いまさら聞けないMA導入の基本!7つの導入ステップとポイント
MA(マーケティングオートメーション)とは、見込み顧客を獲得してから、育成し、商談につなげるまでのマーケティング活動を自動化することです。有益な情報をメールで提供したり、購買意欲の高いホットリードを抽出したり、MA導入でマーケティングや営業活動を効率化して、売上向上に貢献します。
ただし、MA導入にはある程度のノウハウが必要です。マーケティング知識も求められます。「何からはじめたらいいのかわからない」と思われる方も多いでしょう。
今回のコラムでは、MA導入の基本として7つの導入ステップについてご紹介します。MA導入前の確認事項についてまとめた「MA導入確認シート」もご用意していますので、これからMAを導入したいとお考えの方はぜひお役立てください。
MA(マーケティングオートメーション)とは?
MA(マーケティングオートメーション)とは、見込み顧客の獲得から管理、育成、選別、商談化まで一連のマーケティング活動を自動化することです。そのプロセスをサポートするのがMAツールです。
MAツールを利用して「顧客情報のリスト化」「メール配信」「ホットリードの抽出」などの作業を自動で進め、マーケティングや営業活動の効率化、生産性の向上を図ります。
MA(マーケティングオートメーション)導入の効果とメリット
MAを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、その効果とメリットを3つご紹介します。
①見込み顧客を見つけやすくなる
MAの導入で、企業は効果的なターゲティングが可能になり、見込み顧客を見つけやすくなります。データ分析を行い、見込み顧客の行動パターンやニーズを深く理解することで、よりパーソナライズな情報が提供できます。
また、見込み顧客の行動がモニタリングできるので、「料金表ページを閲覧した」「資料をダウンロードした」など、関心が高まった瞬間も見逃しません。タイミングよくアプローチすることで、見込み顧客の興味も継続しやすくなり、次の購買ステップへとスムーズに促せるようになるでしょう。
②提案機会を見逃さなくなる
アメリカのアドバイザリー会社であるシリウスディシジョンの調査で、見込み顧客のうち、すぐに購入を検討してくれるリードは約25%しかおらず、約75%は中長期的な育成が必要であることがわかりました。
さらに、営業フォローをせずに放置した見込み顧客のうち、約80%が2年以内に競合から購入・契約しているという調査結果も出ています。
これらの結果からわかるように、商談数を増やすには、見込み顧客を放置せず、継続的にフォローすることが大切です。しかし、営業がすべてのリードと接点を持ち続けることは現実的ではありません。
そこでMAを導入すれば、長期間に渡って顧客に情報提供を行いながら良好な関係を構築することができます。購買意欲を高め、アプローチすべきタイミングを見つけられるので提案機会の取りこぼしも防げます。
たとえば、新商品ページにアクセスした顧客に関連商品の情報を提供したり、資料をダウンロードしたユーザーにセミナーの案内を送ったり、よりパーソナライズされたアプローチが可能になるでしょう。
③営業やマーケティング活動の生産性が向上する
MAは、マーケティングプロセスを表す「デマンドジェネレーション」を支援することが主な役割です。デマンドジェネレーションとは、以下の3つのプロセスを通して、見込み案件の創出・発掘を行うことです。
- ①リードジェネレーション(見込み客の獲得)
- ②リードナーチャリング(見込み客の育成)
