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マーケティングの4Pとは?4Cや3Cとの違い・戦略の基礎を作る4つの考え方解説

(公開:2024/08/23)
マーケティングの4Pとは?4Cや3Cとの違い・戦略の基礎を作る4つの考え方解説

4Pとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)の要素を意味し、マーケティング戦略を立案する際に活用するフレームワークです。それぞれの要素を適切に組み合わせることで、整合性のあるマーケティング戦略が実現します。

本記事では、4Pの基礎知識、4Cや3Cとの関係性、他社の実践事例などについてご紹介します。4Pの基本をおさえて、実践的なマーケティング戦略の構築にお役立てください。

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マーケティングにおける4Pとは

マーケティングにおける4P

マーケティングにおける4Pとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)の頭文字を取ってつくられたマーケティング戦略のフレームワークです。具体的には、「何を」「いくらで」「どこで」「どのように」売るのかを考え、マーケティング施策の企画・立案に役立てます。

4Pは、1960年にアメリカの経済学者ジェローム・マッカーシーが提唱した概念です。マーケティング戦略の構築のために、フレームワークやツールを組み合わせる「マーケティングミックス」のひとつとしても知られています。4つのPについて、次章でそれぞれ解説します。

 

Product(製品)とは

「Product(製品)」は、ターゲットに対して「どのような商品やサービスを提供するのか」を考えます。品質、機能、デザインなど、製品には多くの要素が含まれます。市場調査を行い、ターゲット顧客が何を求めているかを正確に把握することが重要です。

また、製品には基本的な機能だけでなく、使いやすさやデザインの魅力、ブランド性、アフターサービスや保証内容といった付加価値も含まれます。これらの要素は、顧客が製品を選ぶうえで重要な判断材料となり、競合他社との差別化にもつながります。

 

Product(製品)戦略のポイント

製品戦略は、以下のような要素について考えてみましょう。消費者の目線に立って「顧客にとって価値のある製品か」を基準にして定義してみてください。

  • 顧客が製品に求める機能は何か
  • 顧客が求める製品の特徴。デザイン、サイズ感など
  • ブランドイメージをどう構築するか。ブランド名やロゴも決める
  • 製品のサポートや保証の有無、期間など
  • 製品のパッケージデザイン

 

Price(価格)とは

「Price(価格)」は、「どのくらいの価格で製品を提供するのか」を考える価格戦略のことです。コスト、競合の価格、市場の需要、顧客の購買力など、多くのことを加味しながら価格設定します。

 

Price(価格)戦略のポイント

価格は、以下の3つの観点から考えていきます。

コストを考慮した価格戦略

コストを詳細に分析し、かかる費用を正確に計算することが価格設定の基本です。コストには、原材料費、人件費、製造費、物流費、さらにはマーケティング費用などが含まれます。製造、運営コストをカバーし、さらに利益を上げるための適正価格を設定することが必要です。

 

競争型の価格戦略

競合他社の価格帯、市場の需要など外部環境も価格設定に大きく影響します。需要が多い場合は、高めの価格設定が可能ですが、需要の低い場合は価格を下げなければなりません。

競合の価格帯を意識したアプローチもあります。たとえば、低価格戦略では、競合他社よりも低い価格を設定し、市場シェアの拡大を目指します。

一方、高価格戦略では、高品質やブランド価値を強調し、価格を高めに設定することで、プレミアム感を打ち出します。初期導入価格を低く設定し、一気にシェア拡大を狙う方法もあるので、自社製品の特長を考慮した戦略を練りましょう。

 

マーケティングを意識した価格戦略

外部環境を意識せず、戦略的に価格を設定していく手法もあります。高い価値を提供する場合は高価格戦略を採用し、コストパフォーマンスを重視する場合は競争力のある価格を設定します。

ただし、ターゲット顧客の購買力にも考慮が必要です。高価すぎる商品は購入されにくく、安すぎる商品は品質が疑われることがあります。顧客層に合った価格設定が求められます。

 

Place(流通)とは

「Place(流通)」とは、製品やサービスが顧客に届くまでの経路や方法のことをいいます。オンラインショップなのか、実店舗での販売なのか、顧客のもとへスムーズに届けるための方法を考えましょう。

