リスティング広告を徹底解説!メリットや費用相場、運用方法などを初心者向けに紹介

リスティング広告(検索連動型広告)は、検索エンジン上で、ユーザーが入力したキーワードに連動して表示されるテキスト広告です。少額から始められるほか、即効性が高い、見込み度合いの高い顧客にアプローチできるなどのメリットがあり、初心者にも扱いやすいのが特長です。一方で、継続的な費用の支払いや適切な運用体制が求められるといった側面もあります。
本記事では、リスティング広告の基本からSEOや他の広告との違い、出稿のメリット・デメリット、費用相場や運用方法、運用の際の注意点などを、網羅的に解説します。自社に合った運用方法を見極め、成果につなげるためのヒントとして活用していただけたら幸いです。

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目次
リスティング広告の基礎知識
まずはリスティング広告の概要や構成要素など、基本的な知識について解説します。
リスティング広告とは
リスティング広告とは、GoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンで、ユーザーが入力したキーワードに連動して表示されるテキスト広告です。「検索連動型広告」とも呼ばれ、特定のキーワードに興味を持つユーザーに絞って広告を配信できるため、購買意欲の高い層に効果的にアプローチできるのが特徴です。
また、広告がクリックされて初めて費用が発生する「クリック課金制」が主流であり、費用対効果に優れています。無駄なく顕在顧客を獲得したい企業にとって非常に有効なWeb広告であり、多くの企業で運用されています。
リスティング広告の構成要素
リスティング広告は、基本的にテキスト形式で構成されており、主に以下の3つの要素から成り立っています。これらの要素を最適化することで、広告効果の最大化が期待できます。これらの要素にはそれぞれ文字数制限や表現のガイドラインが設けられており、媒体ごとの規約を遵守しながら、いかにユーザーに響くメッセージを作成するかが重要です。
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広告媒体:Google広告・Yahoo! 検索広告
日本国内でリスティング広告に出稿する主な媒体は、検索エンジン「Google広告」と「Yahoo!検索広告」です。現状、国内の検索エンジン市場ではGoogleが約83%と圧倒的なシェアを占めているため、まずはGoogle広告から始めるのが一般的です。両媒体ともに検索結果ページへの表示やクリック課金制といった基本的な仕組みは共通していますが、ターゲット設定や入札方法、広告の表示設定など、細かい機能において違いがあります。
もし予算に余裕があれば、両媒体を併用することで、より多くの潜在顧客にアプローチし、広告効果の最大化を図ることが可能です。
リスティング広告の概要についてご紹介しましたが、Web広告にはさまざまな種類があるため、他の手法と混同されることも少なくありません。次の章では、よく混同されがちな広告との違いを解説しながら、リスティング広告ならではの特徴を詳しく見ていきます。
リスティング広告とSEOや他広告との違い
様々なWeb広告がある中で、リスティング広告は「SEO」や「ディスプレイ広告」、「SNS広告」と混同されやすい傾向にあります。以下の表は、リスティング広告と各広告との違いを項目ごとに示したものです。リスティング広告に関する理解をさらに深めていきましょう。
比較項目 | リスティング広告 | SEO(自然検索) | ディスプレイ広告 | SNS広告 |
---|---|---|---|---|
掲載場所 | 検索エンジンの検索結果ページ上部 | 検索結果ページの広告枠以外(オーガニック部分) | Webサイトやアプリの広告枠 | SNSのタイムラインやニュースフィードなど |
表示形式 | テキスト形式 | テキスト形式(検索結果に自動生成される) | バナー・画像・動画など | テキスト・画像・動画など複数のフォーマット |
主なターゲット層 | 顕在層(ニーズが明確な層) | 顕在層(ただし表示は自動でコントロール不可) | 潜在層・幅広いユーザー層 | 準潜在層(興味はあるが購入検討には至っていない層) |
即効性 | 高い(配信設定後すぐに表示可能) | 低い(成果が出るまでに時間がかかる) | 中〜高(配信開始は早く、効果は徐々に表れる傾向) | 高い(短期間で認知・反応を得やすい) |
コントロール性 | 高い(見出し・説明文・リンク先など自由に設定可能) | 低い(Googleなどのアルゴリズムに依存) | 中程度(フォーマットや配信面の設定は可能) | 高い(ターゲティング精度や配信形式の自由度が高い) |
課金方式 | クリック課金(PPC) | 無料(上位表示にはSEO施策のコストがかかる) | クリック・インプレッションなど | クリック課金、インプレッション課金、視聴課金など多様 |
目的に適した活用 | 成約獲得・リード獲得 | 長期的な集客・信頼構築 | 認知拡大・ブランディング | 認知拡大・関心層への訴求 |
SEO(自然検索)との違い
SEO(検索エンジン最適化)とリスティング広告は、どちらも検索エンジンからの集客を目指す点では共通していますが、即効性と操作性に大きな違いがあります。SEOは、Webサイトのコンテンツや構造を最適化することで、検索エンジンの自然検索結果で上位表示を目指す施策です。費用はかからないものの、効果が現れるまでに時間がかかるほか、継続的な取り組みが必要になります。
一方、リスティング広告は入札によって検索結果の上部にすぐ表示されます。そのため、短期的なプロモーションや、すぐに効果を出したい場合に効果的です。

