インサイドセールスに向いてる人、不向きな人とは?特徴や業務内容、やりがいやメリット・デメリットまでわかりやすく徹底解説!
オンラインツールを活用して非対面で営業を行う「インサイドセールス」は、近年各業界で急速に注目を集めており、導入する企業も増えています。
インサイドセールスに関心があるものの、まだ新しい職種であるインサイドセールスについて「具体的にはどのような仕事内容なのか」「自分はインサイドセールスに向いているかどうか」など、疑問に思う人は多いのではないでしょうか。
本記事ではインサイドセールスについて、仕事内容をはじめ、向いている人・不向きな人の特徴や求められるスキル、仕事に就くメリット・デメリットややりがい、キャリアパスなどをわかりやすく解説します。今後のキャリアを考える際の判断材料として、本記事を役立てていただけますと幸いです。
これから始めるインサイドセールス
今後の営業活動や商談獲得においてインサイドセールスは重要な役割となります。本書ではインサイドセールスを立ち上げるにあたって必要なステップについて紹介しています。
目次
インサイドセールスとは
まずインサイドセールスについて詳しく解説します。
インサイドセールスとは
インサイドセールスとは、直接見込み顧客と対面するのではなく、電話やメール、Web会議ツールなどを活用してコミュニケーションを行う「非対面での営業方法」を指します。社内にいながら営業を行うことから、内勤型営業とも呼ばれます。
顧客の元へ赴く従来の営業方法に比べて、移動時間やコストを大幅に削減することができるため、効率的な営業活動を実現できます。直接対面する営業よりも多くの顧客とコミュニケーションをとり、アプローチできるのが特徴です。
現在では業界を問わず多くの企業で導入が進んでおり、「次世代の営業の場」とも言われています。
さらにインサイドセールスをよく理解するため、役割や重要性が増す背景、仕事内容などについてみていきましょう。
インサイドセールスの役割
社内で営業の位置づけを持つ「インサイドセールス」の役割は主に見込み顧客の育成です。コミュニケーションを通して顧客と良好な関係を構築し、ニーズ・課題のヒアリングを通して顧客理解を深めます。
しかし、リモートワークの普及によって非対面での商談が当たり前になりつつある近年では、インサイドセールスも商談成立を目指すケースも増えています。他部門と連携し、フィールドセールスやマーケティング部門との分業体制をとる企業も増えています。
企業や営業組織の規模、事業内容などによって厳密にはその役割が異なるため、マーケティング・営業活動において「重要な顧客とどのように関係を構築していくか」を考慮して、自社で最適な役割を付与することが大切です。
多少位置づけが異なったとしても、営業活動の効率化や利益の拡大、トップセールスの活躍サポートなど、あらゆる場面でインサイドセールスがビジネスに大きく貢献することに変わりはありません。
インサイドセールスの重要性が増す背景
元々インサイドセールスは「国土が広いため、顧客先までの移動が大変」というアメリカの課題を解消するために生まれ、今では主流になりつつある営業手法です。なぜ近年日本においてここまで重要性が増しているのでしょうか?
