新規開拓営業とは?効果的な方法14選と成果につながるコツを徹底解説

新規開拓営業に取り組んでいるものの、「テレアポをかけても担当者につながらない」「飛び込み営業では門前払いされる」「努力しているのに成果が出ない」といった壁にぶつかっていませんか。
新規開拓営業は、限られたリソースの中で初対面の顧客と関係を築かなければならない難易度の高い営業活動です。しかし、自社に合った方法を選び、正しいコツを押さえて進めれば、効率的に成果を上げることが可能です。
本記事では、新規開拓営業の代表的な方法14選と成功のコツ、うまくいかないときの対処法、そしてクラウドサーカスが独自に提唱する「取引価値の高い顧客を純増させる」ための実践フレームまで、わかりやすく解説します。
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目次
新規開拓営業とは?基本の意味と現代の重要性
新規開拓営業とは、まだ取引のない見込み顧客に対し、新たな取引関係を築くための営業活動です。
すでに取引のある顧客を相手にするルート営業とは異なり、自社のことをまったく知らない相手にゼロから接点を作り、興味を持ってもらい、信頼を獲得し、最終的に契約へとつなげていく必要があります。そのため、初対面の相手から短時間で信頼を得るスキルや、相手の課題を的確にヒアリングする力が求められます。
近年は購買行動のデジタル化が進み、新規開拓営業のあり方も大きく変わりつつあります。従来の「足で稼ぐ」スタイルだけでは限界があり、デジタル施策との組み合わせが不可欠になってきました。
新規開拓営業とルート営業の違い
新規開拓営業とルート営業の違いは、「アプローチする顧客が新規か既存か」という点にあります。
| 営業手法 | 対象 | 主な目的 | 求められるスキル |
|---|---|---|---|
| 新規開拓営業 | まだ取引のない顧客 | 新規契約の獲得 | プレゼン力、初対面での信頼構築力 |
| ルート営業 | すでに取引のある顧客 | 関係維持・アップセル | 継続フォロー力、提案力 |
新規開拓営業では「自社を知らない相手にどう興味を持ってもらうか」が最大のテーマになりますが、ルート営業では「既存の関係をいかに深め、解約を防ぐか」が中心になります。どちらも企業の売上拡大には欠かせませんが、必要なスキルや動き方は大きく異なる点を理解しておきましょう。

新規開拓営業の2つの型|アウトバウンド(プッシュ型)とインバウンド(プル型)
新規開拓営業は、アプローチの方向性によって「アウトバウンド営業(プッシュ型)」と「インバウンド営業(プル型)」の2種類に大別されます。
アウトバウンド営業は、自社から見込み顧客に対して能動的にアプローチをかける手法です。テレアポ・飛び込み営業・メール営業・DMなどが代表例で、短期間で商談機会を獲得しやすいというメリットがあります。
一方、インバウンド営業は、見込み顧客に自発的にコンタクトしてもらう手法です。Webサイト運営・SEO・SNS・ウェビナーなどが該当し、購買意欲の高い顧客と接点を持ちやすい反面、成果が出るまでに時間がかかります。
新規開拓営業で安定した成果を出すには、どちらか一方に偏るのではなく、自社の商材やリソース状況に応じて両者を組み合わせることが重要です。
なぜ今、新規開拓営業の方法を見直す企業が必要なのか
新規開拓営業の方法を見直す企業が増えている背景には、「営業リソースの慢性的な不足」と「購買行動のデジタル化」という2つの大きな変化があります。
株式会社ラクスのBtoB営業の課題調査によれば、新規開拓に取り組む企業の多くが「人と時間が足りない」「方法がわからない」という根本的な悩みを抱えています。さらに、人手不足を背景に倒産する企業も増加傾向にあり、「優秀な営業担当者を増やして新規開拓を強化する」という従来型の解決策が成り立ちにくくなっています。
加えて、購買側がインターネットで事前情報収集を行うようになったことで、営業担当者と接触する前にすでに比較検討を進めているケースが当たり前になりました。こうした環境下では、限られたリソースで効率的に成果を出すための新しい新規開拓営業の方法が求められているのです。
新規開拓営業が必要とされる3つの理由