ディスプレイ広告との違い
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリの広告枠に画像や動画を表示する広告手法です。視覚的な訴求力があり、幅広いユーザーへの認知拡大に効果を発揮します。
一方、リスティング広告はユーザーの検索キーワードに連動して表示されるテキスト形式の広告で、購入意欲の高い層にピンポイントでアプローチ可能です。そのため、顕在顧客層の獲得に強みがあります。つまり、リスティング広告は「今すぐ客」向け、ディスプレイ広告は「潜在層」への認知獲得に適している点が大きな違いです。

SNS広告との違い
SNS広告は、Instagram、X(旧Twitter)、FacebookなどのSNSプラットフォームのタイムラインやフィードに、画像や動画を活用して表示される広告です。視覚的にユーザーの興味を引きつけ、まだ明確なニーズを持たない「準潜在層」への認知拡大に優れています。一方、リスティング広告は検索結果にテキスト形式で表示され、明確なニーズを持つ顕在層に直接アプローチできます。
SNS広告がブランド認知や興味喚起を目的とした幅広い層へのアプローチに有効であるのに対し、リスティング広告は購買やサービス利用といった「成約」に近いユーザーの獲得に効果的です。それぞれの特性を理解し、ビジネスの目的や狙うターゲット層に合わせて使い分けることが重要です。
リスティング広告を出稿するメリット
リスティング広告を出稿・運用することで、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは主な5つのメリットについて解説します。
低コストで始められる
リスティング広告は、低予算から柔軟に始められる点が大きな魅力です。Google広告では1日あたり200円程度から出稿可能で、月1万円以内でも運用できます。費用はユーザーが広告をクリックしたときにのみ発生するため、無駄な支出を抑えられるといったメリットもあります。
また、予算を自由に設定・調整できるため、「少額で効果を試す」「繁忙期に予算を集中的に増やす」など、柔軟な運用が可能です。初めてWeb広告に挑戦する企業にとっても、リスクを抑えて始めやすい手法といえます。
即効性がある
リスティング広告のもう一つの大きなメリットは、即効性の高さです。SEO対策は効果が出るまで数ヶ月以上かかることがありますが、リスティング広告は設定後すぐに検索結果の上位に表示されます。
広告の内容変更や配信の開始・停止もリアルタイムで行えるため、市場の変化やキャンペーンに合わせて柔軟な調整が可能です。スピード重視の集客戦略を展開したい企業には特に適しています。
見込み度の高いユーザーに配信できる
購買意欲の高い見込み客に直接アプローチできる点も、リスティング広告を出稿するメリットです。ユーザーが「業務効率化 ツール」など具体的なキーワードで検索する瞬間に広告が表示されるため、明確なニーズを持つ層に効率良く訴求し、高いコンバージョン率が期待できます。確度の高い顧客へ、無駄なく効率的にリーチできる点がリスティング広告の特長といえます。
リアルタイムで成果を確認できる
リスティング広告は、成果をリアルタイムで確認できる点も大きなメリットです。専用の管理画面で広告のクリック数や費用対効果を即時に把握できるため、効果が悪い場合はすぐに広告を一時停止し、内容を改善して再開できます。
常に最新のデータにもとづいて調整を行うことで、効率的かつ効果的な広告運用が実現でき、無駄なコストの削減と効果の最大化につながります。
ターゲティング設定ができる
リスティング広告は、検索キーワードだけでなく、年齢・性別・居住地域など細かいターゲティング設定ができ、設定内容は即時に反映されます。さらに、複数の広告文を用意してA/Bテストを実施することもできるため、効果的な訴求を素早く見極められます。
SEOと比べるとクリック率がやや低い傾向にありますが、短期間で検索結果の上位に広告を表示し、効率的にユーザーを獲得できる点が魅力です。
リスティング広告を出稿するデメリット
リスティング広告の出稿・運用には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。あらかじめデメリットを理解して適切に対応することで、より効果的な広告運用を実現できます。
広告費が継続的に必要になる
リスティング広告は、クリックされた分だけ費用が発生する仕組みですが、広告掲載を継続する限りコストがかかり続けます。
効果的に運用するには、ターゲットや除外キーワードを細かく設定して無駄なクリックを減らす工夫が必要です。リスティング広告を運用するには、費用対効果を高める取り組みを行いながら、継続的な予算管理が求められます。
ニーズが顕在化していない層に届きにくい
ユーザーが特定のキーワードで検索した際に表示されるため、リスティング広告はすでにニーズが顕在化している層に特に効果的です。その一方で、まだ関心や必要性を自覚していない潜在層には届きにくいという側面があります。
そのため、潜在層へのアプローチを目指す場合は、ディスプレイ広告やSNS広告など、リスティング以外の広告手法と組み合わせて運用することをおすすめします。
市場の競争状況によって費用が変動する
リスティング広告では、広告枠がオークション形式で決まるため、競合が多い業界や人気キーワードを狙う場合、クリック単価が高騰しやすくなります。特に競合他社も同じキーワードで広告を出していると、入札単価の上昇によって費用対効果が悪化するリスクがあります。
また、広告文の差別化も難しくなるため、競争が激化しやすいのが難点です。コストを抑えつつ効果を出すためには、競合が少ないニッチなキーワード選定や、SEOと併用した戦略が有効です。
広告を避ける人には届かない可能性がある
検索結果の上部に表示されるリスティング広告は、目立ちやすい反面、ユーザーが「広告」と認識することで避けられてしまうケースも少なくありません。広告慣れしたユーザーの中には、無意識に広告部分を見ないようにする傾向があり、クリック率が下がる原因にもなります。
そのため、広告だけに依存せず、SEO対策での上位表示も並行して狙うことが大切です。より広い層へのアプローチが可能になり、安定した集客効果を期待できます。

