MAの選び方を徹底解説!比較ポイントと導入前の注意点
日本でもMA(マーケティングオートメーション)が浸透し、導入・活用する企業様が増えてきました。ただ、すべての企業が活用し切れているとはいえません。導入してはみたものの、失敗だったと感じている企業もいらっしゃるのではないでしょうか。
MAに限った話ではありませんが、ツールの導入に際しては自社の目的や業務フローなどに合ったものを選ぶことが大切です。本コラムでは、これからMAを始めて導入される企業様や、リプレイスを検討されている企業様向けに、最適な選び方をご紹介いたします。
【3つのタイプで選び方を解説!】MAツール10選の比較表
MAツールの3つのタイプの中から、自社に合う1つをまず見極めたうえで、各ツールの料金・特徴・機能といった詳細を、比較表形式で知ることができます。
目次
MA(マーケティングオートメーション)とは
MA(マーケティングオートメーション)とは、「顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化し、自動化もしくは効率化する」ことで、それを実行してくれるソフトウェアをマーケティングオートメーションツール(以下、MAツール)と言います。
見込み顧客の連絡先といった基本的な情報のほか、Webサイトやメールの閲覧履歴といったデジタルチャネル上での行動のデータを蓄積することができます。蓄積した見込み顧客の情報を活用し、メルマガ配信といったコミュニケーションアクションを行うことで、一定の条件を満たす見込み顧客に対して、効率よくアプローチをすることができます。MAを活用することで、製品やサービスに対する見込み顧客の興味・関心が高まる方法、高まるタイミングで、最適な情報を届けることができるようになります。
MA運用はツール選びが重要
MA(マーケティングオートメーション)の運用を成功させる第一歩として、まずツール選びが重要です。MAには、海外ベンダーや国内ベンダーが開発しているもの、さらに機能の違いもあり、さまざまなツールがあります。強みや料金も異なります。
導入後、MAをもっとも使用することになるセールス部門やマーケティング部門のITリテラシーや、自社の人的・金銭的リソースに合ったツールを選ぶことが大切になってきます。
MA(マーケティングオーメーション)の導入を検討する前に
では、具体的にどのようにMA(マーケティングオートメーション)を選ぶと良いのでしょうか?ここでは、「①MAでできることを理解する」「②MA運用の実態を知る」「③自社のMA導入の目的・目標を明確にする」「④運用体制とリソースについて考える」の4つのステップに沿ってご紹介いたします。
①MAでできることを理解する
まず、MAでできることについて、正しく理解しておきましょう。MAについて調べていると、"オートメーション"という名称も相まって、"自動化"といった言葉がしばしば登場します。しかし、MAでは、マーケティングに関わるすべての業務を自動化できるわけではありません。
また、企業の置かれている状況や導入するMAの種類によっては、運用が複雑になる場合もあります。MAについて理解が浅いまま導入を進めてしまうと、思っていたよりも設定や調整に多くの時間やリソースを費やしてしまうことがあります。MAを導入する際には、事前にMAでできることや機能について知り、自社のやりたいことを本当に実現できるのか、実際にどの程度のリソースや時間があれば実現できるのか、よく確認しておくようにしましょう。
②MA運用の実態を知る
MAには、様々な機能がありますが、代表的な機能のひとつに「スコアリング」と「シナリオ」があります。
スコアリングとは、顧客の「属性」や「製品・サービスへの興味関心度」によって「点数(スコア)」をつけ、顧客の状況や検討度を数値で見える化する機能です。またシナリオは、見込み顧客が特定のアクションを取った際に、あらかじめ設定しておいたアクションを返す(特定の情報を提供する)といった筋書きを設定しておく機能になります。
いずれも優れた機能で、この機能に魅力を感じてMAの導入を決意する企業もいますが、「スコアリング」と「シナリオ」には注意すべき落とし穴があります。
以下は、クラウドサーカス社が実施した、MAに関する意識調査の結果レポートの一部です。300名以上のMA運用担当者に「MAのどのような機能が難しい・使いこなせないと感じていますか?」と質問したところ、「スコアリング」が最も多く、次いで「シナリオ設計」が挙げられました。設定の難易度の高い機能であることが、この回答結果からも伺うことができますが、実際にスコアリングやシナリオの設定に手間取り、「結局MAの運用を断念した」「本格的に運用を開始できるまで1年以上かかった」という例も、珍しくありません。