 

Place(流通)戦略のポイント

流通には、「開放的チャネル」「排他的チャネル」「選択的チャネル」の3つの主な形態があります。自社製品に適した流通を採用しましょう。

開放的チャネル

取引先を限定せず、製品を広く市場に供給する方法です。可能な限り多くの流通経路を利用して、製品の認知度を高めます。幅広い顧客層にアプローチできるため、多くの人々に届けたい場合に有効です。食料品や日用品の流通に適しています。

 

排他的チャネル

特定の流通業者や地域に限定する方法です。支配力の強いチャネルで、販売店は独占的な取り扱い権を持つため、顧客は特定の場所でしか製品を購入できないという特別感を得られます。高級ブランド品や専門的な機器などで採用されることが多いです。

 

選択的チャネル

開放的と排他的の中間に位置する戦略です。特定の流通業者を通じて製品を供給し、優先的に販売をします。販売先を厳選することでブランドイメージを守りつつ、十分な販売機会が確保できます。高品質の電化製品やアパレルブランドなどが多く利用するケースです。

 

Promotion(販売促進)とは

Promotion(販売促進)とは、製品やサービスを顧客に認知させ、購買意欲を高めるための活動全般を指します。広告、セールスプロモーションなどの活動以外に、顧客満足度を高めるクーポンやポイントなどの手法も含まれます。

 

Promotion(販売促進)戦略のポイント

主な戦略としては、「広告」「広報・PR」「対面販売」「セールスプロモーション」が挙げられます。さまざまな手法を組み合わせることで、効果的なプロモーション戦略を構築できます。大切なのは、顧客に最適な手法を選び、適切なタイミングで実施することです。

広告

特定の媒体を通じて、自社製品を広く告知する手段です。広告はテレビ、ラジオ、雑誌、Web、SNSなどを利用して、ターゲットとなる顧客層に直接的なメッセージを届けられます。効果的な広告キャンペーンは、ブランド認知度を向上させ、購買意欲を刺激することができるでしょう。

 

広報・PR

企業や製品に関する情報をメディアを通じて伝える方法です。プレスリリースやイベントの開催など、メディアに取り上げてもらうことで、信頼性を獲得しやすくします。広告とは異なり、直接的な販売促進ではなく、ブランドイメージや企業の信用度を高める役割を果たします。

 

対面販売

営業担当者が直接顧客と接触し、商談やデモンストレーションを行う手法です。顧客のニーズや課題を聞き出し、具体的な解決策を提案することができるため、BtoBビジネスではとくに重要視されています。対面販売は、信頼関係の構築や細かなニーズに対応するために欠かせない手段です。

 

セールスプロモーション

短期間での売上向上を目的とした販売促進活動で、展示会への出展やキャンペーンの実施、クーポンの配布などが含まれます。セールスプロモーションは、新規顧客の獲得や既存顧客のリピート購入を促進します。

 

4P分析はマーケティングフローのプロセスのひとつ

4Pによる分析は、マーケティングフローの重要なプロセスのひとつです。マーケティングフローは、アメリカの経営学者でマーケティングの第一人者であるフィリップ・コトラー氏が提唱した「R-STP-MM-I-C」の5つのステップから成り立っています。

「R-STP-MM-I-C」とは、Research(調査・分析)、STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)、Marketing Mix(マーケティングミックス)、Implementation(実施)、Control(管理)というプロセスです。この中で、4P分析は「Marketing Mix」の部分に該当します。

4P分析を活用し、製品の特性や品質、価格帯、顧客のニーズを総合的に検討することで、バランスの取れたマーケティング施策が構築できます。マーケティングフローのプロセスでは、調査・分析、ターゲティングを行った後、マーケティング戦略の立案をするときに4P分析へ取り組むと効果的でしょう。

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4Pと4Cの関係性について

 

4C:「Customer Value(顧客価値)」「Cost(顧客コスト)」「Convenience(利便性)」「Communication(コミュニケーション)」を重視した、買い手側の視点に立ったフレームワーク

 

