マーケティングの手法15選!マーケティング戦略と戦術に分けてわかりやすく解説
マーケティングに取り組もうと思っても、「具体的にどのような手法で、どのような施策を行えばいいのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか?
本記事では、混同されやすいマーケティングの「戦略」と「戦術」の違いを明らかにした上で、戦略を立てる際に重要な分析手法5選と、マーケティング成功の鍵を握る「戦術」における手法10選を解説します。
この記事では、「どのように分析して市場・顧客を理解するか」や「どのようなマーケティング施策を実施することが適切か」がわかります。ぜひ参考にして、マーケティング活動にお役立てください。
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目次
マーケティングとは
「マーケティング」と一言で言っても、その解釈や定義は様々です。本記事では、マーケティングを「顧客のニーズを満たして商品・サービスが売れるシステムを構築すること、及びそのために行う活動の総称」と定義したうえで解説します。マーケティングでは「戦略」や「戦術」が非常に重視されていますが、両者は混同されやすい傾向にあります。マーケティングを正しく理解するため、まずは「戦略」と「戦術」の違いについて理解しておくことが重要です。次章でそれぞれ解説します。
マーケティングの「戦略」と「戦術」の違いとは
マーケティングの「戦略」と「戦術」の違いについて、「戦略」は目標達成のために定めるシナリオであるのに対し、「戦術」は戦略で決まったシナリオを実現する具体的な方法を考え、実践に落とし込んでいく取り組みを指します。それぞれについて以下でさらに詳しく解説します。
マーケティング「戦略」とは
マーケティングにおける「戦略」とは、「どのような顧客にどのような商品・サービスを届けるのか」、それに対して「どのように販売促進活動を行うか」といったことを定める設計図、もしくはシナリオのことです。
さらに、自社の商材を購入してほしい顧客層に対して「提供する価格帯」「提供する手段」「コミュニケーションの取り方」「関係構築方法」などを考え、策定していくことも戦略に含まれます。売上を伸ばすことが戦略を立案する主な目的です。
マーケティング「戦術」とは
マーケティングにおける「戦術」とは、上記の「戦略」を達成するために、具体的な方法や施策を考え、実行に移して評価する取り組みを指します。
戦術では、「戦略を達成するためにどのような施策を実施するべきか」を考え、実行後はその施策を評価し、「さらに効率的に戦略を達成するためには何を改善すべきか」を分析して取り組みます。
たとえば、戦略で定めたターゲット層に広告を打つ際、「TVCM・チラシ・SNS・動画広告・新聞」など様々なチャネルが候補に挙がります。「どのチャネルを利用するのか」「複数のチャネルを活用するのか」などを考えていくのが「戦術」です。
売上を伸ばすために立案するのが「戦略」であり、その戦略を実行に移すために、より具体的な手法に落とし込んでいくのが「戦術」です。マーケティング活動において、それぞれフェーズが異なることを覚えておきましょう。
マーケティングの「戦略」を立てるうえで役に立つ分析手法
マーケティング戦略を策定する際には、分析が必須とされていますが、なぜ分析が必要なのでしょうか?以下ではマーケティング戦略における分析の重要性と、主な分析手法を5つ解説します。
マーケティング戦略における分析の重要性
適切なマーケティング戦略を立案するためには、市場や顧客、自社のことを正しく理解する必要があります。分析を行うことで、主観的ではなく、客観的且つ合理的な根拠に基づいて市場や顧客を把握することができるため、マーケティング戦略において分析は欠かせません。
市場・顧客・自社に対する理解が浅いままだと、「企業の目的・目標を果たすために解決すべき課題」を正確に見定めることは難しいです。課題を見定められなければ、それを解決するために「何をいくら伸ばして目的・目標を達成しよう」というシナリオを設計することもできません。根本が的確に把握できていないと、戦略を打ち出したとしても、思ったような成果が得られないのです。
市場理解・顧客理解に役立つ分析の手法5選
市場理解・顧客理解に役立つ、代表的な分析の手法を5つ紹介します。
3C分析
「3C分析」とは、「Customer(顧客)」・「Competitor(競合)」・「Company(自社)」の3つの要素を分析し、マーケティング戦略の方向性を決めるフレームワークです。それぞれの要素の頭文字を取って名付けられました。
