メールマーケティングの最適な頻度とは?他社の平均回数や、配信頻度の見極め方を解説
「今のメルマガ配信のペースで効果は最大化できているのか」「配信しすぎて読者に飽きられていないだろうか…」などとお悩みのメールマーケティング担当者の方は多いのではないでしょうか。
メールマーケティングは、始めてすぐに効果が得られるわけではありません。中長期的な取り組みのなかで、効果をはかりにくい、改善がむずかしいと感じている方も少なくないと思います。
本稿では、メールマーケティング施策において効果が出やすい配信頻度や、配信頻度を増やす・減らすことによって得られる効果、自社の配信頻度の見極め方について解説します。メールマーケティングを実践されている方、これからメールマーケティングを始めたい方に役立つ情報をお届けしますので、ぜひ自社のメールマーケティング施策の参考にしてみてください。
目次
メールマーケティングの平均的な配信頻度
企業が実施するメールマーケティングの配信頻度は、メールマーケティングの目的や取り扱う商品ごとに、効果が出やすい一定の数字に収束します。たとえば、メディアサイトによるニュース配信などは毎日、少額のBtoC商品は週に1回〜、BtoB領域や高額商品などは月に1〜2回などです。
ここでは、オーストラリアのメルマガ配信システム「SmartrMail」によるメールマーケティング調査結果をもとに、平均的な配信頻度について把握していきましょう。
出展: Email Marketing Frequency Best Practices in 2020 |SmartrMail
一番多いのは月に1〜4回のメルマガ配信
「SmartrMail」の調査結果によれば、月に1〜4通のメルマガを配信している企業が半数以上を占めていることがわかりました。
次いで、約24%が月に5〜8回、約15%が月に9〜16回、約8%が月に1回以下の配信回数という結果になっています。
(「SmartrMail」の調査結果をもとにクラウドサーカス社が作成。データ引用元:Email Marketing Frequency Best Practices in 2020 |SmartrMail)
開封率・クリック率が高くなる配信頻度とは
また同じく「SmartrMail」の調査によれば、開封率が最も高くなるのは月に4〜8件、つまり週に1〜2回の頻度で配信されているメルマガであることがわかりました。
通常メルマガの開封率は15〜20%が一般的といわれていますが、週1〜2回程度の配信で約25%の開封率が見込めるという平均を上回る数値が出ています。
またクリック率もおなじく週1〜2回ほどの配信のときに約3.7%と、一般的なメルマガクリック率の基準である2〜3%を上回る結果となりました。
開封率が下がってしまう配信頻度とは
逆に、開封率・クリック率ともに、月に4回の配信を下回る、もしくは月に17件以上配信すると下降していく傾向にあります。とくに開封率は、17件を超えた場合に約15%までさがりました。
配信頻度が過剰だと、ユーザーはメールに対する興味を失い、開封しなくなる可能性も。一方、配信頻度が低すぎると、ユーザーは自社やメールの存在を忘れてしまい、クリック率が低下する可能性もあります。
この結果から、配信頻度は少なすぎても多すぎてもよくないため、適切な配信頻度をはかることが大切だということが読み取れます。
頻度を増やしたほうがいいケース
メールマーケティングの効果をなかなか実感できないものの、どこから改善していいかわからない、というお悩みは少なくありません。ここでは目的別に、頻度を増やしたほうがいいケースについてお伝えします。
開封率をあげたい
開封率をあげたい場合に着目するポイントは、件名・差出人名・コンテンツ内容・配信先ターゲット・配信曜日や時間など、多角的な要素があります。そのなかでも、配信回数が少なすぎないかはチェックしておきたいポイントです。前述の調査でも、配信頻度が月に4回以下になると開封率が低下することがわかっています。
配信数が少なすぎると開封率が下がってしまうのは、定期的なメルマガ配信には読者の関心をキープする役割があるためです。定期的なメルマガ配信をおこなうことで、たとえば「この会社はデジタルマーケティングに精通している会社だ」「この会社のメルマガって毎回おもしろういんだよな」などとポジティブな印象で自社を認知してもらえるため、コンテンツへの興味を誘いやすくなります。
もし現在の配信頻度が月に4回以下であれば、配信頻度を増やしてみることも検討してみてください。実際に、頻度が多いほど、ユーザーがクリックしたりCVしたりと単純に接触する機会は増えていきます。
メルマガ配信頻度をあげるのに、社内のリソースが足りないようであれば、ツールを活用するのもよい方法です。たとえば弊社のMAツール「BowNow」では、用途ごとに多彩なメールテンプレートを用意しており、手間を省きつつも、品質の高いメルマガ配信が可能です。
