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スコアリングとは|BtoBでは高難易度?300人回答の実態解説

2024/06/27 (公開:2024/03/08)
スコアリングとは|BtoBでは高難易度?300人回答の実態解説

スコアリングとはスコアリング(採点する)という名前のとおり、見込み顧客の属性や行動を数値化し、製品やサービスに対する検討確度を可視化する手法です。スコアリングによって購買意欲や検討状況が明確に把握でき、見込み客の状況にあわせた効果的なアプローチが可能になります。

スコアリングは、マーケティング部門から営業部門に検討確度の高いリード(見込み顧客)を引き渡す際に行われる重要な施策です。スコアリングがうまく機能すると、円滑な営業活動が促進され、受注率アップにつながります。
本記事ではスコアリングの基本情報からメリット、実際の手順についてわかりやすく解説します。

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スコアリングとは

スコアリングとは、「リードスコアリング」とも呼ばれ、顧客の属性や製品・サービスへの興味関心度によって「点数(スコア)」をつけ、顧客の状況や検討確度を数値で見える化する手法を指します。

例えば「◯点以上の見込み顧客には、製品やサービスを案内する電話をしよう」「◯点以下は検討確度が低いため、引き続きナーチャリング(顧客育成)活動を行おう」といった判断を個人的な主観ではなく、数字という客観的事実に基づいて行うことができるようになります。

スコアリングを行うことで、製品やサービスの検討確度の高い見込み顧客(ホットリード)を効率的に抽出することができるようになり、成果を出しやすくなります。

スコアリングとは

 

スコアリングが注目される理由

なぜ、スコアリングが注目されているのでしょうか。その理由の1つとして、「営業部門やマーケティング部門の生産性向上」があげられます。

アメリカのマーケティング会社・リウスディシジョン社は、普段のマーケティングや営業活動で獲得したリードについて、獲得後なにもせずに放置してしまうと「約8割が2年以内に競合から製品を購入してしまう」という調査データを発表しています。営業担当者は、基本的に「いま製品やサービスを検討している顧客」へのアプローチを優先するため、すべての顧客に対応することは厳しくなりがちです。

そのため、見込み顧客の検討確度によって、対応の優先順位を決めたり、パーソナライズされたナーチャリングを行うことができるスコアリングは、人手不足が進む昨今においても注目されています。

 

スコアリングができるMAツールとは

スコアリングとは、顧客の検討確度を可視化できる有益な手法です。しかし、人力で膨大なリードの中からホットリードを見極めるのは容易ではなく、発見までに時間がかかってしまったり、見極めても営業担当者との連携が取れずに商機を逃してしまう場合があります。

そこで近年はMAツール(マーケティングオートメーションツール)という専用のツールを用いて、スコアリングを行うことが主流となっています。MAとは、顧客の「検討確度を高める」ために行う一連のマーケティング・営業活動を、自動化および効率化することで、それを実行してくれるソフトウェアをMAツールと呼びます。

関連記事:MAツールとは?基礎知識から機能・事例までわかりやすく解説

 

スコアリングのメリットと効果とは

スコアリングの導入によって得られるメリットや効果について説明します。

 

見込み顧客を可視化できる

一番は、属性や行動などのデータに基づいて見込み顧客の興味・関心度合いを把握できる点です。例えば見込み顧客リストの中にAさん、Bさん、Cさんの3名のデータがあり、スコアリングした結果、以下のような点数がついたとします。

  • Aさん:66点
  • Bさん:120点
  • Cさん:30点

スコアリングの点数は高ければ高いほど、見込み顧客の購買意欲が高い傾向にあります。このように点数化することで、営業マンはB社>A社>C社の順にアプローチ対応をすればいいのかがわかり、点数の低い見込み客への無駄なアプローチを減らせます。

 

マーケティングの業務を効率化できる

スコアリングとは、営業部門だけでなく、マーケティング部門の業務効率化にも繋がる手法です。さまざまなデータを数値化することで、施策の効果測定を行いやすくなります。データ分析に基づいてPDCAを回すことで、業務の最適化が進み、より見込み客に合わせた適切なアプローチが可能になります。

 

パーソナライズされた顧客育成が可能になる

スコアリングとは、リードの興味・関心度合いが数値でわかるものであるため、スコアごとに最適な施策を打つことに役立ちます。

たとえば点数の高い見込み顧客であれば、商品・サービスに強い関心を示し、購入の検討をしている「今すぐ客」と判定し、リードを営業担当に引き渡します。一方で、点数の低い見込み顧客の場合は、まだ受注に至らない「そのうち客」であると判断し、電話やメール、DMなどを通して購買意欲を高めていき、将来的な受注を目指します。

見込み顧客のリストが増えれば増えるほど、見込み顧客の購買ステータスはバラバラになります。スコアリングによって、見込み顧客の購買ステータスに即したアプローチが可能になり、顧客の取りこぼしを防げます。

スコアリングでパーソナライズされたアプローチ

スコアリングの課題とは

メリットの多いスコアリングですが、いくつか課題もあります。ここでは、課題を大きく3つに分解して解説します。

 

