Webマーケティングとは?基礎知識と始め方、実践すべき施策や事例をわかりやすく解説!|MAツール「BowNow」

Webマーケティングの世界は技術革新のスピードが速く、日々新たな情報が現れるほど変化が激しいと言われます。
日本企業でもますますWebサイトの活用が進み、社内にWebマーケティング担当者が置かれることも多くなりました。しかし、いざWebマーケティング担当者になったものの、全体像がつかめず、まわりに詳しい人もいなくて、何から始めてよいかわからないというケースもあるのではないでしょうか。
本コラムでは、Webマーケティングの全体像を知りたい初心者のかたに向けて、押さえておきたい基礎知識やWebマーケティングの学び方、成果を出すための施策のノウハウや便利なツールなどをご紹介します。

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Webマーケティングとは
Webマーケティングとは、WebサイトなどのWeb媒体を中心に行われるマーケティングを指します。Webマーケティングはそもそものマーケティングの目的である自社商品・サービスの認知拡大や販売促進を、Webをベースに、より効果的に行うことを目的としています。
Webマーケティングが従来のマーケティングと異なる最大の特徴は、行った施策の効果がすべて数値化される点です。
チラシやダイレクトメールなどオフラインの施策では、ユーザーの動きや集客効果を詳細に把握することは難しいです。一方、WebマーケティングではユーザーのWebサイト上でのアクションを追跡することができ、どのような経緯でWebサイトを訪れたか、購入に至るまでどのコンテンツをどれだけ見ていたかといったことを数値で確認することが可能です。
このことにより、Webマーケティングは効果測定をもとにした施策の改善を行いやすいマーケティング手法であると言えます。
なぜ今Webマーケティングが重要なのか
Webマーケティングが重要視される背景には、日本国内でのBtoCのEC市場規模の拡大があります。新型コロナ流行の影響で外出自粛やテレワーク実施による”巣ごもり生活”が広がり、パソコンやスマートフォンによるインターネット利用時間が増え、ECサイトの利用が拡大しました。
BtoBの製品購入やサービス契約についても同様で、これからの販促では各種のWebサービス、自社ホームページなどWebを活用することが多くの企業にとって必要不可欠となっています。
そもそもWebマーケティングの最大のメリットは、インターネットを通して全世界に向けて一斉に情報を発信し、アピールできることです。
さらにWebマーケティング施策を行うことで、自社の商品・サービスの理解を深め、魅力を的確にアピールすることができます。これにより、自社が作成したWebコンテンツに興味・関心のあるユーザー、つまり自社にとって良質なユーザーだけを絞り込むことができます。
狙った見込み客を効率よくピンポイントで絞り込み、適切なコンテンツで購入へと誘導し、コストと労働力を抑えつつ新たな販路を開拓できます。
Webマーケティングとデジタルマーケティングの違い
Webマーケティングはデジタルマーケティングの一部
Webマーケティングと近しい言葉に「デジタルマーケティング」があり、Webマーケティングと混同されることもあるようです。
Webマーケティングとデジタルマーケティングの違いは、そもそもWebマーケティングはデジタルマーケティングの一部であることを理解するとわかりやすいでしょう。WebマーケティングはWebサイトやSNS、Web広告などを活用したデジタルマーケティングの手法のひとつであり、デジタルマーケティングの概念に内包されています。
これまでのマーケティングとこれからのマーケティング
これまでは展示会やイベントなどのアウトバウンドマーケティングが主流で、Webマーケティングはそれらを補助する役割を果たしていました。
現在では様々なマーケティングツールや顧客管理ツールがリリースされ、Webを用いた多種多様なマーケティング手法(=デジタルマーケティング)が主流になってきたことから、Webマーケティングの立ち位置が変わってきています。

2015年ごろからiPhoneをはじめとするスマートフォンが急速に普及し、FacebookやインスタグラムなどのSNSの利用も増大しました。多くの企業が従来のWeb広告やSEOなどの施策に加え、デジタル上の様々なマーケティング活動に注力するようになりました。
さらに、マーケティングツールの多くはクラウド化され、MA(マーケティングオートメーション)を筆頭に多種多様なツールが登場しました。このような流れから、「デジタルマーケティングは広告やSEOだけではない」というイメージが広がり、用語そのものの知名度も高まったと考えられます。
ただし、デジタルマーケティングを行う際にも「コンテンツ」は必須になるので、デジタルマーケティングの台頭に伴ってWebマーケティングの重要性も高まっていると言えます。
参考記事:デジタルマーケティングとは
Webマーケティングの施策の種類
