【図解で解説】ABMとは?アカウントベースドマーケティングを簡単にわかりやすく解説

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは、自社にとっての優良顧客を具体的に定義し、同じ特徴を持つ企業に集中的にアプローチすることでLTVを最大化していく営業・マーケティング手法のことです。
従来の「幅広くリードを集める」アプローチとは異なり、ターゲット企業ごとに個別の戦略を設計するため、限られたリソースで効率よく売上や利益を伸ばすことができます。
本記事では、ABMの基本的な考え方から進め方・支援ツールとの関係まで網羅的に解説します。「ABMを始めたいが何から手をつければよいかわからない」という方も、自社に合った進め方のイメージを持てるようになりますので、ぜひ参考にしてください。
狙った企業から、更に商談を増やす!
ABMを効率化するMAの活用ステップ3つ
ABM(アカウントベースドマーケティング)を効率化するMAの運用について、キーとなる考え方と運用方法を3つのステップで解説します。
目次
ABM(アカウントベースドマーケティング)とは?
ABM(アカウントベースドマーケティング)とは、自社にとっての優良顧客を具体的に定義し、それらと同じ特徴を有する企業に対して集中的にアプローチしていく営業手法のことです。ABMによる営業手法を確立できれば、売上への期待値が高い企業に経営資源を集約でき、営業やマーケティングの生産性を高めることができます。
これまでのマーケティング手法では、多様な手段で見込み顧客を集客し、育成しながらアプローチをしていくことが一般的でした。一方で、ABMは自社の優良顧客の定義と合致する企業に対して、個別のマーケティングを展開していきます。たとえば、ABMでは、次のような企業へアプローチをしていきます。
- 自社にとって取引金額の大きい企業
- 部門開拓や担当者開拓に注力しないとキーマンに出会えないような大企業
このような企業は、ABMによって効率良く売上や利益を増やすことができます。新規顧客の開拓はもちろん、既存顧客のLTVの最大化にも有効ですので、積極的に使っていきましょう。
なぜABMがBtoBマーケティングで重要なのか?
BtoBの購買においては、多くの場合、複数の部署や役職者が関与し、時間をかけて慎重に検討されます。
そのため、広範囲の見込み顧客に一律のアプローチをする通常のマーケティング施策だけでは、それぞれのニーズや関心に合わせた情報提供が難しく、効果的な関係構築や商談化につながらないことがあります。
ABMは、ターゲットアカウント内のキーパーソンを特定し、それぞれの役割や課題に合わせた情報提供を行うことで、複雑な購買プロセスを円滑に進めることができるため、近年BtoBマーケティングにおいての重要性が高まっています。
ABMの果たす3つの役割
ABMには、主に3つの重要な役割があります。
①精度の高いターゲティング
ABMの大きな特長のひとつが、ターゲティングの精度です。これまでのマーケティングでは、幅広い見込み顧客を集めることが目標とされてきました。
しかしABMでは、あらかじめターゲットとなる企業を選び、絞り込んだ相手に集中的にアプローチを行います。これにより、ムダを抑えた効率的な施策が展開しやすくなります。
さらに、営業とマーケティングが同じゴールを共有しながら連携して取り組める点もABMの魅力です。
②アカウントとの関係強化
ABMでは、ターゲット企業ごとに最適なアプローチを設計します。画一的な施策ではなく、相手の関心や課題に寄り添った提案を届けることで、「自社のために用意された情報」として受け止められやすくなります。
Webコンテンツやメール、営業訪問など、オンラインとオフラインを組み合わせることで接点を継続的に持つことが可能です。
③ROIを最大化する
ABMは、選定した企業にリソースを集中させることで、ROI(投資対効果)の向上を目指します。あらかじめ対象を絞っておくため、広告費や営業活動のムダを抑えつつ、効果が見込める相手にしっかりアプローチすることができます。
また、新規顧客だけでなく、既存顧客に対するクロスセル・アップセルにも有効です。
ABMと従来のマーケティングの違い
