1. TOP
  2. media
  3. コラム
  4. ABMとは?意味と成果に繋がる5つのポイント、役立つツール解説

ABMとは?意味と成果に繋がる5つのポイント、役立つツール解説

(公開:2024/07/30)
ABMとは?意味と成果に繋がる5つのポイント、役立つツール解説

ABMとは、自社における優良顧客に対して、個別のアプローチ方法を考え、LTVを最大化していく営業方法のことです。ABMでは、優良顧客の定義を明確化し、アプローチ企業の課題解決をしていくことで、効率良く売上や利益を伸ばしていきます。

本記事では、ABMとはいったいどのような営業手法なのか、その特徴や他のマーケティング手法との違い、この手法が求められる背景、ABMを支援してくれるツールについてわかりやすく解説していきます。

この記事を読むことで、ABMによる営業手法の特徴や成果を伸ばす5つのポイントが明確になり、売上を改善できる可能性を高められますので、ぜひ参考にしてください。

この記事の無料特典

MAツール『BowNow』概要資料

MAツールの基本から、はじめての導入でも使いやすいMAツール『BowNow』の概要を、まとめてご紹介しています。

無料ダウンロード

ABMとは?

ABMとは、自社にとっての優良顧客を具体的に定義し、それらと同じ特徴を有する企業に対して集中的にアプローチしていく営業手法のことです。ABMによる営業手法を確立できれば、売上への期待値の高い企業に経営資源を集約でき、営業やマーケティングの生産性を高めることができます。

これまでのマーケティング手法では、多様な手段で見込み顧客を集客し、育成しながらアプローチをしていくことが一般的でした。一方で、ABMは自社の優良顧客の定義と合致する企業に対して、個別のマーケティングを展開していきます。たとえば、ABMでは、次のような企業へアプローチをしていきます。

  • 日本の誰もが知るような大企業
  • 自社にとって取引金額の大きい企業

このような企業は、ABMによる手法によって効率良く売上や利益を増やすことができます。そのため、新規顧客の開拓はもちろん、既存顧客のLTVの最大化にも有効ですので、積極的に使っていきましょう。

そして、ABMには同じ手法と認識されやすいマーケティング用語がいくつかあります。ABMへの理解を深めるためにも、それぞれのマーケティング用語との違いについても、正しく理解しておきましょう。

 

ABMとは

 

ABMとリードベースドマーケティングの違い

ABMと リードベースドマーケティングでは、見込み顧客の定義や開拓方法に大きな違いがあります。そもそも、リードベースドマーケティングとは、見込み顧客個人(リード)を対象とするマーケティング・営業手法のことです。一定の母数の見込み顧客に対して幅広くアプローチします。

一方でABMは、事前に対象の企業(アカウント)を決定しておき、集中的にアプローチしていくマーケティング・営業手法です。そのため、限られた対象企業から着実に信頼を得ながら、アプローチ先を増やしていきます。

 

ABMとデマンドジェネレーションの違い

もうひとつ、ABMと混同されやすい用語に「デマンドジェネレーション」があります。 デマンドジェネレーションとは、見込み顧客の獲得や育成、抽出といった一連のマーケティング活動全般のことです。対象となる見込み顧客も幅広く、主にマーケティング組織が主体となって取り組みます。

一方、ABMでは自社の利益につながる企業を優良顧客と定義し、あくまで営業組織が主体となり、マーケティング組織とも連携しながら、対象に対してピンポイントにアプローチを行っていきます。

 

ABMが求められる背景

営業手法としてABMが求められる背景としては、「マーケティングなしでは売上を伸ばすことが難しいから」、「ITにより、ABM実践の環境が整ってきているから」、「LTVを最大化しやすいから」という3つの背景が大きく関係しています。次に、ABMが求められる3つの背景についてご説明します。

マーケティングなしでは売上を伸ばすことが難しいから

これまでの日本の法人営業においては、売上高が大きく伸びている会社ほど営業組織の発言力が大きく、アプローチ方法が確立されているため、そこに変化をもたらすというのは、決して簡単なことではありませんでした。

営業主体の企業では、マーケティングによって売り上げを伸ばすという考え方が根づいておらず、年間売上が10億円以上ある企業でも、マーケターと呼ばれる人がいないということは、決して珍しいことではありません。そのため、営業組織とマーケティングの連携ができず、「お互いが何をしようとしているのか理解できない。」「組織としてのコミュニケーションが成立していない。」といった状況に陥っている会社もあります。