新規開拓営業が企業にとって必要不可欠な理由は、売上拡大・既存顧客減少リスクの回避・市場での競争優位性確保という3つを同時に満たせるからです。
「既存顧客との関係を深めれば十分」と考える企業もありますが、それだけでは成長が頭打ちになるだけでなく、不測の事態が起きたときに事業継続が危うくなります。新規開拓営業は守りと攻めの両面で、企業の持続可能性を支える重要な活動なのです。
①売上拡大の基盤となるから
新規開拓営業は、売上を継続的に伸ばしていくための最も直接的な手段です。
たとえば顧客単価が月10万円のサービスを提供している場合、既存顧客100社のままでは月の売上は1,000万円で固定されます。しかし新規開拓営業によって毎月3社ずつ新規取引が増えていけば、売上は毎月30万円ずつ積み上がっていきます。長期的に見ると、新規開拓営業の有無は企業の成長カーブを大きく左右します。
②既存顧客減少のリスクを補えるから
新規開拓営業は、既存顧客の離反による売上減少を補うためのリスクヘッジとしても不可欠です。
ここで認識しておきたいのは、日本国内の企業数そのものが年々減少傾向にあるという事実です。中小企業庁の「企業数の変化と開廃業の動向」によれば、国内企業数は長期的に減少を続けており、何もしなければ自社の取引先候補となる企業の母数自体が縮小していきます。
つまり、どんなに良いサービスを提供していても、新規開拓営業を継続しなければ取引先は必ず減っていくのです。既存顧客の解約や担当者変更による離反を「新規開拓で穴埋めできる体制」を整えておくことが、安定経営の前提条件になります。
③市場シェアとブランド認知を高められるから
新規開拓営業を継続的に行うことで、市場での存在感とブランド認知度を高められます。
新規顧客への接点を増やすことは、自社サービスを知らなかった層にリーチを広げることでもあります。競合他社が多い業界ほど、新規開拓営業による接点創出が中長期的なシェア争いの優位性につながります。さらに認知が広がれば、紹介による新規顧客獲得など副次的な効果も期待できます。
クラウドサーカスが提唱する新規開拓営業の前提|「取引価値の高い顧客」を純増させる発想
新規開拓営業で限られたリソースを最大限活かすには、やみくもにアプローチするのではなく、「自社にとって取引価値の高い顧客(LTVの高い顧客)」を見極めて純増させる発想が不可欠です。
クラウドサーカスでは、自社が支援してきた数多くのBtoB企業の事例から、新規開拓営業を成功させるための独自フレームを体系化してきました。ここで紹介する考え方は、競合や手法を学ぶ前に押さえておくべき「戦略の土台」となる視点です。
営業リソースが減る中で取引先を純増させる考え方
新規開拓営業の戦略を考えるうえで、まず受け止めるべき現実は「営業担当に会う前に購買プロセスの57%が終わっている」というデータです(参照:アメリカの調査会社コーポレート・エグゼクティブ・ボード社)。

つまり、見込み顧客は営業担当者と話す前に、すでに自分でWebサイト・ホワイトペーパー・口コミなどを通じて情報収集を済ませ、ある程度比較検討を終えています。この前提に立つと、新規開拓営業で重要なのは「アプローチの量」だけでなく「営業担当者と接触する前の段階で、自社を選択肢に入れてもらう仕掛け作り」だとわかります。
そのために必要なのが、「取引価値の高い顧客を純増させる」という戦略視点です。誰彼構わずアプローチするのではなく、自社にとって長期的に取引価値の高い顧客を見極め、そこに営業リソースを集中投下する考え方です。
顧客を4つの接点状態で捉える
新規開拓営業の対象顧客は、自社との接点の有無によって以下の4つの状態に分類できます。
接点なし
自社のことをまったく知らない、過去にも接触履歴がない企業群です。
新規開拓営業のメインターゲットとなる層で、認知拡大施策やリスト作成からアプローチを始める必要があります。
企業接点あり(自社サイト訪問など)
個人としては特定できていないものの、自社サイトに訪問している、広告に接触しているなど、企業として何らかの接点が発生している層です。
MAツールを活用すれば訪問企業を可視化でき、有望な見込み先として営業アプローチにつなげられます。
個人接点あり(休眠顧客・名刺交換・フォーム登録など)
