メールマーケティングとは?

メールマーケティングとは、デジタルマーケティング手法の一つで、メール広告、メールマガジン、ステップメールなど、メールを用いて潜在顧客やリード、顧客とコミュニケーションを取り、意図する行動を取ってもらうことです。
このため、まずは「最終的にどんな行動を取って欲しいか」という目標・目的を決め、「その行動を促すためにはどんな内容のメールを送れば良いか」を逆算し、具体的なコンテンツに落とし込みます。
本コラムでは、メールマーケティングの種類やメリット・デメリットなど、メールマーケティングに関する情報をまとめてご紹介いたします。
メールマーケティングとは?
メールマーケティングとは、デジタルマーケティング手法の一つでメールを用いて自社のマーケティングの目標を達成するよう、ユーザー自ら動いてもらうよう促すマーケティング施策のことを指します。
メールマーケティングの種類はメール広告、メールマガジン、ステップメールなど様々な手法が存在し、それらのメールを用いて潜在顧客やリード、顧客とコミュニケーションを取り、意図する行動を取ってもらえるように促します。
参考記事:デジタルマーケティングとは
そのため、最終的にどんな行動を取って欲しいかという目標・目的をまず決め、「その行動を促すためにはどんな内容のメールを送れば良いか」を逆算し、具体的なコンテンツに落とし込むという流れで進めます。
メールマーケティングの歴史
メールマーケティングは、当然のことながら「メール」という通信手段が登場してから始まりました。
ここでは、メールマーケティングのおおまかな歴史をご紹介します。
メール広告の登場(1990年代後半~)
1990年代後半、「IT」という言葉が一気に広がり、携帯電話が普及し始めました。家庭にもPCやインターネット回線が浸透し出し、電子メールが使用されるようになりました。
それと同時にメールに広告を掲載するというマーケティング手法が採用されるようになりました。
まだ、メールそのものが珍しかったため、メール広告の反応率やコンバージョン率は高い数値が出る傾向があったといいます。
メールマガジンの登場(2000年~)
2000年頃になると、メールマーケティングの一般的な手法として「メールマガジン」が活用されるようになりました。広告に比べると、コミュニケーションを取る意味合いが強いという特徴がありました。
ただ、まだメールアドレスを取得している人自体が多くなかったため、配信数も少なかったようです。
メルマガの報発信力がアップ(2005年~)
2005年頃になるとメールアドレスを取得しているユーザーの数も増え、メルマガの持つ情報発信力に一定の効果が期待できるようになってきました。
メルマガの役割も、企業の中の人のキャラクターを伝えて親しみを持たせる「コミュニケーションツール色」から、新製品情報やキャンペーン情報などを伝える「DM色」の濃いものへと変化しました。
リアルとデジタルの複数メディアをつなぐ役割へ(2010年~)
2010年になるとWebサイトやECサイト、SNSの企業アカウントを持つ企業も増えてきて、メルマガは、Webサイト更新のプッシュ通知機能としての側面が強くなりました。
また、Webサイト、ECサイト、SNSといったデジタル媒体同士のほか、店舗や紙カタログなどのリアルともつなぐ橋渡しの役割もメルマガが担いました。
メールマーケティング効果が見直される(2015年~)
2015年以降は、SNSやブログ型のオウンドメディアなどが普及し、マーケターが活用できる媒体が増加しました。このため、デジタルマーケティングにおけるメールの存在感はあまり濃いものとはいえなくなりました。
ただ、メールマーケティングの効果が薄れたわけではありません。
この頃になると、マーケターが扱えるマーケティングツールも、アクセス解析ツールやサイト改善ツールのほか、SEOツール、マーケティングオートメーションツール(MA)など、さまざまなものが出てきます。
特にMAは、ステップメールやセグメントメールといった、シナリオやスコアリングに合わせたメール配信の自動化が行え、業務の効率化を図れるほか、配信後の到達率や開封率、クリック率といった効果測定が行え、メールマーケティングには欠かせないツールです。
MAの活用により、メールマーケティングの正確な効果測定が行えるようになり、一見、廃れたかのように思われていたメールが、実はマーケティング手法として一定の効果を持つということがわかってきました。
メールマーケティングは、リードナーチャリングの主な手段として地位を確立しました。
なぜ今メールマーケティングは必要なのか?