- ③リードクオリフィケーション(見込み客の選別)
MAを導入すれば、これらのプロセスを効率化できます。
たとえば、特定の行動をした顧客にメールを送る「ステップメール」や、ユーザーの行動に点数をつけて関心度を数値化する「スコアリング」など、顧客育成・抽出業務を自動化することで、営業やマーケティング担当は戦略の立案やよりクリエイティブな作業に専念できるようになります。
また、MAによる分析で効果的なキャンペーンやコンテンツもわかるため、マーケティング戦略の最適化も実現します。営業も見込み顧客に合わせた的確な提案やフォローアップが行えるので、生産性の向上につながり、企業の売上達成にも貢献できるでしょう。
MA(マーケティングオートメーション)導入のデメリット
一方、MA導入のデメリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。
①導入に一定の費用が必要
MAのデメリットとしてまず挙げられるのが、運用や導入にコストがかかることです。MAツールはクラウド型がほとんどで、導入にはランニングコストがかかります。初期投資に数百万円かかる高機能ツールもあります。余計なコストをかけないためにも、必要な機能を事前に確認しておきましょう。
ただし、顧客の個人情報を扱うため、しっかりとしたセキュリティ対策は欠かせません。導入費用を抑えすぎて、データ漏えいなどのトラブルが起きないよう注意も必要です。
②運用のための人材が必要
MAを効果的に運用するためには、適切な人員の確保が必要です。導入してもすぐに業務が自動化できるわけではありません。運用ルールやコンテンツ作成といった業務を経て、はじめて効率化が実現します。とくに高機能のMAツールを扱う場合は、専門的な知識や高いスキルを持った人材が求められます。
とはいえ、デジタル人材が不足している日本では、なかなか人材が確保できないという企業も多いでしょう。その場合は、サポート体制のしっかりしたMAツールを選ぶことがおすすめです。
たとえMAの運用が兼務になっても、専門知識をもったベンダーのサポートがあれば、時間のかかる初期設定もスムーズに進められます。
③成果が出るまでに時間がかかることが多い
メール配信をしたり、コンテンツを作成したり、MA導入後の具体的な成果が現れるまでには数ヶ月以上かかることが多いです。
とくに導入初期の段階では、辛抱強く、データと連動しながら最適化を進めていくことが必要です。成果が出るまでにかかる時間を考慮し、中長期的な視点でMA導入を計画しましょう。
MA導入を検討すべきタイミング
MAを導入している企業は、どのようなタイミングで導入を検討しはじめたのでしょうか。
①顧客情報(リード)が500件以上あるとき
MA導入を検討する際に、リード数は「1,000件以上が必要」「最低でも5,000件以上は必要」といった説明をベンダーの営業担当者から聞いたことはないでしょうか。
しかし、MA導入を成功させるために、最初から大量のリードが必要というわけではありません。まずは限られた数のリードで小さな成果を出し、徐々にリード数を増やしながら、MAを使いこなしていくといったことも可能です。
本メディアを運営するクラウドサーカス株式会社が提供しているMAツール「BowNow(バウナウ)」でも、限られたリード数から成果を出している企業様の成功事例は数多くあります。普段の営業活動で獲得した名刺、小さな展示会で交換した名刺など、500件以上あれば商談や成約の創出につなげることができています。
関連記事:MAツール『BowNow』とは?
