ステップメールの作り方!基礎から学ぶ、成果を出すためのアプローチや事例

ステップメールとは、特定の行動をとった見込み顧客に対して、内容が異なる複数のメールを段階的に配信できる仕組みのことです。配信する順序や、配信時間の間隔も指定することができ、指定された条件に合わせて自動的に配信されます。見込み顧客を育成する(リードナーチャリング)にあたり、効果的な手法の一つとされています。
「リードを獲得したけど、その後どうすれば商談につながるのか分からない…」「もっと効率的に、見込み顧客の態度変容を促せないだろうか…」とお悩みの方には、ステップメールの導入をおすすめします。今回の記事では、ステップメールの基本的な仕組みから、活用方法、そして成功のためのポイントまで詳しく解説します。

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目次
ステップメールとは?
ステップメールとは、資料請求や会員登録など、特定の行動を起こした顧客に対し、あらかじめ用意しておいた内容が異なる複数のメールを、段階的に配信する仕組みのことです。配信する順序や、配信時間の間隔も指定することができ、指定された条件に合わせて自動的に配信されます。
たとえば、資料請求をした見込み顧客に対して、すぐに「ありがとうございます」とお礼メールを送り、数日後に「サービスの使い方」や「事例」のメールを送る、というように設定したシナリオに沿って段階的にメールを送ります。
ステップメールの例 |
ステップメールは、ただ段階的に「情報を送る」だけではありません。見込み顧客の興味や関心を徐々に引き出しながら購入や契約へとつなげていく、という目的があります。
多くの顧客は、商品やサービスを知った直後に購入を決めることはほとんどありません。いきなり「買ってください!」と営業しても、心を動かすのは難しいものです。ステップメールは、こうした見込み顧客との関係性を深める手法として注目されています。ステップメールを活用し、見込み顧客と少しずつ信頼を積み重ねていくことで、見込み顧客からの成約を最大化することができます。
メルマガとの違い
ステップメールとよく似た手法にメルマガ(メールマガジン)がありますが、両者には大きな違いがあります。メルマガは、登録者全員に同じ内容のメールを一斉配信する(=不特定多数に情報を統一して発信すること)を目的に活用する手法ですが、ステップメールは、見込み顧客一人ひとりの「行動」を起点に、パーソナライズした情報を届ける際に活用する手法です。
ステップメールのメリットとデメリット
ステップメールのメリットとデメリットをご紹介します。
ステップメールを活用するメリット
メリットは4つあります。
見込み顧客の育成と関係強化
ステップメールは、見込み顧客に対して段階的に情報を提供し、信頼関係を築きながら購買意欲を高めます。いきなり営業するのではなく、商品やサービスに対する理解を深めてもらい、徐々に関係を築いていくことができます。
自動化によって作業が楽になる
ステップメールは、あらかじめ配信スケジュールと内容を決めて設定しておくことで、自動的に配信することができます。多くの見込み顧客に対して、個別に連絡を取る手間が省くことができ、営業担当者はより重要な商談や新規開拓に時間を使えるようになります。
エンゲージメントの向上
見込み顧客が商品やサービスに対して興味を持つタイミングを、逃さずアプローチすることができます。たとえば、見込み顧客が資料をダウンロードした直後に、「この資料をどう活用すれば良いのか」や「関連するサービスの紹介」などのメールを送ると、さらに関心を高められます。
また、見込み顧客の行動データ(メールの開封率やクリック率など)をもとに、次に送るべきメールの内容を改善することができます。これにより、見込み顧客ごとに最適化された情報を届けることができ、エンゲージメント(関係性や信頼性)の向上も期待することができます。
PDCAサイクルの迅速化
ステップメールは、配信後の反応データ(開封率、クリック率、購買率など)を即座に確認することができるため、PDCAサイクルを素早く回せます。たとえば、ステップメールの開封率が低い場合は「件名を変更する」、クリック率が低い場合は「リンクの配置や内容を見直す」といった改善をすぐに講じることができます。これを繰り返すことで、配信の精度が向上し、最終的な成果も得やすくなります。
知っておきたいデメリット2つ
ステップメールは、取り組む前に理解しておくべきデメリットも存在します。
初期設定の手間
ステップメールの配信には、相応の準備と設定が必要です。初期設定には一定の時間と労力がかかります。具体的には、以下のような作業が発生します。