スコアをつける基準がわかりにくい

スコアリングはリードの属性や行動に対して、設定した基準をもとに点数を加算していきます。この基準は自社で定める必要がありますが、どのような基準で設定すればいいのかわからず、運用が難しいという側面があります。

適切な基準が設定されないと、スコアリングの結果が正しいものではなくなり、効果的なマーケティング施策や営業活動を実施できません。また、基準設定に関してはマーケティング担当者の経験や直感を反映したものが多く、基準自体が主観的であるという問題もあります。

設定基準を作り上げていく中で、マーケティング部と営業部の間でスコアリングの結果が一致しないケースもあり、部門間での共通理解や基準の統一が求められます。これらの課題を解決するためにも、実際に運用しながらスコアの基準を模索していくことが大切です。

 

導入に工数やコストがかかる

スコアリングは人力でGoogleスプレッドシートやExcelを活用して行うこともできますが、膨大なデータを手作業で分析・調査していくのは時間効率が悪く、ミスも起こりやすくなります。

スコアリング機能を搭載しているMAツールを導入すれば、自動でリードの点数化がされますが、そのぶん導入コストが発生します。またMAツールの操作方法を学んだり、自社にあわせた基準設定を行う必要があるため、導入から運用開始までに時間がかかる場合もあります。導入によって現場の負担が大きくなるのであれば、スコアリングの実施は避けたほうがいいでしょう。

 

スコアが高い=見込み顧客ではない場合もある

スコアリングはリードの属性や行動にもとにポイントを加算し、アプローチの優先順位を決定します。しかしハイスコアになったリードが必ずしも購買意欲の高い見込み顧客ではないときもあります。スコアリングとはひとつの目安であり、あくまで検討確度の高い「可能性がある」リードを見つけやすくしてくれます。

スコアリングは効果のある手法ではありますが、表示されるスコアは機械的な数値であり完全なデータではありません。実際、スコアの点数が低いリードにアプローチして商談した結果、成約に至るようなケースも多く見受けられます。

 

スコアリングの判断基準

ここではスコアリングの判断基準について解説します。

スコアリングの判断基準

属性(アトリビューション)

属性は、企業規模や担当者の所属部門、役職などの見込み顧客のステータスによって判断する指標です。見込み顧客が意思決定権を持つ役職者の場合や、自社製品が売れそうな業種に関しては加点を大きくします。

スコアリングの基準については、下記の項目にある興味関心や活動状況といった行動スコアよりも、属性スコアの精度を高めることが大切です。見込み顧客が自社サイトを頻繁に閲覧したり、資料請求を行ったとしても、自社商材にマッチしないターゲットであれば時間をかけるべきではないからです。

 

興味関心(インタレスト)

興味関心は自社にどれくらいの関心を抱いているかを数値化する指標です。展示会・イベントへの参加やウェビナーの視聴、無料プランのトライアル、ホワイトペーパーのダウンロードといった行動に対して加点します。見込み顧客が起こしたアクションによって、どの程度自社商材に興味を持っているのかが明確になり、検討状況に合わせたアプローチが行なえます。

 

活動状況(アクティビティ)

興味関心の指標に加えて、見込み顧客がアクションを取ったタイミングや時期も重要な要素です。なぜならば顧客の取ったアクションが、直近のものかそうでないかによって、興味・関心の高まり度合いが異なるからです。

たとえば資料請求があったにもかかわらずその後の連絡がない場合は、競合他社の類似商品・サービスをすでに導入しているか、自社への興味関心が薄れているケースが考えられます。このタイミングで見込み客に連絡をとっても、商談を断られる可能性が高いです。

逆に自社サイトへ頻繁に訪れているのであれば、自社に強い関心を持っているターゲットであると判断できます。すぐにアプローチすることで商談につながる場合があります。

このように商談や提案のタイミングは、顧客の購買意欲が最も高まっているときに行うのがベストであり、その判断材料のひとつになるのが活動状況です。見込み客の活動状況を数値化し、アプローチすべきタイミングを逃さないようにしましょう。

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スコアリングの方法を3ステップで紹介

スコアリングの実践方法を3つのステップで解説します。

スコアリング実践までの流れ

STEP1. 顧客像を把握する

スコアリングの実施にあたり、最初に行うことは自社商品・サービスを利用する顧客像の把握です。自社の顧客像を作り上げることで、それぞれの判断基準が明確になり、スコアリングの精度が高くなります。さきほどご紹介した属性や興味関心、活動状況の3つの要素に加え、見込み顧客が抱えている課題や問題点なども加味したうえで、具体的なターゲット像を決めていきましょう。

顧客像を作り上げるうえで役立つのが、ペルソナというマーケティング手法です。自社商品・サービスを利用する架空の顧客像をイメージする際に用いられる方法で、年齢・性別・居住地・職業・家族構成といったパーソナリティを細かく設定し、ターゲットを定義します。

ペルソナによって顧客像を深く落とし込むことで、見込み客への理解を深められるだけでなく、社内で顧客像のイメージを共有できるメリットも得られます。

関連記事:マーケティングで重要なペルソナとは?

