MAツールのできることとは?基本の機能6種・解決できる課題を解説
自社の営業生産性を向上するためにMAツール(マーケティングオートメーションツール)を利用してみたいものの、実際にどんなことができるのかよくわからないという方は多いのではないでしょうか。MAツールを活用することで、見込み顧客の管理や育成、マーケティング施策の効果検証に加え、様々な課題の解決を実現することができます。
本記事ではMAツールに関する基礎的な情報「何ができるのか・どんな機能があるのか・CRMやSFAツールとの違い・自社にあったMAツールの選び方」などについてわかりやすく解説します。終章では無料でお試し利用できる初心者向けMAツールの紹介もしていますので、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。
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目次
MAツール(マーケティングオートメーションツール)のできること
MAツールでできることを、大きく4つにわけてご紹介します。
①見込み顧客を管理する
MAツールを活用することで、見込み顧客のデータを一元管理することができます。MAツールではサイトを経由したオンラインの登録情報に加え、セミナーやイベントで獲得したオフライン経由の情報も一括で管理できるため、全ての見込み顧客データをリスト化して効率的な営業活動を実現可能です。見込み顧客を効率的に管理することで、獲得した見込み顧客にアプローチしないというような機会損失を防ぐことができます。MAツールを外部ツールと連携すれば、よりスムーズな情報管理も行えるでしょう。
ただし、オンライン・オフライン経由で同一の見込み顧客が複数登録されてしまう場合がある点には注意が必要です。顧客データが重複すると最適なマーケティング施策を実施しづらいため、見込み顧客のデータを定期的にチェックする必要があります。
②興味関心に合わせた情報発信を行い、購買意欲を促進
MAツールは、製品・サービスの検討度合いに応じた適切なアプローチを継続的に行い、購買意欲を向上させる「リードナーチャリング(見込み顧客の育成)」にも効果的です。
MAツールには、見込み顧客に最適な情報を届けるためのメール配信機能や、サイト上に広告を表示するパーソナライズ機能、行動履歴に応じて最適なデータを提示する機能などが備わっています。それらのアプローチによって見込み顧客の購買意欲を高めることで、受注確度を高められます。
③商談化しそうな見込み顧客の抽出
MAツールには、購買意欲・受注確度が高まった見込み顧客を抽出し、お知らせしてくれる機能があります。
直接の取引でニーズが顕在化すればアプローチできますが、オンラインでのやり取りでは商談化しそうかどうかを判断することは困難です。
MAツールを活用すれば「料金ページを見た」「資料をダウンロードした」「メールを開封した」などの特定の条件を適宜設定して、それらを満たした見込み顧客を受注確度の高い見込み顧客として抽出することができます。抽出された見込み顧客に関しては、行動履歴などをチェックして本当に確度が高まっているのかを確認したうえでアプローチを進めることで、作業の効率化や機会損失の防止が実現できます。抽出された見込み顧客は成約に向けたアプローチがスムーズに進みやすく、営業効率の向上が期待できるでしょう。
④マーケティング施策の効果検証
MAツールでは、マーケティングで成果を出す際に重要視される「マーケティング施策の効果検証」も効率的に行うことができます。
マーケティング施策の成功率は、Googleなどの大手グローバル企業でも3割程度と言われており、成果を出すには試行回数を増やして、継続的な業務の改善(PDCA)をいかに早く行えるかが重要です。エクセルなどを活用した従来の方法だと、データの管理や分析のための数値データの作成に時間・手間がかかるほか、データが蓄積されないためマーケティング施策の効果検証は難しく、非効率的でもあります。
MAツールでは、「Webサイトの閲覧履歴の追跡」「メールからのコンバージョン獲得」「メルマガの開封」「メール記載のリンククリックデータ分析」など、見込み顧客の育成をサポートするための機能や、顧客の行動を分析するための機能が搭載されており、マーケティング活動の分析にて重要となる数値が自動で算出されるため、効率的に効果検証を行えます。より早い継続的な業務の改善(PDCA)にもつながるため、マーケティング活動の最適化も実現できます。
ここまで、MAツールのできることを見てきましたが、実際にはどのような課題を解決できるのでしょうか?次章で詳しく解説します。
