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スコアリングとは|BtoBでは高難易度?300人回答の実態解説

(公開:2024/03/08)
スコアリングとは|BtoBでは高難易度?300人回答の実態解説

スコアリングとはスコアリング(採点する)という名前のとおり、見込み客の属性や行動を数値化し、見込み客の興味関心を可視化する手法です。スコアリングによって購買意欲や検討状況が明確に把握でき、見込み客の状況にあわせた効果的なアプローチが可能になります。

スコアリングはマーケティング部門から営業部門に確度の高いリード(見込み客)を引き渡す際に行われる重要な施策です。スコアリングがうまく機能すると、円滑な営業活動が促進され、受注率アップにつながります。
本記事ではスコアリングの基本情報からメリット、実際の手順についてわかりやすく解説します。

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スコアリングとは

スコアリングとは、「リードスコアリング」とも呼ばれ、自社商品やサービスに対する見込み客の興味・関心度を数値化し、顧客の状態を見える化する手法を指します。スコアリングを行うことで、確度の高い見込み客(ホットリード)を抽出でき、成果を出しやすくなります。

スコアリングが求められる理由としては、見込み客に対して優先順位がつけられるようになるからです。見込み客が増えると、すべての顧客に対応するのが厳しくなり、見込み客の検討度によって対応の優先度を決める必要が出てきます。

スコアリングを導入すれば数字で比較できるようになるため、「◯点以上の見込み客に営業をかける」「◯点以下は検討度が低いため、引き続きナーチャリング(顧客育成)活動を行う」といった判断を個人的な主観ではなく、客観的に行えるようになります。

顧客の検討度を可視化できる有益な手法ですが、人力で膨大なリードの中からホットリードを見極めるのは容易ではなく、発見までに時間がかかってしまったり、見極めても営業担当者との連携が取れずに商機を逃してしまう場合があります。

そこで近年はマーケティング活動の効率化・自動化が行えるMA(マーケティングオートメーション)ツールを用いて行われるのが主流です。

関連記事:MAツールとは?基礎知識から機能・事例までわかりやすく解説

 

スコアリングのメリット

スコアリングの導入によって得られるメリットについて説明します。

 

見込み顧客を可視化できる

一番のメリットは、属性や行動などのデータに基づいて見込み客の興味・関心度合いを把握できる点です。例えば見込み客リストの中にAさん、Bさん、Cさんの3名のデータがあり、スコアリングした結果、以下のような点数がついたとします。

  • Aさん:66点
  • Bさん:120点
  • Cさん:30点

スコアリングの点数は高ければ高いほど、見込み客の購買意欲が高い傾向にあります。このように点数化することで、営業マンはB社>A社>C社の順にアプローチ対応をすればいいのかがわかり、点数の低い見込み客への無駄なアプローチを減らせます。

 

マーケティングの業務を効率化できる

スコアリングは営業部門だけでなく、マーケティング部門の業務効率化にもつながります。さまざまなデータを数値化することで、施策の効果測定を行いやすくなります。データ分析に基づいてPDCAを回すことで、業務の最適化が進み、より見込み客に合わせた適切なアプローチが可能になります。

 

パーソナライズされた顧客育成が可能になる

スコアリングはリードの興味・関心度合いが数値でわかるため、スコアごとに最適な施策を実行できます。

たとえば点数の高い見込み客であれば、商品・サービスに強い関心を示し、購入の検討をしている「今すぐ客」と判定し、リードを営業担当に引き渡します。一方で、点数の低い見込み客の場合は、まだ受注に至らない「そのうち客」であると判断し、電話やメール、DMなどを通して購買意欲を高めていき、将来的な受注を目指します。

見込み客のリストが増えれば触れるほど、見込み客の購買ステータスはバラバラになります。スコアリングによって、見込み客の購買ステータスに即したアプローチが可能になり、顧客の取りこぼしを防げます。

スコアリング:リードの興味・関心度合いが数値

 

スコアリングのデメリット

メリットの多いスコアリングですが、デメリットの部分についても解説します。

 

スコアをつける基準がわかりにくい

スコアリングはリードの属性や行動に対して、設定した基準をもとに点数を加算していきます。この基準は自社で定める必要がありますが、どのような基準で設定すればいいのかわからず、運用が難しいという側面があります。

適切な基準が設定されないと、スコアリングの結果が正しいものではなくなり、効果的なマーケティング施策や営業活動を実施できません。また、基準設定に関してはマーケティング担当者の経験や直感を反映したものが多く、基準自体が主観的であるという問題もあります。