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これらの作業は一度設定すれば自動化されますが、最初の段階で多くの時間と労力を割く必要がある点を理解しておきましょう。また、ステップメールの配信は自動化されているため、設定を間違えるとその後のメール配信に大きな影響を与える可能性があります。事前に充分にテストを行い、不適切な内容での配信や誤配信を防ぐようにしておきましょう。
コンテンツの質の維持が必要
ステップメールの効果は、コンテンツの内容に大きく依存します。魅力的で有益な情報を継続的に提供しなければ、開封率やクリック率を高い水準で保つことは難しく、最悪の場合は配信停止につながり、配信することで得られる効果が減っていきます。商品やサービスのターゲットが何を求めているのかを調査し、必要な情報をタイムリーに提供することが大切です。継続的にコンテンツの質を維持・向上させるためには、以下のようなPDCAサイクルを回し続ける必要があります。
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ステップメールの作り方(基本編)
ステップメールの作り方を紹介します。

STEP1. 目的を明確にする
ステップメールを作成する第一歩は、目的を明確にすることです。ステップメールを送る目的は何でしょうか。製品の購入、サービスの申し込み、ウェブサイトへの誘導、資料のダウンロードの促進などさまざまな目的が考えられます。これらを明確にして、ステップメールの軸を定めましょう。
最終的に何を達成したいのかだけでなく、具体的な数値目標を設定することも重要です。例えば、「3ヶ月以内に商品Aの購入率を10%向上させる」といった明確な数値目標を掲げることで、より効果的な戦略が描けます。
STEP2. ターゲットを決める
ターゲットを明確に設定することも重要です。年齢、性別、職業、興味関心など、ターゲットの属性を具体的に絞り込むことで、より効果的なメッセージを届けられます。(例:20代後半〜30代前半の女性で、美容に関心が高く、SNSをよく利用する)

ターゲットを設定する際に役立つことに「ペルソナの設定」があります。ペルソナとは、典型的な顧客像を詳細に描き出したもののことで、ペルソナを用意しておくことで見込み顧客に対して発信するメッセージを考えやすくなります。
STEP3. カスタマージャーニーマップの作成
次に、カスタマージャーニーマップを作成して、ターゲットの行動プロセスを可視化します。カスタマージャーニーマップとは、見込み顧客がどのような過程を経て、商品やサービスを認知し、関心を持ち、最終的に購入や利用に至るのかを図で示したものです。一般的に、以下の4つのステージに分けて考えます。カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客がどの段階でどのような情報を求めるのかが明確になります。
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STEP4. 具体的な配信計画を立てる
これまでの情報を基に、ステップメールのシナリオを設計します。カスタマージャーニーマップを見ながら、どの段階でどのような内容を送るかを検討しましょう。さらに、以下の要素を設定することも大切です。
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送信頻度が過剰だと逆効果となる場合があるため、慎重に検討してください。以下にて、ステップメールのシナリオの設計について、詳しく紹介していきます。
1. カスタマージャーニーマップにシナリオを落とし込む
作成したカスタマージャーニーマップを参考に、シナリオを考えましょう。例えば、以下のような内容を考えていきます。これまでに成果が出ているメールの内容や、見込み顧客とのコミュニケーションの内容を参考にし、組み立てていくのもおすすめです。見込み顧客の感情に寄り添った内容を意識しましょう。
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2. シナリオを具体化させる
ステップメールで成果を出すためには、最初のメールから順番にユーザーに適切な情報を提供し、次の行動に誘導する流れを作ることが大切です。それを意識して、シナリオをより具体化させていきましょう。例えば、以下のように内容を考えていきます。
▼最初のメール(ウェルカムメール)の例
例:「〇〇さん、こんにちは!ご登録いただきありがとうございます。~に関する役立つ情報をお届けします!」 通常、最初のメールは、サインアップや購入、特定のアクションが起こった後、即時または1〜2日以内に送信されます。この段階で、ターゲットに対してブランドやサービスの第一印象を与えます。一斉送信ではないと伝わるように「資料請求ありがとうございました。」「○○のサンプルはいかがでしたか?」といった文章を添えることもポイントです。