MAの中には、高度なスコアリングやシナリオを設定せずとも、簡易のシナリオや、簡単な条件設定だけで顧客の状況や検討度を可視化できるテンプレートのような機能を備えているMAもありますので、「はじめてMAを導入する」「複雑な設定に費やすような時間もリソースも限られている」「MAの運用で、中長期はもちろん短期でもでも成果を出したい」という企業は、検討してみるのもよいでしょう。
③自社のMA導入の目的・目標を明確にする
MAとひとくくりにいっても、基本機能は近しいものの、ツールによって実現できる内容はさまざまです。単に多機能なツールだからと選んでも、結局は使いこなせず宝の持ち腐れになってしまうケースもあります。そのため、MAを導入する際は、まずはじめに「MAを導入して何を実現したいのか」「どんな課題を解決したいのか」といった目的を明確にしておくようにしましょう。
たとえば、「展示会などで集めた名刺が放置されているので、見込み顧客が埋もれていないか確かめたい」「休眠顧客を掘り起こしたい」「Webマーケティングに力を入れ始めたから、獲得したリードからの成果を最大化させたい」といった具合です。目的を実現するために必要な機能があるかどうかが、MAを検討する際の第一のチェックポイントになります。
また、目的が明確になれば、その目的の達成に繋がる成功要因を考え、成功要因の達成につながるKPIをブレイクダウンして、設定します。MA運用のKPIは、MAを活用した施策から生まれる「売上」「商談」はもちろん、配信したメールからの「反応率」や「開封率」などさまざまな指標を設定することができます。これらの指標のうちどれを採用するのかを決め、具体的な数値を設定することがポイントです。KPIを決めておくことで、導入後の効果測定を行いやすくなります。
MA(マーケティングオートメーション)のよくあるKGI例
- マーケティング活動から創出された売上の比率
- パスした案件の案件化率
- パスした案件の受注率
- CPA(コンバージョン獲得単価)
- CPO(顧客獲得単価)
MA(マーケティングオートメーション)のよくあるKPI例
- 保有リード数
- マーケティング活動のROI
- マーケティング活動のROAS
- マーケティング部門から創出した受注の平均単価やLTV
- メールの開封率・URLクリック率
④運用体制とリソースについて考える
MAを導入した後の運用体制や、MAの運用にあてられるリソースについて検討し、見合ったツールを選ぶことをおすすめします。たとえば、機能が多くて設定が複雑なMAの場合、初期設定にも知識が求められ、設定期間も長期にわたります。一方で、シンプルなツールであれば設定が簡単ですぐに使い始められますが、その分、機能に制約が出てきます。
これらはMAを導入する目的に関連する部分でもありますが、初期設定作業や運用に携わるメンバーの人数、ITリテラシーにより、現実的に運用できるツールがある程度まで決まってきます。
【3つのタイプで選び方を解説!】MAツール10選の比較表
この資料では、以下のことを紹介しています。 ✔ MAツール10選の比較表(特徴・機能・料金別) ✔ MAツールの3つのタイプ ✔ 自社に最適なMAツールの選び方
MAの選び方!比較のポイント6つを解説
次は、MAツールの具体的な選定ポイントについて解説していきます。
BtoB向けかBtoC向けか
MAを「BtoB向け」「BtoC向け」どちらで運用するかは、重要な選定ポイントです。どちらか一方に特化したもの、両方にバランスよく対応できるものなど、ツールの特性はそれぞれ微妙に異なります。自社のMA運用目的とそのターゲットに対して、適切なツールを選定しましょう。
「BtoB向け」のMA
運用目的は、リードを選り分けて、見込み度合いの高いリストを営業部へ引き渡すことになります。BtoBのマーケティングは、営業部門との業務連携が必須となるため、「営業部門も活用しやすいMAなのかどうか」を、選定のポイントにするのもよいでしょう。
「BtoC向け」のMA
「BtoC向け」では、顧客それぞれのニーズや購買履歴に応じた「One to Oneマーケティング」が必要です。メインチャネルとなるのはメールですが、BtoC向けに運用するのであれば、SNSやLINEなどのマルチチャネルに対応したツールを選ぶことで、マーケティング活動の幅も広がります。