2020年9月に総務省から発表された「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、
近年ではSNSがコミュニケーションツールの主流になってきているものの、30代以上の働き世代はメールの利用率の方が高いという結果が出ております。
実際にビジネスにおいて、社内コミュニケーションツールとして社内チャットツールが普及してきておりますが、社外とのコミュニケーションは未だメールが主流となっております。
つまり、未だにメールは働く世代にとってもっとも身近なコミュニケーションツールということです。
そしてこれが、メールマーケティングが必要である大きな理由の1つです。
ターゲットにもっとも身近なメディアであるメールを用いることでより多くの見込み顧客にコンテンツを届けることができ、有益なマーケティング施策となるのです。
また施策を実行する側からしても、メールは日常的に使っているツールのため使い慣れないツールを利用するような他の施策と比べると施策実行のハードルが低いと言えます。
メールマーケティングの種類
前章でも少し触れましたが、ここで改めてメールマーケティングの種類を整理してご紹介いたします。
メール広告
メール広告とは、電子メールで送信される広告の種類で、メールマガジンの一部(ヘッダやフッタなど)に掲載されるタイプと、メール一通が丸ごと広告の二タイプがあります。
また、それぞれ、表示形式がテキストのみのタイプとHTML形式のタイプがあります。
ターゲット層に合った送信先に直接アプローチすることで可能で、入稿から配信までの期間が短い反面、スパムメールとみなされて閲覧してもらえない恐れがあったり、受信する側の環境によってはHTMLの画像や動画がうまく表示されない可能性があります。
メールマガジン
事前に許可してもらったユーザーに自社のメルマガを配信し、定期的に情報を届ける手法です。
同一コンテンツを登録ユーザーへ一斉に配信するため、どのユーザーにとっても有益になる情報を厳選して掲載する必要があります。たとえば、新製品情報やキャンペーン情報、お知らせといった内容が向いています。
どうしても画一的な内容になってしまうため、メルマガから直接のお問い合わせにつなげるのは難しい傾向があり、集客やコンバージョンよりもエンゲージメントの強化を目的とした運用が良いでしょう。
ステップメール
各ユーザーの検討度合いやアクションに合わせ、あらかじめ準備しておいたメールを設定スケジュール通りに自動配信するのがステップメールです。
たとえば、自社サイトに掲載しておいたカタログをダウンロードしてくれたユーザーへ、さらなるアクションを促すために、「ダウンロードのお礼メール→自社製品の導入事例→キャンペーン案内」といった流れで段階的に関心の度合いを高めていき、最終的にはお問い合わせや購入などを目指します。
ターゲット層のペルソナとカスタマージャーニーを作成し、検討フェーズに合わせたメールを届けます。
セグメント(ターゲティング)メール
リード(見込客)を条件ごとにセグメント分けし、それぞれのセグメントに必要とされる情報を届けるのがセグメントメールで、ターゲティングメールともよばれます。
セグメントの方法としては、ユーザーの所属企業の業種や規模、ユーザーの性別や年齢層といった属性と、Webサイトの特定のページを閲覧した履歴を持っていたり、ホワイトペーパーをダウンロードしたことがあるなどの条件を組み合わせるものがあります。
複数のメールコンテンツを用意しておき、各セグメントで必要なメールのみを送信する手法が楽です。配信する順番を決めれば、ステップメールとも組み合わせられます。
配信ユーザーを絞って、的確な情報を届けられることから、開封率やクリック率は高い傾向があります。
休眠発掘メール
一定期間、動きのない休眠顧客や休眠リードに対し、アクションを促すメールを届けるのが休眠発掘メールです。
それまで送信しているメールに対して反応がないために休眠しているので、それまでとは違ったタイトルや内容を意識してコンテンツを作成する必要があります。
休眠発掘メールによりアクションがあれば、その後はステップメールやセグメントメールを送信して商談や問い合わせにつなげていきます。