設定基準を作り上げていく中で、マーケティング部と営業部の間でスコアリングの結果が一致しないケースもあり、部門間での共通理解や基準の統一が求められます。これらの課題を解決するためにも、実際に運用しながらスコアの基準を模索していくことが大切です。

 

導入に工数やコストがかかる

スコアリングは人力でGoogleスプレッドシートやExcelを活用して行うこともできますが、膨大なデータを手作業で分析・調査していくのは時間効率が悪く、ミスも起こりやすくなります。

スコアリング機能を搭載しているMAツールを導入すれば、自動でリードの点数化がされますが、そのぶん導入コストが発生します。またMAツールの操作方法を学んだり、自社にあわせた基準設定を行う必要があるため、導入から運用開始までに時間がかかる点もデメリットな部分です

MAツールの導入に予算を割けない場合や、導入によって現場の負担が大きくなるのであれば、スコアリングの実施は避けたほうがいいでしょう。

 

スコアが高い=見込み顧客ではない場合もある

スコアリングはリードの属性や行動にもとにポイントを加算し、アプローチの優先順位を決定します。しかしハイスコアになったリードが必ずしも購買意欲の高い見込み客とは限りません。スコアリングはひとつの目安であり、あくまで受注確度の高い「可能性がある」リードです。

スコアリングは効果の高い手法ではありますが、表示されるスコアは機械的な数値であり完全なデータではありません。実際、スコアの点数が低いリードに商談した結果、成約に至るケースも多く見受けられます。

 

スコアリングの判断基準

ここではスコアリングの判断基準について解説します。

スコアリングの判断基準

属性

属性は、企業規模や担当者の所属部門、役職などの見込み客のステータスによって判断する指標です。見込み客が意思決定権を持つ役職者の場合や、自社製品が売れそうな業種に関しては加点を大きくします。

スコアリングの基準については、下記の項目にある興味関心や活動状況といった行動スコアよりも、属性スコアの精度を高めることが大切です。見込み客が自社サイトを頻繁に閲覧したり、資料請求を行ったとしても、自社商材にマッチしないターゲットであれば時間をかけるべきではないからです。

 

興味関心

興味関心は自社にどれくらいの関心を抱いているかを数値化する指標です。展示会・イベントへの参加やウェビナーの視聴、無料プランのトライアル、ホワイトペーパーのダウンロードといった行動に対して加点します。見込み客が起こしたアクションによって、どの程度自社商材に興味を持っているのかが明確になり、検討状況に合わせたアプローチが行なえます。

 

活動状況

興味関心の指標に加えて、見込み客がアクションを取ったタイミングや時期も重要な要素です。なぜならば顧客の取ったアクションが、直近のものかそうでないかによって、興味・関心の高まり度合いが異なるからです。

たとえば資料請求があったにもかかわらずその後の連絡がない場合は、競合他社の類似商品・サービスをすでに導入しているか、自社への興味関心が薄れているケースが考えられます。このタイミングで見込み客に連絡をとっても、商談を断られる可能性が高いです。

逆に自社サイトへ頻繁に訪れているのであれば、自社に強い関心を持っているターゲットであると判断できます。すぐにアプローチすることで商談につながる場合があります。

このように商談や提案のタイミングは、顧客の購買意欲が最も高まっているときに行うのがベストであり、その判断材料のひとつになるのが活動状況です。見込み客の活動状況を数値化し、アプローチすべきタイミングを逃さないようにしましょう。

 

スコアリング実践までの流れ

スコアリングの実践方法を3つのステップで解説します。

スコアリング実践までの流れ

STEP1. 顧客像を把握する

スコアリングの実施にあたり、最初に行うことは自社商品・サービスを利用する顧客像の把握です。自社の顧客像を作り上げることで、それぞれの判断基準が明確になり、スコアリングの精度が高くなります。さきほどご紹介した属性や興味関心、活動状況の3つの要素に加え、見込み客が抱えている課題や問題点なども加味したうえで、具体的なターゲット像を決めていきましょう。

顧客像を作り上げるうえで役立つのが、ペルソナというマーケティング手法です。自社商品・サービスを利用する架空の顧客像をイメージする際に用いられる方法で、年齢・性別・居住地・職業・家族構成といったパーソナリティを細かく設定し、ターゲットを定義します。

ペルソナによって顧客像を深く落とし込むことで、見込み客への理解を深められるだけでなく、社内で顧客像のイメージを共有できるメリットも得られます。

ペルソナ:顧客像を深く落とし込む

関連記事:マーケティングで重要なペルソナとは?

