【2025年版】コンテンツマーケティングの成功事例15選！成功する取り組みの共通点も紹介
コンテンツマーケティングは、単なる広告ではなく、ユーザーに価値のある情報を提供しながらブランドの認知度を高め、最終的には売上につなげる手法です。近年、競争の激しい市場で優位に立つためにコンテンツ戦略を活用する企業が増え、その中でも多くの企業が成功事例を生み出しています。
本記事では、BtoB向けとBtoC向けのコンテンツマーケティング成功事例を併せて15選紹介し、成功するマーケティングの共通点についても詳しく解説します。
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目次
コンテンツマーケティングの成功事例を探す際の注目ポイント
コンテンツマーケティングの成功事例を探す際は、「コンテンツの種類」「マーケティングの種類」「ターゲット」といった3つのポイントに注目することで、より自社にとって参考にすべき事例を見つけることができます。
コンテンツの種類
成功事例を探す際は、まずコンテンツの種類を確認しましょう。コンテンツマーケティングには、大きく分けて5つのタイプがあります。
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成功事例を参考にする際は、その事例で紹介されているコンテンツがどのタイプのコンテンツなのかを確認しながら、自社に応用できるポイントを考えてみましょう。
配信方法・拡散方法の種類
コンテンツの種類以外にも、その配信方法や拡散方法についても、成功事例を見る際には注目してみましょう。配信方法・拡散方法には、主に以下の3つの種類があります。
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実際にはこれらを組み合わせるケースもあるため、事例を参考にしながら最適な方法を検討しましょう。
ターゲット
成功事例を見る際にチェックしておくべきもう一つのポイントが、コンテンツのターゲット層です。ユーザーは、一般的に「認知 →興味関心→ 比較検討 → 購入」というプロセスを経て商品やサービスを購入します。
他社のコンテンツを見ると、どの購買フェーズにいるユーザーを狙っているコンテンツなのか、推察することができます。たとえば、認知を目的とした記事ならブランドの魅力を伝える内容が多く、比較・検討フェーズ向けのコンテンツでは、具体的な内容や他社との違いを明確にしています。
成功事例を参考にしながら、どのターゲットにどのようなコンテンツで情報提供をすると効果的であるのか、また認知から購入までの各フェーズにおいて、それぞれのコンテンツをどのように一つの流れとして繋げているのか、を学ぶことが大切です。
BtoBにおけるコンテンツマーケティング成功事例8選
BtoBにおけるコンテンツマーケティングの成功事例を8つ紹介します。
HR NOTE
人事向けクラウドサービスを提供するjinjer株式会社は、「人事の成長が企業の成長につながる」という理念のもと、オウンドメディア「HR NOTE」を運営しています。採用や組織運営、HRテクノロジーなどの情報を発信し、専門家インタビューや用語解説など、検索ニーズの高いコンテンツを展開しているのが特徴です。
当初は人事担当者に役立つメディアとして運営を開始し、SEOやSNS、メルマガを活用することで、現在では月間100万人以上が訪れる大きなメディアとなりました。さらに、MAツールの導入によりユーザーの行動データを活用し、関連性の高いポップアップを設計することで、メルマガ登録者数が1ヶ月で50件から200件以上に増加したことも特筆すべき点です。
HR NOTEの成功は、社内のマーケティング文化の変革を促し、インバウンド施策の重要性が認識されるきっかけにもなりました。BtoBコンテンツマーケティングの好例として、多くの企業の参考となる一例です。
参照元：『HR NOTE』公式サイト
サイボウズ式
サイボウズ株式会社が運営する「サイボウズ式」は、「チームのためのIT情報サイト」をコンセプトに、組織運営や働き方、生き方に関する情報を発信するオウンドメディアです。本メディアでは、分かりやすさを重視したコンテンツ制作にこだわり、対話形式などを取り入れた記事を掲載しています。例えば、組織の持続可能性について地方再生の視点から考察する記事では、LINEのような会話形式を活用し、読者の理解を助けています。
このような工夫によりユーザーの離脱率を低減し、サイトの滞在時間を向上させることでSEO効果も高めています。コンテンツの読みやすさが検索評価に寄与する好例として、自社メディアの運営に活かせるポイントが多いでしょう。
参照元：『サイボウズ式』公式サイト
株式会社ジェイアール東日本企画
株式会社ジェイアール東日本企画は、JR東日本のハウスエージェンシーとして、交通広告を中心に広告・コミュニケーション戦略を提供する企業です。