メールマーケティングとメルマガの違い
前章でもお伝えしている通り、メルマガはメールマーケティング手法の一つですが
他のメールマーケティングと目的やターゲットが異なります。
メルマガの目的は読者に対して有益な情報を届けファンになってもらうことです。一般消費者向け情報を届けるために用いられます。
例えば、プロスポーツチームの会報や作家やライターが定期配信するコラム、著名な料理研究家が配信するレシピ紹介などがメルマガにあたります。
一方、メールマーケティングは売上の向上や商品・サービスの販促を目的として、よく企業向けに用いられることが多いです。
今回はファン化を目的としたメルマガではなく、売上の向上を目的としたメールマーケティングの手法やノウハウについてご紹介いたします。
よくあるメールマーケティングの失敗例
■失敗例1:目標を定めずにとりあえずメールマーケティングに取り掛かる
ただ単にメールを送るだけでは、メールから商談を創出したり売上を伸ばすことは難しい為、目的・目標を定めた上で顧客にどんな行動を取って欲しいかを決めてから、メール施策に取り組むことをお勧めします。
■失敗例2:開封率を目的にする
開封率や到達率はメールマーケティングにおいて非常に重要な指標ではあるものの、あくまで目標を達成するための中間指標に過ぎません。
メールマーケティングの目的はメールを読んでもらうことではなく、メールを読んでもらい、自社やサービスのことを知ってもらったその先に、お客様にどんな行動を促したいのか、最終的に達成したい目標は何かを意識して、指標を追う必要があります。
メールマーケティングのKPI・KGI
前述で紹介した、目標を見失わないためにもKGIとKPIを定める必要があります。
まずは、最終的に達成したい目標(KGI)を定めた後、達成に向けて必要な指標(KPI)を設定しましょう。
メールマーケティングのKGI設定例
・売上
・商談数
メールマーケティングのKPI設定例
・メール到達率
・開封率
・クリック率
メールマーケティングのメリット・デメリット
メールマーケティングのメリットとデメリットをご紹介します。
メールマーケティングのメリット
まずは、メールマーケティングのメリットを見ていきましょう。
低予算で施策をスタートできる
メールマーケティングは、掲載するコンテンツを社内で内製化しやすいため、配信ツールや効果測定を行う分析ツールの導入費用がかかるのみで、比較的低予算でスタートできる施策です。
高い効果が期待できる
低予算でスタートできて、高い効果が見込めるのがメールマーケティングです。
メールを送信するに当たり、リードや顧客には事前に承諾を得ていることが前提となるため、エンゲージメントについても、開封やリンク、コンバージョンについても、成果を出しやすいといえます。
メールマーケティングのデメリット
一方、メールマーケティングにもデメリットは存在します。
中長期的に運用しないと効果が出にくい
メール広告を除き、メールマーケティングではメール送信の回数を重ねながらリードや顧客との関係性を構築していくため、中長期的に運用しないと効果が出にくいという特性がありまです。その最たるものがメールナーチャリングです。
中長期的に運用できる体制を立てて取り組む必要があります。
コンテンツ制作に手間ひまがかかる
配信や効果測定はデジタルツールを活用して自動化できますが、コンテンツ制作はボリュームが少ないことから外注しづらく、内製化することになり、工数がかかります。
効果測定を行いながら、ユーザーに響くメールタイトルや内容、効果的な配信スケジュールなどのノウハウを構築していく必要があります。
メールマーケティングに必要な配信ツール
メールマーケティングを行う際、配信先が極端に少ない場合を除き、手動では効率が上がりません。配信スケジュール通りに配信したり、配信後の到達率や開封率といった効果測定を大量の送信先に対して行い、結果をスピーディかつ正確に集計するには、メールマーケティングに特化した機能を持つツールが有用です。
メール配信ツール