自社に必要な機能が揃っているか
「自社が抱える課題を、MAのどの機能が解決してくれるのか」を具体的に見定めることも重要です。どのような目的でMAを導入するのか、自社に必要な機能が揃っているか、あらためて確認しましょう。
たとえば、「リードを育成して検討度合いをあげたい」といった場合には、シナリオ機能に特化したツールがおすすめです。シナリオ機能を使えば、一定条件を満たしたリードに対して自動的にメール送付を行えたり、最適なアプローチができたりと、リード育成を効率化できます。以下は、MA導入においてよくある課題と、それを解決してくれる機能の一例です。
- 問い合わせフォームの管理:フォーム作成・自動返信・データ蓄積
- 他部署との連携:タスク管理・カレンダー共有・CRMやSFAとの連携
- リードの発掘と育成:スコアリング・セグメント・セグメントメール送信
- データの収集と分析:トラッキング(メール開封率やCV率など)・レポート
「いざ導入してみたら使いたい機能がない…」といったことのないよう事前にしっかりと確認し、必要であれば部署間でもすり合わせを行いましょう。
自社で使いこなすことができるのか
MAツール導入にあたっては、だれが運用するのか、リソースはどのくらいあるのか、自社の現状をあきらかにしておきましょう。たとえば、シンプルな機能のツールを選んでみたものの、「行いたいマーケティング施策を実施できず、費用対効果を感じられなかった…」ということも。
逆に、人数が少なかったり、専門知識のあるメンバーがいなかったりする場合、「高機能・多機能のツールを導入したけれど、うまく使いこなせなかった…」とコストを無駄にしてしまうケースも少なくありません。自社内の運用メンバーとスキル、割ける予算や時間を見える化して、適切なツールを選びましょう。過不足なく使いこなせるMAツールを選ぶことで成果につながります。
ユーザビリティの高さ
MAは、コツコツ継続して運用できてこそ成果を出せるもの。MAの運用を軌道に乗せるためには、日々簡単に操作でき、わかりやすいUI画面のツールを選びましょう。とくにMAは、マーケティング部門だけでなく、セールス部門をはじめとする他部署でも活用できるようにすることで、効果を最大化できます。
多部署をまたいで有効活用するためには、いくら高機能でも、複雑な操作性のツールは控えておくのが無難です。ツールの使い方が難しいと、その都度社内研修をしなくてはならなかったり、わかりにくくて結局あまり浸透しなかったりと、導入効果を発揮しきれないかもしれません。
自社内でMAツール運用にたずさわるメンバーのスキル・ITリテラシーなども考慮し、自社のフェーズに合った使いやすいツールを選びましょう。
サポート体制
弊社が2021年10月に実施した「マーケティングオートメーション意識調査」で、導入したMAを完璧に使いこなせていると回答したのは21%にとどまりました。全体で一番多くを占めたのは「メール配信程度の運用」と答えた58%で、約8割の方がMAを使いこなせていない状況ともいえます。
MAは、適切なサポートが受けられないと「機能を使いこなせない」「効果を実感できない」などといった理由から、解約にいたってしまうこともあります。
しかし逆に、サポートをうまく活用できれば、自社内に専門知識をもつ人員がいなくても、MAツール導入によって期待以上の成果をあげられることも。とくに割けるリソースが限られている場合は、ベンダーが提供しているサポート内容はしっかりと確認しておきたいポイントです。カスタマーサクセス部門があり、しっかりと伴走支援してくれるツールであればなお安心です。せっかくMAツールを導入するのであれば、サポートをフル活用して確実に成果を出していきましょう。
価格は適切か
MAには、無料でトライできるものから、月に数十万円かかるものまで、さまざまな価格帯のツールが存在します。ツール導入後、操作に慣れ、MA運用を業務フローに組み込むまでは、作業効率が下がることもあります。しかし運用を軌道に乗せることができれば、多くの業務を自動化・効率化できるようになり、結果的にコスト削減につながるはずです。
どのくらいの価格のツールが適切かは、現時点での予算やランニングコストだけでなく、導入によって得られる費用対効果も含め、中長期的な視点で検討しましょう。実際に導入してどのくらいの効果が得られるか不安という場合は、サポート体制の整ったツールを選んで、導入前〜導入後にかけてアドバイスを仰ぐのもひとつの手段です。
関連記事:MAツールの導入費用っていくらかかるの?