MAツール(マーケティングオートメーションツール)が解決できる課題
MAツールでは営業・マーケティング活動における様々な課題を解決することができますが、以下では解決できる課題について特に重要な5つの点を紹介します。
顧客情報の属人的な管理
まずMAツールを活用することで、「営業担当が属人的に顧客の情報を管理している」という課題を解決できます。
見込み顧客情報の管理及びセグメンテーション機能は、MAツールのもっとも基本的な機能です。MAツールを活用して見込み顧客をリスト化・一元管理し、属性や行動履歴などを元にセグメンテーションを行うことで、見込み顧客の関心の強さや確度の高さをわかりやすく把握することができます。
営業担当が属人的に管理していた見込み顧客に関するデータが可視化されることで、情報を共有しやすくなり、引き継ぎなどにおけるロスを防ぐことが可能です。
顧客の検討タイミングが分からず放置
MAツールを活用すれば、「顧客の検討タイミングが分からず放置する」という課題を解決することができます。
見込み顧客のWeb上での動きや検索履歴による検討度合いを把握・推察できれば、それぞれの顧客に最適なアプローチを行うことができ、より効率的な営業活動を実現することが可能です。自社の商材に興味関心が高いタイミングを逃さずに察知できれば、質の高い案件を営業担当へ渡すことができるほか、関心の低い見込み顧客には違うアプローチを試みることもでき、営業・マーケティングにおいて必須の施策とされています。
これまで2000社以上のWebサイトの制作・コンサルに関わってきたクラウドサーカス株式会社が、誰でも簡単に、シンプルなマーケティング活動が実現できるよう開発したMAツール「BowNow」には、見込み顧客の検討タイミングを察知できる「ABMテンプレート機能」が搭載されています。
「ABMテンプレート機能」とは、確度の高い見込み顧客を抽出して、それぞれの顧客に最適なアプローチを行う概念「ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)」と、同社が導入企業約2000社のデータをもとに独自に設計した「シナリオ設計」をテンプレートとして標準搭載した機能であり、確度の高い見込み顧客を自動でレコメンドしてくれます。
BowNowでは、見込み顧客の商品サービスに対する検討度合いを点数で可視化して把握し、関心の度合いが高い顧客を見つける「スコアリング」と、「商品ページを複数回閲覧した顧客には資料を送付する」など、見込み顧客の行動に対して最適な営業アプローチを設定してアプローチする「シナリオ設計」の、MAツールを運用する上で必須の機能も搭載されているため、自社で設定する必要がない点も特徴です。
関連記事:ABMテンプレートとは
見込み顧客の追客漏れ
MAツールでは「見込み顧客の追客漏れ」という課題も解決することができるうえ、追客業務の効率化も実現可能です。
特に先述したBowNowでは、管理している見込み顧客の一人一人に営業担当をつけられます。営業担当をつけることで、自分が担当の見込顧客一覧を絞り込んで顧客それぞれのWeb上の行動を確認できるようになり、見込み顧客の興味関心を把握して最適なアプローチを行いやすくなります。
逆にアクションがない顧客に関しては、マーケティング部門に依頼して一斉メールを送るリストに追加してもらうなど、社内で役割分担を行って効率よく追客業務が行えます。
前章で紹介した「ABMテンプレート機能」を活用すれば、見込み顧客が何かしらのアクションを起こした際に、営業担当が自動的に通知メールを受け取ることも可能です。
いちいちログインして情報を確認しなくても、見込み顧客の行動を把握することができるため業務の効率化につながるほか、行動を可視化して顧客の温度感を想定することで、より質の高い営業活動を図ることもできます。
テレアポのアポ獲得率の低さ
テレアポのアポ獲得率が低いという課題も、MAツールで解決することができます。
テレアポのアポ率を上げるには、接点を持った人や企業に荷電する、そして相手のニーズを把握したうえでトークの内容を考えることが必要になります。そこでアプローチする際に相手に最適な提案を行えるのがMAツールです。
先述したBowNowでは、Webサイトを訪れた見込み顧客の行動ログ(企業名や個人名、ページ閲覧の詳細な履歴やメールへの反応などの情報)を分析することができ、このログを活用してアポ率を飛躍的に上げることができます。
資料ダウンロードやトリガーとなるページの閲覧など、何かしらのアクションを起こした顧客に荷電するなどの方法もあり、自社や相手の状況に合わせて行うと良いでしょう。