登録したリードや顧客へ一斉にメール配信を行える「メール配信ツール」を使うと、登録したメールの内容で設定した日時に自動的にメールを送信することができます。
メール配信ツールには、配信先リストの管理やHTMLメールの作成、宛先名の差し込み機能などがあります。また、先に紹介した「ステップメール」を設定したシナリオに合わせて配信してくれる機能を有したツールもあります。
ただ、ツールによっては配信そのものはできても、配信後の結果について効果測定が行えないツールもあるため、慎重に選定した方が良いでしょう。
MAツール
「MAツール」にもメール配信機能が付いており、これを活用してメールマーケティングが行えます。
HTMLメールの作成、ステップメール配信のほか、条件で分けたセグメントごとに異なる内容のメール配信を行う「セグメントメール」配信が行えたり、最新のリード情報を参照して登録リードのステータスごとにメール配信を行うことなどが可能です。
MAツールを活用すると、Webサイトの閲覧ログなどと連携できるため、よりリード一人ひとりの動向が視覚化されます。このため、リードの興味関心の方向性や度合いを把握することができます。
メールマーケティングの成功事例
ここで、当社の導入事例から、メールマーケティングの成功事例を三つご紹介いたします。
メール配信が資料ダウンロード・セミナー申し込みにつながっている(株式会社JSH)
株式会社JSHでは、「障がい者雇用支援」と「旅行・地方創生」を手がけています。
営業施策の効果測定が行えていないという課題をかかえる同社では、MAツールを導入して人的リソースをかけずに課題解決する方針を取りました。
具体的には、リードへのメール配信を開始。メール経由での資料ダウンロード数が月10~20件、セミナー申し込み数が月5~10件という成果を出しました。
詳細は、こちらのページをご覧ください。
メール開封率23%! 資料ダウンロード・セミナー応募数も順調に増加|株式会社JSH様
MAを活用してメールナーチャリングから商談化を実現(竹内金属箔粉工業)
竹内金属箔粉工業は、各種金属箔、精密金属加工品の製造・販売、金属材料および金属粉の販売を手がける製造業を営んでいます。
同社では、Webサイトのリニューアルを機に、MAツールを導入し、Webサイトに掲載したホワイトペーパーのダウンロードユーザーに対してメールナーチャリングを行いました。
その結果、メールナーチャリングからの商談化に成功。また、ホワイトペーパーの掲載告知をメールで行ったところ、ダウンロード数が一気に伸びました。
詳細は、こちらのページをご覧ください。
リニューアル後、コンバージョン(お問い合わせ数)が298%UP!/竹内金属箔粉工業株式会社
メルマガ開封率50%超!メルマガ経由の問い合わせも(大昭和紙工産業株式会社)
大昭和紙工産業は、紙袋や紙加工品の製造および加工を手がける企業です。
問い合わせ数が少なく、ナーチャリングや営業のフォローができていないなど、インバウンドのマーケティングがうまくいっていないという課題を抱えていた同社では、MAツール「BowNow」の導入を機に、展示会の開催告知メールやお礼メールのほか、キャンペーン案内やサービス紹介、ノウハウ紹介を載せたメールマガジンの配信をスタートしました。
その結果、メルマガの開封率は50%を超え、メルマガ経由の問い合わせも入るようになりました。
詳細は、こちらのページをご覧ください。
メルマガ開封率が50%越え!今後はより過去名刺を有効活用したい|大昭和紙工産業株式会社様
まとめ
古くて新しいコミュニケーションツールであるメール。MAなどを導入して効果測定を行えば、メールマーケティングが意外と高い効果を出していることが実感できるでしょう。
上でもお伝えしたように、メールマーケティングで効果を出すには中長期的な運用が必要となります。ぜひ、担当者を立てて腰を据えてじっくり取り組んでみてください。
メール配信の自動化・効率化や配信後の効果測定には、マーケティングオートメーションツール(MA)が活用でき、人的リソース不足をカバーしてくれます。
ご興味のある方は、期間無制限で使用できる無料プランのあるBowNowもぜひ候補の一つに入れてご検討ください。