②商談や成約を効率よく獲得したいとき
商談や成約の効率化を目指している場合も、MA導入の検討をおすすめします。MAは、わずかでも商品やサービスに興味をもってくれた見込み顧客に対して、定期的に接点を持つことができ、有益な情報を送りながら商談まで育成が可能です。
「自社サイトに何度もアクセスしている」「検討レベルが高い人に向けたメールに反応した」など、行動ログを分析してホットリードの抽出も可能になるので、営業チームは効率よく商談創出でき、成約率の向上も期待できます。
③新規のリードを獲得できる自社Webサイトがあるとき
すでに自社でWebサイトを有している場合は、MA導入でその効果をより一層高めることができます。MAツールがあれば、Web上でのユーザーの行動をリアルタイムで把握可能です。「どのページが人気か」「どのコンテンツが注目されているか」を確認して、それに基づいてターゲティングを強化できます。
問い合わせフォームや資料ダウンロードから新規獲得したリードに対しても、MAがあれば迅速で効果的なフォローアップを実現できます。パーソナライズされたメールや情報提供を通じて、見込み顧客の関心を保ちながら商談化が目指せます。
MA導入の7つのステップ
MAを導入する際は、効果を最大限に引き出すための導入手順があります。ここでは、7つの導入ステップについて解説します。
ステップ1 MA導入の目的と目標を明確にする
最初に行うステップは、MAの導入目的と具体的な目標を明確に定義することです。
企業がMAを導入する理由の多くは「売上の拡大」です。具体的には、「商談創出数の増加」「商談の質の向上」「見込み顧客の育成」「マーケティング・営業活動の生産性向上(自動化)」といった目的が挙げられます。
どの部署が導入するのか、どのくらいの予算が使えるのかなどによって、選ぶツールも変わってくるので、他部署を交えながら目的を設定しましょう。
次に、目的に対して具体的な目標を設定します。目標値となるKPIまで設定しておくと、MAの成功を測る指標となります。以下はKPIの一例です。
- マーケティング活動が創出した商談数
- マーケティング部門が創出した受注の平均単価やLTV(顧客生涯価値)
- Webサイトへのアクセス数、CVR(コンバージョン率)
- メール配信数、開封率、URLクリック率
- イベントやセミナーなどへの申込数
MAの目的や目標を明確にすることで、経営陣などステークホルダー間での共通理解も生まれ、協力体制を構築しやすくなるでしょう。
ステップ2 MA導入で改善したい業務内容を明確にする
次は、「ステップ1」で明確にした目標を達成するために、どの業務を改善すればいいのか洗い出します。
たとえば、MA導入の目的が「リードナーチャリングの自動化」の場合、獲得した名刺情報のリスト化、メール配信の自動化、顧客のセグメントなどさまざまな改善ポイントが考えられます。現状のマーケティングプロセスを振り返り、どの業務を効率化できるか考えてみましょう。
ステップ3 MAツールを選定する
MAツールを選ぶときは、「ステップ1・2」で明確化した内容に対応しているものかを確認します。「必要な機能が搭載されていなかった」と導入後に気づくことのないよう、しっかりと機能をチェックしましょう。
以下は、よくある課題とそれを解決してくれるMAツールの機能一例です。
よくある課題 | 解決する機能 |
---|---|
問合せフォームの管理 | フォーム作成・自動返信・データ蓄積 |
他部署との連携 | タスク管理・カレンダー共有・CRMやSFAとの連携 |
リードの発掘と育成 | スコアリング・セグメント・セグメントメール送信 |
データの収集と分析 | トラッキング(メール開封率やCV率など)・レポート |
たとえば、「リードを育成して検討度合いを上げたい」といった場合には、スコアリングやセグメント・ステップメールなどメールマーケティング機能が充実したツールがおすすめです。スコアリングで一定条件を満たしたリードに対して、自動的にメール送付してくれるので、効率のよいリード育成が実現します。
そのほかにも、目的から選んだり、自社の規模に合わせたり、選定方法はさまざまあります。自社に合うMAツールを見極めたうえで、ぜひ選定してみてください。
ステップ4 運用フローを設計する
MAツールを選定したら、どのように運用するのかフローを設計します。このステップで、よく利用されるのが「カスタマージャーニーマップ」です。カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品を認知して購入に至るまでの思考の変化や行動を可視化したもので、いつ・どんなコンテンツを顧客に届ければよいのかがわかります。
カスタマージャーニーマップは、以下の手順で作成します。
- ①ペルソナ(ターゲット顧客)設定
- ②ペルソナの行動の検討・細分化
- ③ペルソナの感情・意識の想定
- ④ペルソナのタッチポイントごとの施策・KPIの設定
ペルソナとは、職種や部署、仕事への接し方、家族構成、趣味など架空のターゲット像を想定することです。ペルソナを具体的に設定して、ターゲットがどのような心理や行動で購入プロセスを進めるのかを考えます。
カスタマージャーニーマップを作成したら、その内容にもとづいてシナリオの設計を行います。シナリオ設計では、見込み顧客が購入に至るまでの行動プロセスを想定しながら作成し、購入ステップを引き上げるためのアクションを促します。
たとえば、「料金表ページを数回閲覧している見込み顧客に資料を送る」「3か月以上動きのない顧客にお得なキャンペーン情報をメールする」など、「誰に・いつ・なにを・どのようなタイミングで」アプローチするかを考えましょう。
とはいえ、最初から高度なシナリオ設定をする必要はありません。工数をかけてシナリオ設定しても、見込み顧客が少なく、十分な成果を得られない場合もあります。まずは必要最低限のシナリオ設計を行い、運用しながら改善を繰り返していきましょう。
MAツール『BowNow』はABMテンプレートを搭載しているので、シナリオ設計をしなくても自動でステータス分類が行われ、ホットリードを抽出できます。なかなか設定に時間が取れない場合は、テンプレートのあるMAツールを選ぶのもおすすめです。
関連記事:MAツール『BowNow』とは?