▼2回目のステップメールの例
例:「こんな悩みはありませんか?私たちの商品で解決できます!」 最初のメール配信後、通常1〜3日間隔で送信されます。各ステップはターゲットの行動(開封、クリックなど)に応じて配信され、パーソナライズされる場合もあります。メールの内容やタイミングは、ターゲットがどの段階にいるかによって調整します。
▼3回目のステップメールの例
例:「実際に〇〇さんがどのように効果を実感したかをご紹介します。」 1〜3日程度の間隔が一般的ですが、ターゲットの反応に基づいて調整することが可能です。
▼4回目のステップメール
例:「残り〇〇個!」「〇〇%オフクーポン付き」 3回目と同様に間隔と送信内容を設定します。
▼フォローアップ
例:「まだご購入いただいていませんか?最後のチャンスです!」 最後のステップメール後、一定の期間内にアクションを取らなかったターゲットに対しては、フォローアップメールを送信します。リマインダーメールや再送信によって、最終的なコンバージョンを促進します。 |
3. メール内容を考える
先ほど考えた内容をメールの本文として作成していきます。一般的なステップメールに含まれる基本項目は以下の通りです。基本を押さえつつ、自社独自のステップメールを作成しましょう。
件名 |
読者の興味を引く、または問題解決のヒントを示唆するような言葉を使用すると効果的です。長すぎると、特にモバイル端末では文章が切れてしまうため、簡潔でわかりやすい表現が求められます。 |
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開始の挨拶 |
読者の名前を使うことが効果的とされていますが、それに加えてパーソナライズされた内容を組み合わせると、より読者の関心を引くことができます。例えば、過去の行動履歴や購買履歴に基づいた挨拶が効果的です。 |
本文 |
本文ではターゲットのニーズに合った情報に焦点を合わせる必要があります。ここでの重要な点は、「問題提起」→「解決策の提示」→「証拠(実績やレビュー)」の流れを意識することです。 |
CTA(Call to Action) |
行動を促すポイントを作ります。より明確で魅力的にするためには、「〇〇を今すぐ試す」「〇〇の詳細を見る」など、ターゲットにとって価値があるアクションを強調することが重要です。 |
その他. テンプレートがあると安心
ステップメールを作成するうえで最低限押さえておきたい項目はあります。こうした基本の型をまとめてテンプレート化しておくと、使いまわしやすいのでおすすめです。テンプレートを使うとメールの構成が安定し、訴求力のある内容を一貫して作成することができます。また、複数のスタッフが関わる場合でも、共通のテンプレートを使用することで、内容のばらつきがなくなります。以下に、ステップメールの例文を2つ紹介します。ポイントを確認して、自社ならではのテンプレートを作成してみてください。
▼ステップメール例① 【件名】
【本文①:挨拶と自己紹介】 この度は〇〇にご登録いただき、誠にありがとうございます。 このメールは、●●様に〇〇を活用いただき、 (※これからお送りするメールの目的について簡単に紹介) このシリーズを通して、●●様が〇〇を効果的に活用し、 (※CTAや特典の提示) → [無料ガイドブックをダウンロードする] 〇〇の使い方や活用法をくわしく解説しておりますので、 (※次回予告や、次の行動への誘導) |
▼ステップメール例② 【件名】
【本文①:挨拶と自己紹介】 (※簡単なアドバイス(付加価値の提供)) (※今後のメールの流れを簡潔に伝える) (※CTA) |
STEP5. 配信の設定をする
最後に、ステップメールの配信設定を行います。ステップメールは、メール配信ツールやMAツールを利用すれば簡単に配信を設定することができます。エラーメールが発生しないようダブルチェックを忘れずに行いましょう。配信前にテスト配信を行い、文面やリンクにミスがないか確認することも重要です。

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ステップメールの作り方(応用編)
ステップメールは、単に配信するだけではその効果を充分に得ることができません。効果的な方法で実践し、開封率やクリック率の向上を目指しましょう。例えば、初回のメールは特に重要な役割を果たします。最初の印象がその後のメールの開封率に大きく影響するからです。初回メールには、主に次の3つの目的があります。