その背景には、まず在宅勤務推奨の企業が増加していることによる「リモートワークの普及」があります。加えて、サブスクリプションと呼ばれる継続課金型のサービスを売りにする「SaaS企業の増加」も背景のひとつです。
サブスクリプションサービスにおける「価格競争」は競合他社から勝ち抜くための重要なポイントであり、多くのサービスは優位性を保つためにできるだけ価格を抑える努力をしています。
つまり企業にとっては受注額が減少している傾向にあるため、その分契約数を増やすことが必須の課題となっており、効率的な営業活動を行えるインサイドセールスは、できるだけ多くの契約を結ぶことを目指すSaaS企業とマッチしているためニーズが高まっているのです。
またネットやSNSの発展により、見込み顧客が行動を移す前からすでに商品・サービスが絞られているという「顧客の行動変化」も、インサイドセールスの重要性が増している大きな要因です。
なるべく早い段階から見込み顧客にアプローチを行うことが大切であり、それを実現するオンラインでのアプローチ=つまりインサイドセールスが必要とされているのです。
インサイドセールスの仕事内容
インサイドセールスの仕事内容は、「PULL型(SDR・反響型営業)」と「PUSH型(BDR・新規開拓型営業)」の2種類があります。
PULL型(SDR・反響型営業)
PULL型は「SDR(Sales Development Representativeの略)」や「反響型営業」とも呼ばれ、既に取引のある顧客や、新たに獲得した見込み顧客を対象にしたインサイドセールスです。
主に顧客からのアクションからスタートするのが特徴で、まだ契約成立まで至っていないものの、自社の商材に興味を持っている見込み顧客にアプローチします。具体的には、問い合わせのあった見込み顧客への連絡やアプローチ、既存の顧客との継続的且つ良質な関係構築や維持、商談獲得などの業務があります。
PULL型のインサイドセールスでは、アプローチを通して関係を構築していく中で顧客のニーズを的確に引き出し、そのニーズに最適な提案ができることが重要です。
PUSH型(BDR・新規開拓型営業)
PUSH型は「BDR(Business Development Representativeの略 )」や「新規開拓型営業」とも呼ばれ、自発的なアプローチを通して、新たに見込み顧客を獲得していくインサイドセールスです。
PUSH型でのアプローチ方法としてはメールやテレアポなどがあります。顧客となりうる企業へとアプローチするために、顧客の情報収集、営業戦略などが非常に大切です。対象となる企業の調査を重ねて、最適なアプローチ方法を考案していきます。
インサイドセールスの特徴
インサイドセールスの特徴は、これから顧客となる可能性が高い「見込み顧客」にアプローチを行うという点です。
営業の機会すら持てないこともある従来の訪問型の営業や飛び込み営業と異なり、インサイドセールスはすでに商品に興味を持っていることがわかっている見込み顧客へとアプローチを行うため、アドバンテージがあるといえます。
インサイドセールスに向いている人の特徴
インサイドセールスについてわかったところで、どのような人が業務に向いているのかについて、主な5つの特徴を紹介します。
コミュニケーションをとるのが得意
コミュニケーション力は様々な職業で重要視される能力ですが、特に顧客とのコミュニケーションなしには成立しないインサイドセールスにおいて、必須の能力です。
この場合のコミュニケーション力は「継続的なコミュニケーションを通して顧客からの信頼を得る能力」とも言い換えられ、この能力がある人はインサイドセールスにとても向いています。
理由としては、非対面でのコミュニケーションでは対面よりも相手の表情や反応がわかりづらいため、より高い意思疎通能力が求められるからです。
また「ブランド・企業を信頼できるかどうか」は、顧客が商品・サービスを購入する際の決め手に大きく関わるため、綿密なコミュニケーションを通して信頼関係を築いていくインサイドセールスでは、コミュニケーション力はなくてはならない能力なのです。
ヒアリング力が高い
ヒアリング力が高いことは、インサイドセールス業務を行う上で非常に重要なポイントです。
インサイドセールスにおけるヒアリング力とは、ただ単に相手の話を聞くのではなく、話を聞いた上で「顧客自身も気づいていない課題に気づき、提案する能力」を指し、この能力がある人はインサイドセールスに最適といえます。