過去に名刺交換した、資料ダウンロードしたなど、個人レベルで接点を持っている層です。
すでに連絡手段がある「自社の資産」と言えるリードであり、ナーチャリング(育成)施策で検討度を高めていく対象になります。
現在取引あり
すでに取引が発生している既存顧客層です。
新規開拓ではありませんが、アップセル・クロスセルや離反防止という観点で、新規開拓と同等の重要度を持ちます。
顧客を4つのTierで分類する
接点状態の整理と並行して、もう1つ重要なのが「自社にとっての取引価値」によるTier分類です。
Tier1:最優先企業(リソースを投下して支援・提案)
自社の強みが最大限活かせ、長期的にLTVの高い取引が見込める企業群です。新規開拓営業の最重要ターゲットとして、人的リソースを集中投下します。
Tier2:準優先企業(リソースをかけずに関係維持)
ある程度の取引価値はあるものの、Tier1ほどの優先度はない層です。MAやメール配信など、自動化されたデジタル施策で関係を維持します。
Tier3:対応企業(検討が高まったら対応)
普段は能動的にアプローチしないが、向こうから問い合わせが来た場合は対応する層です。受動的な接点設計に留めます。
Tier4:ターゲット外(受動対応のみ)
自社の商材とフィットしない企業群です。ここに営業リソースを使わない判断こそが、新規開拓営業の効率化における最大のポイントになります。
この「4つの接点状態」と「4つのTier」を掛け合わせたマトリクスで自社の保有リストを整理することで、どこにリソースを集中すべきかが一目で見えるようになります。
新規開拓営業の進め方|成果を出す5ステップ
新規開拓営業で成果を出すには、いきなりアプローチを始めるのではなく「選定→把握→理解→実行→変化」の5ステップで段階的に進めることが重要です。
このフローはクラウドサーカスが多くのBtoB企業の支援を通じて体系化したもので、特に専門性の高い業界で「人と時間が足りない」企業に有効です。順番に解説します。
ステップ1:選定|取引価値の高い顧客の条件を抽出する
新規開拓営業の第一歩は、自社にとって取引価値の高い顧客(最優先企業)の条件を具体的に言語化することです。
具体化のアプローチは2方向あります。1つは取引実績からひも解く方法で、既存の優良顧客(取引単価が高い・継続発注がある・収益性が高いなど)の共通項を抽出します。もう1つは自社の強みからひも解く方法で、自社のベネフィットが最も活きるターゲットはどこかを考える方法です。
業界・企業規模・地域・部署・役職など、客観的な軸で条件を定義することで、後続のリスト作成や施策設計の精度が大きく変わります。
ステップ2:把握|条件に合致する企業数と現状の接点保有数を仕分ける
次に、ステップ1で定義した最優先企業の総数と、現状自社が持っている接点状況を仕分けます。
帝国データバンクなどのリスト作成サービスで条件に合致する企業の母数を把握し、そのうち「接点なし」「企業接点あり」「個人接点あり」「現在取引あり」がそれぞれ何社あるかをマトリクスで可視化します。
このマトリクスを作ることで、「どの接点状態の企業数を増やすべきか」というボトルネックが明確になります。たとえば「個人接点ありが極端に少ない」なら資料DLやセミナーで個人接点を増やす施策が必要、「企業接点が少ない」なら認知拡大施策が必要、といった判断ができます。
ステップ3:理解|各フェーズの接点を増やす施策と主要KPIを把握する
接点状態ごとに、有効な施策とKPIをセットで理解しておきます。
| 接点状態 | 主要施策 | 主要KPI |
|---|---|---|
| 接点なし | ターゲティング・リスト作成・認知拡大 | 企業リスト数 |
| 企業接点あり | イベント来場・Web集客・メディア出稿・DM | 接点数(アクセス数・来場数・発送数) |
| 個人接点あり | 商談(定期訪問)・ナーチャリング | リード保有数(新規獲得数・名刺電子化数) |
| 現在取引あり | フォロー商談・離反予防・勉強会・コミュニティ | 最優先企業の取引社数・ミーティング数 |
特に重要なのが「最優先企業の純増数」というKPIです。総リード数や総アポ数ではなく、Tier1企業がどれだけ増えたかで成果を測ることで、新規開拓営業の方向性がブレなくなります。