Webマーケティングの段階は「集客」「接客(販売)」「再訪促進」の3つに大別されます。それぞれの段階にあったおもな施策の種類は次の表の通りです。

引用元:https://mtame.jp/marketing_foundation/web_marketing/
・SEO(検索エンジン最適化)
SEOとは、「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略で、自社サイトがGoogleなどの検索エンジンによって上位に掲載されることを狙い、コンテンツを最適化することです。まずは検索上位に表示されることによりアクセス数がアップすることを目指しますが、最終的な目的はコンバージョン(購入やお問い合わせなど)や商談の数を増やすことです。
SEOはWebマーケティングの集客手法の定番のひとつです。社内のリソースを使ってコストを抑えながら取り組める点がメリットですが、その分、手間や工数がかかる点と効果が出るまでに時間がかかることがデメリットだと言えます。
・Webサイト運用
自社あるいは商品・サービス等の紹介・説明をし、ユーザーが問い合わせや購入を行えるWebサイトを制作し、運営します。Webサイト運用での主な作業内容には次のようなものがあります。Webサイト運用ではサイトの保守・管理を行いながらユーザーのニーズに応えていくことが大切です。
・ドメインやサーバーの管理
・Webサイトに掲載するコンテンツの追加・更新
・ユーザーからの問い合わせやトラブルへの対応
・Webサイトの分析と改善
・コンテンツマーケティング
いわゆるテレアポやテレビコマーシャルなど企業がターゲットに直接的なアプローチを行うアウトバウンドマーケティングに対し、商品やサービスに興味・関心を持った見込み顧客に対して行うマーケティング活動をインバウンドマーケティングと言います。
コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティングの手法のひとつで、主に用いられるものにはホワイトペーパー、事例紹介の記事コンテンツ、レビューなどがあります。
企業の一方通行にならないよう、ターゲットが興味を持ちそうなコンテンツをWebサイトやSNSを通して適切なタイミングで提供することにより、段階的にコンバージョンにつなげる手法です。
・リスティング広告
リスティング広告とは検索連動型広告のことで、ユーザーが検索したキーワードや閲覧しているWebページの内容に連動した広告が自動的に表示されるしくみです。ユーザーの興味関心や悩みなどのニーズにあわせた広告が表示されるので広告効果アップが期待できます。
上述の通りSEOには即効性が期待できないことから、それを補うためにSEOと並行して実践される手法がリスティング広告です。SEOの効果が出るまでの間、一定数のアクセスを集めるために短期的かつ最小限でリスティング広告を活用するのがおすすめです。
・ディスプレイ広告
ディスプレイ広告はWebサイトやアプリの広告枠に表示される広告で、潜在顧客にもアプローチできることが特長です。「バナー広告」とも呼ばれ、一般的に「画像+テキスト」もしくは「動画+テキスト」を組み合わせたバナーで表示されます。
Webサイトやアプリの表示画面上でユーザーの目につく場所に広告を出稿し、ビジュアルとテキストで訴求できます。ユーザーの興味を惹き、関心を高めることで広告クリックを促し、Webサイトへ誘導して購買などのCV(コンバージョン)獲得へとつなげられます。
・リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、過去にそのWebサイトを訪れたことのあるユーザーに対象を絞って広告を出す手法です。気になっている商品はあるけれど購買を迷っている人など、潜在顧客となる可能性の高いユーザーに絞り込んで広告を表示でき、繰り返しアプローチできるので、費用対効果が高い方法だと言われます。
リターゲティング広告は、Webサイトにアクセスしたときにブラウザに付与される「クッキー」を持っているユーザーだけに配信されます。ユーザーからすると、違うサイトを見ているのに過去にアクセスしたことがあるページの広告が追いかけてくるような現象になるので、敬遠されないように工夫すると良いでしょう。
・メールマーケティング
メールマーケティングとは、自社で保有している顧客リストに対して電子メールでアプローチするマーケティング手法のことです。
メールマガジンのヘッダーやフッターなどに広告文とリンクを掲載するタイプと、ユーザーの嗜好などをあらかじめ登録し、それに合った広告を内容とするメールを送るタイプがあります。
広告の費用体系は、配信先となるユーザー数に応じて決まるタイプと、メール内に記載されたURLのクリック数に応じて決まるタイプがあります。なお、メールマーケティングは近年ではさまざまなネット広告の登場により、効果は低下傾向にあると言われます。