分析する具体的な要素は以下の通りです。3つの視点から自社が置かれている環境を客観的且つ多角的に理解し、競合他社との差別化や、市場における優位性を確保するための戦略を練ります。
- Customer:「顧客」顧客のニーズや市場動向、市場規模、成長性、消費行動など。
- Competitor:「競合」競合他社の強み・弱み、状況、市場におけるポジションなど。
- Company:「自社」自社の強み・弱み、市場でのポジション、差別化ポイント、経営資源など。
PEST分析
「PEST分析」とは、自社を取り巻く外部環境を4つの要因「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」に分類し、将来自社に与える外部環境からの影響を予測する分析手法です。4つの要因の頭文字を取って名付けられました。
外部環境を分析する手法は、長期的なスパンで分析する「マクロ環境分析」と、短期的なスパンで分析する「ミクロ環境分析」の2つがありますが、PEST分析は前者の分析に適しています。4つの要因の具体的な内容は以下の通りです。
- Politics:政治的要因=自社に影響を与えうる政治・法律・税制など。
- Economy:経済的要因=消費動向に影響を与えうる経済成長率や為替相場、インフレ・デフレの進行、金利など。
- Society:社会的要因=人口動向などの定量的な要因に加え、文化や生活、価値観の変化などの定性的な要素まで、広く生活に影響を与える要素。
- Technology:技術的要素=自社に影響を与えうるテクノロジーの進化や新技術の登場など。
SWOT分析
「SWOT分析」とは、「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つの視点から分析を行い、自社の現状と競合他社、市場の将来性を把握するフレームワークです。
自社の強み・弱みの「内部環境」と、市場や競争における機会・脅威の「外部環境」をどちらも分析することで、マーケティング戦略はもちろん、目標設定や自社の改善点、新規参入の検討などに役立ちます。4つの要素の具体例は以下の通りです。
- Strength(強み):自社・社員が持っているもの、もしくは自社でコントロール可能なもの。ブランド力・技術力・ノウハウ・人脈・顧客満足度・市場シェアなど。
- Weakness(弱み):自社の問題点、克服すべき弱み。競合他社に比べ弱いもの・自社の苦手領域・離職率・技術力でカバーできない分野など。
- Opportunity(機会):自社でコントロールできない外部環境のうち、自社にとってプラスとなる要因。政治・景気・社会情勢・トレンドの変化・技術革新など。
- Threat(脅威):外部環境のうち、自社にとってマイナスとなる要因。要因の例は「Opportunity」と同じだが、マイナスに作用するかどうかによって分類が異なる。
4P分析
「4P分析」とは、「何を・いくらで・どこで・どのように」売るのかを考える、マーケティング戦略のフレームワークです。4Pは、以下の4つの言葉の頭文字から名付けられました。
- Product:「製品」どのような商品・サービスを提供するのか
- Price:「価格」どのような価格で提供するのか
- Place:「流通」どのような経路で提供するのか
- Promotion:「販売促進」どのように販促を行うのか
4P分析を行うことで上記の要素を正しく理解でき、複合的に検討しつつも、一貫性のある思考でマーケティング活動に取り組めるようになります。
STP分析
「STP分析」とは、「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」の3つの要素を分析してマーケティング戦略の方向性を定めるフレームワークです。効果的なプロモーション戦略を立案する際に役立ちます。各要素では、具体的に以下の内容を分析します。
- Segmentation(セグメンテーション):類似のニーズや特性を持つグループに分類する市場の細分化を行う。
- Targeting(ターゲティング):狙うべき市場を見極める
- Positioning(ポジショニング):競合他社との位置関係を把握する
最後のフェーズに位置するポジショニングの結果をもとに戦略を練るので、ポジショニングの正確さは最も重要です。いくらセグメンテーションとターゲティングの精度が高くても、ポジショニングが適切でない場合、成果が出ない可能性が高まります。
特にポジショニングを慎重に行うことを意識しましょう。
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マーケティング成功の鍵「戦術」における手法10選
マーケティング「戦略」について説明しましたが、本章からは戦略を実行するための「戦術」における手法をいくつか解説します。