ステップ4:実行|鉄板施策を即始動する
戦略やKPIの設計に時間をかけすぎず、すぐに始められる鉄板施策から実行に移します。
具体的に取り組むべきは、①最優先顧客への行動総量(訪問社数・接点回数)を増やす、②リードを増やす(接点社数・接点人数を増やす)、③増やしたリードに関係構築施策を実施する、の3つです。
特に③の関係構築施策は後述する「不適の払拭」が中心となり、リスト全体に対して継続的に行い続ける必要があります。あるべき論や社内調整に時間をかけすぎてプロジェクトの開始が遅れるのは、新規開拓営業における最大の機会損失です。
ステップ5:変化|営業リソース投下先を「あるべき姿」へ変えていく
中長期的には、営業リソースの投下先を「Tier4・既存の検討度低層」から「Tier1・新規/既存の検討度高層」へとシフトさせていきます。
優秀な営業リソースの量は構造的に減少しており、人的アプローチだけでは限界があります。そのため、保有リスト全体に対して「営業マン」「展示会などのオフライン露出」だけでなく、「Webサイト」「メール」「メディア露出」といった営業マン以外の接点を作っていくことが、あるべき姿となります。
人事考課や事業戦略に関わるため変更は容易ではありませんが、理想像を共有しロードマップを引くだけでも組織全体の動きが変わります。
新規開拓営業の方法14選|プッシュ型・プル型・間接型で整理
新規開拓営業の方法は、自社から働きかけるプッシュ型、顧客から接点を持ってもらうプル型、第三者を介する間接型の3つに整理できます。
それぞれメリット・デメリットがあるため、自社の商材・顧客・リソースに応じて組み合わせるのがおすすめです。代表的な14の方法を順に紹介します。
プッシュ型(アウトバウンド)の新規開拓営業の方法
プッシュ型は短期で成果が出やすい反面、相手に断られる前提でアプローチ量を確保する必要があります。
①テレアポ(電話営業)
電話で見込み顧客にアプローチし、資料送付や訪問アポイントの取得を目指す方法です。社内で完結でき即効性がある一方、近年は「電話に出ない」「すぐ切られる」など担当者接続のハードルが高く、トークスクリプトの設計と継続的な改善が成果を左右します。
②飛び込み(訪問)営業
アポなしで企業や店舗を訪問する方法です。対面で実物や資料を見せられるメリットがあるものの、担当者不在による無駄足や門前払いも多く、近年は積極的に行う企業が減少しています。
③メール・DM営業
電子メールや郵送DMで自社の案内を届ける方法です。低コストで多数の企業に一斉アプローチできる反面、開封率・返信率は低いため、件名・本文・送付タイミングの工夫が必須です。
④問い合わせフォーム営業
企業サイトの問い合わせフォームから営業文を送る方法です。低コストで多数にアプローチできますが、相手にとって迷惑と捉えられるリスクもあるため、文面とターゲット選定には十分な配慮が必要です。
⑤手紙・レター営業
担当者宛てに手紙を送る方法で、メールより開封されやすく誠意も伝わります。ただし作成に時間がかかるため、最優先顧客(Tier1)に絞って活用するのが現実的です。
⑥ソーシャルセリング
LinkedIn・X(旧Twitter)などのSNSでターゲット企業の担当者と接点を作る方法です。通常はリーチできない決裁層にもアプローチできる可能性がある反面、有益な情報発信を継続できる体制が前提となります。
プル型(インバウンド)の新規開拓営業の方法
プル型は成果が出るまで時間がかかりますが、検討度の高い見込み顧客を継続的に獲得できる仕組みになります。
⑦オウンドメディア・ブログ運営(SEO)
自社サイトやブログで顧客の課題解決に役立つ情報を発信し、検索流入から見込み顧客を獲得する方法です。資産として蓄積されるため中長期で大きな効果を発揮しますが、上位表示までに時間とコストがかかります。
⑧Web広告運用(リスティング・ディスプレイ)
リスティング広告やディスプレイ広告でターゲットに直接リーチする方法です。短期で成果を可視化しやすい反面、運用ノウハウと予算が必要で、競合が多い領域では費用対効果が悪化することもあります。
⑨SNS運用
企業アカウントから商材紹介・活用事例・社風などを発信する方法です。拡散性が高く認知拡大に有効ですが、炎上リスクもあるため発信内容のチェック体制が欠かせません。