 

STEP2. 購買までの行動を可視化する

顧客像の把握ができたら、次は顧客が商品・サービスの認知から購入までの過程を図で表す「カスタマージャーニーマップ」を策定しましょう。

顧客が購買から受注に至るまでのルート

上記の図のように顧客が購買から受注に至るまでのルートを細分化し、それぞれの行動に対して加点していく仕組みを作ります。たとえばBtoBのスコアリングにおいては、以下のような行動が加点対象になります。

行動
自社サイトへのアクセス ・自社サイトへのアクセス+5点
・商品・サービスページの閲覧+5点
・料金ページの閲覧+10点
・30日以上の訪問なし-50点
メルマガの開封やクリック ・メルマガの開封+5点
・ステップメールのクリック+10点
・3回以上のメルマガ開封+5点
セミナーへの参加 ・セミナー申し込み+5点
・セミナーに出席+10点
・アンケート回答+20点
資料・ホワイトペーパーのダウンロード ・商品・サービス概要資料のダウンロード+10点
・事例紹介資料のダウンロード+20点
・料金表のダウンロード+30点
問い合わせ ・問い合わせフォームからの問い合わせ+100点

カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客が辿るプロセスが可視化され、スコアリングの点数付与を行いやすくなります。

 

STEP3. 購買に繋がる可能性が高いほど高得点にする

「料金ページの閲覧」や「問い合わせ」など受注に直結する可能性が高い項目には、スコアを高く設定しましょう。属性も同様で、見込み客の属性が一般社員であれば5点、意思決定を持つ役職者であれば2倍の10点にします。

このように見込み客の属性・興味関心・活動状況の3つの観点から点数を算出し、顧客の評価を定めます。基準よりも高い点数のリードがあった場合は、営業部門にリードを引き渡します。

 

スコアリング・シナリオは使いづらい機能1位2位?300人が答えた実情

クラウドサーカスが実施したMAツールに関する意識調査によると、「MAツールのどような機能が難しい・使いこなせないと感じているか?」という質問に対し、スコアリングが最も多く、次いでシナリオ設計が挙げられました。

マーケティングオートメーション意識調査

 

MAツールに関する意識調査は2017年から毎年実施していますが、4年連続でこの2つの機能の活用が難しいという声が多数寄せられています。スコアリングがランクインする理由としては、デメリットでも解説した「スコアをつける基準がわかりにくい」ことが要因とされています。この判断基準がしっかりできていないと、正確な数値を算出できず、その後の成果になかなか結びつかないという実情があります。

ですがBtoB企業であれば、高度なスコアリングがなくても、他の施策で充分成果を出せる場合もあります。またMAツールの中には、スコアリングやシナリオの設定がシンプルなツールも存在します。「まずはいますぐ実践できる簡単な施策で、成果を積み上げていく」ほうが自社に合っていると考えているのであれば、複雑な機能や設定などがない初心者向けのMAツールを活用してみるのも効果的です。

MAツール比較について

関連記事:【2024年最新】MAツール比較10選|3つのタイプ別徹底解説

 

スコアリングの注意点

最後にスコアリングを運用するうえで注意すべき点を2点紹介します。

 

BtoBならば最小限からでOK

BtoB企業でMAツールを利用する場合、最初からスコアリングなどを活用し複雑に作り込むのではなく、最小限の設定から始めていくだけでも、充分成果を得られます。
運用を続ける中で修正や改善を繰り返しながら、精度の高い運用を目指すのがおすすめです。スモールスタートで行うことにより、失敗するリスクを抑えながら自社に最適なマーケティングを行えるようになります。

 

スコアリングを過信しすぎない

スコアリングはリードの状況を可視化できる便利な手法ですが、導き出された数値はあくまでひとつの指標であり、常に点数が正しいとは限りません。スコアの結果を過信することなく、マーケティング部門・営業部門でコミュニケーションを取りながら、見込み客にしっかりと向き合って判断するようにしましょう。目の前の数字にとらわれてしまうと、商談や受注などのビジネスチャンスを失ってしまう恐れがあります。

 

まとめ

本記事ではスコアリングの基本情報からメリット、実際の手順についてわかりやすく解説しました。

スコアリングは顧客の購買意欲を醸成させるナーチャリング(顧客育成)活動によって育ったリードの中から、ホットリードを見極める際に用いられるマーケティング施策です。スコアリングを取り入れることで、どのリードに対して優先してアプローチをすればいいのかが明確になり、見込み客に対して効果的なマーケティング施策を実施できるようになります。

マーケティングに便利な手法ではある反面、設定基準などの難しい判断を求められる要素もあります。使いこなせば自社にとって心強い味方になりますが、うまく活用できなければ失敗に終わるデメリットを有しています。自社に合った方法を見極め、得たい成果に繋げていくようにしましょう。

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