 

STEP2. 購買までの行動を可視化する

顧客像の把握ができたら、次は顧客が商品・サービスの認知から購入までの過程を図で表す「カスタマージャーニーマップ」を策定しましょう。

顧客が購買から受注に至るまでのルート

上記の図のように顧客が購買から受注に至るまでのルートを細分化し、それぞれの行動に対して加点していく仕組みを作ります。たとえばBtoBのスコアリングにおいては、以下のような行動が加点対象になります。

行動
自社サイトへのアクセス ・自社サイトへのアクセス+5点
・商品・サービスページの閲覧+5点
・料金ページの閲覧+10点
・30日以上の訪問なし-50点
メルマガの開封やクリック ・メルマガの開封+5点
・ステップメールのクリック+10点
・3回以上のメルマガ開封+5点
セミナーへの参加 ・セミナー申し込み+5点
・セミナーに出席+10点
・アンケート回答+20点
資料・ホワイトペーパーのダウンロード ・商品・サービス概要資料のダウンロード+10点
・事例紹介資料のダウンロード+20点
・料金表のダウンロード+30点
問い合わせ ・問い合わせフォームからの問い合わせ+100点

カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客が辿るプロセスが可視化され、スコアリングの点数付与を行いやすくなります。

 

STEP3. 購買に繋がる可能性が高いほど高得点にする

「料金ページの閲覧」や「問い合わせ」など受注に直結する可能性が高い項目には、スコアを高く設定しましょう。属性も同様で、見込み顧客の属性が一般社員であれば5点、意思決定を持つ役職者であれば2倍の10点にします。

このように見込み客の属性・興味関心・活動状況の3つの観点から点数を算出し、顧客の評価を定めます。基準よりも高い点数のリードがあった場合は、営業部門にリードを引き渡します。

 

スコアリング・シナリオは使いづらい機能1位2位?300人が答えた実情

クラウドサーカスが実施したMAツールに関する意識調査によると、「MAツールのどような機能が難しい・使いこなせないと感じているか?」という質問に対し、スコアリングが最も多く、次いでシナリオ設計が挙げられました。

マーケティングオートメーション意識調査

 

MAツールに関する意識調査は2017年から毎年実施していますが、4年連続でこの2つの機能の活用が難しいという声が多数寄せられています。スコアリングがランクインする理由としては、スコアリングの課題の章でも解説した「スコアをつける基準がわかりにくい」ことが要因とされています。この判断基準がしっかりできていないと、正確な数値を算出できず、その後の成果になかなか結びつかないという実情があります。

ですがBtoB企業であれば、高度なスコアリングがなくても、他の施策で充分成果を出せる場合もあります。またMAツールの中には、スコアリングやシナリオの設定がシンプルなツールも存在します。「まずはいますぐ実践できる簡単な施策で、成果を積み上げていく」ほうが自社に合っていると考えているのであれば、複雑な機能や設定などがない初心者向けのMAツールを活用してみるのも効果的です。

MAツール比較について

関連記事:【2024年最新】MAツール比較10選|3つのタイプ別徹底解説

 

スコアリングの注意点

最後にスコアリングを運用するうえで注意すべき点を2点紹介します。

 

BtoBならば最小限からでOK

BtoB企業でMAツールを利用する場合、最初からスコアリングなどを活用し複雑に作り込むのではなく、最小限の設定から始めていくだけでも、充分成果を得られます。
運用を続ける中で修正や改善を繰り返しながら、精度の高い運用を目指すのがおすすめです。スモールスタートで行うことにより、失敗するリスクを抑えながら自社に最適なマーケティングを行えるようになります。

 

スコアリングを過信しすぎない

スコアリングはリードの状況を可視化できる便利な手法ですが、導き出された数値はあくまでひとつの指標であり、常に点数が正しいとは限りません。スコアの結果を過信することなく、マーケティング部門・営業部門でコミュニケーションを取りながら、見込み客にしっかりと向き合って判断するようにしましょう。目の前の数字にとらわれてしまうと、商談や受注などのビジネスチャンスを失ってしまう恐れがあります。

 

まとめ

本記事では、「スコアリングとは」といった基本情報から、スコアリングの効果や実践方法などについてわかりやすく解説しました。

スコアリングとは、顧客の購買意欲を醸成させるナーチャリング(顧客育成)活動によって育ったリードの中から、ホットリードを見極める際に用いられるマーケティング施策です。スコアリングを取り入れることで、どのリードに対して優先してアプローチをすればいいのかが明確になり、見込み客に対して効果的なマーケティング施策を実施できるようになります。

マーケティングに便利な手法ではある反面、設定基準などの難しい判断を求められる要素もあります。使いこなせば自社にとって心強い味方になりますが、うまく活用できなければ失敗に終わるデメリットを有しています。自社に合った方法を見極め、得たい成果に繋げていくようにしましょう。

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監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子

新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。

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