なぜ顧客が困っているのか、立案中の企画をいつからスタートするのかなど、ヒアリングしていく中で顧客の発言の背景や意図まで考慮し、不足情報を補う質問を続ける必要があります。顧客の課題やニーズを的確に把握することは、最適な提案を行う上で欠かせない上、ヒアリングがいかに適切にできるかどうかが契約成立の分岐点になる場合もあります。
顧客にとっても自社のニーズ・課題の核心を掴み、最適な提案をしてくれる企業に対しては信頼を寄せるため、今後良好な関係を構築しやすくなるでしょう。
楽観主義で継続的にチャレンジできる
楽観主義で、継続的にチャレンジすることができる人はインサイドセールスに向いています。
インサイドセールスの業務では、見込み顧客に連絡が取れない場合があるだけでなく、断られたり、クレームを受けたりする場合があります。そのような状況でも心折れることなく楽観的に捉えられ、再度次のアプローチができる精神や継続力が求められます。
またインサイドセールスを含め、営業活動はすぐに結果が出るものではありません。契約成立まで長い時間がかかる場合や実を結ぶかわからない業務に対しても、継続的にチャレンジすることが必要です。
業務処理の正確さ・速さに長けている
インサイドセールスではテレアポやメール、リスト作成など、多岐にわたる業務を行う必要があるため、業務処理における正確さや速さに長けている人が向いています。
具体的な業務としては顧客とのやりとりや活動履歴の入力、リスト作成などがあり、リスト作成では顧客の応答頻度やニーズの度合い、提案の内容などの情報を整理した上で行う必要があります。また数多くの人の中から「見込み顧客」となる人と接点をもちながら、既存顧客への継続的なフォローも欠かせません。
タスクが多いので、入力処理や情報処理能力における正確さや迅速さは非常に重要であるため、それらに長けた人はインサイドセールスでは重宝されます。
事実ベースで報告できる
インサイドセールスでは多岐に渡る業務を行いますが、その中で感覚ではなく、データや数値を算出して事実ベースで報告できる能力がある人はインサイドセールスに向いています。
リサーチ・分析能力を活かして適切な情報や数値を提示するほか、想定される疑問・反論などに答えられるデータを用意しておけば、見込み顧客の課題に対して余裕を持ったアプローチや柔軟性のある対応ができ、信頼関係の構築につなげられるはずです。
また他部門との仲介役を担う場合でも、自社商品に対する顧客の声やフィードバックを集計したデータを共有するなどして、より効率的な連携を目指せます。見込み顧客のデータや状況を正確に伝え、企業全体で協力して契約を獲得するためにも、事実ベースでの報告は非常に重要なポイントです。
インサイドセールスに向いている人の性格
前章ではインサイドセールスに向いている人の能力について紹介しましたが、本章では「性格」に焦点を当て、向いている人について解説していきます。
人の話を聞くのが好きな人
先述したように、インサイドセールスではヒアリング力が非常に重要なので、「人の話を聞くのが好きな人」はインサイドセールスに向いているといえます。
顧客のニーズや課題を聞くためには自分が話すのではなく、いかに上手に顧客の話を聞き、考えや状況を聞き出すことが大切です。特別な知識がなくても、適切な相槌で顧客をちゃんと理解しようとする姿勢を示せば、心を開いてより深い情報まで話してもらえることもあります。
人の話を聞くのが好きな人や聞き上手な人は、普段のコミュニケーションでも信頼される傾向にあるため、インサイドセールスに向いているのです。
親身になれる人
インサイドセールスの業務にあたる上で、人に親身になれることは大切であり、そのような性格の人はインサイドセールスに向いているといえます。
たとえビジネスであっても、自分の悩みや課題をしっかりと聞いてもらい、親身になって関わろうとしてくれる人に対して、多くの人は興味を持ち、信頼してくれます。信頼関係の構築が大きな役割となるインサイドセールスでは、親身になれる人が非常に重要となるのです。
丁寧に相手の話を聞いて対応することができる人は、他部門と連携する場面においても重宝されます。社内でのよりスムーズ且つ効率的な業務の進行においても期待できるでしょう。
粘り強い人
先述した「楽観主義で、継続的なチャレンジができる能力」に関連しますが、性格面では「粘り強い」人がインサイドセールスに向いており、成果を出す傾向が高いと言われています。
インサイドセールスは新しい営業手法であり、アポイントを獲得するためには多くの企業にある程度数以上のアプローチが必要です。継続的なアプローチによる顧客からの信頼獲得なしには、アポイントすら得られない場合も多くあります。