メールマーケティングで成果を挙げるためには、ユーザーにどのような内容のメールを送り、どのような行動を促せば良いのかを深く掘り下げて考えることが大切です。ユーザーの行動それぞれに応じて訴求するメールを、適切なタイミングで届くようにしましょう。
参考記事:
メールマーケティングの最適な頻度とは?他社の平均回数や、配信頻度の見極め方を解説
・SNSマーケティング
SNSマーケティングは企業の広告宣伝媒体のひとつであり、「ソーシャルメディアマーケティング」とも呼ばれます。
FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSを活用し、拡散力の高さと「シェア」や「いいね」機能など利用者同士のつながりを利用することでより多くのユーザーに情報を配信することで商品の認知や販売を促進し、ブランド力の向上を目指します。
SNSを通じて企業とユーザーが直接コミュニケーションを取ることができるため、企業側からすると消費者の反応を把握しやすく、既存顧客だけでなく潜在層を含めた幅広いユーザー層に向けて情報を発信しやすいというメリットがあります。
・動画マーケティング
Youtubeなどによる動画コンテンツを活用し、自社や製品・サービスに関する情報を配信します。
動画は静止画と比べてユーザーの視覚により強く訴え、印象付けることができます。ユーザーの興味・関心を引き出しやすく、自社や製品・サービスの特長や使い方などをより具体的に伝えることができ、理解を深められます。
集客効果が高い反面、動画の制作には手間とコスト、制作時間がかかる傾向があります。
・アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは成功報酬型の広告宣伝プログラムです。BtoC向きの広告手法で、おもに会員登録や資料請求、ECサイトからの購入を促す場合に利用されます。
アフィリエイト広告はアフィリエイター(媒体主)のWebサイトやブログ、メールマガジンなどに自社(広告主)の情報のリンクを掲載してもらい、そのリンク経由で訪れたユーザーがコンバージョン(会員登録や資料・サンプル請求、購入など)に至った場合に、広告費が発生し、アフィリエイターへの報酬が発生するしくみです。
広告の出稿先としては法人サイトと個人サイトがあります。法人サイトでは会員あてに配信したメールマガジンなどからWebサイトに誘導し、個人サイトでは、商品・サービスの紹介ページや個人のブログ記事からバナーなどによって誘導する場合が多いです。
アフィリエイト広告を出稿する際には基本的に、媒体主と広告主を仲介する「ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)」というサービスを利用することになります。ASPの利用料は固定費として月ごとにかかりますが、自社の情報がASPを通してアフィリエイターに選ばれなければ掲載してもらえないというリスクがあります。
・アドネットワーク広告
アドネットワーク広告とは、複数のWebサイトに広告を掲載するネット広告の手法です。通常、複数の媒体へ広告を出稿するには、それぞれのメディアとの契約が必要になるうえ、媒体ごとに異なる料金体系や入稿形式に合わせなければなりません。その点、アドネットワーク広告では広告の出稿を一社のアドネットワーク業者に一括して任せることができるので効率的です。
広告を掲載した後は、項目や形式の揃った広告効果データをもらうことができ、媒体間での効果比較がしやすい点もメリットです。デメリットは、広告はアドネットワーク業者が持っている媒体に一様に出稿されるので、自社がターゲットとしていない層に向けたメディアにも掲載されることがある点です。
Webマーケティングの始め方
Webマーケティングを始める際の手順や考え方について、概要を解説します。
・目的を設定する
最初に、Webマーケティングを通して何を達成したいかを考え、目的を設定します。
たとえば、自社ブランドの認知拡大や自社商品の販売促進などが目的にあたるでしょう。
Webマーケティングで達成したい目的を設定し、方向性を定めることで施策や戦略が立てやすくなり、成果も出やすくなるでしょう。
・ゴールを設定する
設定した目的をふまえて、具体的なゴールを設定します。ここでいうゴールは具体的な数値目標であることが望ましく、たとえば「商品の月間売上を1.5倍にする」「ブランド認知度を30%アップさせる」といったものです。ゴールを設定すると何をすべきかが明確になり、最終的な成果につながるでしょう。
ただし、ゴールはあくまでも現実的な範囲で設定しましょう。いたずらに高い理想を掲げるよりも、達成可能な目標を設定して着実に成果を出せるようにすることが大切です。
・ターゲット(ペルソナ)を設定する
自社の商品・サービスを買ってくれるであろう顧客層を決めて、より効率的に販売促進などを行えるよう、売り込む対象であるターゲットを設定します。
ターゲットの設定は、年齢・性別・職業・居住地といったユーザーの属性情報を元に行います。どのようなユーザーが自社の商品・サービスに興味を持つかを考えて設定しましょう。
参考記事:
マーケティングで重要なペルソナとは?