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リスティング広告が向いているケース・向いていないケース
リスティング広告には多くのメリットがありますが、すべての企業にとって効果的とは限りません。企業の目的や課題によって、リスティング広告が向いている場合と、そうでない場合があります。以下では、それぞれのケースについて詳しく解説しますので、自社の状況に照らし合わせながら参考にしてみてください。
リスティング広告が向いているケース
リスティング広告は、「ニーズが顕在化している」かつ「検索エンジンを活用する層」をターゲットとする場合に特に効果的です。さらに具体的には、以下のような場合に適しています。
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また、すでに競合他社がリスティング広告を継続的に出稿している市場では、一定の成果が見込める可能性も高いでしょう。導入前には、対象となるキーワードの検索ニーズや競合状況を徹底的に調査し、自社に合った戦略を立てることが大切です。
リスティング広告が向いていないケース
リスティング広告は、「潜在層へのアプローチ」や、「粗利が低く費用対効果が見込みにくいサービス」には不向きです。他にも以下のようなケースがあります。
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上記のようなケースでは、SNS広告など別の広告手法の方が効果的な場合があります。ビジネスの特性に合わせて、最適な広告チャネルを選択しましょう。次に、リスティング広告の費用制度や相場について解説します。
リスティング広告の費用制度・相場
ここではリスティング広告の費用が発生する仕組みや、一般的な相場について紹介します。
リスティング広告の費用は「クリック課金制」
リスティング広告の費用は「クリック課金制」という仕組みが採用されており、ユーザーが広告をクリックしたときに初めて費用が発生します。広告が表示されただけでは課金されないため、無駄な出費を抑えつつ効率的な運用が可能です。1クリックあたりの金額(クリック単価=CPC)は、広告主が設定する入札価格やキーワードの競争状況によって変動します。また、日ごとや月ごとの予算を自由に設定・調整できるため、自社の状況や目的に合わせて柔軟な費用管理が行えます。
リスティング広告の費用相場
リスティング広告の費用相場は事業の規模、業種、そして広告の目的などによって大きく変動します。少額から始められるため、実際には1,000円前後の少額からスタートすることも可能です。月に1万円未満の予算で運用する企業もあります。
ただし、広告効果をしっかりと検証しながら運用するには、ある程度の予算があった方が有利です。中小企業では月5万〜30万円程度の予算から始めるケースが多く見られます。大企業の場合は、月数百万円規模の予算を組むことも珍しくありません。初めて運用する場合は、少額からはじめ、自社の目標やターゲットに応じて段階的に予算を設定していくのが効果的です。
広告予算を決める方法
リスティング広告の予算は、目的や戦略に応じて柔軟に設定する必要があります。予算の決め方は、主に以下の3つの方法を活用するのが一般的です。これらの方法を参考に、貴社のビジネスに最適なリスティング広告の予算を設定してみてください。
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リスティング広告の始め方
リスティング広告について紹介してきましたが、実際に出稿する際にはどのように進めればいいのでしょうか?2つのステップに分けて解説します。
広告の配信条件を決める
リスティング広告を効果的に運用するには、広告を「いつ・どこで・誰に向けて配信するか」といった条件を事前にしっかりと設定することが重要です。まずはキャンペーンの目的を明確にし、配信条件を細かく調整していきます。
Google広告で進める場合は、まずアカウントを開設し、新しいキャンペーンタイプをクリックします。キャンペーンタイプ「検索」を選択することでリスティング広告を出稿可能です。その後、配信条件の設定に進みます。具体的には、広告を表示する期間や1日あたりの予算、そして入札方法(自動入札か手動入札か)を決定します。さらに、ターゲットユーザーの居住地や言語なども細かく設定できます。
広告コピーを作成して出稿
配信条件を設定したら、次は実際にユーザーに表示される広告コピーの作成に移ります。リスティング広告では、限られた文字数の中で「何を伝えるか」が非常に重要です。広告文には、見出し(タイトル)、説明文、リンク先URLなどを入力します。
特に見出しは、検索結果の中でユーザーの目を引く最初のポイントです。商品・サービスの特徴やベネフィットを簡潔に伝えるとともに、行動を促すワードを効果的に取り入れることで、クリック率の向上が期待できます。
また、ユーザーが実際に遷移するリンク先ページ(LP)との内容の一貫性も重要です。広告文と遷移先の内容がズレていると、すぐに離脱されてしまう可能性があります。完成した広告文をプレビューで確認し、問題がなければ配信を開始しましょう。