信頼構築:読者に「このメールは信頼できる」と感じてもらうため、会社の実績や顧客事例を明示しましょう 期待感の醸成:読者が「このメールを読み続けたい」と思うような期待感を生み出します。次回のメールの内容を予告する方法が有効です 登録のお礼:登録してくれたことに対する感謝を伝えると、読者に好印象を与えます。特典がある場合は、受け取り方法を明記しましょう |
これらを意識してステップメールを作成しましょう。次回のメールの予告を入れると、次のメールを読者に読んでもらいやすくなります。これは、ツァイガルニク効果(人は未完了のものに注意を向けやすい)という心理現象が関係しています。受け手はその情報が気になり、次回もメールも開封したいと思うようになるのです。また、メールがシリーズ化されていると、物語を読むような感覚で続けて開いてもらいやすくなります。一方で、次回予告が不要なケースもあります。
予告が不要なケース
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セールやクーポンの案内、緊急のニュースや限定キャンペーンなど、即時性が重視されるメールは予告が不要です。ではさらに、ステップメールを効果的に運用するためのコツを紹介します。
内容にこだわる
ステップメールの内容を工夫することは、開封率やクリック率の向上に大きな影響を与えます。特に、セールスライティングの手法を取り入れることで、読者の関心を引きつけ、次の行動を促すことができます。ここでは、「AIDMAの法則」と「新PASONAの法則」という2つのフレームワークを紹介します。
AIDMAの法則
まず紹介するのが「AIDMAの法則」です。この法則は、消費者が購入に至るまでのプロセスを5段階に分けて考えます。以下が「AIDMAの法則」の活用例です
AIDMAの法則 Attention(注意):読者の目を引くフレーズを提示します。 Interest(関心):興味を引いた後に、具体的な情報を示して読者の関心を高めます。 Desire(欲求):読者に「これが欲しい」と感じさせます。 Memory(記憶):記憶に残すため、重要なポイントを強調にします。 Action(行動):行動を促すためのCTA(Call to Action)を設置します。 |
新PASONAの法則
次に紹介するのは「新PASONAの法則」です。
新PASONAの法則 Problem(問題提起):読者が直面している課題を明確にし、その問題がどれだけ重要であるかを示します。 Affinity(親近感):読者が抱える問題に共感します。 Solution(解決方法の提示):読者の問題を解決するための方法を提示します Offer(提案):具体的な解決策として、商品やサービスを提案します。 Narrowing down(限定):特定の条件や期間を限定することで、行動を促します。 Action(行動):最後に具体的な行動を促します。 |
新PASONAの法則は、読者の感情に寄り添いながら、効果的に行動を促すためのフレームワークです。従来のPASONAの法則が危機感を煽って行動を引き出すのに対し、新PASONAの法則では「親近感」を強調し、ポジティブな提案を通じて読者にアクションを促します。
AIDMAの法則は、消費者が商品を購入するまでの心理プロセスを可視化したものであり、BtoCの消費財マーケティングに適しています。一方で、新PASONAの法則は、BtoBのリード獲得や、問題解決を提案する場面に効果的だといわれています。いずれにせよ、これらのフレームワークはあくまで「考え方の指針」です。機械的にその通りの構成を作るのではなく、ターゲットのニーズに合わせて柔軟にカスタマイズすることが大切です。
インパクトのある導入部分
離脱を防ぐためには、導入部分の最初の5秒で読者の関心を引く必要があります。以下は、読者の関心を引く手法として、よく使われるものです。
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共感したり、意外な事実を提示したり、質問形式で興味をひきつけたりする手法が効果的です。ただし、一番効果的なのは、読者が見たいと思う要素を取り上げることです。ターゲットの分析を行い、しっかりニーズを理解しましょう。
読者の行動を促すための工夫
読者に行動を促すためのCTA(Call To Action)は、メール内の重要な要素です。CTAはメールのどの位置に配置するのか、どのような文言にするのかをしっかり考えましょう。CTAの配置場所としては、メールの冒頭、文末、P.S.欄の3つが効果的です。それぞれの役割は以下の通りです。
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効果測定とデータに基づく改善
効果測定を行うことで、どの部分を改善すべきかが明確になります。開封率やクリック率を高めるためのポイントをデータから把握し、効果的な改善を行いましょう。