ステップ5 運用体制の調整と教育
運用前に社内の体制を整えておくことも大切なプロセスです。MA導入で成果を上げるためには、体制を整えると同時に、マーケティング知識やデータマネジメント知識のレベルについても、現状を確認しておきたいところです。不足しているスキルは、育成プログラムやセミナーへの参加など、社員のスキルアップ支援を行いましょう。
なかなか人材が集まらない場合は、運用が軌道に乗るまでベンダー企業のコンサルティングを利用するのもひとつの方法です。外部の専門家を活用した方が、最終的なコストが少なくすむ場合もあります。ツールの使い方だけでなく、マーケティング知識についても学べるので、その後の運用がスムーズになるでしょう。
ステップ6 MA導入後に必要となるコンテンツをつくっておく
運用体制ができたら、カスタマージャーニーマップの情報に基づいてコンテンツの準備に取りかかります。「どの段階の顧客が、どのようなコンテンツを必要とするか」といった基準を念頭に置いて作成していきましょう。
コンテンツは、オウンドメディアの各種記事・ブログ・メルマガ配信・SNS投稿・セミナーなど、その種類はさまざまです。
なかでも、ブログ記事やInstagramの写真コンテンツなどは「ストック型コンテンツ」と呼ばれ、作成したものが会社の資産になるといったメリットがあります。時間がたっても価値が下がりにくく、公開している間は集客や顧客育成などの効果を発揮します。コンテンツ数が多ければ、幅広いニーズに情報を届けられ、サイトに訪れるファン創出にもつながるでしょう。
ただし、良いコンテンツを作成するには、時間と手間がかかります。コンテンツがすべてそろってから運用をはじめるのでは、開始が遅れてしまいます。まずは購買フェーズに適した最低限のコンテンツを用意しましょう。
ステップ7 効果検証の方法を決めておく
MA導入で成果を出すには、定期的な分析や検証、改善を続けていくことが不可欠です。どのような検証方法を活用するのか、何を見直していくのかを事前に決め、ある程度MAを運用したら効果検証を行います。
MA導入の検証には、「Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善)」のPDCAサイクルがよく活用されています。「ステップ1」で設定した目標数値に対して、どのくらい達成したか、成果が得られていない場合はどこに問題点があるかを検証しましょう。
MAツールには、多くの分析機能がついているものもありますが、すべての数字を検証していくと膨大な時間がかかってしまいます。目的に合わせてどの数値を見るべきか、事前に検討しておくことが大事です。 最初は成果が得られなくても、データを分析し、常に改善していくことでMAの精度も上がり、さらなる業務効率化につながるでしょう。
MA導入でよくある失敗
MAの導入が失敗しないように注意すべきポイントを確認して、事前に対策をしておきましょう。
①目的が不明確なまま導入
MA導入が失敗してしまう理由のひとつとして、目的や目標があいまいなまま運用を開始してしまうことが挙げられます。単にMAを導入するだけでは成果はついてきません。「何のために導入したいのか」「どんな成果を得たいのか」を常に考えながら運用しましょう。
導入ステップでもお伝えしたように、「売上アップ」といった漠然とした目標ではなく、KGIとKPIをきちんと設定することが大切です。受注率や商談化率など数値化することで、達成度合いが把握しやすくなります。投資対効果などの効果測定を行うためにも、具体的な目標を定義してから運用をはじめましょう。
②スキル・リソース不足で使いこなせない
以前、当社が行った「マーケティングオートメーション意識調査」によると、MAツールを「完璧に使いこなしている」と回答したのは21%で、約8割の人が「使いこなせていない」と感じていることがわかりました。最も多い58%の人が「メール配信程度の運用になっている」と答えています。
