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ABM (アカウントベースドマーケティング)とは

2023/12/15 (公開:2021/05/07)

ABM(Account Based Marketing、アカウント・ベースド・マーケティング)は「アカウントをベースとするマーケティング」の意で、この場合の「アカウント」は企業を指します。
ABMは世にある数多くの企業の中から絞り込んだ特定の企業をターゲットとして展開する販売戦略です。MAやCRMといったデジタルマーケティングツールの普及とともに注目度が高まり、BtoB企業のマーケティング戦略において有効な考え方として評価されています。

本コラムでは、ABMはなぜ必要でどのようなメリットがあるのか、また、MAを活用してABMを実践する方法について解説します。

ABMとは

ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)はAccount Based Marketingの頭文字を取ったもので、「アカウント(企業)をベースとするマーケティング」という意味です。
自社の売上や利益に貢献してくれる優良顧客をターゲットとして絞り込む点が特徴で、リード(個人)をターゲットとして展開するBtoCのマーケティング活動とは対を為す考え方だと言えます。

自社に利益をもたらす顧客を選別し、個々に合わせた販売戦略によって利益を最大化するのがABMの手法ですが、これは法人営業の「アカウント営業」で長く実践されてきた活動であり、考え方そのものとしては新しいものではありません。
ただし、ABMでは大手の企業や上顧客を専任で担当する従来の「アカウント営業」にあたる活動をマーケティング部門と営業部門が連携して行う点が特徴です。

ABMはMA(マーケティングオートメーション)やCRMなどのデジタルマーケティングツールが普及したこと、また、ABMの考え方を採り入れたMAツールが増えたことから注目度が高まり、BtoB企業のマーケティング戦略において有効な考え方として評価されています。

ABMが必要な理由

かつて商売の世界では「お客様は神様だ」と言われ、従来のBtoB取引でも取引先企業と下請け企業との間に歴然とした力関係があるのが常でした。しかし現在では取引先を下請けでなく「パートナー」として扱い、対等な関係を持とうとする企業が増えました。
企業は自社の売上や利益に貢献してくれる優良顧客との取引をより重視するようになり、既存顧客だけでなく見込み客や潜在顧客のなかから自社にとって有益な顧客を選別するようになりました。この選別において必要となるのがABMの考え方です。

ABMが必要とされるようになった背景には、マーケティング手法としてCRM(「Customer Relationship Management」の頭文字を取ったもので「顧客関係管理」の意。顧客情報をデータベース化し、さまざまな角度から分析して顧客との関係性を向上させる役割を持つ)が浸透したことにより、LTV(「Life Time Value」の頭文字を取ったもので「顧客生涯価値」の意。ある顧客から生涯にわたって得られる利益を指す)が重視されるようになった点も挙げられます。
CRMにおける重要な指標のひとつであるLTVは、顧客との取引を単発で終わらせるのでなく、良好な関係を維持しながらリピート購入を狙い、取引を何度も重ねるなかで利益の総額を高めようとする考え方です。

LTVを高めるには、自社が理想とする顧客像を顧客の業種・規模などの条件によって定め、集客の段階で、その顧客像に合致するリードに積極的なアプローチを仕掛けて商談化していくことが効率的です。そこで、下図のようなABMの考え方が必要となるのです。

画像引用元: ABMとは?手法・メリット・目標・ツールなど知っておきたい知識をまとめました!

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MA、SFA、CRM それぞれの違いとは?

ABMのメリット

ABMのメリットは、積極的にアプローチすべきリードとそうでないリードを選別することで高いLTVを見込めるアカウント(企業)にリソースを集中させ、マーケティング活動を効率化できる点です。
また、営業とマーケティングの連携がスムースになる点や効果測定がしやすい点もメリットとして挙げられます。次に、ABMの考え方を実践することで得られる主なメリットを3つご紹介します。

1、リソースの無駄と機会損失をなくし、マーケティングを効率化

ABMを実践することで、積極的にアプローチすべきアカウント(企業)が明確になります。限られたリソースを特定のアカウントに集中させることができ、効率的なマーケティングを行えることがABMのメリットです。
リード(個人)をターゲットとするBtoCのマーケティング活動が広く網を張るイメージなら、ABMは槍(やり)でピンポイントにターゲットを狙うイメージです。

2、ターゲットが限られるため効果測定がしやすい

ABMの効果測定の対象となるのは限られた対象顧客であり、データベースに蓄積された膨大な指標を追う必要がありません。
ターゲットにアプローチするのに用いた広告やイベント、メールやWebサイトなどあらゆるキャンペーンの効果を測定しやすく、結論を導き出しやすく改善点を洗い出しやすい点もメリットです。

3、マーケティングと営業の連携がスムースになる

ABMは顧客志向を基本としてマーケティング部門と営業部門が連携するにあたり、最も効果的な方法のひとつだと言われます。 ABMを実践すると、マーケターはアカウント営業と同じ考え方のもとで業務を遂行するようになり、顧客との交渉から商談化、収益化までを一貫して考えられるようになると言われます。
ABMを実践するマーケターは、営業と密接に連携してターゲットを絞り込み、営業プロセス全体でターゲットにアプローチを仕掛けます。
マーケティング、営業、製造などの部門別に顧客管理やアプローチを行う場合に生じる無駄を省ける点もABMのメリットと言えるでしょう。

