参考にしてみてください。

規模・フェーズ 優先すべきブランディング 主な施策例
スタートアップ コンセプトの明確化・インナーブランディング ミッション・ビジョンの言語化、採用ページ整備
中小企業 商品・サービスブランディング 導入事例の整備、SNS発信、コンテンツマーケティング
大企業 コーポレートブランディング全体の統一 ブランドガイドライン策定、全社的なCI整備

デジタル・Webマーケティングにおけるブランディング

近年は、顧客との接点の多くがオンライン上に移行しています。そのため、デジタルチャネルを通じた一貫したブランド体験の提供が、ブランディングの成否を大きく左右するようになりました。

ここでは特に活用すべき、デジタル領域でのブランディング手法を2つ紹介します。


コンテンツマーケティングとブランディングの相乗効果

コンテンツマーケティングとは、顧客にとって価値ある情報を継続的に発信することで、自然な形で信頼を蓄積していく手法です。

ブログ記事・ホワイトペーパー・ウェビナーなどを通じて、「この企業は業界の課題をよく理解している」という専門性のブランドイメージを形成できます。

特にBtoB領域では、購買意思決定のサイクルが長く、複数の担当者が関与します。そのため、検討期間中に継続的に有益なコンテンツを届け、自社ブランドの想起率を高めることが競合優位につながります。

「有益な情報発信 → 信頼の蓄積 → 検討時のブランド想起 → 指名検索の増加」というサイクルを意識して設計しましょう。

関連記事:コンテンツマーケティングとは?BtoB・BtoCの成功事例12選と、戦略や4つの手法を徹底解説!


MAツールを活用したブランド接触の自動化

マーケティングオートメーション(MA)ツールを活用すると、顧客の行動に応じて最適なタイミングで一貫したブランドメッセージを届けることが可能になります。そのため、ブランドとの接触機会を継続的・効率的に創出できます。

具体的な活用方法は以下の通りです。

機能 ブランディングへの活用
ステップメール 資料ダウンロード後にブランドの価値観・事例・ノウハウをシリーズで届け、継続的な接触を自動化する。
スコアリング 顧客の行動(ページ閲覧・メール開封など)を点数化し、関心度の高い顧客に対してより深いブランド体験を提供する。
セグメント配信 業種・役職・検討フェーズごとに最適なコンテンツを配信し、「自社のことをよく理解してくれるブランド」という印象を形成する。

MAツールは「効率化ツール」であると同時に、ブランドとのタッチポイントを一貫して設計・管理するためのブランディングインフラでもあります。

コンテンツとMAを組み合わせることで、ブランド認知から商談創出までの流れをより効果的に構築できます。


ブランディングの成功事例4選

ブランディングの効果は、実際の企業事例を見ることで理解が深まります。ここでは、コーポレート・インナー・商品の3つの視点から、参考になる成功事例を紹介します。

自社の状況に近い事例を参考に、ブランディングの取り組みを具体化するヒントにしてください。


コーポレートブランディングの事例:無印良品

無印良品は、「必要なものを、必要なだけ」をコンセプトに、1980年に誕生しました。シンプルで無駄を省いた製品づくりという姿勢は現在もブランドの核となっていますが、近年は「第二創業」を掲げ、コーポレートブランディングの大きな転換期を迎えています。

2021年9月に就任した堂前宣夫新社長のもと、良品計画は「日常生活の基本を支える」ブランドへと大きく変わろうとしています。かつては駅ビルや広域型ショッピングセンターを中心に出店し成長を続けてきましたが、近年では地方の食品スーパー隣に出店し、消費者が暮らす生活圏まで入り込み始めています。

第2創業期では、生活圏における「個店経営」を軸とした地域密着型の事業モデルの実現に取り組んでいます。具体的には食品スーパーの隣接地に600坪規模の店舗を出店し、スーパーと共存共栄しながら暮らしの一部となることを目指すほか、地元の生産者とつながり農と食を中心とした地域課題の解決にも貢献する方針です。

ブランドコンセプト「感じ良い暮らし」を守りながら、届ける場所と対象を大きく広げることで、ブランドとしての一貫性と事業成長の両立を実現している好例です。

参考:商品と店舗に大きな変化、「第二創業」を掲げる無印良品が進める新たなブランド戦略とは

参考:元ファストリ堂前氏が率いる良品計画が第2創業期突入 2030年までに売上高3兆円目指す


インナーブランディングの事例:セブンデックス

セブンデックスは、理念が現場に浸透しないという課題に直面し、組織への定着を強化した事例です。半年かけて策定した理念は完成度が高いものでしたが、現場からは「どう行動に結びつけたら良いのか分からない」という声が出ました。課題の背景には次の3点がありました。

  • 理念の言葉が抽象的で、具体的な行動につながりにくかった
  • 経営と現場の対話が少なく、相互理解が不足していた
  • 評価制度と理念が結びついておらず、実践の動機が弱かった