ただし、すでに月4回以上配信しているケースでは頻度をさげたほうがよい場合もあります。後述する「頻度を減らしたほうがいいケース」でご紹介しますので、そちらもご覧ください。
情報収集ツールとして価値提供したい
自社のメルマガを「ユーザーが情報収集をするツール」として位置付けてもらい、プレゼンスを高めていきたい場合には、配信頻度をあげるのがよい方法です。
ユーザーが求めていることに対して、明確な目的をもって、専門性の高いコンテンツを配信しましょう。また自社だからこそ提供できる業界の最新情報などを発信し、「この会社のメルマガを読んでいたら有益な最新情報が得られる」といった特別な情報収集網としてユーザーに認知してもらえれば、自社に対するエンゲージメントを高めていくことができます。
配信頻度をあげる場合も、一方的に自社製品やサービスの紹介をおしつけるのではなく、ユーザーニーズに寄り添った発信を心がけましょう。そういった積み重ねにより、他社と比較したとき「お願いするならここの会社にしよう」と選んでもらいやすくなるはずです。
コミュニケーションを増やし信頼関係を築きたい
メルマガの配信頻度をあげることで、ザイアンス効果が期待できます。
ザイアンス効果とは、もともと興味を持っていなかった商品やサービスに対して、何度も接点をもつことで警戒心が薄れて、自然に興味をもつようになること。広告などのマーケティング施策においてよく用いられる手法です。
メールの配信頻度があがれば、単純にユーザーとの接点をもつ回数は多くなります。配信母数が多いほどユーザーの目にとまる可能性が増え、自然に親しみをもつようになり、クリックや問い合わせなどをいただく機会が増えていきます。
ただし、もともと印象が悪いものに対して繰り返し接触したところで信頼度が築けるわけではありません。ニーズに対応できるコンテンツ内容を配信し、ユーザーのアクションに対して適切な対応をすることで、あくまでも信頼関係を強化する目的で行いましょう。
頻度を減らしたほうがいいケース
定期的なメールマーケティングに取り組んでいくと、開封率やCV率、メルマガによる収益値など、成果が数値化されてくると思います。
この数値をなかなか改善できない場合、配信頻度を減らすことが解決の手がかりとなることがあります。
開封率をあげたい
「頻度を増やしたほうがいいケース」でも開封率をあげたい場合についてご紹介しましたが、すでに高頻度で配信している場合においては、配信頻度をさげることで開封率の向上につながることも多くあります。
前述したデータのように、開封率は月17回(週4回)以上のメルマガ配信でさがる傾向が見られています。単純に配信数が多いことから、ユーザーは気になるメールだけを開封していて配信停止率やCV率には問題ない、という状況であれば、開封率がさがってもさほど問題ないケースもあります。
一方で「頻度の高さからうっとうしくて購読解除する人が多い」と分析できる場合には、配信頻度を一度減らしてみましょう。ここは配信停止率やCV率、メールマーケティングにおける費用対効果と照らし合わせて、慎重に判断する必要があります。
こういった判断が自社内ではむずかしい場合には、メルマガ配信による効果検証を見える化できる、MAツールを活用するのもおすすめです。さらにツールを提供しているベンダーは多くの事例を保有しているため、ベンダーの提供するサポートを活用して、適切なアドバイスを受けるのは確実な方法といえます。
配信停止率をさげたい
配信停止率をなかなか下げられない原因として、配信頻度に問題がないかを確認しましょう。もちろんコンテンツ内容がユーザーのニーズに合っていないという可能性もありますが、1日に複数回の配信をおこなうと解除率が高まることがデータでわかっています。
高頻度のメルマガ配信は、すでにある程度取引があったり、顧客と信頼関係が築けていて、顧客自身も情報を積極的に求めている場合には有効です。
しかしCV獲得ばかりに気を取られて頻度を増やし、内容の薄いコンテンツを量産しているようでは、顧客と長期的に関係性を築いて収益につなげていくのはむずかしくなります。
コンテンツの厚みを出したい・質を上げたい
頻度をあげることによってコンテンツ内容の乏しいメルマガ配信になっている、ネタ切れしているという場合は、一度頻度を減らすことを検討してもよいかもしれません。
メールマーケティングの目的は、もちろん直接売上につなげることもありますが、ユーザーとの良好な関係構築の比重がより大きくなります。さらに近年ユーザーの購買行動はモノ消費からコト消費に移り変わっており、何を買うかよりも「信頼できる誰から買うか」を重視する傾向にあるからです。