A/Bテスト
A/Bテストは、異なるパターンのメールを一部の受信者に配信し、効果を比較します。テストは、目的設定→グループ分け→結果の比較の流れで行います。例えば、開封率の向上を目指す場合は「件名」や「配信タイミング」をテスト対象に選定します。次に、対象リストをランダムに2つのグループ(A群とB群)に分割して配信します。その後、配信したメールのパフォーマンスを比較します。KPI(後述)を基に、どちらのパターンが優れているのかを評価します。この結果をもとに、次回以降のメールに最適なパターンを反映させていきます。
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KPI(開封率、クリック率)を基にしたフィードバック
KPI(Key Performance Indicator)を追跡することで、メールのどの部分が効果的で、どの部分に改善の余地があるのかが明確になります。以下が代表的なKPIの例です。
- 開封率:メールが開かれた割合
- クリック率:メール内のリンクがクリックされた割合
- コンバージョン率:最終的な成果(商品購入や問い合わせなど)
例えば、開封率が低い場合は件名の表現や送信タイミングを見直します。クリック率が低い場合は、導入文やCTAの文言・配置を改善すると良いでしょう。データ分析ツールを活用し、開封率やクリック率の推移を可視化すれば、改善点が見つけやすくなります。
ツールを活用する
ステップメールを効果的に運用するためには、適切なツールの導入が不可欠です。手動で配信する場合、ターゲットごとにメールの内容を変更したり、配信スケジュールを管理したりする必要があり、これには膨大な時間と手間がかかります。自動配信が可能なツールを導入しましょう。
また、自動配信だけでなく効果測定も行えることも専用ツールの良さです。ツールの中には、開封率やクリック率、配信エラー率などの詳細なデータを収集できるほか、レポート機能を活用することで、前回のステップメールと今回の結果を比較し、次の改善施策を検討できるものもあります。これにより、精度の高いデータ分析を迅速に行い、さらなる効果向上が期待できます。
ステップメールの効果を高めるおすすめツール・選び方
数あるツールの中から最適なものを選ぶには、下記のポイントを押さえる必要があります。
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まず、自社の業務に適した機能が搭載されているかどうかを確認しましょう。特に、ステップメールなら「自動配信機能(ステップメール機能)」「セグメント管理機能」「効果測定機能」があるかどうかをチェックするのがポイントです。これらの機能がそろっていれば、効率的なメール配信とデータ分析を行うことができます。
高機能なツールほど魅力的に感じますが、機能が多すぎても使いこなせない可能性があります。自社の業務規模やメール配信の目的に合ったツールを選ぶのもポイントです。初期費用がかかるかどうか、月額料金の仕組み、無料トライアルの有無も確認しておきましょう。
おすすめはMAツール
ステップメールの配信に最適なツールがMA(マーケティングオートメーション)ツールです。MAツールを活用すれば、ユーザーの行動に基づいてメールを自動で配信することができ、ユーザーとのよりパーソナライズされたコミュニケーションを実現することができます。またMAツールは、開封率やクリック率など、配信結果の分析や改善も簡単に行うことができます。

ステップメールの作成から効果検証までサポート!MAツール『BowNow(バウナウ)』

数あるMAツールの中でも、特におすすめなのが『BowNow(バウナウ)』です。導入企業は14,000社を超え、多くの企業で活用されています。BowNowは、はじめてのMA導入に必要な機能を備えたシンプル設計のMAツールで、導入から運用までの各種サポートも充実しています。「これからステップメールを始めたいけど、あまり知見がない…」という企業にも、これまで蓄積してきたナレッジや活用事例を元にサポートします。
また、リードの行動(開封率やサイト閲覧、資料ダウンロードなど)を記録できるため、過去の行動履歴をもとに、見込み顧客に合わせたステップメールの配信が可能です。
詳しくはこちら:MAツール『BowNow(バウナウ)』とは
ステップメールの活用事例
実際にステップメールを活用し、成果が出ている事例を紹介します。
Webサイトと連動したステップメール配信 | 株式会社タンガロイ

製造業界で世界的に活躍する「株式会社タンガロイ」は、金属加工工具の製造・販売を行う企業です。同社はWebサイトと連動したステップメール配信を導入し、営業活動の効率化を実現しました。