・カスタマージャーニーを設定する
カスタマージャーニーとは、ターゲットとなる顧客が商品やサービスに興味・関心を持ち、購入や利用に至るまでの流れのことです。カスタマージャーニーを設定することで、顧客の多種多様なニーズや購入プロセスの詳細を可視化することができ、商品やサービスの訴求をより効果的に行えるようになります。
カスタマージャーニーを設定するにあたっては、社内の各部署にある顧客情報を集めるほか、ユーザーインタビューや市場調査を行うなどして顧客のニーズと購入プロセスを把握することが重要です。
参考記事:
カスタマージャーニーマップの作り方
・KPIを設定する
KPIとはKey Performance Indicatorsの略で、ゴールを達成するための指標となるものを指します。たとえばECサイトの場合は商品紹介ページのクリック数や購入率がこれに当たります。
KPIを設定することで、マーケティングの効果が出ているかどうかを具体的に知り、現状の課題を把握することができます。現状の課題の把握は、Webマーケティングにおいて、より効果的な施策を実践するために不可欠です。必ず設定するようにしましょう。
上の図はKPIツリーの組み立て方の一例です。KPIは端的には「ゴールへの進捗を表す指標」となり、最終的なゴール(KGI)に対する中間地点としての指標です。大目標であるKGIのもとに小目標である複数のKPIが連なり、ツリー型を成しているイメージです。
KPIには「アクセス数」や「お問い合わせ件数」といった具体的な数値、あるいは「Webサイトのページビューを〇〇〇以上にする」といった目標が設定されることが一般的です。特にMAツールを活用する際には、施策の効果検証をすることを見据えて、KPIとKGIは定量的かつ計測可能な数値を伴うものに設定しましょう。
参考記事:
デジタルマーケティングにおける目標設定の方法
参考記事:
MA(マーケティングオートメーション)ツール運用時のKPI・KGI~目標・指標設定について~
・データの収集・分析をする
Webマーケティングの施策の立案にはデータの収集と分析が不可欠です。扱うデータには定量データ(数値化されるもの)と定性データ(数値化されないもの)とがあり、数値によるデータ分析を「定量分析」、消費者の声など数値で表せない質的なデータ分析を「定性分析」と言います。
定量分析では、アンケートを通じての顧客データの収集、Google Analyticsなどのツールによる自社サイトへのアクセス数の分析、顧客単価や会員登録数の確認などを行います。定性分析では、インタビューや自由回答式のアンケート、SNS上の口コミなど、おもに言葉によるデータをもとに分析します。
・課題を抽出して改善する
データ分析でユーザーのニーズや本音を把握したら、課題を抽出して改善策を検討します。さきに設定した目的が達成できているかどうかを確認しつつ、差異があれば埋めていく段階です。
たとえば「そもそもWebサイトへの訪問者数が少ない」という課題が抽出できたら、SNSでの情報発信を強化したり、コンテンツ内容を見直したりすることで訪問者数の増加を見込めるでしょう。Webマーケティングは短期的に効果が見える手法ではないので、一喜一憂せずに冷静に課題の原因を分析しましょう。
しかし、そもそもターゲットが集まっていないサイトの分析や改善をしても意味がなく、まずは受け皿を整える必要があります。集客から改善の流れを回していくためには、短期的な施策であるWeb広告と、長期的な施策であるSEOやコンテンツマーケティングなどの施策を両立させていくことが重要です。
Webマーケティング担当者の仕事内容
・Webを中心とした社内外のコミュニケーションのハブに
Webマーケティング担当者はWebマーケッターとも呼ばれ、企業によっては他の業務との兼任で置かれることもあり、業務上必須となる資格等は特にありません。
そもそもWebマーケティングの目的は、Webを通じて自社の商品やサービスをユーザーに知ってもらい、購入あるいは利用してもらうことで売上を伸ばし、その後も良好な関係を築いていくことです。業種や企業規模にもよりますが、Webマーケティング担当者のおもな仕事内容は次の通りです。
・Webコンテンツの企画・立案
・Webサイトの運用
・SEO(検索エンジン最適化)対策
・Web広告の運用・管理
・SNSの運用・管理
・データ解析および改善施策の立案