タイプ別に自社に合ったMAを考える
自社に適したMAを選べるよう、ここではMAを3つのタイプに分けてご紹介いたします。弊社では、これまで14,000社以上にMAを提供してきた経験から、MAのタイプを大きく3つに分けて考えています。まず、これからご紹介するMAのタイプの中から、どのタイプが自社に合うのか見極めた上で、選んだMAタイプに分類されるMAの中から、自社に適したMAを選ぶことをおすすめします。
パターン①はじめてでも安心導入型
はじめてでも安心導入型は、MAの運用にはじめて取り組む企業や、マーケティング部門を立ち上げたばかりでまだMAのノウハウがない企業、そもそもマーケティング部門がなく営業部門がマーケティングを兼務しているような企業におすすめのMAです。前述のような企業には、早い段階から小さな成功体験を積み上げることができるよう、まずはいま保有している情報資産から成果を出るようなシンプルなMAをおすすめします。
MAの運用が浸透していない企業であっても、早い段階で成果を積み重ねていくことで、社内のメンバーから取り組みについて理解を得やすく、部門間の連携も行いやすくなるため、結果中長期の成果やマーケティングに取り組む文化を社内につくりやすくなります。
パターン②シナリオ重視型
ある程度のコンテンツが既にある、もしくは新規での作成と管理が可能で、MA単体のーチャリング活動をより強化したいという企業には、シナリオ重視型のMAがおすすめです。シナリオ機能とは、MAの複数機能を連動させることにより、一定条件を満たしたリードに対して、メルマガ送付などのアクションを自動的に行うものです。たとえば、FAQページを閲覧したユーザーへ、翌日、導入事を掲載したメールを送信し、開封された場合はその翌日にキャンペーン情報(メルマガ)を送信するといった具合です。
シナリオ重視型は、通常の機能に+αの機能を搭載いるツールが多く、「既にWebマーケティングに精通しており、コンテンツ制作のリソースに余裕がある企業」などであれば、柔軟性高く施策を打つことができるので、おすすめです。
パターン③多機能&CRM完全連携型
すでにマーケティング部門が機能しており、MAによるナーチャリング活動に取り組んでいる企業や、SFAとの完全連携やより高い次元での自動化を推進して生産性を高めたいという企業には、多機能でSFAやCRMと完全連携できるMAがおすすめです。多機能&CRM完全連携型は、海外のMAベンダーが提供していることが多いです。もともとCRMやSFAを導入しており、それらのツールとの連携を重視する場合にも、適しているでしょう。
一方で、国内のMAベンダーと比べて、提供される解説が日本語でなかったり、サポートの手厚さについては劣ることがありますので、注意が必要です。
最後に全10種類のMAの中から比較・選定
MAの3つのタイプをご紹介しました。自社に合いそうなタイプは見つかりましたでしょうか?本記事を読んでくださった方向けに、先ほどご紹介したタイプ別に10種類のMAを分類し、それぞれ比較・検討できる無料資料『MAツール10選・タイプ別比較表』をご用意しております。
ツールの特徴や機能、料金といった詳細を知ることができ、効率的にMAツールを比較・検討することができます。ぜひご参考いただけましたら幸いです。
【3つのタイプで選び方を解説!】MAツール10選の比較表
この資料では、以下のことを紹介しています。 ✔ MAツール10選の比較表(特徴・機能・料金別) ✔ MAツールの3つのタイプ ✔ 自社に最適なMAツールの選び方
はじめてのMAでも安心して導入できる『BowNow』とは
BowNowは、導入社数14,000社以上、国内MAシェアNo.1※のMAです。10,000社以上にMAの導入支援を行ってきたデータ・知見をもとに定義した「ゴールデンルート」を、テンプレート化して提供しています。そのため、複雑な設定をせずとも、すぐに使い始めることができ、成果の獲得に繋げていくことができます。
MA運用において必要な機能のみにしぼって搭載し、シンプルなUIで直感的に操作ができます。低価格のため取り入れやすく、各種サポートも充実しているため、MAをはじめて導入するような企業でも安心して利用することができます。
※出典:株式会社DataSign「DataSign Webサービス調査レポート 2024.9」
関連記事:MAツール『BowNow』とは
まとめ
マーケティング部門やセールス部門の成果創出や、生産性アップを叶えてくれるMAですが、目的や目標の達成にあたっては、自社に合ったツールを選ぶことが前提となります。自社に合わないツールを選んでしまうと、費用対効果が出なかったり、使いこなせなかったりし、「MAは効果がない」という間違った結論に至る危険性もあります。
そうなれば、課題を感じながら新しい施策を取り入れるのに腰が重くなり、問題が悪化する…という悪循環が起こりかねません。まずは自社の状況を客観的に分析し、前述のようなMAのタイプで分けた際に自社がどれに当てはまるのかなど理解しながら、最適なツールを選定しましょう。
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この資料でこんなことがわかります!・MAツール10選の比較表(特徴・機能・料金別) ・MAツールの3つのタイプ ・自社に最適なMAツールの選び方
監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子
新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。