同社が運営するオウンドメディア「キクコト」では、広告施策に関する課題解決のヒントとなる情報を発信し、マーケティングオートメーション（MA）を活用して問い合わせや無料相談へと誘導しています。特に「電車広告」や「バス停広告」などのOOH広告関連のキーワードで検索上位を獲得し、関心度の高いユーザーを効果的に集客。さらに、訪問者のニーズに応じたポップアップを出し分けることで、快適なユーザー体験を提供しながら適切な情報を届けています。
この戦略により、メディア開設から約1年で100社以上のオンライン相談を獲得する成功を収め、BtoBマーケティングの好例として注目されています。
SAIRU
株式会社才流は、BtoBマーケティング支援を提供する企業で、2018年からコンテンツマーケティングを本格的に展開。オウンドメディア「メソッド」では、テキストとYouTube動画を組み合わせ、BtoBマーケティングに関する専門的な情報を発信しています。同メディアは、高品質かつ信頼性の高いコンテンツを、継続的に提供する体制がしっかりと構築されているのが特徴です。外部の専門家の起用や、コンテンツ制作に特化した人材の採用により、最新のマーケティング情報を発信し続けています。
また、SEOやSNSを活用した戦略的な配信により、リード獲得数を大幅に拡大。現在では数千件のリードを獲得する規模に成長し、多くのBtoBマーケティング担当者の信頼を得ています。この成功事例は、専門性の高いコンテンツを継続的に発信する重要性を示しています。
参照元：『才流』公式サイト
バーコード講座
株式会社キーエンスが運営する「バーコード講座」は、バーコード技術に関する専門知識を提供するWebメディアです。主に「バーコードの基本」や「読み取り技術」といった内容を扱い、企業の業務改善に役立つ情報を発信しています。同メディアの特徴は、直接的な製品プロモーションではなく、メール会員の獲得を重視している点です。登録者には、バーコードに関する20冊以上のebookを提供し、価値ある情報と引き換えにリード獲得を促進。興味を持ったユーザーとの関係を構築し、継続的なマーケティング施策へとつなげています。
専門性の高いコンテンツと戦略的なebook配布を組み合わせたこの手法は、リード獲得を目的としたBtoBマーケティングの成功例として参考になります。
参照元：『バーコード講座』公式サイト
Money Forward Bizpedia
「Money Forward Bizpedia」は、中小企業の経営者や個人事業主向けに、バックオフィス業務に関連する有益な情報を提供する、月間100万PVを誇るメディアです。その90%が検索流入によるものとされています。
約1,000本の記事はSEO対策を徹底しており、ユーザーが検索した悩みに関連した情報を提供することで、高い誘導率を実現しています。さらに、情報の精度とユーザーのニーズが一致しているため、読者の関心を引き、商品やサービスの利用促進にもつながっています。
ferret Media
「ferret Media」は、株式会社ベーシックが運営するマーケティング情報に特化したオウンドメディアです。自社開発のツールを紹介しながら、マーケティングに関する有益な情報を提供しています。特に注目すべきは、ユーザーのニーズに応じてホワイトペーパーを用意している点です。CMS導入に興味がある方向けには「BtoB企業向け！CMS比較ガイド」、新規顧客獲得に関心がある方には「Webマーケ組織立ち上げの教科書」など、多様なガイドラインが揃っています。
また、ツールの導入を検討しているユーザーのために、実際の導入事例を多く紹介することで、比較検討がしやすくなっている点も参考になるでしょう。ユーザー視点で作られたコンテンツにより、1,000社以上の導入実績を達成しています。
wisdom
「wisdom」は、NECが2004年に立ち上げたオウンドメディアで、テクノロジーやビジネス関連の情報を提供しています。最初はNECに興味のないユーザーとの接点を増やすことを目的に運営されていましたが、2016年のリニューアルを機に方針を変更しました。
それ以降は「新規事業を生み出す次世代のビジネスリーダー」をターゲットに、社会的課題の解決に焦点を当てつつ、自社の技術や製品を絡めたコンテンツを発信しています。また、連載記事を活用して集客を行い、読者のエンゲージメント向上を図っている点も特徴です。こうしたメディア戦略により、固定ファンを獲得し、NECの取り組みを効果的に伝えています。
参照元：『wisdom』公式サイト
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BtoCにおける、コンテンツマーケティング成功事例7選
BtoCにおけるコンテンツマーケティングの7つの成功事例を紹介します。
キナリノ