継続的なチャレンジやデータの蓄積、小さな提案の積み重ねによって、顧客の中での距離感の変化が起きるまで、何度もアプローチできることが重要であり、粘り強い人はその性格を活かすことができるでしょう。
インサイドセールスに向いていない人の特徴
では逆に、インサイドセールスに向いていない人にはどのような特徴があるのでしょうか?主な4つの特徴について紹介します。
コミュニケーションやヒアリングが苦手
人とコミュニケーションを取ったりヒアリングを行うのが苦手な人は、インサイドセールスに向いていないでしょう。
先述したように、インサイドセールスでは見込み顧客と長期間、継続的にコミュニケーションを取って信頼関係を構築します。その際にヒアリングを行い、顧客のニーズ・課題を見極めて適切な提案を行うことが大切です。
しかし、コミュニケーションやヒアリングが苦手な人は、顧客から話をうまく聞き出すのが難しいため適切な提案が行えない傾向にあります。まとまった説明ができないと顧客が内容を理解できず、興味を失って会話が終わってしまうケースもあるのです。
普段から人の話を聞くのが苦手な人やコミュニケーションを取りづらいと感じている人は、インサイドセールスの業務自体が苦痛に感じられる可能性もあります。
受け身で失敗経験が少ない
受け身で失敗経験が少ないという点も、インサイドセールスに向いていない人の特徴として挙げられます。
インサイドセールスは、見込み顧客の課題・ニーズを的確に把握してより良い提案を行い、契約成立につなげるために、自ら積極的に動く必要があります。業務が多岐に渡るインサイドセールスにおいて、仕事を振られるのを待っているような受け身の姿勢では仕事が成り立たないでしょう。
積極的に動く分、失敗する可能性も高くなりますが、失敗しても諦めずに挑戦・改善していこうとする意欲や提案する積極性が何より大切です。失敗経験が少なくてすぐに挫折してしまう人は、インサイドセールスには向いていないといえます。
プライドが高い
プライドが高い人もインサイドセールスに向いていません。
プライドが高いと自分の非を認められない傾向にあり、顧客との関係を築くことは難しいです。またフィードバックを受けるのが苦手なため、改善点を素直に受け止め対応していくことができず、業務に支障が出る可能性もあります。
インサイドセールス業務を行う上で、自分のプライドの高さが障壁となっていると感じられるようなら、そんな自分を認めて素直になるところから始めてみましょう。
完璧主義な人
最後にインサイドセールスに向いていない人の特徴として「完璧主義な人」も挙げられます。
インサイドセールスは日本ではまだ導入したばかりの企業も多く、営業方法も確立しているとはいえない状況です。そのため業務内容にもはっきりとしたノウハウがなく、手探りで効果を確かめていく必要があります。
確実な方法を検討した上で実践していきたがる完璧主義な人は、このような状況の中でも完璧さを求めて立ち止まってしまい、業務を迅速に進められない傾向にあります。スピードや柔軟性、迅速さが求められるインサイドセールスにおいて、そのような性質は致命的な欠点となり、本人にとってもストレスになるはずです。
完璧さを追い求めるのは決して悪いことではありませんが、インサイドセールスの業務を行う上ではデメリットに作用する可能性が高いことを覚えておきましょう。
インサイドセールスに求められるスキル
インサイドセールスで活躍するためには、どのようなスキルがあるといいのでしょうか?インサイドセールスに向いている人の特徴と関連づけながらみていきましょう。
ニーズを引き出す質問スキル
インサイドセールスでは電話やDMなどを用いた非対面のコミュニケーションが主になるため、そのような状況でも顧客からニーズを引き出すことができる質問スキルが求められます。
顔が見えないケースも多く、直接対面する営業よりもより高度なコミュニケーション能力が必要になるインサイドセールスですが、聞くべきことを引き出す質問スキルは訓練によって向上することが可能です。
向いている人の特徴である「コミュニケーションが得意」「ヒアリング力が高い」とこのスキルは深く関係しており、最初は質問力がなくても、数をこなしながら学習と反省・振り返りを繰り返してけば改善できます。
見込み顧客のニーズや課題に加え、なぜ購入に至らないのかなどの理由を質問力によって引き出すことにより、商談へとつなげていけます。
課題発見・解決スキル
インサイドセールスにおいては、「課題発見・解決スキル」が必要です。
いくら高いコミュニケーション力・ヒアリング力を駆使して顧客のニーズを聞き出すことができても、共感するだけでは契約成立に至りません。顧客のニーズや課題を的確に把握し、自社の商品・サービスを使ってそれをどう解決・改善できるかを提案する必要があります。