ABMと従来のマーケティングには、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、「デマンドジェネレーション」「リードベースドマーケティング」との違いについて詳しく解説します。
ABMとデマンドジェネレーションの違い
デマンドジェネレーションとは、見込み顧客の獲得・育成・抽出といったマーケティング活動全般を指します。対象となる見込み顧客も幅広く、主にマーケティング組織が主体となって取り組むのが一般的です。
一方ABMでは、自社の利益につながる企業を優良顧客と定義し、営業組織が主体となりマーケティング組織とも連携しながら、対象に対してピンポイントにアプローチを行っていきます。
ABMとリードベースドマーケティングの違い
リードベースドマーケティングは不特定多数のリード(個人を特定できる見込み顧客)を対象とし、あらゆる手法で幅広くアプローチします。
一方でABMは、事前に対象企業(アカウント)を決定しておき、集中的かつ継続的にアプローチしていく手法です。アプローチ企業数は必然的に絞られ、定期的なコミュニケーションと提案で着実に信頼を積み上げていく点が大きな違いです。
ABM(アカウントベースドマーケティング)が注目される背景
ABMが求められる背景には、大きく「営業とマーケティングの連携の必要性」「ITツールの普及」「LTV最大化ニーズの高まり」という3つの変化があります。さらに、日本特有の商習慣も影響しており、近年ようやくその壁が崩れつつあります。
ここでは、ABMが注目される背景について詳しく解説します。
営業とマーケティング、どちらかだけで売上を伸ばすことが難しいから
日本の法人営業は、海外と比べて「マーケティングを活用して売上を伸ばす」という考え方がまだ根づいていません。近年ではインターネットやSNSの活用も広がり、顧客の情報収集手段も多様化し、競合企業・類似サービスも増加しています。
「営業活動に注力さえすれば売れる時代」から「質の高い情報提供でお客様に選んでもらう時代」へと変化する中で、ABMは営業とマーケティングの双方を活用した双方向コミュニケーションを可能とし、法人営業の成功率を高める手法として注目されています。
ITにより、ABM実践の環境が整ってきているから
SFA・MA・CRMなどのIT支援ツールの普及により、かつては「頭ではわかっているけれど実践が難しい」と言われていたABMも、現在では多くの企業が取り組みやすい環境になっています。
- セールスフォースオートメーション(SFA)
- マーケティングオートメーション(MA)
- 顧客管理システム(CRM)
そのため、ターゲット企業の見極めやアプローチにかかる時間・コストが大幅に削減され、「ABMをやってみよう」という声が増えています。
LTVを最大化しやすいから
類似商品・サービスが増える市場環境では、新規顧客を増やし続けるよりも、企業価値の高い顧客の満足度を高め売上を伸ばすほうが効率的に利益を得られます。
ABMは企業価値の高い顧客にピンポイントでアプローチしやすく、少ない時間と労力でLTVの最大化を実現しやすい点も注目される理由のひとつです。
日本企業でABMが浸透しにくかった理由と、いま変化している点
日本では長らく、「足で稼ぐ」文化と属人的な営業スタイルが主流でした。
営業とマーケティングが別組織として機能し、データよりも個人の経験や勘が優先される傾向があったため、ABMのようなデータ主導・組織横断の手法は浸透しにくい環境にありました。
しかし近年は、インサイドセールス(IS)の台頭によって営業プロセスが分業化され、マーケ・IS・フィールドセールスの役割が明確になりつつあります。
さらに、弊社のMAツール「BowNow」のように、ツール側でターゲット企業の「温度感」を自動可視化できる仕組みが整ってきたことで、属人的な営業に頼らずともABMを実践しやすい環境が生まれています。
ABM(アカウントベースドマーケティング)のメリットとデメリット
ABMは大きなメリットがある一方で、向いていないケースもあります。導入前に両面をしっかり理解しておきましょう。
【メリット・デメリット 比較表】
| メリット | デメリット |
|---|---|
| アプローチに無駄がなくなる | 販売商品・サービスが少ないと利益が伸びにくい |