また頻度をおさえることにはメリットも多く、本当に伝えたい情報をピンポイントに伝え、コンテンツの品質を向上させられるようになります。またメルマガ配信担当者の業務を軽減し、その分をニーズ分析にあてることができ、メールマーケティング全体のクオリティをあげていくことも可能になります。
ブランディングしたい
発信する回数を減らすことで、メルマガ1通あたりの価値をさらに向上させることができます。有益かつ希少性の高い情報を提供できれば、メルマガとしての価値も高まり、ユーザーも積極的に開封し読んでくれるようになるはずです。
こういったブランディング上の特別な狙いをもとに配信頻度をコントロールすることで、競合他社との差別化もはかりやすくなります。
ただし、これは読者にとって有益な情報、質の高い情報を提供できることが前提となるため、コンテンツ内容の精査や顧客の反応をもとに慎重におこなっていく必要があります。
頻度をあげるときに注意するポイント
配信頻度を増やしていく場合、まずは効果を測定できる一定の期間を設定しておこないます。配信数を増やしはじめたばかりの段階では、新鮮さもあり、一時的に開封率やクリック率が上昇することもあるからです。もともとの配信頻度にもよりますが、まずは2・3ヶ月〜半年ほどの期間、どのような効果があるかフォローしていきます。
頻度をあげたら、配信停止率をモニタリングし、配信停止の急な増加がないか常に確認しておきましょう。配信頻度をあげると、場合によっては配信停止率が増えてしまうこともあるため、この項目はとくにチェックしておくことが大切です。また、つい見落としがちなステップメール(自動配信メール)の本数も考慮し、全体数のバランスをとるとよいです。
また、配信頻度をあげる場合、どのような内容を発信するのか、コンテンツ企画にもさらに時間が必要になります。人員が足りない場合には、ツールを活用してメルマガ配信・分析のプロセスを自動化することで、コンテンツ企画といったコア業務に人手が割けるよう体制をととのえることも必要です。
頻度をさげるときに注意するポイント
配信停止率がなかなかさがらない、という場合、配信頻度を減らす選択をすることはよい方法です。しかし前述したように、ただ単に減らすのではなく、適切な頻度に調整する意識で取り組みましょう。
頻度を下げる場合の効果検証も、すくなくとも3ヶ月ほど様子を見る必要があります。メールマーケティング自体が中長期的な施策であり、これがBtoBなどになるとさらに期間は長くなります。
また頻度を下げるといっても、完全に送らないのではなく、週2回送っていたものを1回に、毎月送っていたのを2ヶ月に1回にするなど、一定のペースを保つようにしましょう。
さらに、読者との関係性も重視するべきポイントです。メールマーケティングの目的は、顧客が求めている情報を届けることであり、必要な情報を提供できなくなってしまうようでは本末転倒となってしまいます。顧客からのフィードバックを収集し、場合によっては、顧客のフェーズごとに配信頻度をコントロールする必要が出てくるかもしれません。
業界別メールマーケティングの最適な配信頻度
業界やメールマーケティングの目的によって、最適な配信頻度には差があります。ここでは一般的な配信頻度の目安をご紹介します。
たとえばメディアやエンタメなどニュース系のメルマガは、鮮度の高い情報として毎日配信されるものが多いです。通勤時間帯のニュースチェックなどに合わせて毎日送ることで、情報収集ツールとして活用してもらう位置付けになります。
生活になじみのあるBtoC向けの日用品・食料・ファッションをはじめとする低単価商品は、週に1回以上の配信が望ましいとされています。情報が古くならないよう、ある程度のスピード感が必要になります。
逆に、BtoB向けの製品サービスや高単価商品、購買頻度が低い製品は、月に1〜2回程から始めていくとよいです。配信頻度は低くなりますが、その分1本分のコンテンツ内容を充実させて、BtoBビジネスでより重要となる「顧客との関係性を強化」を目的に行うのが特徴です。
最適な配信頻度を見極めるには
最適かつ効果を最大化できるメールマーケティングの配信頻度は、企業ごとに、また提供する商品やサービスごとに異なります。
自社の最適解を見つけるために、3つのステップで配信頻度を見極めていきましょう。
内容や目的を踏まえて決める
業界やターゲットユーザー、配信しているメルマガの内容や、配信する目的によっても、最適な配信頻度は違ってきます。
たとえばBtoB向けの商材や自動車などの高単価商品は、週に何度も製品紹介メールがきたところで、すぐに「じゃあ買おう」となるわけではなく、逆にうんざりさせてしまうかもしれません。
一方で単価の低い日用品や、毎日着る衣類であれば、新作商品や人気ランキングなどの情報を数日おきに送っても、ファンは喜んで読んでくれてCV率も高まります。