重要なのは専門的な知識ではなく、「自分の持つ知識や商材を顧客の課題に合わせて提供できるかどうか」であり、最適な案を示せることこそが、インサイドセールスで求められる課題発見・解決スキルです。
あくまで視点は顧客のニーズ・課題を中心におき、顧客の理解度に合わせて丁寧且つ適切な説明を心がければ、それまで興味関心がなかった顧客でも自社商品に興味を持ち、積極的に質問してくれるような場合もあります。
業務の効率化・最適化スキル
先述したようにインサイドセールスでは業務が多岐に渡り、多くの見込み顧客の情報処理や調査、コミュニケーションを同時に行うため、多くの業務を効率的にこなす「効率化・最適化スキル」が求められます。インサイドセールスに向いている人の特徴で紹介した「業務処理の正確さ・速さに長けている」内容と強く関わっています。
営業活動ではより多くの見込み顧客・既存顧客にアプローチできるほど成約数の確率を高められるため、業務を効率化・最適化する工夫や能力が必要不可欠です。
メールを送る作業ではテンプレートやツールの活用を、テレアポではつながりやすい時間帯などの情報を記したリストの作成を行うなど、様々な場面において工夫しながらマルチタスクをこなす必要があります。
他にも、案件の重要度や顧客の温度感などから優先順位をつけて対応をして案件化の確率を高めたり、自身の活動を数値で記録して可視化したりすることで、業務を効率化且つ最適化して取り組むことができます。
インサイドセールスに向いている人が感じるやりがい
インサイドセールスはまだ確立された営業方法とはいえませんが、新しい職種だからこそ他の業務では味わえない良さがあります。インサイドセールスのやりがいを詳しく紹介していきます。
売上に貢献していることを実感できる
インサイドセールスは、自らが見込み顧客を開拓してアプローチを行い、案件の可能性を見つけた上で他部門にトスアップするか、自分で契約成立までを担当します。そのため「企業の売上に貢献していることを自身で実感できる」というやりがいがあります。
企業によってインサイドセールスの実行範囲は多少異なりますが、自分がナーチャリングした見込み顧客が成約に結びついたり、既存顧客とコミュニケーションをとる中でより単価の高い商品を受注したりなど、最も目に見える成果を感じられるため達成感を味わえるのが特徴です。
自分の案件や成果を実感しやすいのは、モチベーションの維持にもつながるため、さらに意欲的に仕事に取り組むきっかけにもなるでしょう。
リモートワークなどの最先端の働き方ができる
インサイドセールスではオンラインでのコミュニケーションツールや、最新のマーケティング手法を活用して業務に取り組むため、リモートワークや在宅勤務などの最先端の働き方で勤務できます。
近年ではリモートワークの普及によって、非対面での営業があらゆる業界に浸透し始めており、従来は稀有だった「インサイドセールスだけの契約成立」も増加しています。顧客獲得や契約成立を実現できる営業活動としても規模は拡大しており、自宅に居ながらでもより大きなやりがいを感じられるでしょう。
また企業によっては SFA/CRM や MAツール、 BIツール等の様々なITツールを駆使して業務に取り組むため、IT リテラシーを高められるというメリットもあります。経験値を積んでスキルアップしたい方には適職です。
参考: MAとCRMとSFAの違いは? どれを選ぶべき?それぞれ特性と導入コストを徹底解説
PDCAで小さな成功を多く得られる
インサイドセールスでは担当する顧客が多くPDCA のサイクルが早いため、「こうしたら上手くいった」という小さな成功を得られ、毎日のように成長を感じられるというやりがいがあります。
日々の営業活動を可視化しやすいため、工夫が成果に結びつくのが早く達成感を得られやすいのです。チャレンジ数が多いことによって自分のスキル向上に手応えを感じやすいというメリットもあります。
ちなみに、PCDAとは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字を取ったビジネス用語であり、この一連を継続的に繰り返すことで、事業の品質を向上させる方法です。インサイドセールスにおけるPCDAを意識することで、より多くの成功を実感できるでしょう。
ルーティンワークになりにくく主体性を発揮できる
インサイドセールスでは多数の顧客と関わり、その都度発生した様々な課題やニーズに向き合っていくことになるため、「毎日同じ時間に決まった業務をこなす」というルーティーンワークになりにくいという特徴があります。