具体的な手法を紹介する前に、まずはマーケティングにおけるあらゆる手法について、全体像を見ていきましょう。
マーケティングの手法の全体像
マーケティング手法は、大きく分けて「アウトバウンドマーケティング」と「インバウンドマーケティング」に分類することができます。両者について解説した後、各マーケティングの具体的な手法を紹介します。
アウトバウンドマーケティングとは
アウトバウンドマーケティングとは、企業から顧客へアプローチするプッシュ型のマーケティング施策です。不特定多数のターゲットに情報を発信して、リードの獲得を目指します。
具体的な手法としては、テレアポや飛び込み営業、メディアへの広告出稿などがあります。人的コストや広告出稿費などのコストがかかるので、成果を出すためには豊富な資金やリソースを要する手法です。
インバウンドマーケティングとは
インバウンドマーケティングとは、顧客ニーズに即したコンテンツを提供し、自社製品やサービスに自発的に興味関心を抱いてもらうプル型のマーケティング施策です。
商品を顧客に売り込むプッシュ型のアウトバウンドに対し、インバウンドはWebサイトやSNSなどで情報発信を行うことで、見込み顧客から「自発的に」会社や商品・サービスに興味を持ってもらえるように仕掛けるのが特徴です。「売り込まない」手法とも言われています。
顧客の消費行動の変化や、スマホの普及によって、このインバウンドマーケティングが近年主流になりつつあり、アウトバウンドマーケティングは衰退傾向にあります。企業側からしても、インバウンドマーケティングの方が低コスト且つ施策が豊富というメリットがあり、需要が高まっています。それぞれのマーケティング活動における手法は以下の通りです。次章でそれぞれの手法について、以下で詳しく解説します。
アウトバウンドマーケティングの手法 | インバウンドマーケティングの手法 |
---|---|
・マスマーケティング ・ダイレクトマーケティング ・テレマーケティングなど |
・SNSマーケティング ・Webマーケティング ・イベントマーケティング ・動画マーケティング ・コンテンツマーケティングなど |
アウトバウンドマーケティングにおける手法3つ
アウトバウンドマーケティングにおける以下の3つの手法と、具体的な施策について解説します。
- マスマーケティング
- ダイレクトマーケティング
- テレマーケティング
マスマーケティング
マスマーケティングとは、大量生産・大量販売を前提に、不特定多数の消費者に向けて画一的なアプローチを行うマーケティング手法です。潜在層・顕在層に関わらず、幅広い層に訴求することができ、認知度向上が見込めます。
具体的には、「TVCM・新聞・屋外広告・雑誌・ラジオ」を通して広告を出稿します。商品の大量生産、大量販売をする場合は有用ですが、大衆を対象としているため、顧客1人1人に最適なアプローチを行うのは難しいです。費用が高く、効果測定がしにくいという側面があることも覚えておきましょう。
具体的な施策の概要とメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
施策 | 概要 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
TVCM | TV番組と番組の間に放映される広告、もしくはミニ番組 | ・大衆に訴求できる ・視覚的にわかりやすく伝えられる ・企業への信頼性向上が見込める |
・費用が高い ・若年層のTV離れが進んでいる |
新聞 | 新聞の紙面に掲載できる広告(新聞社の審査あり) | ・シニア層へアプローチできる ・エリアターゲティングが可能 ・企業への信頼性向上が見込める |
・若年層へのリーチがしづらい ・効果測定が難しい |
屋外広告 | 駅看板や屋外看板などの広告 | ・店舗に誘導できる ・繰り返し見てもらえる可能性が高く、反復効果が見込める |
・掲載できる情報量に限りがある ・効果測定が難しい |
雑誌 | 雑誌の紙面に掲載できる広告(出版社の審査あり) | ・商材やサービスに関連する分野に興味のあるユーザーに直接訴求できる ・企業への信頼性向上が見込める |
・広告作成から出稿までが時間がかかる ・効果測定が難しい |
ラジオ広告 | ラジオ放送中に流れる広告 | ・エリアターゲティングが可能 ・広告が流れてもチャンネルを変えない人が多く、聞いてもらいやすい ・習慣的な視聴による刷り込み効果 |
・成果が出るまで時間がかかる ・若年層へのリーチがしづらい |
ダイレクトマーケティング
ダイレクトマーケティングとは、企業が顧客と直接コミュニケーションをとり、商談や購買などのアクションを促すマーケティング手法です。