どのようなWebマーケティングの手法であってもWebコンテンツは必要になるので、Webマーケティング担当者は、まずはマーケティングの観点からWebサイトの制作に携わり、次に、そのコンテンツにユーザーを呼び込むためのさまざまな集客施策を実践します。
また、たとえばSEO対策ではWebサイトの表示速度やセキュリティ面など技術的な知識も必要になります。他にもデータ分析を中心に数字と向き合う業務が多く、論理的な思考能力が求められるでしょう。トレンドに幅広くアンテナを張り、Webマーケティングの最新動向をキャッチできるよう継続的に学び続ける姿勢も必要になります。
Webマーケティング担当者は成果を達成するためにWebサイトやSNSなどを運用しながらデータ分析を行い、社外の協力会社を含め、社内外のさまざまなメンバーとチームを組んでWebマーケティング施策を行います。
Webマーケティング担当者には、Webを中心とした社内外のコミュニケーションのハブとして施策を円滑に進めていくことが求められます。
・Webマーケティング業界の動向を知ることも重要
Webマーケティング業界の全体を俯瞰して、リアルタイムな動向を見ることも重要です。Webマーケティング業界は新しい産業分野であり、デジタルマーケティングが現代においてマーケティングの中心となっていることから拡大している業界でもあります。
ここでご紹介する「マーケティングテクノロジーカオスマップJAPAN」は、米国のchiefmarketec.comというマーケティングメディアの編集長が2011年に作成し、毎年更新していたものの日本版です。カオスマップとは、オンライン広告を中心とする業界地図を指しています。
デジタルマーケティングコンサルティングを手がけるアンダーワークス株式会社が独自調査をもとにまとめたもので、日本国内で利用可能な「マーケティングテクノロジー」(主要マーケティングツール)1,566種類(2023年1月時点)を新たな42分類で一覧化しています。
Webマーケティングに利用できるサービスがほぼ網羅されているので、自社が未導入のもので必要性のあるものを検討する際に便利です。 カオスマップは下記よりダウンロード可能です。
マーケティングテクノロジーカオスマップJAPAN 2022(アンダーワークス)
https://www.underworks.co.jp/download/wp-chaosmap-2022/
Webマーケティングに必要なスキル
Webマーケティングの専門知識
まず、Webマーケティング業務に携わるにあたっての専門知識が必要です。マーケティング実務には専門用語が多用され、覚えるべきことも多いです。入門者は社内会議やクライアントとのやりとりで困らないよう、必須となる最低限の基礎知識からおさえていきましょう。
Webマーケティングは近年、多くの企業で実施されています。競合他社も自社と同様のアプローチで成果を出そうとしていることを考え、より優位性のある良質なコンテンツを適切な手法やタイミングで発信することが重要です。
そのためには、SEO、Web広告、メルマガ施策などの基礎知識のほか、Webサイトの表示速度やセキュリティ面など技術的な知識、また、マーケティング活動を支援するMA(マーケティングオートメーション)など各種ツールを活用するための知識が必要です。
つねにトレンドにアンテナを張り、Webマーケティング業界の最新動向を知っておくことも必要です。
データ分析力とPDCA思考
マーケティングで成果を出すための重要なポイントは、いかにスピーディーにPDCAサイクルを回していくかにあります。
Webマーケティングでは自社サイトなどへの集客や見込み客へのアプローチと同時に、アクセス数やメルマガ開封率などの効果測定を行い、各種データを分析して改善を行うことが重要です。
そのためには、まず、データを分析するスキルが求められます。データ分析ツールを活用してアクセス解析を行い、ユーザーがどこから流入してどこで離脱したのかといった行動履歴を詳細に分析します。
効果測定ではWeb広告を出稿した媒体ごとに、あらかじめ設定した目標と実際の数値を比較し、効果や改善すべき点を検証します。多種多様なデータの解析を重ね、それをもとにWebサイト設計の見直しやデザイン変更、Webコンテンツ記事のリライトなどを行い、CV(コンバージョン)アップを目指します。