毎日似ている仕事やルーティーワークをこなすのが苦手な人にとってはとてもやりがいのある仕事といえるでしょう。
また自分が担当する顧客によってニーズや課題は異なり、ルーティーンのない中で自分が主体となって取り組む必要があるため、自分で積極的に業務に取り組みたい人や主体性を発揮したい人もやりがいを感じられるはずです。
他部門と関わりながら仲間と助け合える
多くのインサイドセールスでは他部門と深く関わりながら業務をこなすため、多くの人と一緒に助け合いながら働けるというやりがいがあります。
ひとりでは困難な課題があったとしても、他部門からのヒントによって新たな視座を得られ、解決できる場合もあるでしょう。
また企業外の顧客だけでなく自社内でもコミュニケーションスキルが必須となるため、ひとりでの仕事が苦手な人やチームワーク能力を発揮したい人にとって、大きなやりがいを感じながら働けるはずです。
インサイドセールスの仕事に就くメリット
インサイドセールスの仕事に就くと、どのようなメリットが得られるのでしょうか?主な3つのメリットについて紹介します。
最適なタイミングでアプローチできる
非対面で行うインサイドセールスでは、対面営業に比べてコミュニケーションをとれる機会が多く、「何か気になる」という顧客にとって最適なタイミングで直接アプローチできるというメリットがあります。
従来の対面での営業活動では、互いのスケジュール調整や移動時間などによる多くの制限がありましたが、インサイドセールスではそのような制限が少なく、より気軽にコミュニケーションが取れます。
顧客のニーズや関心が最も高いタイミングでアプローチできるため次のフェーズへとつながりやすく、効率的な営業を行えます。対面を望む顧客の場合でも、最初の契約以降はインサイドセールスと併用していく形をとることで、コストを抑えながら関係を構築していくことが可能です。
幅広い経験・スキルを得られる
インサイドセールスでは、電話やメールをはじめ、リモートワークで役立つWeb会議ツールやMAツール、商談自動化ツール、営業支援AIツールなど、業務を行う中で幅広いツールの利用スキルを得られ、経験値を高められるというメリットがあります。
仕事場でパソコンに親しんでいても、上記のようなスキルを得るという経験は自発的には得られません。仕事だからこそ、急速に経験値を高められるという側面があります。
参考: MAとCRMとSFAの違いは? どれを選ぶべき?それぞれ特性と導入コストを徹底解説
【徹底比較】無料のおすすめMA(マーケティングオートメーション)ツールの特徴と選ぶ際のポイントを解説!
将来性のあるキャリアパス
インサイドセールスは将来的に活躍しやすいキャリアパスである点も大きなメリットです。
日本におけるインサイドセールスの導入はまだ始まったばかりであり、サブスクリプションビジネスの普及の他にも、DX推進や働き方改革、営業担当者のリソース不足などの理由から、今後さらに需要は高まると考えられています。現在から経験を積めば、まだスペシャリストの少ないインサイドセールス部門において大きな活躍が期待できるでしょう。
またインサイドセールスでは自身の部門だけでなく、マーケティング部門における見込み顧客情報や、フィールドセールス部門における営業データなど、「営業活動全体の俯瞰したデータを把握しやすい」管理者の立ち位置にあるのも特徴です。
加えて、インサイドセールスはカスタマーサクセスとも親和性が高く、契約後の対応・質の向上にも寄与できます。各部門の潤滑油的な存在としての役割も果たせるため、より高みを目指せるキャリアパスが期待できます。
インサイドセールスの仕事に就くデメリット
前章ではインサイドセールスの仕事に就くメリットを紹介しましたが、デメリットにはどんなことがあるのでしょうか?仕事に就く前に、インサイドセールスのきつい側面についても知っておきましょう。
人脈が広がりにくい
インサイドセールスの仕事に就くデメリットとしてまず挙げられるのは、人脈が広がりにくいという点です。
従来の対面での営業では、先輩と共に顧客の元へと赴いて顔を覚えてもらう、もしくは仕事することによって、人脈を広げていくことが基本でした。
しかし、インサイドセールスは多くの見込み顧客として知り合うものの、契約が成立しない限りはどうしても広く浅い人脈となる傾向にあります。対面でのコミュニケーションを重んじてきた企業とやりとりをする場合は、非対面での希薄さを感じることで対面で得られた人脈の広がりを期待できない可能性もあります。
インサイドセールスは今後より浸透していくとされているため、それまではコミュニケーションの回数を増やすことで対応できるでしょう。