「キナリノ」は、株式会社カカクコムが運営する生活に関する幅広いテーマを取り扱うオウンドメディアです。ファッション、料理、収納などの情報を、2020年時点で2,000件以上のコンテンツで提供しています。特徴的なのは、会員登録をするとお気に入りの記事をブックマークできる点で、雑誌感覚で情報を整理できる点です。さらに、1記事あたりの情報量が多く、商品購入リンクや関連動画も埋め込まれており、ユーザーがECサイトや動画サイトを別途検索する手間が省けます。記事を通じて必要な情報が一度に得られるため、利便性が高く、固定ファンを増加させることに成功しています。
また、キナリノは月間1000万回以上の流入を誇り、広告やアフィリエイト、ECサイトへの誘導で収益化しています。このように、コンテンツの深さと使いやすさが、継続的な利用を促し、マネタイズに繋がっています。
参照元：『キナリノ』公式サイト
SUUMOタウン
「SUUMOタウン」は、リクルート住まいカンパニーが運営するオウンドメディアで、住み替えを検討している人々と街との出会いの場を提供しています。特徴的なのは、実際にその街に住んでいるライターが、主観的な視点で街の魅力を綴ったエッセイ風の記事を掲載していることです。
実際の体験談や感情が伝わるコンテンツは、ユーザーの共感を呼び、街のリアルな雰囲気を感じさせるため、感情に訴える力が強いという特徴があります。読者は街への愛着が湧き、住みたいという気持ちが高まります。
「エモいオウンドメディア」として多くの支持を集めており、感情的なつながりを大切にしたコンテンツマーケティングの成功事例と言えます。
参照元：『SUUMOタウン』公式サイト
よなよなエール / よなよなの里
ヤッホーブルーイングは、クラフトビール業界で注目される企業で、特に「よなよなエール」に代表されるビールの魅力を伝えるために、ユニークなコンテンツマーケティングを展開しています。公式サイト「よなよなの里」の「よみもの」コーナーでは、ビールの基礎知識から、簡単なビールおつまみや本格的なレシピまで幅広いテーマを扱うことで、クラフトビール初心者から愛好者まで、さまざまなユーザーにアプローチしています。
特に「クラフトビール」や「IPA」といった検索ニーズに対応し、「よなよなエール」といえばクラフトビールの代表としての印象を強化し、ブランディングにも成功している点がポイントです。また、ファンとの繋がりを深めるために、イベントやアンケートを活用し、ユーザーの満足度向上を追求することで、ブランドの熱狂的なファン層を拡大し続けています。
北欧、暮らしの道具店
「北欧、暮らしの道具店」は、株式会社クラシコムが運営するECサイトで、北欧を中心とした雑貨やアパレルを取り扱っています。2007年にスタートし、今ではSNSやYouTubeを活用したコンテンツマーケティングで大きな成功を収めています。
特にYouTubeでは、「あさってのモノサシ」といった長尺のトーク番組を配信し、ブランド認知や販売促進だけでなく、ファンとの絆を深めるコンテンツ作りに注力している点が特徴です。商品の販売とは一線を画し、ファンに向けての価値提供に集中するコンテンツを発信しています。
また、InstagramやLINEなどのSNSでの活動も活発で、特にInstagramのフォロワーは142万人を超える（2025年3月時点）など、高いリーチを誇ります。クラシコムは、単に商品を売るのではなく、「ライフカルチャー」という世界観を通じて顧客との深い繋がりを築き上げ、その結果として業績の向上を実現している、コンテンツマーケティングの成功例です。
TODAY'S PICK UP / ユニクロ
ユニクロは、アパレル業界で独自のマーケティング戦略を展開しており、その成功の要因は顧客層ではなく、商品に焦点を当てた点にあります。特に、商品開発においては効率的なコストカットを実現し、トレンドに左右されない安定した提供を目指しているそうです。
ユニクロのオウンドメディア「LifeWear magazine」や「UNIQLO TODAY」では、商品紹介だけでなく、開発背景や着こなし提案、ブランドの世界観を伝えるコンテンツを提供することで、顧客との信頼関係を深めています。
オンラインから実店舗へと流入を促す仕組みもユニークで、商品の購入に至る導線がスムーズに整えられています。また、著名人とのコラボレーションや企業理念を反映したストーリーも取り入れることで、ただの商品販売にとどまらず、ライフスタイルに寄り添うブランドとしての信頼を獲得しています。
ハーゲンダッツジャパン
ハーゲンダッツジャパンは、SNSを活用したコンテンツマーケティングで圧倒的なファン層を築いている成功例です。同社は2013年からSNS戦略を強化し、Instagram、Facebook、Twitter、LINEの各プラットフォームを運営。ユーザーが積極的にコメントしやすい環境を作ることに注力したことで、ファンとのコミュニケーションを深め、情報の拡散を促進しています。たとえば、商品の紹介やキャンペーンでは、Twitterの速報性を活かし、素早く拡散される仕組みを作り出しています。