| PDCAを回しやすい | アプローチ先の企業規模が小さいと利益が伸びにくい |
| 多様な部署がある環境下でも情報連携がしやすい | データ整備・ツール導入に初期コストがかかる |
| 自社の経営資本を集中できる | 営業とマーケの連携体制の構築に時間がかかる |
ABM(アカウントベースドマーケティング)のメリット
ABMの主なメリットは以下の4点です。
- アプローチに無駄がなくなる:最初から営業先を絞り込むため、受注可能性の低い企業への時間・コストを削減でき、営業効率が向上します。
- PDCAを回しやすい:ターゲット企業が明確なため、各社の反応や行動データを細かく追いやすく、施策の改善サイクルを速く回せます。
- 多様な部署がある環境下でも情報連携がしやすい:営業・IS・マーケティングがターゲット企業という共通の軸で動くため、部署間の情報共有がスムーズになります。
- 自社の経営資本をLTVの高い顧客に集中できる:価値の高い顧客に人・時間・予算を集中させることで、少ない投資で大きなリターンを得やすくなります。
ABM(アカウントベースドマーケティング)のデメリット
一方で、以下の3点は導入前に把握しておくべきデメリットです。自社への適性を判断したうえで導入を検討しましょう。
- 販売する商品やサービスが少ないと、クロスセル・アップセルが難しく利益が伸びにくい:提供できるラインナップが限られていると、関係を深めた後の収益拡大に限界が生じやすくなります。
- アプローチ先の企業規模が小さいと、経営資本の投下に対する利益回収が難しくなる:1社あたりの期待収益が小さいと費用対効果が合わなくなるリスクがあるため、アカウント選定の段階で取引ポテンシャルを慎重に見極める必要があります。
- データ整備や社内体制の構築に初期コストがかかる:顧客データの整備・ツール導入・連携体制づくりなど、立ち上げ段階での準備が欠かせません。
ABMの3つの進め方(スモール/ミッド/ラージモデル)
ABMは「どの規模・深度でアプローチするか」によって、スモール・ミッド・ラージの3つのモデルに分類できます(ABMのパイオニアといわれる、ITSMAのABMフレームワークに基づく分類です)。
自社のリソースと狙うアカウントの規模に合わせて選択するのがポイントです。
| 項目 | スモールモデル | ミッドモデル | ラージモデル |
|---|---|---|---|
| 対象アカウント数 | 数社〜十数社 | 数十社〜100社程度 | 100社以上 |
| 主なアプローチ | 完全1on1・役員面談 | セグメント別のコンテンツ | デジタル施策・一斉配信 |
| メインリソース | 営業中心 | IS+営業 | マーケ+IS |
ABMスモールモデル(特定の数社に1on1で深く入り込む)
スモールモデル(One-to-One ABM)は、年商100億円以上の大企業など、極めて高い戦略的価値を持つ数社に絞り込み、専任チームで完全個別対応するモデルです。
役員クラスとの関係構築・業界特化コンテンツの制作・個別の提案書作成など、深いカスタマイズが求められます。投下リソースが最大になる一方、成功時のリターンも最大です。
ABMミッドモデル(数十社単位でセグメント別にアプローチ)
ミッドモデル(One-to-Few ABM)は、共通の課題・業界・規模などでセグメント化した数十〜100社程度に対して、セグメント別にカスタマイズしたアプローチを行うモデルです。
インサイドセールスと連携して架電・メール配信を行いながら、マーケティング側はセグメント特化コンテンツを提供します。
ABMラージモデル(業界・条件で絞った企業群へ展開)
ラージモデル(One-to-Many ABM)は、業界・従業員規模・地域などの条件で絞り込んだ100社以上の企業群に対し、デジタル施策・コンテンツマーケティング・メール一斉配信などのスケーラブルな手法でアプローチするモデルです。
マーケティング部門が中心となり、MAツールとデジタル広告を組み合わせて効率的にリーチします。
ABMを実践する手順5ステップ
ABMを成功させるには、「ターゲット定義→企業特定→アプローチ設計→検証改善→体制整備」という5つのステップを順番に実践することが重要です。
各ステップで営業・IS・マーケティングが役割を分担しながら連携することが、ABMの成果を最大化します。