限定的なスキルセットで転用しづらい
インサイドセールスで得られるスキルセットはツールに由来するものが多いため限定的になり、営業としてそのまま転用しづらいというデメリットがあります。
実際に顧客の元へ赴いて対面で営業を行うアウトサイドセールスのスキルはインサイドセールスに応用しやすいとされている一方、インサイドセールスでのスキルは元々内勤型の営業方法だったため、アウトサイドセールスに転職する場合は一からスキルを構築する必要があると考えられています。
しかし、インサイドセールスの知識や経験でも十分に活かせるものはあるため、転用しなければならない場合でも焦らずに取り組むことが大切です。
対面営業に比べて達成感が少ない
アウトサイドセールス経験者が感じがちなインサイドセールスのデメリットとして、対面営業に比べて達成感が少ないという点が挙げられます。
特にアウトサイドセールス・マーケティング部門などとの連携・分業を行う場合、対面営業を行ってきたアウトサイドセールス経験者は、非対面でのインサイドセールスだと達成感を実感しづらく、物足りなさを感じてしまうのです。対面だからこその難しさがあるからこそ、契約が成立したときの喜びを感じられると感じる人も多くいます。
一方で、データを可視化して把握しやすいインサイドセールスでは「自分のインサイドセールスでどのくらい契約が成約したのか」をチェックできるというメリットもあります。どちらが自分に合っているかがわかると、より大きな達成感を感じながら業務に取り組めるでしょう。
ノウハウが確立されていない
まだまだ黎明期にあるインサイドセールスは、まだノウハウが確立されていないため、成果を得るまで手探りで進めなければいけないというデメリットがあります。
既存の営業方法であれば大体ノウハウが確立されているためその通りに実行すればいいものの、インサイドセールスは新しい職種であるため、試行錯誤を繰り返しながら自分達で確立していかなければなりません。
新しいことに挑戦したい人や、主体性を持って取り組みたい人にはむしろメリットといえますが、ルーティンワークを好む人や確実な方法で取り組みたい人にはストレスに感じられるかもしれません。
同時的に多くの顧客との関係構築が必要
インサイドセールスは、確率論的により多くの顧客にアプローチを行い、関係構築のためにコミュニケーションを続けていく必要があるため、同じタイミングで多くの顧客と関わっていく必要があります。その分業務は必然的に増えてしまうため、マルチタスクが苦手な人にとってはデメリットといえるでしょう。
契約の確度が低い見込み顧客も、問い合わせが来たばかりの「確度が高い顧客」も同時進行で気にかけていく必要があります。そのため顧客ごとの管理や対応の難易度は増し、リストの管理は欠かせません。
ひとつのことに集中して取り組みたい人や同時進行で業務にあたるのが苦手な人にとって、インサイドセールスはミスマッチとなる可能性が高いといえます。
商品説明・関係構築が難しい
非対面でのコミュニケーションを行うインサイドセールスでは、対面と比べて得られる情報量が少なく、「実物の商品を説明しづらい」という点に加えて、「顧客との関係構築が難しい」というデメリットがあります。
たとえば金属部品やウォーターサーバー商材の場合、実際に手に取って確かめたいという顧客も多く、インサイドセールスでは商材の魅力を十分に伝えられないということが起こります。
また人間関係の構築においても、実際に会っていない分信頼関係が築きにくいほか、関係が希薄になりがちです。ただ、非対面だからこそ欠点もわかりにくいとプラスに捉えることもできます。
インサイドセールスの4つのキャリアパス
インサイドセールスでは具体的にどのようなキャリアパスがあるのでしょうか?4つのキャリアパスについて解説します。
フリーランスのインサイドセールスとして活動する
まずフリーランスのインサイドセールスとして働くというキャリアパスがあります。
現在営業におけるフリーランスを採用する企業は増えており、インサイドセールスにおいても、今後フリーランスに依頼する企業は増加することが予想されます。
インサイドセールスはインターネットや通信回線などの環境が整っていれば、フリーランスとして自宅で活動することもでき、場合によっては会社員として勤務するより多くの報酬をもらえる可能性もあります。
マネージャーに昇進する
2つ目のキャリアパスとしては、「インサイドセールス部門におけるマネージャーへの昇進」があります。