各顧客のニーズ・関心に合わせてアプローチをする「One to Oneマーケティング」の基礎にもなっており、比較的低予算で運用することが可能です。商談成立や商品・サービスの購入後もコミュニケーションを続け、段階に応じてアプローチを行うことで、ファン化やLTV向上が期待できます。一方で、潜在層へのアプローチや、大衆への訴求が難しいという側面があります。
最も一般的な手法は、チラシやカタログ、メールを送付する「ダイレクトメール」です。近年ではSNSの活用も増加しています。具体的な施策の概要とメリット・デメリットは以下の通りです。
施策 | 概要 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
ダイレクトメール | チラシ・カタログ、キャンペーン開催等のお知らせを郵便で送付 | ・Webではリーチできない層に訴求できる ・視覚的にわかりやすく伝えられる ・QRコードの掲載でクロスメディアを実現できる |
・作成、郵送するのに時間やコストがかかる ・効果測定が難しい |
電子メール | メルマガを配信する | ・低予算で運用できる ・顧客の購入確度や趣味・嗜好に合わせた情報を提供できる |
・メール自体を見てもらえない可能性がある |
SNS | Facebook Instagram X(旧Twitter)などで情報を発信する | ・見込み顧客との関係構築ができる ・効果測定ができる |
・中長期的な運用が必要 ・コンテンツに魅力がないと成果が得られにくい ・炎上の可能性がある |
テレマーケティング
テレマーケティングとは、直接訪問せずに、見込み顧客に対して電話でアプローチするマーケティング手法です。アウトバウンドにおけるテレマーケティングは、企業側から顧客へ能動的に架電するのが特徴です。
マスマーケティングやメールなどと比べて、見込み顧客とダイレクトにコミュニケーションを取ることができ、相手の感情や細かいニュアンスなどをヒアリングしやすいというメリットがあります。
アポイントを獲得することを目的とする「テレアポ」に対し、テレマーケティングでは新規顧客の獲得や、顧客満足度向上、顧客のニーズ収集を目的としています。両者は混同されやすいですが、はっきりと違いがあるので覚えておきましょう。
インバウンドマーケティングにおける手法7つ
インバウンドマーケティングにおける以下の主な手法7つと、各手法における代表的な施策について解説します。
- SNSマーケティング
- Webマーケティング
- イベントマーケティング
- 動画マーケティング
- コンテンツマーケティング
- メールマーケティング
- O2Oマーケティング
SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、FacebookやInstagram、X(旧Twitter)、YouTubeなどのソーシャルメディアを用いたマーケティング手法です。 商品認知や販売促進、ブランド力の向上を目的としています。
SNSの普及率やアクティブユーザーは年々高まっており、マーケティング活動において欠かせない施策のひとつとして、多くの企業が各種SNSで公式アカウントを運営しています。
またSNSを活用することで、ユーザーの属性データを収集して、マーケティング活動に活かすことも可能です。ユーザーや口コミも数多く投稿されているので、正直なレビューから情報を収集して、改善策の立案にも役立ちます。
近年では、認知拡大や購買意欲の向上を目的として、SNSで影響力を持つインフルエンサーを起用して自社の商材を紹介してもらう「インフルエンサーマーケティング」も増加しています。
Webマーケティング
Webマーケティングとは、WebサイトやWeb広告、WebサービスなどのWeb媒体を対象範囲とするマーケティング活動のことです。Webサイトや広告で集客を行い、商品購入やサービスの問い合わせなどのコンバージョンへと最終的につなげる一連の流れを指します。
チラシやダイレクトメールなどオフラインの施策では、ユーザーの動きや効果を詳細に把握することは困難でしたが、Webマーケティングでは、行った施策の効果のほとんど全てを数値化することができます。そのため、定量的な効果測定をもとにした施策の改善を行いやすいのが特長です。
代表的な施策としては、Webサイト運用やSEO、Web広告、CRO(コンバージョン率最適化)、EFO(エントリーフォーム最適化)、Webサイトのリニューアルなどがあります。各施策について以下で解説します。
Webサイト運用