そこで求められるのがPDCA思考です。PDCAはPLAN(計画)、DO(実行)、CHECK(確認)、ACT(改善)の4つの要素から成り、計画→実行→分析→改善を繰り返すサイクルを指します。
Webマーケティングにおいてはおもに自社コンテンツを作成・配信したのちに結果を分析し、数値データとして可視化します。その分析結果をもとに自社の課題を具体的に認識し、それに沿った改善策を検討するというサイクルです。
その際、あくまでターゲット目線に立つことが重要です。Webマーケティング業務には、このようなPDCAサイクルをよりスピーディーに回して繰り返していくことで課題を次々にクリアし、結果を出すための思考能力とスキルが求められるのです。
コミュニケーション能力
Webマーケティングの業務ではチームで仕事をすることも多く、Webマーケティングの担当者にはコミュニケーション能力の高さが求められます。
WebマーケティングのチームにはWebライター、Webデザイナー、エンジニア、営業、広告運用やSNS運用の担当者などが含まれ、社内チームとのやり取りや調整に加え、クライアントとのやり取りや調整が必要になります。
特にクライアントとのやり取りにおいては、コミュニケーション能力が不足していると意思の疎通がうまくいかず、クライアントの要望を的確に読み取れないおそれがあります。
WebマーケターはWebサイト制作に携わり、多種多様な集客施策を実施するなかで、社外のパートナーを含めた様々な相手と連絡を取り、チームで連携していかなければなりません。それぞれの相手と円滑なコミュニケーションが取れれば社内チームでの調整やクライアントへの対応がスムースになり、施策も円滑に進められるでしょう。
Webマーケティングを学ぶのに役立つ資格と情報
Webマーケティングに携わるには特に必須の資格などはありませんが、Webマーケティング担当者になりたての初心者の方やWebマーケティングを体系的に勉強したい方は、資格の取得を目標として知識を身に付けておくと実際の業務にも役立つでしょう。
また、Webマーケティング担当者として転職希望の方は、資格を保持していることがアピール材料となったり優遇されたりすることがあるかもしれません。ここではWebマーケティングを学ぶのに役立つ資格と情報の一例をご紹介します。
※掲載内容はいずれも記事公開時の情報です。詳細は各公式サイトにてご確認ください。
Webマーケティング担当者が持っていると良い資格
・ウェブ解析士/一般社団法人ウェブ解析士協会 (有料)
「ウェブ解析士」はWebマーケティングに必要なスキルや専門知識を認定する資格で、ウェブ解析士・上級ウェブ解析士・ウェブ解析士マスターの3つのランクがあります。
ウェブ解析士はアクセス解析を軸としたウェブ解析スキルを身につけ、データを読み取り、正しい判断ができるスキルを会得することを、上級ウェブ解析士はペルソナを立案し、それに基づいてデータ分析から具体的なソリューションまでを立案できることを、ウェブ解析士マスターはウェブ解析士を育成できるレベルをそれぞれ目標としたレベルになっています。
・IMA検定/クラウドマネージメント協会
IMA検定はネットマーケティングスキルに特化した資格試験で、講義から受験、また、合格後の就業までをサポートする手厚いサービスがあります。
Standardコースではサイト分析とリスティング広告の実践運用スキルを、Proffesionalコースではターゲット別の集客プランの立案とスプリットラン実施ノウハウを身につけることができます。
いずれのコースも知識の暗記に固執しない実践型のノウハウを重視した内容で、オンライン受講が可能です。
・マーケティング・ビジネス実務検定/国際実務マーケティング協会IMA検定/クラウドマネージメント協会
「マーケティング・ビジネス実務検定」はマーケティングの実務に必要な知識とスキルを評価するための資格試験で、難易度の高い順にA級・B級・C級があります。
C級ではマーケティングに関する基礎科目が出題されますが、A級ではマーケティング戦略レベルの知識の習得が求められます。年に4回開催され、公式サイトには過去の出題例が公開されているので計画的に学習を進めることができます。
・ネットマーケティング検定/株式会社サーティファイ
「ネットマーケティング検定」はWebマーケティングを理解した人材の育成を目標とし、Webマーケティングの企画や立案に関わるスキルを評価する検定試験です。個人での全国一斉試験に加え、企業や教育期間で実施する団体受験もあります。