具体的にどのくらいの頻度でおこなえばよいか決めるときには、競合他社のメルマガに登録してみるのがおすすめです。多くの人が登録する人気のメルマガが、どのような配信頻度で提供されているかだけでなく、コンテンツ内容やデザイン・レイアウトなど参考になることがたくさんあるはずです。
効果検証をおこない改善策をたてる
メールマーケティングで成果をだすうえでは、配信したメルマガの効果を検証し、改善して質を高めていく、PDCAサイクルがもっとも重要になります。
CVがあったからゴール!ではなく、メルマガの到達率や開封率、クリック率など、配信後のレポーティングを行いましょう。レポーティングは、ツールにまかせることで、手動でおこなうより効率的に正確なデータを算出できます。
またメールマーケティングの改善をするには、A/Bテストもおすすめです。A/Bテストとは、ユーザーをAグループ・Bグループに無作為に分けることで、マーケティングの効果検証をおこなう方法です。以下はメールマーケティングにおけるA/Bテストの一例です。
- Aグループには毎日配信、Bグループには週2回配信
- Aグループには休日配信、Bグループには平日配信
- Aグループには朝配信、Bグループには夜配信
テストを行う際は、開封率やCV率、配信停止率などをグループごとに正確にはかって記録し、比較検証していきます。業界のセオリーや平均値などとは異なる、自社独自の結果が見えてくるかもしれません。
配信頻度だけでなくコンテンツ内容も見直す
メールマーケティングの効果は、配信頻度だけで決まるものではありません。ユーザーを引きつけ、またユーザーにとって有益かつクオリティの高いコンテンツを提供できているかも、あらためて見直しましょう。
配信頻度を調整したことで開封率があがったとしても、ユーザーにとって魅力的なコンテンツを配信できていなければ、最終的なCVや収益といった成果にはつながりません。
コンテンツ内容の精査をおこなう際は、ターゲットユーザーの属性やユーザーにとってのメリットを明確にすることも大切です。具体的な効果測定により、どのコンテンツがどの層の読者に価値があるのか、特徴を把握しましょう。読者が自社のメルマガを重要な情報源として活用してくれるような関係性が築ければ、メールマーケティングの効果を最大化できます。
MAツールを活用すれば、適切な配信頻度の見極めが簡単に!
弊社のMAツール「BowNow」をメルマガ配信に活用すれば、手動で効果をはかる手間をはぶいて、適切な配信頻度を簡単に見極めることができます。
BowNowでは、ずっと無料でつかえるフリープランでも「一斉送信ができるメール機能」が利用可能です。こちらのメール機能でメルマガ配信を行えば、開封率やクリック率、配信停止率などを簡単に確認することができ、メールマーケティング施策の改善に活用できます。
さらに、メルマガ配信で開封率やクリック率が高いユーザーの行動ログを追跡できるため、メルマガ配信後の営業活動にも大いに役立てられます。
また、BowNowは手厚いサポート体制も特徴。「配信頻度はこれでいいの?」というご相談はもちろん、メールマーケティングにおける疑問や不安点をサポート担当者に相談できるため、「メールマーケティングははじめて」「少人数体制で不安」「うまく運用できていない」という企業の方にもぴったりのツールです。
メールマーケティングの成果を向上させたい方や、MAツールはどんなものか使ってみたいという方も、ぜひ無料プランから試してみてください。
まとめ
メールマーケティングの最適な配信頻度について解説しました。
メールマーケティングでなかなか効果が出ないという場合、実は配信頻度が解決のカギになっていることもあります。せっかくクオリティの高い情報を発信していても、配信頻度が適切でないために効果があがらないのであれば非常にもったいないです。ぜひ自社に最適な配信頻度を見つけて、メールマーケティングの効果を最大化していきましょう。
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BowNowは、2015年のリリース以降、中小BtoB企業を中心に多くのお客さまのお悩みに寄り添ってきました。
当社にお問い合わせいただくお客さまの多くが
・MAツールが何のためのツールなのかイマイチよく分かっていない
・MAツールの種類が多すぎて自社に最適なMAツールが分からない
・自社でMAツールを導入すべきタイミングなのかが分からない
のように「そもそもMAツールって何ができるの?」という検討の入り口で悩まれています。
BowNowは、日本の中小BtoB企業でも使いこなせるMAツールとして、「シンプル」「低コスト」「使いこなせる」をコンセプトに開発されたMAツールです。 まだ検討の入り口でお悩みのご担当者さまもお気軽に当社にご相談ください。
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