とくに、海外で開発された高機能ツールは、専任のマーケターが使うような高度な機能が備わっており、デジタル初心者には難しい部分もあります。機能が使いこなせないと、次第にツールにふれる機会も減り、イメージしていたより成果が出なかったと運用が失敗に終わってしまうかもしれません。
リソースが不足していると、スキルの高い人に依存して属人化してしまう危険もあります。チームでMA運用していくには、全体のスキルアップを目指して体制を整えることが大切です。
③関係者(営業など)の巻き込み不足
企業がMAを導入する際によく見られる失敗のひとつは、関係者の巻き込み不足です。MAはマーケティングチームだけでなく、営業やカスタマーサクセスとの緊密な連携が必要です。導入プロセスでの関係者のサポートが不足していると、MAの成果を最大限に引き出せなくなります。
営業との連携ができていないと、顧客情報やニーズなどがリアルタイムでわかりません。MAは見込み顧客を段階的に育てていくため、関係者のフィードバックやアクションが欠けると、効果的な顧客関係の構築も難しくなるでしょう。
営業はもちろん、インサイドセールスやカスタマーサクセスなど、それぞれが独立した部門といった認識をなくして、協力することが成功のカギとなります。関係者同士の壁をなくして、共通の目標とプロセスを確立することが大切です。
MA導入確認シートとは?
これからMAを導入しようとしている方、MA導入がなかなか進まないとお悩みの方は、まず自社がどのような現状なのかを把握してみましょう。「MA導入確認シート」を使えば、貴社の傾向がわかります。
たとえば...
- Q. MAツールを導入する(した)際の目標は?
- Q. 自組織の課題はなんですか?
- Q. 上記課題が解決されている目標になっていますか?
これらの質問に答えることで、現状の課題や方向性などが可視化できます。MAツールの選定や目標を明確にするためなどにぜひお役立てください。MA導入確認シートは以下より無料でダウンロードしていただけます。
MA導入のコツ
MA導入後に成果をあげるためには、いくつかのポイントがあります。MA導入のコツをおさえて、MAのポテンシャルを最大限に引き出しましょう。
①現状把握は念入りに行う
MA導入の目的は企業によって異なります。「見込み客の獲得」を目的とする企業もあれば、「育成の効率化」を目指す企業もあります。「休眠顧客の掘り起こし」に活用する使い方もあるでしょう。現状を徹底的に把握することで、マーケティング戦略をより洗練させ、MAの効果を最大限に引き出せます。
とくに、MA導入後に運用を担当するチームのスキルや、リソースの状況把握が重要です。マーケティングに不慣れな段階で、高性能ツールを導入しても宝の持ち腐れになってしまいます。不要な機能がたくさんあると、導入費用がムダになる可能性もあります。導入コストや習得までの時間をロスしないためにも、念入りに現場を確認することが大切です。
②自社と相性の良いMAツールを把握しておく
最近ではたくさんのMAツールが登場し、選ぶのに苦労している企業も多いのではないでしょうか。企業の成長段階によっても最適なMAツールのタイプは変わるので、マーケティングチームの成熟度や企業目標に合わせて選ぶのもひとつです。MAツールは以下の3つのタイプに分けることができます。
- はじめてでも安心導入型
- シナリオ重視型
- 多機能&CRM完全連携型
「はじめてでも安心導入型」に該当する企業は、シンプルな操作や機能で初心者も簡単に扱えるMAツールがおすすめです。「シナリオ重視型」は、すでにコンテンツを作成していて、見込み顧客の育成を強化したい企業にぴったりでしょう。さらに「多機能&CRM完全連携型」は、より高い次元でMAを進めたい企業に適しています。