この課題を受けて、理念の「翻訳」と「体現」に注力しました。全社ワークショップで理念を自分の言葉で語る練習を実施し、部門ごとに「自分たちなりの実践」を明文化。朝会での好事例共有・1on1での対話・表彰制度などを通じて、理念が自然と浸透する環境を整備しました。結果として、採用時に理念への共感を示す応募者が増え、組織全体の一体感が高まっています。


インナーブランディングの事例:日本航空(JAL)

日本航空(JAL)は、2010年1月19日に経営破綻し、事業を存続させる中でもう一度提供価値を見直すべく、ブランドの再構築を図る必要がありました。

その課題は単なるイメージの回復にとどまらず、客室・運航・旅客・営業・整備・貨物など、さまざまな職種のスタッフが存在し、それぞれの部署は文化も違えば考え方も違うという状況の中で、「また本社が何か始めた」というやらされ感を持たれることなく、それぞれの部署が主体的に参加できるプランを探していました。

この課題に対し、JALでは各部署の代表者がセミナーを作成し、ワークショップ形式で実施することで、従業員の当事者意識を高め、自社の価値観の浸透に成功しました。

経営破綻からわずか2年で史上最高の営業利益を計上し、再上場を果たしました。企業理念「JALフィロソフィ」の社内浸透が果たした役割は大きく、理念を浸透させるために何が必要かを検討・実践し続けた丁寧な取り組みが、多くの社員への浸透につながっています。

「一人ひとりがJAL」というフィロソフィを軸に、インナーブランディングが業績回復の原動力となった代表的な事例です。

参考:3万5千人のスタッフにJALブランドを浸透させ、再生へと、加速する。
(経営理念浸透コンサルティング 導入事例)


商品ブランディングの事例:ブラックサンダー

ブラックサンダーは、有楽製菓が長年かけて築いたブランドです。競合の多い菓子市場で売上が鈍化したため、25周年を機にブランドの価値を再整理し、社内の共通理解とブランドの一貫性を強化しました。

社内外でブランドイメージにばらつきがあったことから、ロゴの見直しやブランドガイドラインを作成。社員が集まり何度もワークショップを実施し、ブランドが持つ独自の価値や性格を具体的な言葉として整理し、全社員で共通の理解を作りました。

また、「楽しく真剣にやる!」をテーマに、義理チョコ文化が薄れていた中で「義理チョコの素」というセット商品を展開し新たな顧客層を獲得。単なる菓子を超えた「面白くて身近なブランド」として成長を続けています。

参考記事:「変わらないけれど、飽きられない」—ブラックサンダーのブランド戦略に迫る

参考記事:ブラックサンダー 商品ブランディング事例


ブランディングの知識を深めるには?

ブランディングは理論と実践の両方が重要な領域です。複数の学習手段を組み合わせながら、インプットと実践を繰り返すことでスキルが定着します。

主な学習方法を4つ紹介します。


書籍で基礎から学ぶ

専門書は基礎理論や実践例が体系的にまとまっており、自社に活かせるアイデアを得やすい学習手段です。

まずはブランディングの入門書から始め、実践的なケーススタディを含む書籍へとステップアップするのがおすすめです。


オンライン講座・動画で学ぶ

動画コンテンツは視覚的に理解しやすく、マーケティングやデザインの関連知識も同時に習得できます。

月額制のオンライン学習サービスを活用すれば、隙間時間でも体系的なスキルアップが可能です。


ワークショップ・セミナーに参加する

実務経験に基づくアドバイスや多様な視点を取り入れられる機会です。オンライン開催が増えており、地方在住でも参加しやすくなっています。

業界特化型のセミナーは、自社の課題に直結した知見が得られるため、とくに効果的です。


実践でスキルを磨く

理論だけでなく、実際に自分でブランディングを試みることも重要です。小規模なプロジェクトから始め、仮説・実行・検証のサイクルを回すことでスキルが高まります。実践を通じて得た知見は、今後の活動に大きく役立つでしょう。


まとめ

ブランディングは、単なる認知拡大ではなく、価値や信頼を育てる継続的な取り組みです。本記事の内容を振り返ると、以下の5点がブランディングの核心となります。

No. ポイント
1 ブランディング = 高価なものだけの話ではない。どんな規模の企業でも、独自の価値を伝えることで差別化できる。
2 メリットは多岐にわたる。価格競争の回避・ロイヤルティ向上・新規獲得・広告コスト削減など、長期的な競争優位を生み出す。
3 8ステップで体系的に進めることが成功への近道。環境分析→コンセプト設計→実施→効果測定の流れを繰り返す。
4 一貫性が最大のポイント。すべてのタッチポイントでメッセージをぶらさないことが、信頼構築の基盤となる。
5 デジタル・MAツールを活用して、ブランド接触を自動化・効率化することがBtoBマーケターの現代的なアプローチ。

自社の特徴を正しく伝え、顧客との関係を深めるために、一貫した情報発信や体験の提供が求められます。

本記事の内容や事例を参考に、自社のブランディング戦略を具体化してみてください。

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監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子

新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。

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