⑩ウェビナー・セミナー開催
自社主催のセミナーやウェビナーで見込み顧客と接点を持つ方法です。直接信頼関係を築ける強力な施策で、ウェビナーであれば全国から集客可能です。集客力と運営リソースが課題になりやすい点には留意が必要です。
⑪ホワイトペーパー(資料ダウンロード)
業界レポート・チェックリスト・事例集などをWeb上で配布し、ダウンロード時にリード情報を獲得する方法です。検討段階の見込み顧客を効率的にリスト化でき、後述するナーチャリングの起点となります。
間接型の新規開拓営業の方法
間接型は第三者を介するため成約率が高い、または接点創出効率が高い方法です。
⑫リファラル(紹介)営業
既存顧客や取引先からの紹介でアプローチする方法で、信頼性が高く商談がスムーズに進みやすいのが特徴です。ただし対応を誤ると紹介者にも迷惑がかかるため、慎重な対応が求められます。
⑬代理店・アライアンス営業
販売代理店やパートナー企業を通じてエンドユーザーへ商品を届ける方法です。自社リソース以上の販売網を持てる反面、代理店向けの販促支援や教育の仕組みが必要です。
⑭展示会・外部イベント出展
業界展示会やフォーラムに出展し、来場者と直接接点を持つ方法です。一定のテーマに関心の高い見込み顧客が集まるため、確度の高いリードを短期間で獲得できます。
新規開拓営業を成功させる7つのコツ
新規開拓営業のコツは、量より質を意識し「ターゲット精度・課題理解・継続接点」の3軸を組織的に磨くことです。
闇雲なアプローチではなく、戦略的な仕組み作りに踏み出すための7つのコツを紹介します。
コツ1:最優先顧客の条件を明確にし質の高いリストを作る
新規開拓営業の成否は、リストの質で8割決まると言っても過言ではありません。
業界・企業規模・売上規模・エリア・想定課題など、自社にとって取引価値の高い顧客の条件を客観的な軸で言語化し、その条件に合致する企業だけをリスト化します。母数を闇雲に増やすのではなく、「Tier1企業を確実に網羅する」という視点でリストを作ることが、新規開拓営業の効率を劇的に高めます。
コツ2:顧客の課題起点でアプローチを設計する
新規開拓営業で陥りがちなのが、自社商品の良さを一方的に伝えるアプローチです。
しかし、相手が興味を持つのは「自分の課題が解決される情報」だけです。最初の接触時は売り込みを抑え、ヒアリングに徹する姿勢が信頼獲得につながります。事前に業界動向や想定課題を調べたうえで、「御社のような企業ではこういう課題が多いですが、いかがですか」と切り込むだけでも、反応は大きく変わります。
コツ3:自社の強み(ベネフィット)を一言で伝えられるよう準備する
新規開拓営業では、最初の30秒〜1分で「話を聞く価値があるか」を判断されます。
そのため、自社の強み・ベネフィットを一言で伝えられる準備が不可欠です。「機能の説明」ではなく「相手にとってのメリット」に翻訳した状態で言語化し、営業チーム全体で共通言語化しておきましょう。
コツ4:「即商談化」だけを追わずナーチャリングを設計する
新規開拓営業のすべてが、初回接触ですぐに商談化するわけではありません。
むしろ「今は検討していないが、半年後・1年後に検討する可能性がある」リードのほうが圧倒的多数です。こうしたリードを定期的なメール配信・セミナー案内・コラム配信などで温め続ける「ナーチャリング」の仕組みを設計することで、長期的な商談獲得につながります。
コツ5:顧客情報を組織で共有・可視化する
新規開拓営業の成果を組織として安定させるには、顧客情報の一元管理が必須です。
担当者ごとに情報を抱え込んでしまうと、引き継ぎ時の対応品質低下や、過去アプローチした相手への重複アプローチなどの問題が発生します。CRM・SFA・MAなどのツールに顧客情報・商談履歴・ヒアリング内容を蓄積し、誰でも参照できる状態を作りましょう。
コツ6:KPIを設定しPDCAを回す
新規開拓営業を属人化させないためには、適切なKPI設定とPDCAサイクルの徹底が重要です。
「アポ数」「商談数」「受注数」といった結果KPIだけでなく、「リスト数」「接触数」「資料DL数」など過程KPIもセットで管理することで、ボトルネックがどこにあるかを特定しやすくなります。前述の通り、最も重要なのは「最優先企業の純増数」です。