このように、企業の目的やスキル、実績にあわせてMAツールを選択してみましょう。以下の関連記事では、この3タイプに分けてMAツール10選をご紹介しています。ぜひ選定する際の参考にしてみてください。
③サポート内容を確認しておく
自社に適したサポート体制を選ぶことは、MAの導入成功を大きく左右します。「通常業務と兼務してMAを運用する」「1人でMA運用を担当する」といった企業は、少なくありません。なかなかリソースが集まらない場合でも、手厚いサポートがあればスムーズに導入プロセスを進めることができます。
よくあるサポート内容
MAツールの主なサポート内容は以下のとおりです。
- 1to1導入支援・オンボーディング
- 勉強会・セミナー
- Web会議・オンラインミーティング
- サポート・マニュアルサイト
- メールや電話によるテクニカルサポート
SaaSにおける「オンボーディング」とは、サービスを使いはじめた顧客に対して使用方法を支援することです。迷うことなくサービスを使えるようにフォローして、利用者の定着を目指します。
最近では、Web会議サービスを利用して、ユーザーの画面を見ながら操作をサポートしてくれるケースもあります。操作や機能についてはもちろん、今後の目標に対してどうツールを活用すればいいのかも提案してくれます。
そのほか、サポートの効率化を目指し、ユーザー自身で問題を解決できるようサポート・マニュアルサイトも充実しています。ログインや初期設定の方法、操作マニュアル、トラブルシューティングなどをWeb上で公開しているので、24時間いつでも疑問を確認できます。
技術サポート
MAツールは、高度な技術を要する場合があります。技術面に不安がある場合は、専門家による技術サポートがあるかを確認しましょう。トラブルが生じた際、すぐにメールや電話などで適切なアドバイスをしてくれることが理想です
また、サイトで公開されている「トラブルシューティングガイド」や「FAQ」がわかりやすいか、という点もチェックしておきたいポイントです。自分で問題を解決できれば、操作によるストレスが軽減されます。
運用サポート
「MA運用に人材を割くことができない」「マーケティング知識が少ない」などの課題がある場合は、技術面だけでなく、運用サポートが受けられるかも確認しておきましょう。
たとえば、MAツール『BowNow(バウナウ)』では、有料プランの方に向けて「スタートアッププログラム」を実施しています。最短で成果を出してもらえるよう導入初期を支援し、勉強会や動画視聴などの学ぶコンテンツと、個別のミーティングを組み合わせて行っています。このプロセスにより、デジタルマーケティングの知識を身につけるとともに、 自社の施策に落とし込むことが体系的に実践可能になります。
④関係の深い人物・部署に早期に相談
MA導入の検討段階から、関係の深い人物や部署に計画を相談することで、関係者を巻き込みやすくなります。関係者全員が、導入目的や期待する成果について理解しやすくなり、協力意欲も高められるでしょう。
また、早めに相談することで、他部署の視点や要望も事前に把握できます。営業チームや責任者のニーズを計画に反映させられるので、MAが実際の業務でどのくらい効果的か、具体的に検討しやすくなるでしょう。MA導入に伴う懸念や問題点もつかめるので、問題が発生した際も迅速な対応が可能になります。
MAの導入事例2選
では最後に、MA導入の成功事例についてご紹介します。
MA導入で問い合わせ数が2倍に!受注率も9%から30%に上昇|アーティサン株式会社
アーティサン株式会社様は、「クラウドコンサル事業」と「バス予報事業」の2つを軸として事業を展開しています。クラウドコンサル事業は、紹介やWebからの問い合わせで案件を獲得するインバウンド営業を主体としていました。しかし問い合わせ件数が少なく、安定的な案件獲得ができないことが課題となっていたそうです。