日本にマーケティングが根づいていない大きな理由のひとつに、高度経済成長によって、右肩上がりの市場が続いていたことがあります。そのような売り手市場では、マーケティングの効果を実感することはできません。しかし近年は、インターネットが広がり、世の中に物が溢れている令和の現代では、「営業すれば商品が売れていた時代」から「マーケティングなしでは、お客さまに買ってもらえない時代」へと変わりつつあります。

そのような時代の変化の中で、営業主体の日本企業にマーケティングを根付かせる手段として、ABMへの期待が高まっています。ABMは、営業とマーケティングの双方向のコミュニケーションを可能とし、法人営業の成功率を高めやすいと考えられているのです。

 

ITにより、ABM実践の環境が整ってきているから

日本では、数多くのIT支援ツールが増えており、見込み顧客の集客やデータ分析などを簡単にできるようになりました。たとえば、次のようなIT支援ツールは、ABM実践において欠かせないものとなっています。

  • セールス・フォース・オートメーション(SFA)
  • マーケティング・オートメーション(MA)
  • 顧客管理システム(CRM)

これまで、自社にとっての価値ある企業の見極めや、選定先となった企業へアプローチするには、大きな時間とコストを要するため、ABMは「頭ではわかっているけれど、実践はしづらい営業手法」と思われていました。しかし、数多くのIT支援ツールの登場によって、ありとあらゆる情報をシステム上で扱えるようになり、ABMの実践によって生じる壁はほとんどなくなっています。その結果、「AMBをやってみよう」という声が増えているということなのです。

 

LTVを最大化しやすいから

ABMなら企業価値の高い顧客にピンポイントでアプローチしやすくLTVを最大化しやすいです。

自社と同様の商品やサービスを扱う企業が多い市場環境では、新規顧客を増やし続けるよりも、その会社にとって企業価値の高い顧客の満足度を高め、売上を伸ばす営業手法の方が利益を効率良く得られます。少ない時間と労力でLTVの最大化を実現しやすい点もABMの求められる背景のひとつです。

 

ABMで成果を伸ばす5つのポイント

ABMを成功させるには、さまざまな壁を越えていく必要があります。そこで、ABMによって営業・マーケティングにおける生産性を高めるためのポイントをご紹介します。ABMにおいて成果を伸ばす具体的なポイントは、次のとおりです。それぞれのポイントについて具体的に説明していきます。

ABMの5つのポイント

ポイント1:現状の顧客を分析する

ABMで成果を伸ばすには、現状の顧客分析が欠かせません。自社で優良顧客と定義している会社には、どのような特徴があるのか明らかにする必要があります。

実際に顧客分析をする際は、営業組織とマーケティング組織で共通認識が得られるように、顧客データを信頼性の高いものへと確立し、客観的に定義していく必要があります。具体的には、次のような要素で分析を行っていきます。

  • 会社の業種
  • 会社の業態
  • 拠点となる地域
  • 売上高
  • 従業員の数
  • その他の考えられる要素

基本的には、会社の業種や業態、拠点となる会社の規模などの要素で分析を実施し、優良顧客について明確な定義を行っていきます。

 

ポイント2:アプローチ企業の特定と方法の立案

次に、アプローチ先となる企業の特定と営業方法を立案し、【ポイント1】で定義した優良顧客像に合致する会社をリストアップしていきます。そして、自社製品やサービスの成約に向けて、企業ごとにアプローチに必要な情報を取得して、企業ごとに営業担当者を振り分けます。

しかし、アプローチに必要な情報を企業として有していないということもあるでしょう。その場合は、Webサイトやセミナー、展示会などを開いて、ホワイトペーパーを提供し、アプローチ先の企業の情報取得をしていくことをおすすめします。すでにアプローチ先の企業情報を有している場合は、メールマガジンの配信やセミナー、インサイドセールスによる営業開拓によって継続的な接点を構築し、案件を創出していきます。

 

ポイント3:個別の企業に合わせたアプローチ方法の決定

次に、企業に合わせてアプローチ方法を決定していきます。企業や個人の行動履歴や属性に基づいて、ベストな手法とタイミングで必要な情報やメッセージを届けます。たとえば、アプローチに必要な情報を取得しようと思えば、企業の反応率が高いと思われるホワイトペーパーの提供や類似の状況で聞かれる課題感や成功事例の共有が欠かせません。