4Pと4Cは対となる概念として知られています。4Cは、「Customer Value(顧客価値)」「Cost(顧客コスト)」「Convenience(利便性)」「Communication(コミュニケーション)」を重視した、買い手側の視点に立ったフレームワークです。1993年にアメリカの経済学者ロバート・ラウターボーン氏によって提唱されました。一方、4Pは企業側の視点を軸にしており、製品をどのように提供するかを定義します。

4Pと4Cを組み合わせれば、より顧客中心のマーケティング戦略が構築できます。両方の視点を理解し、バランスよく取り入れることで、顧客満足度の向上が実現するでしょう。

 

4Pと3Cの関係性について

 

3Cは、Company(自社)、Competitor(競合)、Customer(市場・顧客)の頭文字を取ったもの

 

3Cは、Company(自社)、Competitor(競合)、Customer(市場・顧客)の頭文字を取ったものです。1980年代にマッキンゼー・アンド・カンパニーの大前研一氏が提唱した概念で、自社が市場において、どのようなポジションにいるのかがわかります。

4Pと3Cは、違う用途関係です。3C分析では、市場環境や競合の状況、自社の強みや弱み、顧客のニーズを把握できます。この結果をもとに、4Pの各要素を最適化していきます。たとえば、3Cで顧客のニーズを理解することで、「提供する製品(Product)をどのように差別化すべきか」がわかります。また、競合分析を通じて、「適正な価格(Price)設定」や「効果的な流通チャネル(Place)の選定」が可能になるでしょう。

4Pと3Cを組み合わせることで、市場環境や競合の動きを的確に把握しながら、顧客に最適な製品を提供するための戦略が構築できます。

 

4Pと4Cを活用して施策を立案するコツ

効果的なマーケティング戦略を立案するためには、4Pと4Cの両方を活用することが重要です。先述したとおり、4Pと4Cは対となる関係であり、企業側からの視点だけでなく、顧客の視点を組み合わせることで、バランスの取れた施策が企画できます。

4P 4C ポイント
Product
製品
Customer Value
顧客価値
Productは、顧客の具体的な問題を解決し、ニーズを満たすものであるかを確認します。顧客が本当に求めているものを理解する必要があります。
Price
価格
Cost
コスト
Priceは、顧客のコストとして妥当だと思える設定になっているかをチェックします。価格面はもちろん、購入に伴う時間や労力も考慮することが大切です。
Place
流通
Convenience
利便性
Placeは、顧客にとって利用しやすい場所や流通チャネルで提供することが求められます。「利便性」と「買いやすさ」を重視して設定します。
Promotion
販売促進
Communication
コミュニケーション
Promotionは、一方的な売り込みではなく、顧客との継続的なコミュニケーションを重視して、信頼関係が築ける施策を設計しましょう。

 

4P分析の事例

最後に、「スターバックス」と「ユニクロ」を例にして、4P分析の観点からマーケティング戦略をみていきましょう。

 

スターバックスの事例

スターバックスにおける4P分析の事例を紹介します。

Product(製品)

スターバックスは、高品質なコーヒー豆と多様なドリンクメニューを取りそろえています。

コーヒー豆は、品質や経済、社会環境など、さまざまな側面から責任を持って育てられたものをバイヤーが仕入れ、バリスタが一杯一杯丁寧に淹れることで、特別な体験を提供しています。

季節限定のフレーバーや新商品を定期的に投入したり、抽出方法やトッピングが選択できたりと、常に新鮮で飽きのこないメニューを提供しているのも特徴です。店内ではコーヒー以外にも、スイーツやオリジナルのコーヒーグッズなども販売しており、総合的なカフェ体験を提供しています。

さらに、抹茶モチーフのメニューやショートサイズは日本独自の限定品です。国によって異なる商品やサイズを展開しているのも魅力のひとつです。

 

Price(価格)

スターバックスの価格設定は、コーヒーチェーン店としては高めに設定されており、プレミアムブランドとしての高価格戦略が行われていることがわかります。プレミアム感を求める顧客層が含まれているため、高品質なコーヒーやサービスに対して適正な価格を設定しているといえるでしょう。

また、公式アプリをダウンロードして参加する「スターバックスリワード」を通じて、リピーターには特典を提供し、長期的な顧客関係を構築しています。定期的に実施されるキャンペーンやプロモーションにより、お得感を提供しつつ、顧客の満足度を維持しています。