営業アプローチリストの枯渇
MAツールを活用することで、営業アプローチリストが枯渇するという課題を解決することができます。
MAツールでは、見込み顧客リストの中から競合他社やパートナー企業などターゲット外のリストを省き、顧客情報が重複している場合には、名寄せや選定によるマージ作業を実施することで効率的に検討度の高い見込み顧客リストを作成することが可能です。
さらにMAツール「BowNow」では、過去失注リストから案件を掘り起こすことができる機能も備わっています。同ツールでは、「再度資料をダウンロードした」「サイトに何度も訪れている」などの顧客の動きを可視化することで、再度検討を行う見込み顧客の検討タイミングを見逃さず、適切なタイミングでのアプローチを実現します。
検討度が高まったタイミングで営業担当に通知メールも届くため、継続的な接点を持ち続けることで自社商材を検討候補に入れてもらう可能性が高まります。
MAツールの主な機能6種
MAツールには具体的にどのような機能が備わっているのでしょうか?ツールによって細かい機能は異なりますが、本章では多くのツールに共通する主な機能について紹介します。
機能1:リード管理
リード管理機能は、「リード=見込み顧客」に関するあらゆる情報を一元管理できる機能です。無駄をなくして効率的かつ効果的な営業活動を行うために有効で、管理したデータは商談獲得や売上拡大に向けて活用します。
見込み顧客の個人情報や所属する企業に関する情報に加え、過去のやり取りを含めた関係性などもデータ化し、「見込み顧客の育成(リードナーチャリング)」などに活用することで売上UPを図ります。
リード管理を行うことで、獲得した新規の見込み顧客にアプローチを行わないまま機会を損失してしまうということもなくなり、より質の高い営業・マーケティング活動へつながります。
機能2:個人ログ追跡
個人ログ追跡機能は、詳細なユーザーログを確認することで、サイト訪問者が何に興味を持っているかを簡単に分析できる機能です。顧客のニーズがわかることで、より確度の高いアプローチを実現します。
具体的には、顧客が「いつアクセスして」「どのコンテンツを」「何秒」みているかというアクセスログを分析可能です。他にも、「CV履歴・他の営業担当のメモやタグ・反応したメール・閲覧した資料」など、様々なアクション履歴をチェックできます。
詳細なデータで顧客のニーズを分析することで、最適なアプローチを行うことができ、効率的且つ質の高い営業・マーケティング活動を実現します。
機能3:法人ログ追跡
法人ログ追跡機能は、サイトに訪問した顧客の企業情報を分析して付与することができる機能です。自社サイトをどの企業がみているかを把握し、営業のアプローチやマーケティング施策に活用できます。
企業名に加えて、業種や従業員数、地域などの企業データや、事業分野(製品・サービスの分類)や活動内容など、ツールによっては詳細な情報を付与して分析することが可能です。自社のターゲットとする企業の場合、法人ログを活用してアプローチすることもできます。
機能4:メール配信
メール送信機能は、見込み顧客に適切な情報を配信することができる機能です。見込み顧客のニーズに合わせたメールを配信することで定期的な接点を持ち、良好な関係を築くことができます。
同機能では全見込み顧客リストへの一斉送信はもちろん、特定の条件で絞ったリストをグループ化してメールを配信することも可能です。ツールによっては条件検索を活用して「2週間以内に料金ページを訪れた」「フォームまで来たがCVに至らなかった」など、ユーザーを細かく絞り込むことで、それぞれの顧客に最適なメールを配信できます。
加えて、フォーム送信日を起点として、あらかじめ作成したメールを対象リストに順次配信する「ステップメール」など、様々な機能がツール毎に備わっており、メール配信作業の効率化・アプローチの質の向上を実現します。
▼メール配信管理画面
▼メール作成画面
機能5:フォーム作成
フォーム作成機能は、問い合わせや申し込みフォームなど、Web入力フォームを作成する機能です。フォームで入力された見込み顧客のデータを収集することで、より効率的なマーケティング活動の実現に役立ちます。
既存の自社サイトのフォームをMAツールで作成したフォームに差し替えることで、従来は蓄積できなかった、フォームを送信したユーザーの情報をデータベースに溜めることができるようになります。蓄積したデータを活用することで、効率的なマーケティング活動を行えます。
機能6:顧客のセグメンテーションリスト作成