コツ7:プッシュ型とプル型を組み合わせて接点を最大化する
新規開拓営業の方法を一つに絞るのではなく、プッシュ型とプル型を組み合わせて接点を最大化することが、成果を出すうえで最大のコツです。
たとえば「Web広告で認知獲得→ホワイトペーパーDLでリード化→メールでナーチャリング→検討度が上がったタイミングでインサイドセールスがアプローチ」という流れを作れば、各施策の弱点を補い合いながら、効率的に商談を創出できます。
新規開拓営業で見落とされがちな2つの「払拭」|不要の払拭と不適の払拭
新規開拓営業で選ばれる企業になるには、「不要の払拭」と「不適の払拭」という2つの心理的ハードルを越えてもらう必要があります。
これはクラウドサーカスが数多くのBtoB企業を支援する中で体系化した独自概念で、新規開拓営業のコンテンツ設計を考える際の重要な視点です。
「不要の払拭」とは|自社サービスが課題を解決できると思ってもらう
「不要の払拭」とは、見込み顧客に「このサービスは自分たちにとって必要だ」と感じてもらうための情報発信を指します。
つまり、自社サービスのベネフィットがしっかり伝わっている状態を作ることです。製品紹介資料・導入事例・活用シーン解説などが代表的なコンテンツになります。
「不適の払拭」とは|信頼できる業者として認定される
「不適の払拭」とは、見込み顧客に「この会社は信頼できる業者だ」と認定してもらうための情報発信を指します。
BtoB購買では、担当者は「失敗したくない」、決裁者は「トータルコスパが高い相手と組みたい」と考えます。そのため、製品の機能だけでなく「専門性の高さ」「権威性」「実績」を継続的に示し、業者として選ばれる土台を作る必要があります。
新規開拓営業で「不要の払拭」だけに注力する企業は多いですが、購買決定プロセスでは「不適の払拭」のほうが大きな影響を持つケースも少なくありません。
不適払拭に有効なコンテンツ例
不適の払拭に有効なコンテンツは、目的別に複数の型があります。
セミナー
「概念啓蒙(利用価値の理解促進)」「製品紹介(ベネフィット訴求)」「周辺知識(リテラシー向上)」「機能・操作説明(利用率向上・解約防止)」など、検討フェーズに応じて使い分けます。新規向けには検索ニーズの高いテーマを、既存向けには社内展開してもらいやすい内容を設計するのがコツです。
ホワイトペーパー
「概念解説」「市場調査資料」「製品紹介」「チェックリスト」など、潜在層から顕在層まで幅広いステージのリードを獲得できます。ダウンロード時にリード情報を取得できるため、新規開拓営業のリード獲得施策としても有効です。
技術コラム・お知らせ
「技術コラム(専門性の高さ)」「掲載情報(技術力の高さ)」「新製品案内(特徴の訴求)」「登壇情報(権威性)」など、継続発信することで業界内での存在感と信頼性を高められます。
不適払拭は「営業マン以外の接点」で常時発信し続けるのが理想
不適の払拭は、営業担当者の口頭説明だけでは完璧に伝えるのが不可能です。
過去の接点や担当者の知識量、商談時の会話の流れによって伝わる内容にバラつきが出るためです。だからこそ、営業部門ではなくマーケティング部門が強みとその証明コンテンツをオンラインで定期発信し続ける仕組みが必要になります。
新規商談を増やす活動と既存顧客の離反防止は、実は同じ「不適払拭コンテンツ」で対応できます。最優先顧客への価値訴求は、接点状態(接点なし・企業接点あり・個人接点あり・取引あり)を問わず内容が共通するためです。コンテンツを横展開できる設計にしておくと、運用効率が大きく向上します。
新規開拓営業がうまくいかない原因と対処法
新規開拓営業がうまくいかない主な原因は、ターゲット設計・手法の偏り・フォロー不足の3つに集約され、それぞれを点検することで改善できます。
成果が出ないときは、戦術より先に以下の4つの観点で現状を見直してみましょう。
原因1:ターゲット(最優先顧客)の条件が曖昧になっていないか
新規開拓営業で成果が出ない最大の原因は、ターゲット設計の曖昧さです。
「メーカー全般」「中小企業全般」のように粒度の粗い設定になっていると、各営業担当者の裁量任せになり成果が安定しません。最優先顧客(Tier1)の条件を業界・規模・想定課題まで具体化し、組織で共有することが第一歩です。
