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SIPSとは?SNSマーケティングで役立つモデルを事例付きでわかりやすく解説

(公開:2024/09/26)
SIPSとは?SNSマーケティングで役立つモデルを事例付きでわかりやすく解説

SIPSとは、SNS時代の消費者行動を4つの段階に分類したモデルです。新しい情報や商品があふれている現代において、消費者の行動は複雑化しています。SNSが情報収集に活用されるようになり、従来型のマーケティング手法が、通用しにくくなったと感じている人も多いのではないでしょうか。そこで注目されているのがSIPSです。

今回は、SIPSの概要から具体的な活用事例まで、わかりやすく解説します。SIPSを理解することで、これからの時代のマーケティング戦略に新たな視点を取り入れましょう。

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SIPSとは?

SIPS

SIPSは、SNS時代における消費者行動を理解するためのモデルです。「共感する(Sympathize)」、「確認する(Identify)」、「参加する(Participate)」、「共有・拡散する(Share&Spread)」の4つの要素から構成されています。

企業は、「消費者行動モデル」と呼ばれる、消費者が商品やサービスの購入を決めるまでの行動プロセスを把握し、それぞれの段階に応じた適切なマーケティング施策を立案しています。従来の消費者行動モデルでは、「購買」という最終的な行動ばかりに注目が集まりがちでしたが、SNSの普及により、SIPSでは「共感」や「参加」といった要素が重要視されるようになりました。

 

SIPSの4つの要素

ここからは、SIPSの4つの要素について解説します。以下の4つの消費者行動を理解することは、効果的なSNSマーケティング戦略を立てるうえで非常に重要です。

  1. Sympathize(共感する)
  2. Identify(確認する)
  3. Participate(参加する)
  4. Share&Spread(共有・拡散する)

 

Sympathize:共感する

最初の段階は、商品やサービス、企業理念に「共感」し、興味を持ってもらうことです。ただ広告を出すだけでは、なかなかユーザーの購買意欲は動きません。企業の理念や姿勢に共感してもらうことで、商品やサービスへの関心を高められます。

たとえば、環境問題に取り組む企業が、環境に配慮した商品を宣伝するとします。このとき、商品の機能や価格だけでなく、開発までのストーリーや環境への思いをSNSで発信すると、消費者の共感を呼び起こしやすくなるでしょう。共感を得るには、誰が発信するかも重要です。信頼できる友人の投稿や専門家の言葉は、企業の広告より説得力を持つことがあります。このように「共感」は、SNSマーケティングにおいて、ユーザーの心を掴むための最初のステップといえるでしょう。

 

Identify:確認する

共感を得たユーザーを次の行動に促すには、「確認」のプロセスが重要になります。企業に共感したユーザーは、商品・サービスや企業姿勢が正しいのか、口コミやレビューサイトをチェックし、本当に自分に必要なものかどうかを判断します。

たとえば、あるビジネス書に興味を持ったとします。その本の内容に共感しても、すぐに購入する人は少ないでしょう。多くの人は、Amazonレビューをチェックしたり、書評を読んだりして、本当に役立つ内容なのかを確認します。

企業は、ユーザーが安心して次の購入ステップへ進めるよう、「確認」を促すための情報提供が必要です。具体的には、第三者機関による評価や、専門家のコメントを発信することで、ユーザーの不安を取り除き、購入を後押しできます。このように「確認」のプロセスは、ユーザーが購買行動に移行するために重要な役割を果たします。

 

Participate:参加する

「確認」した後は、企業活動に積極的に「参加」する段階です。商品を購入する、サービスを利用するといった購買行動はもちろん、企業が主催するイベントに参加したり、SNSキャンペーンに応募したりするなど、企業活動に積極的に関わることも含まれます。

商品を「いいね」したり、友人にシェアする行動は、一見購買に直接関係ないように思えるかもしれません。しかし、企業にとっては、商品の認知度やブランドイメージの向上に大きく貢献する貴重なアクションといえます。企業主催のキャンペーンへの参加や、商品レビューのSNS投稿など、より積極的に「参加」してくれるユーザーもいます。こうしたユーザーは、企業にとって将来的な優良顧客になる可能性も高く、重要な存在です。SIPSモデルにおける「参加」フェーズは、従来見過ごされがちだった、消費者による自発的な行動に焦点を当てています。

 

Share&Spread:共有・拡散する

最後は、商品やサービスの利用体験をSNSなどで「共有・拡散」する段階です。SNSが普及し、情報は企業からの一方的な発信ではなく、個人の体験にもとづいた口コミによって拡散されるケースが増えています。

従来の広告とは異なり、SNSでの拡散は、友人や家族からの情報として受け取られるため、より強い影響力を持つ点が特徴です。企業が発信する情報よりも、実際に商品やサービスを利用した消費者の生の声の方が、ユーザーにとっては魅力的に映ります。

企業は、消費者が「共有・拡散」したくなる、魅力的な商品やサービスの提供に加え、口コミを促進するためのキャンペーンなどを展開していくことが重要です。

 

SIPSの事例

ここからは、SIPSの事例として「ニトリ」のSNSマーケティング施策について分析していきます。

 

SIPSモデルで読み解くニトリの戦略

ニトリは、これまでリーチしづらかった若年層の顧客獲得を目指し、TikTokを活用したマーケティング施策を展開しました。新生活シーズンである3月に動画を配信し、若者の実店舗への来店を促進。その結果、来店者数は実施前比で2倍に増加しました。