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リスティング広告の管理・運用の方法
リスティング広告を出稿し、管理・運用するには、主に3つの方法があります。自社のリソースや目的などに合わせて、最適なものを選びましょう。
代理店に運用を依頼する
リスティング広告の運用は、専門知識を持つ広告代理店へ委託することが可能です。自社でリソースを割くことなく広告効果の最大化を目指せる点が大きなメリットです。しかし、外部委託には費用が発生するため、予算が限られている場合は点には注意が必要です。一般的に広告費の約20%程度の運用手数料が発生します。
予算が限られている場合、例えば月間の広告費が10万円以下であれば、手数料の割合が大きくなり費用対効果が見合わない可能性もあります。一方で、月数十万円以上の予算を投じて本格的な成果を目指したい場合は、代理店を活用することで効率的かつ効果的な運用が期待できます。
自動運用ツールを活用する
近年、リスティング広告の運用において注目を集めているのが「自動運用ツール」の活用です。広告アカウントの管理やパフォーマンス分析、レポート作成などの作業を自動化し、運用担当者の負担を大幅に軽減します。
特に「広告代理店に依頼するほどの予算はないものの、自社で運用するリソースも限られている」という企業にとっては、非常に有効な手段です。また、複数のアカウントを社内で管理している場合でも、ツールを導入することでより効率的に運用できます。
ただし、自動化ツールにも月数万円程度の利用料金がかかるケースが一般的です。導入にあたっては、予算や運用体制に応じて最適なツールを選定しましょう。
自社で広告運用を行う
広告予算が少ない場合やコストを抑えたい場合には、自社でリスティング広告を運用する方法も有効です。この方法の最大のメリットは、広告出稿費以外の運用手数料などを削減できる点にあります。
ただ、効果を出すには基礎知識や運用スキルの習得が必要になります。最近では、初心者向けの無料ガイドや5万円前後の低予算運用ノウハウなども広く公開されており、学びながら運用を始める企業も増えています。リソースが限られている場合は、専門の企業に部分的なサポートを依頼するのも有効な方法です。
リスティング広告で成果を出すポイント
リスティング広告を運用するうえで、より大きな成果を出すために重要なポイントを紹介します。