| ステップ | ステップ名 | 実施内容 |
|---|---|---|
| STEP 1 | ターゲットとなる顧客を定義する | 業種・業態・規模・売上高などで優良顧客の条件を明確化する |
| STEP 2 | アプローチ企業と営業担当者を決める | 優良顧客像に合致する企業をリストアップし、担当者を振り分ける |
| STEP 3 | 個別企業に合わせたアプローチを決定する | 行動履歴・属性に基づき、最適なコンテンツと接触タイミングを設計する |
| STEP 4 | 検証と改善で効果を最大化する | 案件化率・受注率などをデータで管理し、営業・マーケ間でPDCAを回す |
| STEP 5 | 体制整備とモニタリングを行う | KPIを設定し、営業・IS・マーケが連携する体制を整え、継続改善する |
STEP1. ターゲットとなる顧客を定義する
ABMで成果を伸ばすには、現状の顧客分析が欠かせません。自社で優良顧客と定義している会社にはどのような特徴があるのか明らかにする必要があります。
営業組織とマーケティング組織で共通認識が得られるよう、会社の業種・業態・拠点となる地域・売上高・従業員数などの要素で分析を実施し、優良顧客の定義を客観的に確立します。
- 会社の業種
- 会社の業態
- 拠点となる地域
- 売上高
- 従業員の数
- その他の考えられる要素
STEP2. アプローチする企業と、営業担当者を決める
優良顧客像に合致する会社をリストアップし、企業ごとにアプローチに必要な情報を取得して、担当者を振り分けましょう。情報が不足している場合は、Webサイト・セミナー・展示会などでホワイトペーパーを提供し情報取得を進めます。
すでに情報がある場合は、メルマガ・インサイドセールスによる継続的な接点構築で案件を創出していきます。
STEP3. 個別の企業に合わせたアプローチ方法を決定
企業や個人の行動履歴・属性に基づき、ベストな手法とタイミングで情報やメッセージを届けます。
ホワイトペーパーの提供・成功事例の共有・課題解決につながる提案など、アプローチ企業の関心に応じたコンテンツを用意することが重要です。
STEP4. 検証と改善で効果を最大化する
アプローチ企業について情報を追跡し、どのようなアプローチを実施することでどれだけ案件化できたのか、それがどの程度の受注につながったのか、すべてを数字で管理します。
組織間で進捗・成果状況を定期共有し、認識を統合することでABMの効果を高めます。
STEP5. 体制整備とモニタリングを行う
ABMの継続的な成果には、KPIの設定と定期的なモニタリングの仕組みを整えることが欠かせません。具体的には、アカウント別のアクセス数・メール開封率・商談化率・受注率などの指標を設定し、マーケ・IS・営業が一体となってPDCAを回せる体制を構築します。
また、どの組織が・どのフェーズで・どのタスクを担うかを明文化しておくことで、連携ミスやアプローチ漏れを防ぐことができます。

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ABMを効率化するMAの活用ステップ3つ
この資料では、以下のことを紹介しています。 ✔ MA活用の落とし穴 ✔ ABM(アカウントベースドマーケティング)とは ✔ MAを活用し、効率的なABMを実践する3ステップ
クラウドサーカスが推奨するABMの進め方:マーケ・IS・営業の役割を明確化する
ABMを成功させる鍵は、マーケティング・インサイドセールス(IS)・フィールドセールス(営業)の3部門が、企業規模と営業フェーズに応じて役割を明確に分担することにあります。
クラウドサーカスでは、16,000社以上のBowNow導入実績をもとに、企業規模(ランク)ごとに「誰が・どのフェーズで・どんなアクションをとるか」を明文化したアプローチモデルを推奨しています。
企業規模(ランク)ごとの役割分担モデル
以下の表は、企業規模をA・B・Cの3ランクに分類し、それぞれのフェーズ(潜在〜受注)でどの部門がどのタスクを担うかを整理したものです。
「誰が何をするか」を事前に決めておくことで、連携ミスやアプローチ漏れを防ぎ、ABMの精度が大きく向上します。