今後日本においてインサイドセールスの需要が高まると予想されていることは先述しましたが、それに伴いマネージャー職の市場価値も高まることが考えられます。インサイドセールスでの経験を積んでおくことで、市場価値がより高まったタイミングでマネージャーに昇進できる可能性があるでしょう。
多くの企業ではインサイドセールスの導入が始まったばかりなので、今はマネージャー職が存在しない企業でも、今後展開した際に早いタイミングでマネージャーに昇格できるかもしれません。
フィールドセールの道に進む
インサイドセールスで得た経験を元に、フィールドセールスの道に進むというキャリアパスも考えられます。
高い水準のコミュニケーション能力やチャレンジ精神を求められる環境で働き、マルチタスクをこなす「インサイドセールス」で培った経験は、フィールドセールスでも十分に活かせます。
また、インサイドセールスとフィールドセールスは連携して業務を進めることも多いため、フィールドセールスで働く際も、インサイドセールスの業務内容を理解していることで、よりスムーズで円滑なコミュニケーションをとりながら進行することができるでしょう。
カスタマーサクセスの道に進む
最後に、「カスタマーサクセスの道に進む」というキャリアパスもあります。
顧客の成功を実現するために、自社の商品やサービスを継続的に使用してもらえるようにアプローチを行う「カスタマーサクセス」は、顧客のニーズや課題に親身に寄り添うという点や非対面でコミュニケーションを取る点がインサイドセールスと共通しています。
インサイドセールスで働いた経験や、業務中に培ったコミュニケーションスキルやヒアリングスキルなどは、カスタマーサクセスにおける業務でも十分活かすことが可能です。
インサイドセールスの仕事に就く方法
インサイドセールスについて詳しく紹介してきましたが、実際に仕事に就くにはどうしたらいいでしょうか?仕事に就く3つの方法について紹介します。
転職サイトを利用する
インサイドセールスの仕事に就くには、他の転職同様に転職サイトを利用する方法があります。
ITツールを早くから取り入れているインターネット・広告・メディア業界をはじめ、リモートワークを重要視し、取り入れている企業での募集が多く見つかるはずです。
他にも非対面でのコミュニケーションが重視されるようになった様々な分野での求人が増えています。たとえば、非対面アポイントメントのニーズが高まっている「機械・電気メーカー」「医療機器・医療系サービス」などの分野や、オンライン学習が自宅でできる「教育」分野など、インサイドセールスが活躍する分野の幅は急激に広がっています。
転職エージェントを利用する
転職エージェントに登録してインサイドセールスの仕事を紹介してもらう、というのもひとつの方法です。
転職エージェントでは一般公開されていない求人情報を紹介してもらえる可能性があるほか、転職をサポートしてくれるアドバイザーがいるのも大きな魅力です。転職に関する疑問や不安以外に、今後のキャリアプランなどに関する相談もできるため、不安のある方には転職エージェントの利用をおすすめします。
初めて転職する人や転職への気後れがある人にとっては、心強い味方となるはずです。
友人・知人に紹介してもらう
知人や友人にインサイドセールスの仕事を紹介してもらうのもひとつの手です。
身内からの紹介は、職種に限らず「紹介営業」と言い、知人・友人たちへの信頼感に加え、自分自身の信頼感の高さが重要になります。お互いへの信頼度が高ければ、そのまま見込み顧客への信頼感につながるというメリットがあります。
一方で、紹介してもらった見込み顧客との交渉がうまくいかなかった場合やトラブルが発生した場合、紹介者との関係にも亀裂が入ってしまう可能性があるので注意が必要です。
まとめ
本記事ではインサイドセールスについて、仕事内容をはじめ、向いている人・不向きな人の特徴や求められるスキルから仕事に就く方法まで紹介しました。
インサイドセールスは、向いてる人・向いていない人が明確にわかる仕事です。しかし、インサイドセールスの重要ポイントをしっかりと理解できれば、目標に向けて確実に業務を改善していける仕事でもあります。
またインサイドセールスは、対面営業で思うように成果が出なかった人でも大きく活躍できる可能性もあるほか、小さな成功を重ねることで多くの経験を積むことができるなど、可能性が未知数の職種でもあります。
多くの企業において導入が始まったばかりで、スペシャリストも少ないと言われているインサイドセールス。キャリアアップを狙っている人はぜひ転職を検討してみてはいかがでしょうか。
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