また、ユーザー生成コンテンツ（UGC）の投稿も積極的に取り入れ、Instagramでは多くの「#ハーゲンダッツ」の投稿が確認できます。さらに、SNS上での交流を活かし、「ハーゲンハート」のPR施策など、ファンとの絆を深める取り組みも行い、売上向上も実現しています。
OMG PRESS
OMG PRESSは、オーマイグラス株式会社が運営するメガネ関連のオウンドメディアで、コンテンツSEOを活用したマーケティングの成功事例です。特に、見込み客のニーズに合わせたコンテンツ提供に力を入れており、「疲れ目対策」や「眼鏡の選び方」といった実用的な記事を通じて認知から比較・検討段階のユーザーをターゲットにしています。
さらに、地域別の店舗向けコンテンツを用意することで、実店舗の利用者をオンラインでも取り込んでいます。月間訪問者数は17万人に達し、ECサイトの購入者の20%がOMG PRESS経由であるなど、確かな成果を上げています。店舗とオンラインストアの連携にも力を入れ、オムニチャネル戦略を実践し、ソーシャルメディアを目的別に活用してリピーターや新規顧客の獲得にも成功。メガネ業界に新しい価値を提供している企業として注目されています。
参照元：『OMG PRESS』公式サイト
成功するコンテンツマーケティングの共通点
コンテンツマーケティングで成功する企業には、共通するポイントがあります。ここでは、その4つのポイントを解説します。
目的が明確である
効果的なコンテンツマーケティングを実施するためには、まず明確な目標を設定することが重要です。目的が不明確なまま進めると、戦略がブレてしまい、最終的な成果を得ることが難しくなります。
「ブランド認知の向上」「リード獲得」「顧客ロイヤルティの強化」など、最初の段階で具体的な目的をしっかりと定めておく必要があります。目的を明確にした上で、どのようなコンテンツが必要かを考え、KPI（重要業績評価指標）を設定しましょう。コンテンツマーケティングは中長期的な運用が前提となるため、初めの段階でしっかりと土台を作り、計画的に進めることが成功の秘訣です。
目的に適した戦略設計
コンテンツマーケティングに成功した企業では、目的に合った戦略設計がとられています。「SEOを活用してオーガニック流入を増やす戦略」や、「SNSを使ったバイラルマーケティング」、「BtoB向けに専門性の高いコンテンツでリードを獲得する戦略」など、企業はターゲットの行動特性を分析し、最適なチャネルとコンテンツを選定しています。
リード獲得を目指してコンテンツSEOを実施する場合、具体的には、比較・検討フェーズの見込み客を集客し、その後に問い合わせや資料請求の導線を設けるのが一般的です。予算やリソースを考慮し、実現可能な計画を立て、戦略を実行する中で振り返りと改善を繰り返し、ブラッシュアップしていきましょう。
継続的な改善
コンテンツマーケティングは、一度の施策で終わるものではなく、何度も試行錯誤を重ねることで成果につながります。成功した企業は、アクセス解析やユーザー行動データを活用し、効果的なコンテンツを見極めるほか、PDCAを回して長期的に質を向上させています。
単にコンテンツを作るだけでは不十分で、タッチポイントごとに戦略を立て、成果を計測しながら改善を続けることが不可欠です。長期的な視点を持ち、定期的かつ継続的な改善を行うことで、ビジネスの成長につながります。
タッチポイントに最適なコンテンツ運用
ターゲットユーザーがどのタッチポイントでコンテンツに触れるかを理解し、最適な形式で提供することも成功する企業に共通しています。たとえば、検索流入を狙う場合はSEOに最適化された記事を、SNSでの拡散を狙う場合はシェアしやすい動画やインフォグラフィックを活用するなど、タッチポイントごとに適したコンテンツを作成することが重要です。
まとめ
本記事では、BtoB向けとBtoC向けのコンテンツマーケティング成功事例や、成功するマーケティングの共通点などを紹介しました。コンテンツマーケティングの成功には、目的の明確化、戦略設計、継続的な改善、適切なコンテンツ運用が不可欠です。今後もデジタルマーケティングの環境は変化し続けますが、基本となるこれらのポイントを押さえることで、効果的な施策を展開することができます。
本記事で紹介した成功事例や共通点を参考に、自社のマーケティング戦略に活かしてみてください。
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監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子
新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。