もともと見込み顧客へのアプローチは、営業担当者からの電話やメールが中心でしたが、MAツール「BowNow」を導入し、Webサイトの訪問者のデータを基にしたステップメールの配信を始めたことで、見込み顧客の興味関心に合わせた情報提供を行えるようになり、商談獲得率を向上させることができました。特に注目すべきは、見込み顧客のWebサイト訪問履歴によって「カスタマイズしたメール配信(ステップメール)」です。
例えば、Webサイトに掲載している製品関連のコンテンツへのアクセスを検知したら、トリガー配信を活用し、過去に作った類似のコンテンツを第2弾、第3弾とステップ形式で届けるようにしています。セグメント配信で反応のよかったメールを、トリガー配信のシナリオに組み込んで配信するといったことにも取り組み、大きな成果を上げている事例です。
ステップメール成功のためのポイント
ステップメールは、単に送信すれば効果が出るわけではありません。効果的な運用をするためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。ここでは、特に重要なポイントを解説します。
顧客に届くタイミングが大切
ステップメールは、「配信するタイミング」が重要です。顧客が関心を持った瞬間に、必要な情報が届くようにすることで、関心を引き続けられます。
特に最初のメールは、見込み客に対する第一印象を決定づけるため、慎重に設計する必要があります。この最初のメールが魅力的で適切なタイミングで届くことで、受信者は興味を持ち、次のメールを待つ気持ちが生まれます。逆に、送信のタイミングが遅れたり、内容が不明確だったりすると、受信者はすぐに興味を失ってしまう可能性があります。
顧客の興味を維持し続ける
一度興味を引き、最初のメールを開封してもらっても、次のメールを開いてもらえるとは限りません。そのため、見込み顧客の興味を引き続けられるよう、次に配信するメールに対する期待感を高める施策も実施しましょう。見込み顧客の購買意欲や関心は、メールを受け取るたびに少しずつ変化します。そのため、ステップメールを設計する際は、顧客がどの段階にいるのかを意識して、次に何を提供すべきかを考える必要があります。
例えば、最初は製品の特徴を紹介し、その後に実際の活用事例やお客様の声を紹介するなど、受信者が自然に次のメールを待ち望むように工夫することが大切です。メールの末尾に「次回は〇〇について詳しくご紹介します」といった予告を入れることも有効です。
失敗を防ぐために意識すること
ステップメールを運用する中でよくある失敗は、メールが顧客にとって「価値がない」と感じられることです。この失敗を避けるには、常に顧客の視点で考え、役に立つ情報を提供することが重要です。メールの内容が作り手目線の一方的なものにならないように、顧客のニーズに合わせて柔軟にアプローチすることも大切です。さらに、以下のポイントもあります。
設計書を残しておく
ステップメールの設計内容を残しておきましょう。設計書があれば、内容の変更や修正が必要な際に、最初の目的や狙いを見失うことなく進められます。また、担当者が変更になった場合にも、スムーズに引き継ぎができるので、チームでの運用が安定します。
運用の続けやすさを意識
ステップメールの運用を始める際には、長期的に継続できるかどうかを意識して設計することが重要です。特に商品数やターゲット層が増えると、複雑な運用が求められることがあります。初めはスモールステップで運用を開始し、後々追加する形で段階的に増やしていく方が運用を続けやすくなります。
まとめ
ステップメールは、見込み顧客の育成を効率よく行える便利なシステムです。一度設定してしまえば、あとは自動送信されるので取り組みやすい施策といえます。しっかりとした目標を設定し、シナリオの設計や内容の作成に対応できれば、効果を実感できるようになるでしょう。
ステップメールを効率よく行うには、「MAツール」「メール配信ツール」などの導入がおすすめです。ツールがあれば、配信先のリスト化やステップメールの配信、分析などをスムーズに自動化してくれます。ステップメールを効果的に活用して、リードナーチャリングの効率化を目指しましょう。
『【3,500ダウンロード突破!】BtoBマーケティング知識大全』をダウンロードする
以下のステップに沿ってフォーム入力することで、資料ダウンロードいただけます。

この資料でこんなことがわかります!・BtoBマーケティングにおける、戦略やKPIの考え方 ・デマンドジェネレーションとはなにか ・リード獲得の施策にどういったものがあるのか・顧客育成やMAツールの基本
監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子

新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。