試験は全40問で構成され、前半の30問はWebマーケティングの基礎知識、後半の10問は事例に関する知識について出題されます。実際の業務としてWebマーケティングをとらえられる構成になっていて、学習を通して幅広い分野の知識を体系的に身に着けられます。
・Web検定/株式会社ボーンデジタル
Webマーケティングの知識とスキルを測る検定試験です。Web戦略の立案からWebプロモーションの実施まで、Webマーケティングを推進するうえで必要な能力を全般的に試されます。まずはWebに関する必須の知識を習得できる「Webリテラシー」の取得を目指すのがおすすめです。
・統計検定/一般財団法人 統計質保証推進協会
統計に関する知識や活用能力を測る検定試験で、データサイエンティストやアナリストを目指す人も受験する資格です。対策のための学習を通して、データに基づいた客観的な評価やWebマーケティングを成功させるための施策の立て方を学べます。取得すればデータサイエンティストとしての可能性もひらけるでしょう。
・Webアナリスト検定/日本Web協会
「Webアナリスト検定」は、Googleアナリティクスの活用法を体系的に学べる資格試験です。入門者は現役のコンサルタントやデータアナリストが担当するオンライン講座を受講してGoogleアナリティクスの基礎知識を習得してからオンラインの検定試験に臨めます。
実務ですぐに使えるノウハウを学ぶことができ、短期間でGoogle アナリティクスの基本的な使い方を理解し、資格取得までを目指すことができます。
・Google 広告の認定資格/Google
「Google 広告の認定資格」は、Google 広告に関する知識を持った個人にGoogleが授与する認定基準です。Google 広告「検索広告」、Google 広告ディスプレイ、Google 広告動画など全11種類があります。
氏名が記載された認定資格証明書を提示することで、Googleに認められたオンライン広告のプロフェッショナルであることを証明でき、クライアントにアピールできます。
「スキルショップ アカウント」を作成すれば、認定資格取得のための理解度テストを無料で受験できます。学習プログラムも無料で利用可能なので、入門者から上級者まで取り組みやすいでしょう。
その他、 Webマーケティングを体系的に学ぶのに役立つ情報サイトもあります。
・Googleデジタルワークショップ /Google
GoogleデジタルワークショップはGoogleが提供するeラーニングサービスで、全15プランの講座を無料で利用可能です。
Webマーケティングを学ぶには「デジタルマーケティングの基礎」(認定証取得コース)がおすすめです。動画コンテンツなどを視聴しながら学習を進め、最終試験に合格すると認定証を取得でき、履歴書に記載することができます。
その他、 Webマーケティングを体系的に学ぶのに役立つ情報サイトもあります。
Webマーケティングを体系的に学ぶのに役立つ情報サイト
・Googleデジタルワークショップ /Google
GoogleデジタルワークショップはGoogleが提供するeラーニングサービスで、全15プランの講座を無料で利用可能です。
Webマーケティングを学ぶには「デジタルマーケティングの基礎」(認定証取得コース)がおすすめです。動画コンテンツなどを視聴しながら学習を進め、最終試験に合格すると認定証を取得でき、履歴書に記載することができます。
Webマーケティングに有効なツール
・MA(マーケティングオートメーション)
MA(マーケティングオートメーション)は、顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化・自動化してくれるツールです。
見込み客をフォローしたいけれど人手不足で追い切れないといった悩みを持つ企業には特に最適なツールです。 有料のものと無料のものとがあり、現在では多種多様に開発・提供されています。
MAはリードナーチャリングの管理(一人ひとりの「見込み客」に対し、それぞれの検討段階に応じて必要な情報を提供し、購買ステップまで育成して最終的に「顧客」になってもらうこと)に活用すると良いでしょう。
参考記事:
MA(マーケティングオートメーションツール)とは?