 

Sympathize(共感する)

ニトリは、若者に人気の高いプラットフォームであるTikTokに着目し、新生活を迎える若年層の共感を呼ぶことを目指しました。TikTokクリエイターを起用し、単なる商品紹介ではなく、圧縮マットレスが膨らむ様子をテンポよく見せるなど、視覚的に商品の魅力が伝わる動画を制作しています。

企業がPRとして発信するのではなく、TikTokクリエイターが等身大の言葉で配信することで、親近感が増し、ユーザーは商品やサービスを「自分ごと」として捉えやすくなります。

 

Identify(確認する)

ニトリは、動画を通して、ユーザーに商品と自身のニーズを結びつけ、購買意欲を高める工夫をしています。
たとえば、持ち帰りができる「シングルマットレス」や、勉強・仕事に最適な「デスクプレフェセット」など、新生活に必要な商品を動画で紹介することで、若年層のニーズを的確に捉えています。さらに、動画内で使用シーンを具体的に提示し、「自分にも必要だ」とイメージさせています。

 

Participate(参加する)

TikTokは、「いいね」「コメント」「シェア」といったユーザー参加型のプラットフォームです。ニトリは、動画に対するコメント欄を活用することで、ユーザーとの双方向コミュニケーションを創出しています。

たとえば、マットレスの動画に対しては、硬さや反発の強弱といった商品の詳細に関する質問や、周辺アイテムに関する質問などが見られ、購買意欲の向上につながっています。

 

Share&Spread(共有・拡散する)

今回のTikTok施策を通じて、消費者のニーズに合った情報が動画に盛り込まれていれば、共感や拡散につながることを実感したそうです。

商品紹介にとどまらず、ユーザーの生活に寄り添うような動画設計が、共感や拡散を促進するうえで有効であるという、新たな視点を得られました。

参考記事:ニトリが新生活者向けTikTok施策 若年層の来店が前後比2倍に

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従来の消費者行動モデルAIDMA・AISAS

SIPS以外にも、たくさんの消費者行動モデルがあります。ここからは、基本的な消費者行動モデルの「AIDMA」、Web時代のモデルである「AISAS」について紹介します。

 

基本的なフレームワークのAIDMA

AIDMAの定義

AIDMA(アイドマ)は、消費者の購買行動を理解するための古典的なフレームワークです。1920年代にアメリカの著作家サミュエル・ローランド・ホールが提唱したモデルで、基本的な消費者行動を表現しています。AIDMAは以下の頭文字を取ったもので、5つのステップで構成されています。

  • Attention(注意)
  • Interest(関心)
  • Desire(欲求)
  • Memory(記憶
  • Action(行動)

AIDMAを用いることで、顧客の関心度に応じた段階的なアプローチが可能になります。たとえば、製品導入を検討しはじめる「Attention(注意)」の段階では、多くの人が目にする広告や、印象的なキャッチコピーを活用したキャンペーンなどが効果的です。各フェーズに応じて戦略的なアプローチをすることで、購買意欲を効率よく刺激します。

ただし、AIDMAは1920年代に提唱されたモデルであることから、最近では「時代遅れ」といわれることがあります。しかし、初期の広告計画や、認知段階におけるマーケティング戦略など、役立つ場面もまだまだ存在します。SIPSなど現代のモデルと併用して活用することが効果的です。

関連記事:AIDMA(アイドマ)とは?AISAS(アイサス)との違いや他フレームワークと合わせて紹介

 

インターネット社会に対応したAISAS

AISASの定義

AISAS(アイサス)は、AIDMAをインターネット社会に適応させたフレームワークです。インターネットやSNSの普及に伴い、消費者の購買プロセスが変化したことから生まれました。AISASは、以下の5つのステップで構成されています。

  • Attention(注意)
  • Interest(関心)
  • Search(検索)
  • Action(行動)
  • Share(共有)

AIDMAモデルと比較すると、「Search(検索)」と「Share(共有)」が新たに追加されています。これは、現代の消費者が自ら積極的に情報を探し、その体験を共有する行動を取るようになった点を重視しているためです。

AISASを理解することで、デジタル時代の消費者行動を把握し、より効果的なマーケティング戦略が立てられるようになります。たとえば、「Share(共有)」の段階では、SNSキャンペーンを実施したり、口コミを促進したりすることで、消費者の自発的な情報拡散を促すなど、インターネットユーザーに向けた施策が明確になります。

関連記事:AISAS(アイサス)とは?AIDMAとの違い、メリットや事例まで徹底解説

 

まとめ

SIPSモデルを理解し、効果的なSNS施策を実践することで、企業は消費者とのエンゲージメントを深化させ、より強固なブランドの構築が可能になります。消費者の「共感」を得て、情報の「確認」を促し、「参加」や「共有」を促進することは、SNSマーケティングにおける普遍的なアプローチといえるでしょう。

ただし、SNS時代において企業イメージを向上させるためには、信頼性のあるコミュニケーションを継続していくことが重要です。 不正やウソのない透明性を重視した関係構築を図りながら、SIPSにもとづいた戦略を練り上げていきましょう。

関連記事:マーケティングフレームワーク14選!使い方や選ぶポイントをまとめて解説

 

関連記事:マーケティング分析とは?目的別のフレームワーク10選と手法、役立つツールを解説

 

関連記事:競合分析とは?よく使うフレームワーク9選や分析手順をわかりやすく解説

 

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監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子

新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。

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