 

Place(流通)

スターバックスは、店舗の立地にもこだわりを持っています。 1号店を銀座に出店し、好立地で楽しめる高品質なコーヒーショップといったプレミアム感を印象付けました。

現在でも店舗を増やしていますが、出店場所へのこだわりはそのままです。主要駅など人通りの多い中心地やオフィス街、大学キャンパスなど、多くの人が集まる場所に店舗を展開しています。

また、オンラインストアやデリバリーサービスも展開しており、店舗に足を運ばなくても製品を購入できる利便性を提供しています。

 

Promotion(販売促進)

スターバックスでは、広告やテレビCMなど大規模なプロモーションは行っていません。SNSや口コミ、店頭看板を活用した販促活動に力を入れ、新商品やキャンペーン情報はSNSを中心に発信することで、顧客とのコミュニケーションを強化しています。このような、直接的な関わりを大切にすることで、リピーターを増やし、ファン創出へとつなげてきました。

また、リワードプログラムや季節限定のプロモーションを通じて、顧客のエンゲージメントも高めています。店内イベントや地域社会との連携を通じて、ブランドの認知度とロイヤルティを高める取り組みも行っています。

 

ユニクロの事例

次に、ユニクロの4P分析について解説します。

Product(製品)

ユニクロの製品は、どんな服にも組み合わせられる高品質で機能性に優れたカジュアルウェアです。

保温性の高い「ヒートテック」や、なめらかな肌ざわりの「エアリズム」といった、独自技術を用いた素材開発や、デザイナー・アーティストとのコラボレーションアイテムなど、トレンドをおさえたデザインが特徴です。

また、年齢や性別を問わず幅広い層に対応するラインナップをそろえています。シンプルでありながら、日常生活で利用しやすいベーシックなアイテムを提供し、顧客の多様なニーズに応えています。

 

Price(価格)

ユニクロは、高品質な製品を手頃な価格で提供することに注力しています。中国、インドネシア、ベトナムなどの海外で商品を大量生産し、効率的な生産ラインの実現でコスト削減に成功しています。セールや値引きキャンペーンも積極的です。

このような企業努力で、他社と比較してもリーズナブルな価格展開が可能となり、多くの消費者にとって魅力的な選択肢となっています。

 

Place(流通)

国内800店舗、海外は1,634店舗(2023年8月時点)と、国内はもちろん海外市場にも多くの店舗を展開しています。とくに、アジアや欧州市場でのグローバル展開に成功し、いまでは多くの国で店舗を見るようになりました。

国内では、主要都市やショッピングモールなどのアクセスのよい場所に店舗を配置し、顧客が実際に商品を手に取って確認できる環境を整えています。さらに、幹線道路など通行量の多いロードサイドに店舗を展開することで、車での来店を促し、まとめ買いをする顧客も引き込んでいます。

また、オンラインストアでは、豊富な商品情報やサイズガイドを提供。実店舗やコンビニエンスストアとも連携し、顧客の手元に商品がスムーズに届くような工夫をすることで、オンラインショッピングの利便性を高めています。

 

Promotion(販売促進)

優れた機能性をアピールするため、テレビCMでスポーツ選手を起用するなど、積極的なイメージ戦略を行っています。有名人やモデルも起用することで、ユニクロのブランドイメージも高めています。

また、SNSやインフルエンサーマーケティングを活用することで、話題性の向上も活発です。人気のインフルエンサーが、ユニクロ製品を使ったスタイリングを紹介することで、若年層へのプロモーションにも成功しています。
さらに、期間限定のセールや特別キャンペーンを頻繁に実施することで、顧客の購買意欲を刺激して、来店促進を図っています。

 

まとめ

4Pは、マーケティング戦略の基本的なフレームワークです。

製品、価格、流通、販売促進の各要素は、互いに関連し合っているため、製品の特徴に応じた適切な価格設定や、ターゲット市場に最適な流通チャネルの選定が求められます。4つをバランスよく組み合わせることで、市場での競争力を高め、顧客満足度の向上につながります。

施策を立案する際は、4Pとあわせて4Cの考え方も取り入れ、より広い視野で戦略的なマーケティング活動を展開しましょう。

 

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監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子

新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。

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