| 企業規模 | 潜在 | 顕在化 | アポ見込み | アポ | 訪問済 | 案件化 | 受注 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| A(年商100億以上) | メルマガ (マーケ) |
電話 (IS) |
電話 (IS) |
訪問 (営業) |
定期連絡・追客メール (営業) |
追客 (営業) |
フォロー (営業) |
| B(年商1億〜100億) | メルマガ (マーケ) |
個別メール・フォームDM (マーケ) |
電話 (IS) |
訪問 (営業) |
追客メール (営業) |
追客 (営業) |
メルマガ (マーケ) |
| C(年商1億未満) | メルマガ (マーケ) |
個別メール・フォームDM (マーケ) |
電話 (IS) |
Web商談 (IS) |
追客メール (IS) |
追客 (IS) |
メルマガ (マーケ) |
【表の見方】
- ランクA(年商100億以上):高単価・高関与のため、IS→営業の手厚いバトンタッチが基本。定期連絡・追客はフィールドセールスが直接対応。
- ランクB(年商1億〜100億):マーケが個別メール・フォームDMで顕在化を促し、ISが電話でアポを獲得。商談以降は営業が対応。
- ランクC(年商1億未満):マーケ・ISがWebおよびデジタル接点で完結させ、フィールドセールスのリソースを集中させない設計。
このモデルでは、BowNowのABMテンプレートを活用することで、各ランクのターゲット企業がどのフェーズにいるかをリアルタイムで可視化できます。
条件を満たした企業が「アツい状態」になったタイミングでマーケやISに自動通知が届くため、見込み顧客を逃さずに適切な部門へバトンタッチすることができます。
ABMで成果を出すためのアカウント選定5つのポイント
ABMを成功へ導くには、「アカウント選定」が最も重要なステップです。自社にとって価値あるアカウントを見極めるには、複数の視点から慎重に判断する必要があります。
| ポイント | 確認すべき観点 | 具体例 |
|---|---|---|
| ①課題解決できるか | 自社製品が相手の経営課題を解決できるか | 導入後の工数削減・売上向上などを試算 |
| ②利益を最大化できるか | 取引額だけでなくサポートコストも考慮 | 対応工数が少なく安定契約が見込める |
| ③関係強化の余地があるか | 既存接点を活かしクロスセルできるか | 過去の案件・紹介実績を確認 |
| ④LTVを最大化できるか | 長期的・継続的な収益が見込めるか | 契約継続率・拡張余地を評価 |
| ⑤市場影響力があるか | 業界内での認知度・波及効果があるか | 業界リーダー企業を早期に取り込む |
アカウントが抱える課題に対し、自社が解決策を提供できること
たとえ企業規模が大きく魅力的に見えても、自社が貢献できる余地がなければ、信頼関係を築くことは難しくなります。
まずターゲット企業の経営課題・業務上の悩みを調査・分析し、自社の商品・サービスがどのように役立つかを明確にしてからアプローチを設計しましょう。
売上だけでなく、利益を最大化できること
取引額が大きくても、サポート対応や価格交渉が多い場合は利益が減ってしまうことがあります。
売上規模に加え、継続的な取引の可能性やサポートコストの軽さなど、利益に直結する要素にも目を向けましょう。
アカウントとさらに関係性を強化できること
ターゲットを選ぶ際には、「今後より強い関係を築ける可能性があるか」も検討材料となります。すでに接点がある企業の中には信頼関係を強化しやすい相手もいます。
既存の取引をベースに新たな提案を行えば、クロスセル・アップセルの機会が広がります。
LTVを最大化できること
アカウントを選ぶ際には、短期的な契約額だけでなく、長期的な収益につながるかどうかにも注目しましょう。
継続的な利用が見込める企業や、導入範囲の拡大余地がある企業はLTVの向上が期待できます。
ターゲット市場や業界に影響を与えられること
業界内で認知度や影響力の高い企業を早期に取り込むことで、ABMの成果をより広げやすくなります。
業界リーダー企業との取引実績は、他企業への波及効果を生み、新たな商談のきっかけにもなります。
ABMを支援するツールとCRM・SFA・MAの関係