MA(マーケティングオートメーション)ツールのメリット(効果)・デメリット
MA(マーケティングオートメーション)ツール運用時のKPI・KGI~目標・指標設定について~
・CMS
Webサイトの更新作業
CMSとは、Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)の略で、HTMLの知識を持たない人でも簡単にWebページを作成・公開・更新できるツールです。
Webマーケティング担当者は、新製品やキャンペーンといったタイムリーな情報を発信したり、アクセス解析結果を社内にフィードバックしてWebサイトの改善を実施するなど、Webサイトの更新作業を基本業務としてこなす必要があります。
また、Webサイトを更新・運用する以外に、お問い合わせ件数の効果測定や管理なども行う必要があります。CMSにはそれらをカバーする機能を備えたものもあり、Webマーケティング担当者の業務負担を軽くしてくれるでしょう。
・アクセス解析ツール
アクセス・行動分析→改善施策
Googleアナリティクス、GRCなど
アクセス解析ツールはコーポレートサイト、ECサイト、オウンドメディアなど、自社が持つWebサイトへのユーザーのアクセス状況を分析するために使います。各社でよく使われているものにはGoogle Analytics(グーグル・アナリティクス)やGRCなどがあります。
アクセス数だけでなく、Webサイトを訪れたユーザーがどのような行動をとっているかを把握し、分析することができます。これにより、Webマーケティング担当者はコンバージョン数(率)アップのためのWebサイトの改善施策を立案します。
Google Analyticsに関しては、使い方を解説したWebページや書籍も数多く出ています。しかし、自力で分析するのが手間だと感じる場合には、アクセス解析結果を自動的に分析して改善の方針まで立ててくれるタイプのツールを活用してみるのがおすすめです。
・ABテストツール
ABテストとは、おもにランディングページの改善施策(LPO)として用いられるマーケティング手法で、同じコンテンツの一部(キャッチコピー、カラーリングや画像の入れ方、ボタンの大きさなど)を変えて「パターンA、パターンB」を作り、どちらがよりユーザーの行動を促すかを比較することです。Webマーケティング担当者はABテストにより、コンバージョン向上のための効果測定を行うことができます。
上記で紹介したGoogle AnalyticsにもABテストの効果測定が無料でできる機能(ウェブテスト)があり、2つのWebページを比較するABテストを行えます。他に無料のABテストツールは多くなく、Google Analyticsを試したうえでさらに本格的なABテストをしたい場合は有料ツールを検討すると良いでしょう。
Webマーケティングで注意すべきポイント
Webマーケティングのさまざまなメリットや施策について触れてきましたが、実際のところ、Webマーケティング施策には費用も時間もかかります。さらに、競合も同じようにWebサイトの運用・改善をしながら顧客を集めようとしているので、思うように集客や売り上げを伸ばせないことも多いでしょう。
Webマーケティングで注意すべきポイントは、無理のない戦略設計と長期的な視点で進めることです。Webマーケティングには即効性を期待せず、半年から一年をめどに効果を見ると良いとも言われます。
自社のターゲットとなる顧客の動向を分析して、WebサイトやSNSをどのように活用してアピールしていくのが有効なのか、すぐに効果が出るものと時間がかかるものとをそれぞれ判断することが重要です。たとえば、検索上位に表示されるまでは時間がかかるSEO施策と並行して、スピーディーに出稿できるリスティング広告を活用するという手もあります。
また、あくまでも顧客のニーズにあった良質なコンテンツを発信することと、Webサイト内での誘導のしかたに工夫を凝らすことも重要なポイントです。
広告の打ち方や選び方を誤ると集客効果が得られませんし、集客の結果、Webサイトを訪れてくれたユーザーがこちらの期待通りに商品やサービスに魅力を感じてくれるとは限りません。いたずらに大量のコンテンツを用意しても、コンテンツの質が低ければむしろブランドの信頼を失墜させるおそれもあるので注意が必要です。
Webマーケティングでは、幸いなことに、どの広告から何人の集客ができたのか、どのページに何人のユーザーがどのくらいの時間滞在したのかなどについてデータをもとに詳細に検証することができます。情報の見せ方や誘導のしかたについて、どのような課題があるかを見つけ、改善施策を行うことで集客効果と販売実績を上げていくことができるのです。
まとめ
現代のマーケティングの中心がデジタルマーケティングであることから、新しい産業分野であるWebマーケティングは多くの企業に求められ、拡大しています。
従来のオフラインチャネルのデジタル化および顧客チャネルの多様化と並行して、新型コロナウイルス流行の影響で企業のマーケティング活動は一気にリモート化し、Webマーケティングとマーケターに期待される場面はますます増加の一途をたどるでしょう。
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