バス予報事業においても、メール配信の効率化やWebマーケティングの強化が課題となっていたため、全社的なMAツールの導入を検討していました。
以前に別のMAツールを利用されていましたが、使いこなせずに解約してしまったため、今回はスモールスタートできるMAツール「BowNow」を選定。マーケティング全体の施策もサポートしてくれる「スタートアッププログラム」が、無料で利用できることも導入の決め手となったといいます。
BowNowを導入後、「ホワイトペーパー施策」と「メール配信」、「ABMテンプレートの作成」、「ホームページの導線設計の見直し」の4つの施策を実施。導入前は月5件程度だった問い合わせ数が、導入後には2倍の10件程度まで増加しました。
Webサイトからの問い合わせの受注率も、導入後2か月で9%程度から30%と大幅に向上。問い合わせ数が増えたことで受注にもつながり、BowNowの月々のコストは十分ペイできているとのこと。受注率も上がってきており、今後もどれだけ売上が伸びるのかを観測していくそうです。
BowNow導入と同時にインサイドセールスを立ち上げ、アポイント獲得率が約12%向上!|株式会社アクアスター
株式会社アクアスター様は、イラスト・動画・マンガなどのビジュアルコンテンツ制作と、AR・Webコンテンツなどのデジタルソリューションを掛け合わせた総合制作会社です。
自社ショールームでの展示会やWebサイトの運用など多くの施策でリード情報を獲得しており、コロナ禍でもウェビナーやオンライン展示会、SNS広告などで積極的にリード獲得を目指してきました。
しかし、リード情報を獲得した後は営業が各々でアプローチをしていたため、いつメールを送ったのか、いつテレアポをしたのかといった進捗状況が把握できていなかったといいます。ニーズに関しても、ヒアリングした営業しか情報を持っていない状況で、営業の所有している3万枚以上ある名刺もそのままになっていました。
そこで、シンプルな機能と、低価格からはじめられるコスト面、顧客の動きがわかるという機能面に有用性の高さを感じて「BowNow」を導入。それと同時にインサイドセールスも立ち上げました。
以前は、名刺獲得数およそ800枚に対して商談数は50件程度でしたが、直近のデータでは名刺枚数1,000枚弱に対し、130件以上の商談を獲得できたそうです。ウェビナー後のアプローチもインサイドセールスが行うようになり、 143名の集客で15件しか取れていなかった商談が、導入後は集客数177名に対して約40件の商談を獲得できました。
インサイドセールスがアポを取ってから案件を営業に渡すので、営業活動が属人化することもなく、課題となっていた営業プロセスの可視化も改善したそうです。
インタビュー記事:BowNow導入と同時にインサイドセールスを立ち上げ、アポイント獲得率が約12%向上!|株式会社アクアスター
まとめ
デジタルマーケティングの進化と競争激化の中で、MAの導入は企業にとって不可欠なプロセスとなっています。いくら展示会で多くの名刺を獲得しても、うまく活用できなければ顧客は競合へと流れてしまいます。従来の足で稼ぐ営業をしていては、生産性も向上しません。MAを導入して見込み顧客を効率的に育成し、売上達成を目指しましょう。
マーケティングやデジタルに不安を感じている人は、初心者でも操作しやすいシンプルなツールがおすすめです。
弊社の運営するMAツール『BowNow(バウナウ)』は、使いこなせるMAツールとして、必要最低限の機能と使いやすい操作性、手厚いサポート体制を兼ね備えています。無料プランでお試しも可能なので、スモールスタートしたいという方にもぴったりです。
監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子
新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。