原因2:プッシュ型に偏りすぎていないか
新規開拓営業がテレアポや飛び込みなどのプッシュ型に偏っていると、リソース消費の割に成果が伸び悩みます。
購買行動の57%が営業接触前に終わっている現代では、プル型施策で「事前に選択肢に入っている状態」を作っておくことが必須です。SEOコラム・ホワイトペーパー・セミナーなど、見込み顧客が自発的に情報収集する経路に自社コンテンツを置く設計が必要です。
原因3:フォローアップが属人化していないか
一度接点を持ったリードへのフォローアップが営業担当者個人の判断に任されていると、追えるリードと追えないリードに大きなムラが出ます。
「3日以内に初回連絡」「1ヶ月後にメールフォロー」「3ヶ月後にセミナー案内」など、フォロー施策を仕組み化し、MAやCRMで自動化することで、リード取りこぼしを防げます。
原因4:顧客体験を悪化させる接点になっていないか
新規開拓営業の手法によっては、かえって自社の印象を悪くしているケースもあります。
しつこいテレアポ、迷惑なフォーム営業、ターゲット外への一斉メールなどは、短期的なアポ獲得につながったとしても、長期的なブランド毀損につながりかねません。日本国内の企業数は減少傾向にあるため、「悪い印象」を残すことのリスクは年々高まっています。顧客体験全体を点検する視点を持ちましょう。
新規開拓営業を効率化する3つのポイント
新規開拓営業を効率化するには、ターゲットの優先順位付け、デジタルツールの活用、外部リソースの活用という3つのポイントを押さえることが有効です。
「人と時間が足りない」というBtoB企業共通の課題に対し、即効性のある効率化アプローチを紹介します。
ポイント1:スコアリングで優先度を可視化する
新規開拓営業の効率化で最初に取り組むべきは、保有リードの優先度可視化です。
業種・規模・役職などの「属性スコア」と、サイト訪問・資料DL・メール開封などの「行動スコア」を掛け合わせて見込み度を点数化することで、「いま誰にアプローチすべきか」が一目でわかるようになります。営業リソースを高スコアのリードに集中投下することで、商談化率が大きく向上します。
ポイント2:MA・SFA・CRMなどデジタルツールを活用する
新規開拓営業の効率化に欠かせないのが、MA(マーケティングオートメーション)・SFA(営業支援システム)・CRM(顧客関係管理)といったデジタルツールの活用です。
MAで見込み顧客のWeb行動を可視化し、SFAで商談プロセスを管理し、CRMで顧客情報を一元化することで、営業担当者は「考える業務」に集中できます。特にMAは前述の「不適の払拭」コンテンツを自動配信する基盤として、新規開拓営業の生命線になります。
関連記事:MAとCRMとSFAの違いは?連携方法やMAの選び方まで解説営業ツールおすすめ11選!選定のポイントと導入メリット
ポイント3:インサイドセールスや営業代行など外部リソースを活用する
社内に新規開拓営業のノウハウやリソースが不足している場合は、外部リソースの活用も有効な選択肢です。
インサイドセールス代行や営業代行を活用すれば、自社で人員を抱えずに継続的なアプローチが可能になります。外注に頼りきりはリスクですが、立ち上げ期の補完手段として、また自社でナレッジを蓄積する間のつなぎとして、賢く活用する企業が増えています。
新規開拓営業の成功事例|株式会社堀内機械様の取り組み
油圧シリンダの開発・製造を手がける株式会社堀内機械様は、MAツールを活用した関係構築型の新規開拓営業によって、Webサイトからの月間平均10件の資料DL獲得と商談数の大幅増加を実現しました。
専門性の高いBtoB業界における新規開拓営業の成功事例として、具体的にご紹介します。
導入前の課題
株式会社堀内機械様は、企業規模200〜300名・保有リード数約500枚という体制の中で、新規開拓営業に関して以下の課題を抱えていました。
- 売上の大半が既存顧客で、新規顧客の獲得ができていない
- 展示会で新規の名刺を獲得しても、その後のフォローができず放置状態
- 営業の生産性をもっと高めたい
新規開拓専任の担当者は通常業務との兼務で1名のみという、多くの専門性の高いBtoB企業に共通する状況でした。
取り組み内容