狙うユーザー像を明確にする
リスティング広告で成果を上げるには、まず「誰に届けたいのか」というユーザー像を明確にすることが重要です。ユーザー像が定まっていないと、キーワードや広告文の方向性が定まらず、広告効果が薄れてしまいます。
複数人で運用する場合は、ターゲット像を共有して認識をすり合わせることで、施策に一貫性を持つことができ、成果にもつながりやすくなります。想定ユーザーの年齢や関心、行動パターンなどを細かく設定し、チーム全体で共通理解を持つことがポイントです。
目標となるKPIを設定する
KPI(重要業績評価指標)とは、最終目標を達成するための中間目標を示す指標です。リスティング広告で成果を上げるには、目的に応じたKPI(重要業績評価指標)の設定が欠かせません。
KPIには、アクセス数やクリック率、コンバージョン数・率、CPA(コンバージョン単価)などがあります。設定する際には漠然とした目標ではなく、数値で具体的に定めることが大切です。たとえば「月の資料請求30件獲得」が最終目標であれば、それに必要なアクセス数やクリック率を目安として設定し、配信後の効果測定や改善に活用しましょう。
メインで狙うキーワードを決める
メインとなるターゲットキーワードを明確に設定しましょう。商材やサービスと親和性の高いキーワードを洗い出し、競合の少ない指名キーワードやロングテールキーワードなども視野に入れます。
特に重要なのは、自社独自の視点からユーザーが検索しそうなユニークなキーワードを発見することです。これが、競合との差別化を図るうえで大きなポイントになります。競合他社の広告内容や市場の傾向も分析し、自社ならではの強みを訴求できるキーワード選定を行いましょう。
幅広い検索ニーズにロングテールで対応する
ロングテールキーワードとは、複数の語句で構成される、検索ボリューム1,000未満のキーワードのことです。リスティング広告で効果を高めるには、この「ロングテールキーワード」の活用が有効です。
たとえば、「シャンプー 女性 乾燥」「洗濯機 ドラム式 安い」などが例として挙げられます。購買意欲が高く、自社の商品やサービスにマッチしたユーザーにリーチしやすいため、クリック率やコンバージョン率の向上が期待できます。広告費を抑えつつ成果を上げる戦略として、ぜひ取り入れたい施策です。
関係のないキーワードは除外しておく
関係のない検索語句で広告が表示されると、無駄なクリックが発生して費用だけがかさむリスクがあります。それを防ぐためには、「除外キーワード(対象外キーワード)」の設定が効果的です。たとえば高価格帯の商品を扱う場合、「格安」「安い」などのキーワードは、ターゲット層とは異なるユーザー層を集めてしまう可能性があります。
不適切なキーワードを事前に除外リストに加えることで、費用対効果や広告の精度を高められます。配信後も継続的に検索クエリレポートを確認し、除外キーワードの調整を繰り返すことで、広告効果の最大化につながります。
1日の予算は適正に設定する
リスティング広告では1日の予算を自由に設定できますが、低すぎると広告の表示機会が減り、成果につながりにくくなります。効果的にユーザーへアプローチするには、狙うキーワードや目標に応じた適正な予算設定が重要です。
リスティング広告の強みは、運用開始後もデータをリアルタイムで確認し、予算を柔軟に調整できる点にあります。成果が見合わない場合は一時停止や見直しを行い、費用対効果を最大化する運用を心がけましょう。
無駄なく配信するために条件を細かく設定する
リスティング広告では、地域・曜日・時間帯など配信条件を細かく設定することで、無駄な広告費を抑え、より費用対効果の高い広告運用が可能になります。
たとえば、来店型のビジネスなら対象エリアや、反応が良い時間帯だけに絞って配信するのが有効です。より費用対効果の高い広告運用が可能になります。初期は広めに設定し、配信データをもとに徐々に精度を高めていくのがポイントです。適切な絞り込みで、成果につながるユーザーに効率的にアプローチできます。
広告と連動したLPを設ける
広告の効果を最大限に引き出すには、リスティング広告と連動したランディングページ(LP)の設置が必要です。ユーザーが広告をクリックした後、すぐに必要な情報へアクセスできなければ離脱の原因となります。
商品の魅力やサービスのメリットを端的に伝え、問い合わせや購入などのアクションへ自然に誘導するLPを用意することで、コンバージョン率を高めやすくなります。広告とLPの内容に一貫性があるかどうかが、広告の成果を大きく左右する重要なポイントとなります。