また、案件を創出していくには、自社の強みを正しく把握し、アプローチ企業の関心に応じて課題解決につながる言及をすることが効果的です。

 

ポイント4:新規顧客を見極める

次に、新規顧客についてできるだけ早く属性情報を取得し、どの程度の経営資本を投下するかを見極めていきます。アプローチ先の企業となるのかを素早く判断することで、経営資本を無駄にすることなく、効率の良い経営体制を構築できます。

 

ポイント5:検証と改良で効果を最大化する

次に、アプローチ企業について情報を追跡し、検証と改良によってその効果を定量化していきます。どのようなアプローチを実施することで、どれだけ案件化できたのか、それがどの程度の受注につながったのか、すべてを数字で管理していきます。

アプローチ企業の情報取得から受注までは、マーケティング組織や営業組織(インサイドセールスやフィールドセールス)などの多様な組織が関係してくるため、組織間で進捗や成果状況を報告し、認識を統合することでABMの効果を高めることができます。

 

ABM実践のメリットとデメリット

次に、ABM実践におけるメリットとデメリットについてご説明します。

ABMのメリット

ABMには、大きく次の4つのメリットがあります。

  • アプローチに無駄がなくなる
  • PDCAを回しやすい
  • 多様な部署がある環境下でも情報連携がしやすい
  • 自社の経営資本を集中できる

ABMでは、最初から営業先を限定するため、受注までのアプローチに無駄がありません。対象の顧客に合わせたコミュニケーションを行うことから、顧客の変化をタイムリーに把握しやすく、ニーズに合った情報提供も行いやすため、効率良くPDCAを回すことができます。

また、会社内に多様な組織が存在していたとしても、アプローチ先の企業情報を正しく共有できるため、自社の経営資本を無駄にすることなく、LTVの最大化に集中できます。

 

ABMのデメリット

一方で、ABMには、次のようなデメリットがあります。

  • 販売する商品やサービスが少ないと利益が伸びない
  • アプローチ先の企業規模が小さいと利益が伸びない

通常、ABMはアプローチする企業に対して、クロスセル・アップセルによってLTVの最大化を目指していきます。そのため、自社で販売できる商品やサービス数が少ないとなかなか利益が伸びていきません。また、アプローチ先の企業規模が小さい場合も経営資本の投下に対する利益の回収が難しくなります。

 

ABMを支援するツール

ABMでは、次の3つのタイミングに応じて効果的なツールを使っていきます。それぞれのタイミングで役立つABMの支援ツールを次章でご説明します。

  • 顧客開拓と育成のタイミング
  • 商談のタイミング
  • 契約後のタイミング

顧客開拓と育成のタイミング

ABMにおいて新規開拓と顧客育成のタイミングでは、ABMとMAの2つのツールを使っていきます。

ABMツール

ABMツールとは、企業情報の収集やアプローチ先の顧客選定、営業手法の効果検証などをサポートしてくれるABM特化のマーケティング支援ツールのことです。ABMツールは、新規顧客の開拓や育成を得意としており、受注率の高い営業の実現を目的に運用されます。実際に、ABMツールを使うことで、次のことを実現できます。

  • Webサイト上で取得した企業情報の自動処理
  • 特定条件に合致する企業情報のリサーチ
  • アプローチリスト選定によるインサイドセールスの効率化
  • さまざまな部署に存在するデータの統合と横断的な検索の実現

 

MAツール

MAツールとは、顧客に対する一連のマーケティングアプローチにおいて、顧客情報の管理や、顧客に向けた情報発信を効率化するツールのことです。MAツールは、新規の顧客開拓~商談までの流れを効率化し、商談数の最大化を目的に運用されます。実際に、MAツールを使うことで、次のことを実現できます。

  • リードの一元管理
  • メルマガ配信における情報提供の自動化および効率化
  • フォームの作成
  • ホットリードの可視化と通知
  • 分析情報のレポーティング
  • SFAやCRMとの連携 など

このように見込み顧客を集客し、商談に向けての意欲を高め、商談数を最大化していきます。「それぞれのツールで機能に似ているところがあって、2つのツールの違いがよく分からない」と思う方は、ABMツールの運用目的が受注率の高い営業の実現であるのに対して、MAツールは商談数の最大化が運用目的だと思っておくとイメージしやすいかもしれません。