クラウドサーカスのMAツール「BowNow」を導入し、以下のような仕組みを構築しました。
サイト訪問ログ・資料ダウンロードログを可視化することで、検討度の高いリードを営業担当者に確実に橋渡しできる状態を実現。さらに、お客様の悩みや課題情報をデータベースに集約し、営業担当者が事前にヒアリングポイントを把握したうえでアプローチできる体制を整えました。
成果
取り組みの結果、定量的・定性的の両面で顕著な成果が表れました。
定量的な成果
- 反響がほぼなかったWebサイトから、毎月平均10件の資料DLを獲得
- 検討度の高いリードを営業に渡せるようになり、商談数が大幅増加
- ダッシュボードで顧客検討状況を可視化したことで、受注見込み案件を獲得
組織に起きた変化
- お客様の悩みや課題情報を活用することで、営業担当者がアプローチしやすくなった
- コンタクト経験のない新規顧客との商談から、良好な関係構築につながった
- 新規アプローチを躊躇していた営業担当者が、積極的に動くようになった
新規開拓営業を「営業担当者の頑張り」だけに頼るのではなく、MAとコンテンツによる仕組み化に切り替えたことで、リソースを増やさずに成果を伸ばすことに成功した事例です。
詳しいインタビュー記事:株式会社堀内機械様 BowNow導入事例

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【プッシュ型を強化したい方へ】新規開拓営業はクラウドサーカスのMA×インサイドセールスで効率化できます
新規開拓営業のリソース不足やノウハウ不足にお悩みなら、MAツールとインサイドセールスを掛け合わせたクラウドサーカスの「MA×インサイドセールスBPO」が解決策になります。
ここまで読み進めていただき、「やるべきことはわかったが、自社にはそれを実行するリソースがない」「アタックリストはあっても追客しきれない」と感じた方も多いのではないでしょうか。
クラウドサーカスのMA×インサイドセールスBPOでは、以下のような価値を提供します。
- MAで獲得・蓄積した見込み顧客のうち、最優先企業(Tier1)に対して専任のインサイドセールスチームが確度高くアプローチ
- 「リストはあるが追えない」「アポ獲得が属人化している」課題を仕組みで解決
- 「営業マン以外の接点」を継続的に作る運用代行も対応可能
- BowNowの運用と連動するため、Web行動ログを起点にした精度の高いアプローチが実現
新規開拓営業を「自社だけで全部抱える」のではなく、MAとインサイドセールスのプロを組み合わせて成果を出したい方は、ぜひご検討ください。
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自社に合った新規開拓営業の方法を選び、取引先を純増させよう
新規開拓営業の成果は「自社にとって取引価値の高い顧客を見極め、限られたリソースで継続的に接点を作り続けられるか」で決まります。
本記事では、新規開拓営業の基本的な考え方から、14の代表的な方法、成功させる7つのコツ、うまくいかないときの対処法、効率化のポイント、そしてクラウドサーカス独自の「取引価値の高い顧客を純増させる」フレームと「不要・不適の払拭」概念までを解説してきました。
重要なのは、すべてを完璧に整えてから始めるのではなく、「まずは1つの施策から実行に移す」ことです。最優先顧客(Tier1)の条件を言語化することからでも構いませんし、自社サイトの訪問企業を可視化することからでも構いません。営業担当者の頑張りだけに頼らず、仕組みとして新規開拓営業を回せる状態を作ることで、取引先の純増という成果が見えてきます。
本記事の内容が、あなたの会社の新規開拓営業を一歩前に進めるきっかけになれば幸いです。

【3つのタイプで選び方を解説!】MAツール10選の比較表
この資料では、以下のことを紹介しています。 ✔ MAツール10選の比較表(特徴・機能・料金別) ✔ MAツールの3つのタイプ ✔ 自社に最適なMAツールの選び方
監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子

新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。