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リスティング広告運用時の注意点
リスティング広告を運用する際に注意すべき点について紹介します。
入稿ルールやガイドラインを把握する
リスティング広告を運用する上で、各媒体が定める入稿ルールやガイドラインの確認は欠かせません。広告の文字数制限、使用できる表現の範囲、禁止されているキーワード、虚偽や誇大表現の禁止など、細かい規定が存在します。これらのルールを遵守しないと、広告が審査に通らず、結果として配信開始が大幅に遅れてしまう可能性があります。
特にGoogle広告やYahoo!広告といった主要媒体では、規定が定期的に更新されるため、常に最新の情報をチェックすることが重要です。最新のルールに沿った広告クリエイティブを用意することで、スムーズで効率的なリスティング広告運用につながります。
成果を可視化するためにCVタグを導入する
コンバージョンタグとは、「注文完了」や「問い合わせ完了」など、成果地点のページに設置するタグで、実際の成果(CV)が発生した回数を計測できます。リスティング広告の効果を正しく把握するには、コンバージョンタグの導入が必要です。
設定を忘れると、広告がどれだけ成果に結びついたかを測定できず、最適な改善判断がしづらくなります。成果を数値として可視化し、効果的な運用につなげるためにも、リスティング広告を始める初期段階での設置をおすすめします。
PDCAを回して広告の精度を高める
リスティング広告は、広告を出稿したら終わりではありません。継続的に改善を行い、広告の精度を高めることで、さらなる成果獲得につながります。運用結果はリアルタイムで反映されるため、「各種指標をもとにした効果測定→改善策の仮説を立てて実行→その効果を検証する」というPDCAサイクルを回し続けることが重要です。
広告の精度を高め、費用対効果を最大化するためには、このPDCAサイクルを怠らず、常に改善を追求していくことが求められます。
リスティング広告の効果最大化にはMAツールがおすすめ
リスティング広告を効率的に運用し、成果を最大化するにはMA(マーケティングオートメーション)ツールの活用がおすすめです。
MAツールでは、リスティング広告で獲得したリード情報の管理や、リードへのパーソナライズなアプローチによって、顧客との関係性強化や購買促進へつなげられます。ここではMAツールの概要と、無料から利用できるMAツール「BowNow」について紹介します。
MAツールとは
MAツールとは、見込み客へのアプローチを自動化・最適化するためのマーケティング支援ツールです。たとえば、ユーザーがWebサイトでどんなページを閲覧したか、どのメールを開封したかといった行動データをもとに、関心度に応じた最適な情報を自動で届けることができます。

人力では手間のかかるマーケティング施策を効率化し、限られた人材リソースでも成果を出しやすくなるのが特長です。とくにリスティング広告と併用することで、獲得したリードに対する継続的なアプローチが可能になり、成約率アップにもつながります。主な機能には以下のようなものがあります。
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広告を運用しながら、スモールスタートで始めやすいMAツール『BowNow』

初めてMAツールを使う方や、専門知識がなくて不安な方には、「BowNow(バウナウ)」がおすすめです。クラウドサーカス社が提供するこのツールは、14,000社以上に導入されており、国内シェアNo.1(※)を誇ります。
BowNowの魅力は、専門知識がなくても扱える操作のしやすさです。広告経由で獲得したリードの管理や行動分析を誰でも簡単に行うことができ、効率的にコンバージョンへとつなげられます。スコアリングやフォローアップの仕組みもテンプレート化されているため、導入直後から本格的な運用が可能です。
コストを抑えてスタートしたい企業や、まずは試しに利用して使用感を確かめたいという方は、まずは無料プランを利用してみるのがおすすめです。
※出典:株式会社DataSign「DataSign Webサービス調査レポート 2025.7」
詳しくはこちら:MAツール『BowNow(バウナウ)』とは
まとめ
本記事では、リスティング広告の基本からSEOや他の広告との違い、出稿のメリット・デメリット、費用相場や運用方法などを解説しました。
リスティング広告は、検索意図に即したユーザーに的確にアプローチできる非常に効果的な広告手法です。ただし、リスティング広告で確かな成果を上げるには、単に広告を出すだけでなく、検索キーワードやターゲットの見直し、ランディングページの改善など、継続的な最適化が欠かせません。
もし社内に十分な運用体制がない場合は、外部の専門パートナーに部分的な運用を依頼したり、自動化をサポートするツールを導入したりするのも有効な方法です。さらに、広告経由で得たユーザー情報を管理し、リードナーチャリングをしていくには、MAツールが役立ちます。効率よく成果へつなげる手段として、ぜひ検討してみてください。
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監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子

新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。