現在ではWebサイトを開設していない企業はほとんどないといえるほど、Webサイト運用はマーケティング活動において欠かせない施策です。Webサイトは、Web広告やSNS、メールマーケティングといったほかのオンライン施策、展示会やセミナーといったオフライン施策のハブとなる役目も担い、デジタルマーケティングの要となります。
一口にWebサイト運用といっても、コーポレートサイト、サービスサイト、ECサイト、狭義のランディングページ(LP)など、様々な種類があり、それぞれゴールも異なります。
たとえば、ECサイトなら「購入してもらうこと」、サービスサイトなら「資料請求やお問い合わせ」、コーポレートサイトなら「ブランディング向上や認知」などがゴールとなります。どのサイトでも、Web担当者を立てて運用し、継続的に改善を重ねていくことが重要です。
SEO
SEO(検索エンジン最適化)とは、ユーザーがキーワード検索をした場合に検索結果の上位に表示されるように、検索エンジンに対してWebサイトを最適化することを指します。
記事やWebサイトを評価している検索エンジン(Googleが主流)にコンテンツを高く評価してもらうことで、上位の検索結果に自社サイトを表示することができます。そのためには評価されやすいサイト構造にしておくことと、定期的な記事コンテンツのメンテナンスが欠かせません。
なお、Googleの検索結果では上位に有料広告が表示されることがあり、広告部分には「広告」と表示がされます。SEOは広告に頼らずオーガニック検索(自然検索)での上位表示を目指すための施策です。
Web広告
Web広告とは、Webサイトやメールなどに表示されるWeb上の広告全般のことです。インターネット広告やオンライン広告、デジタル広告ともよばれます。
Web広告の種類としては、リスティング広告、純広告、アドネットワーク、DSP、アフィリエイト広告、ネイティブ広告、SNS広告、動画広告、メール広告など、様々な種類があります。Web広告を活用するメリットはたくさんありますが、主なメリットは以下の3つです。
- 出稿時にターゲット層と近い属性のユーザーを指定できる
- アクセス数やクリック数などのデータを取得できる
- データから効果測定を行い、ROI(投資収益率)を図ることができる
出稿した後の反応をしっかり把握して分析することで、適切なマーケティング予算の配分につなげられるので、費用対効果の向上にも役立ちます。
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イベントマーケティング
イベントマーケティングとは、展示会やセミナー(ウェビナー)などのイベントを開催するマーケティング活動です。主な目的は、見込み客の獲得や育成、ブランディングや認知拡大、既存顧客のフォローなどがあります。
イベントマーケティングを実施することで、多くの見込み顧客との接点を持てる他、自社商品やサービスのアピールにも効果的です。
セミナー(ウェビナー)
イベントマーケティングにおける重要な施策の一つに、自社開催のセミナーもしくはウェビナーがあります。
従来のセミナーは、オフラインで実施されるのが一般的でしたが、新型コロナウイルスの流行をきっかけにウェブ上で実施される形式=ウェビナーが普及しました。オウェビナーの参加者は、インターネット環境さえ整っていればどこでも好きな場所から参加することができるのがメリットです。
セミナー(ウェビナー)では、参加申し込みの際に見込み顧客の情報が取得できるほか、開催後にアンケートを実施することで興味のある内容を詳細に把握することができるので、営業アプローチがしやすくなります。テーマにもよりますが、セミナー(ウェビナー)を接点とする見込み顧客は比較的検討段階が高い傾向にあるため、育成期間も短くなる傾向があります。
動画マーケティング
動画マーケティングとは、動画を用いてサービスや商品、自社の魅力などを発信していくマーケティング手法です。
具体的にはWebサイトやYouTubeにて、商品紹介や製造工程、過去のウェビナーなどの動画を配信します。動画公開後には視聴再生数や視聴者層などの効果測定を行い、成果を分析することが大切です。
視覚的・聴覚的にわかりやすく情報を伝えられる動画は、文章だけでは伝えにくい商品の使い方や利用イメージなども表現できるため、購買意欲をかきたてやすいことも大きなメリットです。ユニークな動画やニーズにあった動画を配信すれば、SNSなどで拡散される可能性は高まり、商品やサービスの認知度や理解度の向上につながります。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、見込み顧客にとって有益なコンテンツ(価値のある情報)を定期的に発信することで信頼関係を構築し、最終的に成約へとつなげていくマーケティング手法です。