関連記事:MAツールとは?基礎知識から機能・事例までわかりやすく解説

 

商談のタイミング

自社の商品やサービスに対して期待値が高まって企業を商談化させる場合は、SFA(Sales Force Automation)の支援が非常に役立ちます。SFAとは、営業支援システムのことで、営業組織におけるセールスメンバーの行動管理や商談の進捗状況について数字で管理できます。

そして、受注情報についても管理可能となっており、営業アプローチの効率化はもちろん、プロジェクトマネージャーからインサイドセールスとフィールドセールスへのフィードバックを支援してくれます。実際に、SFAツールを使うことで、次のことを実現できます。

  • 顧客情報や営業の進捗状況の一元管理と社内共有
  • セールスメンバーの架電数とアポイント数の管理
  • 商談における具体的な実施内容
  • 商談データの分析
  • 契約に向けてのメール送信

SFA上には、営業に関するあらゆる情報を管理できます。属人性の高いノウハウを言語化し標準化することで、セールスメンバーの技術差をなくし、営業レベルを高めていきます。

 

契約後のタイミング

契約となった顧客に対しては、CRMツールを使って優良な関係性を維持し、アップセルやクロスセルを通じてLTVの最大化を目指していきます。CRMツールとは、顧客の関係管理を支援してくれるツールのことです。実際に、CRMツールを使うことで、次のことを実現できます。

  • 顧客情報の管理
  • 顧客のデータ分析
  • キャンペーン情報の管理
  • アンケートを使った満足度のリサーチ
  • セミナー情報の管理
  • ポイントカードの利用情報の管理

CRMツールを使うと顧客情報を一元管理しやすくなり、顧客の個別状況をすぐに把握できるようになります。たとえば、新規顧客や優良顧客、既存顧客、解約の可能性の高い顧客など、グループに分けた管理が可能となります。これにより、顧客の状況や要望に応じた商品やサービスが提供できるようになり、優良な関係を維持しやすくなります。

関連記事:MAとCRMとSFAの違いは? どれを選ぶべき?それぞれ特性と導入コストを徹底解説

 

営業もマーケターも一緒に使いやすいMAツール『BowNow』とは

MAツールBowNow

 

シンプルな操作性で、営業もマーケターも使いこなせる国内シェアNo.1※のMAツールです。2024年1月時点の導入社数は14,000社を超えています。運用体制が小規模である企業や、ITツールに不慣れな企業、専任のマーケターが在籍していない企業でも安心して導入し、運用できるように開発されています。無料で利用できるフリープランや、成果を出すことに重きを置いたカスタマーサクセスなどが用意されているのも魅力です。

 

ABMテンプレートとは

 

また、ターゲット企業の社員が製品やサービスに興味を持ったタイミングや、検討している可能性のあるタイミングをダッシュボード上に可視化してくれる『ABMテンプレート』機能や、営業担当者に自動で通知してくれる機能があり、ABMの実践をマーケター目線でも営業担当者目線でもフォローしてくれるツールになっています。※出典:株式会社DataSign「DataSign Webサービス調査レポート 2024.06」

詳しくはこちら:MAツール『BowNow』とは

 

まとめ 顧客データを正しく管理・分析し、ABMで成果を伸ばそう

本記事では、ABMとはいったいどのような営業手法なのか、その特徴や成果を伸ばすためのポイントについて解説しました。ABMの実践は、自社にとっての優良企業とはどのような企業なのかを明確に定義し、顧客データを正しく管理・分析することから始まります。

これらのデータ管理や分析には、ABMツールやMAツール、SFAツールなどのIT支援ツールの利用が欠かせません。まずは、ABMで成果を伸ばす5つのポイントを参考に現状の顧客分析を行って、アプローチ先の企業を選定することから始めてみてはどうでしょうか。

この記事の無料特典

MAツール『BowNow』概要資料

MAツールの基本から、はじめての導入でも使いやすいMAツール『BowNow』の概要を、まとめてご紹介しています。

無料ダウンロード

contact

BowNowのサービス概要資料や、
MAツール活用に
役立つ資料を
無料で
ダウンロードできます

サービス資料をダウンロードする

BowNowに関するお問い合わせ、
無料相談は
お気軽に
ご連絡ください

お問い合わせ
アカウント発行