顧客セグメントとは、役職や所属先、地域などによって顧客を分類したグループを指し、セグメントに分類することを「セグメンテーション」と呼びます。MAツールを活用することで、顧客のセグメンテーションリストを作成することが可能です。
具体的には「属性」「サイトへの訪問回数」「行動履歴」「流入経路」などの分類で顧客をセグメントに分けてリストを作成します。自社の狙いたいセグメントを明確にした上で最適なアプローチを行えば、最大限の成果が見込めるでしょう。また業種や業界に関わらず、自社にとって優良顧客となる可能性が高い顧客のセグメンテーションは特に重要になります。
SFAやCRMとの違い
MAツールと混同されやすいものに「SFA」と「CRM」があります。MAツールをしっかり理解するためにも、それぞれの意味と違いを明確にしておきましょう。
MAとSFAの違い
「SFA」はSalesforce Automation(セールスフォースオートメーション)の頭文字をとったもので、「営業支援システム」を意味します。営業活動の生産性向上を目指し、営業担当者を支援するためのツールです。 MAは「見込み客の獲得・育成・顧客になりうる顧客の選別」であるのに対し、SFAは「MAツールで獲得した見込み顧客に対して、アプローチを行って顧客化する」役割を果たします。
SFAは具体的に、見込み顧客の「属性データ」をはじめ、「これまでのアプローチ」「顧客の反応」「今後想定されるアクション」など、営業活動における進捗状況をデータベース化して共有することで営業活動の効率化を図ります。活用することで、それぞれの顧客にとって最適なアプローチを行うことが可能です。
MAとCRMの違い
「CRM」はCustomer Relationship Managementの頭文字をとったもので、「顧客関係管理」を意味します。MAとCRMは顧客に対するアプローチを行うという点で似ているように感じるかもしれませんが、それぞれ異なる目的を持っている点がポイントです。
MAは主に見込み顧客に対するアプローチを目的としており、将来的に自社の顧客になる可能性のある人をターゲットとして営業・マーケティング活動を行います。一方でCRMは見込み顧客ではなく、MAツールによって顧客になった人に対する顧客満足度やロイヤリティの向上を目的とし、関係性の構築や維持を行います。
MA・SFA・CRMはそれぞれ役割や目的が異なり、営業・マーケティング活動における一連のプロセスにおいて違う領域を担当していますが、お互いを支え合うように働きかけています。それぞれの特徴をしっかりと理解して使い分けることで、営業・マーケティング活動における最大限の成果を期待できるでしょう。
事前に機能や操作性を確認することで、導入失敗のリスクが防げます。実際に運用してみると、思っていたより簡単に操作できたと感じるかもしれません。想定していた活用法とは違う使い方を思いつくこともあります。ツールの比較検討もしやすくなるので、気軽にトライしてみましょう。
シンプルで使いやすいMAツール『BowNow(バウナウ)』
本メディアを運営している、クラウドサーカス社が開発・提供する『BowNow(バウナウ)』は、14,000社以上が導入されている国内シェアNo.1※のMAツールです。
ユーザーの行動を可視化して検討度の高い見込み顧客を見つけることができるほか、検討レベル毎の自動振り分けや、アプローチとその管理など、営業活動の効率化を実現する様々な機能が備わっています。まずは試しにどのようなことができるのか見てみたい方は、フリープランからご利用いただくことも可能です。
※出展:DateSign Webサービス調査レポート 2024.1
関連記事:BowNow公式サイト
まとめ
ここまで、MAツールでできることや、基本的な機能について紹介してきました。
MAツールを導入を検討する際は、MAツールでどのようなことができるようになりたいのかと、 それにあたり必要な機能を明確にしたうえで、選定に進むのがよいでしょう。MAツールによって、コンセプトや機能も異なりますので、自社に合うMAツールを選ぶことがポイントです。以下の資料もご用意しておりますので、よろしければお役立てください。
これを読めば全てがわかる!
世界一わかりやすいマーケティングオートメーションとは?
商談数最大化のため、導入する企業が増えているマーケティングオートメーション。本書では、MAが必要な理由からその導入効果までわかりやすく解説しています。
監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子
新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。