たとえば、ホワイトペーパーやブログなどを通して、見込み顧客の「ニーズを満たす」もしくは「悩みを解決する」などの、ポジティブなコンテンツ・体験を提供します。自社で蓄積されている情報を使って社内制作すれば、Web広告よりもコストをかけずに実施が可能です。
コンテンツマーケティングは、有益且つユニークな情報を提供すれば、SNSでの拡散による宣伝効果なども期待できるでしょう。尚、コンテンツには割引券などの「営業行為を目的としたもの」は含まれません。
プレスリリースや調査レポート
プレスリリースの発信や、調査レポートの公開もコンテンツマーケティングの施策の一つです。社会性の高いニュースや独自性のあるコンテンツを発信できれば、見込み顧客だけでなく多くのメディアにも自社へ関心を持ってもらえます。
特に、自社で独自に調査やアンケートを行って結果をまとめたレポートは、他の企業にはないユニークなデータを提供することができるため、メディアに取り上げられやすい傾向にあります。引用やシェア、ブログでの転載などで拡散される可能性もあり、認知拡大が見込めるでしょう。
音声コンテンツ
近年では、ポッドキャストなどの音声コンテンツに注目が集まり、取り入れている企業も増えています。
たとえば、SpotifyやVoicyでのポッドキャストや、オーディオブックなどの人気も高まっています。数年前にはClubhouse(クラブハウス)に代表される「音声SNS」の登場が話題になりました。興味深い情報を発信できれば、認知拡大やファン獲得などに効果があるので、自社の提供するコンテンツが音声コンテンツと相性が良い場合は取り組んでみると良いでしょう。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、製品情報や自社が持つノウハウなど、ユーザーが欲しがるような情報を資料としてまとめてWebサイトなどに掲載するマーケティング施策です。ダウンロードするにはメールアドレスなどの入力が必要があり、情報の提供と引き換えにリード情報が獲得できる仕組みになっています。
Webサイトのコンバージョンは「お問い合わせ」「見積依頼」などが一般的ですが、多少なりとも興味のあるリードを取りこぼさないために設置する「中間コンバージョン」として、ホワイトペーパーの活用が有効です。
リードの検討段階に合わせて複数のホワイトペーパーを用意して、ダウンロードしたホワイトペーパーによって、適切なアプローチを行えば、効率的にリードナーチャリングを実施できます。
メールマーケティング
メールマーケティングとは、メールという手段を用いて行うマーケティング施策です。メールマーケティングには、ステップメール、ターゲティングメール(セグメントメール)、休眠発掘メールなどがあり、いずれもリードナーチャリングの手法として効果的です。
先述したホワイトペーパーのダウンロード時に取得したメールアドレスに配信するほか、セミナーや名刺交換などで得たリード情報を元に、メール配信を行います。MAツールやメール配信ツールなどのツールを利用することで、配信業務の効率化や効果測定を実施できるので、より精度の高いメールマーケティングを行えます。
O2Oマーケティング
O2O(「Online to Offline」の略)マーケティングとは、WebサイトやSNSなどのオンラインから、オフラインでの実店舗やイベントなどへ、見込み顧客を誘導するマーケティング手法です。具体的には以下のような例が該当します。
- Webサイト上にて実店舗で利用できるクーポンを配布する
- SNSを通じて実店舗への来店特典の告知を行う
- Web広告でリアルイベントの集客を行う
逆に、リアル店舗を訪れた顧客が、その後Webサイトで商品を購入する流れを含む場合もあります。リアル店舗を構える企業や、リアルイベントを開催する企業にとって、欠かせないマーケティング施策です。
まとめ
本記事では、混同されやすいマーケティングの「戦略」と「戦術」の違いや、戦略を立てる際に重要な分析手法5つ、マーケティング「戦術」における効果的な手法10選を解説しました。
マーケティング活動を効果的に実施するには、市場や顧客、自社を客観的に分析し、現状を理解した上で、取り組むマーケティング施策や手法を決めることが大切です。本記事で紹介した内容を参考に、自社の課題や目的にあったマーケティング戦略の立案や、戦術を実施してみてください。
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監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子
新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。