ABMのデメリット

ABMに特出したデメリットはありません。ただし、顧客管理ツールやMAツールが必要になるため、所持していない場合は導入する所から始める必要があります。

ABMを取り入れると従来の営業方法が変わるので、運用が軌道に乗るまでは営業部門への落とし込みに苦労するかもしれません。たとえば、マーケターが考えるホットリードと営業が考えるホットリードが異なる場合、自分の経験を重視して行動したいと思う営業もいるでしょう。 もしマーケティング部門と営業部門の連携がスムーズに行かない場合、このようなお互いのズレを上手く調整しながら施策を進める必要があります。

またABMは成約までに時間がかかるため、顧客単価が小さい商品を取り扱う場合、投入した工数に見合わない結果となる場合も。個人の利益を最大化する手法のため、アップセルやクロスセルなどで売上を積み重ねる商材のほうが効果が期待できるでしょう。

MAを活用したABMの実践方法

ABMはターゲットとなるアカウント(企業)を絞り込んでマーケティング活動を効率化する点が特徴であるがゆえに、最初の段階でどの企業をターゲットに選ぶかがポイントになります。そこで功を奏するのがMA(マーケティングオートメーション)ツールの活用です。

MAツールとは、見込客のオンラインでの行動をトラッキングしてデータを収集・蓄積し、最適なタイミングでの最適なコミュニケーションを自動化できるツールのことです。
MA活用の際には、前章の図のように見込み客をセグメントし、各層ごとのコミュニケーション施策を実践することが効率的・効果的です。その点でABMの考え方を親和性があると言われます。

ABMの手法では、ターゲットとなるアカウント(企業)を選別したら、コンタクトポイントの創出から始める必要があります。次に、MAを活用する場合のABMの取り組み方の一例をご紹介します。下図もあわせてご参照ください。


参考記事:MA(マーケティングオートメーションツール)とは?

【1】ポテンシャルとステータスの条件を設定する

・既存顧客との取引履歴データなどをもとに、自社が理想とする「最上ランク」の顧客像の条件を決めます。
・マーケティング部門および営業部門での蓄積データとノウハウをもとに、潜在顧客から顧客化までのステータスをセグメントして条件設定を行います。

【2】ターゲットにアプローチを実施する

【1】で決めたセグメントに沿って既存のリード情報やターゲットとなる潜在顧客を分類し、それぞれのセグメントごとに最適と思われるアプローチを実施。ステータスアップを促します。
このとき、「ポテンシャルが高いものの、ステータスが低い」層にはマーケティング部門がアプローチしてナーチャリングを行い、「ポテンシャルが高く、かつステータスも高い」層は「ホットリード」として営業部門へパスするのが基本的な考え方です。

ポテンシャルと見込み度

画像引用元: ABMとは?手法・メリット・目標・ツールなど知っておきたい知識をまとめました!

【3】ターゲットのステータスを把握する

【2】のアプローチの結果、リードがどのような検討フェーズへ遷移したかを把握します。それぞれのステータスアップ・ステータスダウンから、該当のアプローチが最適であったか否かを検証し、改善を図っていきます。

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ABMの考え方がMA活用で必要な理由

ABMの事例

MAツールでテレアポの成功率を上げる

MAツールを使えば、リードがWebサイトに何回訪問したのか、どのようなページを見ているのかがわかります。リードの中でもホットリードになりそうな「特定のページを複数回訪れた人物」をターゲットに絞り、リスト化してテレアポを行うことで成功率の向上が見込めます。

 

リスト化は訪問回数で絞り込めば、ツール上で簡単にできます。手動でピックアップする必要はなく、時間短縮・工数削減も可能です。

ABMにおすすめのツール

MAのほか、以下のツールもABMを進める上で役立ちます。

CRM(Customer Relationship Management)

CRMとは、Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)の略語で、「顧客関係管理」と呼ばれる顧客管理を行うツールを指します。顧客の性別や年齢といった基本情報や、購入日、購入金額などを管理する機能があるほか、個々人の問い合わせ履歴の可視化も可能です。

SFA(Sales Force Automation)

SFAとは、Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)の略語で、日本では「営業支援システム」と訳されます。商談~受注までの進捗状況、営業部門メンバーの行動、その結果や情報の蓄積のほか、積書作成・請求書発行機能などの営業支援機能が搭載されています。営業活動を見える化し、効率化してくれるツールです。

名刺管理ツール

名刺管理ツールを使えば、営業活動で入手した名刺を一括管理して社内に共有でき、個々人で仕舞い込んでいた情報を企業の情報資産にできます。営業担当が誰と会ったのかが管理でき、営業部門とマーケティング部門の連携も取りやすくなるでしょう。名刺管理はMAやCRMなど、他のツールに付属していることも多い機能です。

まとめ

ABMの考え方はBtoBマーケティングの効率化を実現しますが、ターゲットを絞り込むことと並行して、既存の取引先企業の数を増やしてリスクを減らす考え方も必要になります。

MAツールを活用してABMを実践すれば、見込み客のオンラインでの行動をトラッキングしてデータ化し、最適なタイミングで最適なコミュニケーションを自動的に実践することができます。個別の企業にあわせた1to1マーケティングが叶い、商談フェーズでも提案が受け入れられやすくなるでしょう。

13,000社以上に導入されている国産MAツール「BowNow(バウナウ)」は、数多くのBtoB企業の適用ノウハウをもとに、アカウントの選別方法をテンプレート化しています。
ホットリードの抽出にすぐれた「BowNow」なら、既存の見込み顧客リストからのミニマムスタートが可能です。
「BowNow」を活用して、自社のマーケティング施策にABMの考え方を採り入れてみられてはいかがでしょうか。



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