ABMでは、顧客開拓・商談・契約後という3つのフェーズに応じて効果的なツールを使い分けることが重要です。各ツールの役割と連携を正しく理解することで、ABM全体の精度が高まります。
| フェーズ | 主なツール | 役割 | BowNowとの連携 |
|---|---|---|---|
| 顧客開拓・育成 | MAツール / ABMツール | リード管理・ホットリード可視化・メール自動化 | BowNowが中心的役割を担う |
| 商談 | SFA | 行動管理・商談進捗管理・受注情報管理 | SFAと連携しシームレスにデータ共有 |
| 契約後 | CRM | 顧客関係管理・LTV最大化・アップセル | CRMと連携し顧客情報を一元化 |
顧客開拓・育成フェーズに役立つABMツール・MAツール
ABMツール
ABMツールとは、企業情報の収集やアプローチ先の顧客選定、営業手法の効果検証などをサポートするABM特化のマーケティング支援ツールです。
Webサイト上で取得した企業情報の自動処理・特定条件に合致する企業情報のリサーチ・アプローチリスト選定によるISの効率化などを実現します。
- Webサイト上で取得した企業情報の自動処理
- 特定条件に合致する企業情報のリサーチ
- アプローチリスト選定によるインサイドセールスの効率化
- さまざまな部署に存在するデータの統合と横断的な検索の実現
MAツール
MAツールとは、顧客情報の管理や、顧客に向けた情報発信を効率化するツールのことです。リードの一元管理・メルマガ配信の自動化・ホットリードの可視化と通知・SFAやCRMとの連携など、商談数の最大化を目的に運用されます。
- リードの一元管理
- メルマガ配信における情報提供の自動化および効率化
- フォームの作成
- ホットリードの可視化と通知
- 分析情報のレポーティング
- SFAやCRMとの連携 など
ABMツールが「受注率の高い営業の実現」を目的とするのに対し、MAツールは「商談数の最大化」が主な目的です。
商談フェーズを支えるSFA
SFA(Sales Force Automation)は、営業組織のセールスメンバーの行動管理や商談の進捗状況を数字で管理できる営業支援システムです。顧客情報・商談進捗の一元管理・架電数・アポイント数の管理・契約に向けたメール送信などを実現します。
属人的なノウハウを標準化し、セールスメンバー間の技術差をなくして営業レベルを高めていきます。
- 顧客情報や営業の進捗状況の一元管理と社内共有
- セールスメンバーの架電数とアポイント数の管理
- 商談における具体的な実施内容
- 商談データの分析
- 契約に向けてのメール送信
契約後のフェーズを支えるCRM
契約となった顧客に対しては、CRMツールを使って優良な関係性を維持し、アップセルやクロスセルを通じてLTVを最大化していきます。
顧客情報の管理・データ分析・アンケートによる満足度リサーチ・セミナー情報の管理など、顧客をグループ別に管理し状況や要望に応じた商品・サービスが提供できるようになります。
- 顧客情報の管理
- 顧客のデータ分析
- キャンペーン情報の管理
- アンケートを使った満足度のリサーチ
- セミナー情報の管理
- ポイントカードの利用情報の管理
ABMとCRMの関係 — 既存顧客のLTV最大化におけるCRM活用のメリット
ABMとCRMは、既存顧客のLTVを最大化するうえで特に密接な関係があります。
CRMで蓄積した顧客の購買履歴・課題・コミュニケーション履歴を、ABMのターゲット選定やアプローチ設計に活用することで、既存顧客への提案精度が大幅に向上します。
具体的なメリットとしては以下が挙げられます。
- 顧客データの一元管理により、営業・IS・マーケが同じ情報をもとに動ける
- 顧客の購買パターン分析から、クロスセル・アップセルのタイミングを最適化できる
- 顧客満足度データをもとに解約リスクを早期検知できる
- 契約後の継続支援を仕組み化し、リピート・紹介につながりやすくなる
ABM実践における課題と対処法
ABMはBtoBマーケティングにおける有効なアプローチですが、導入や運用にはいくつかの課題があります。代表的な課題とその対応策を事前に把握しておくことで、スムーズな立ち上げにつながります。
データの管理
ABMでは、ターゲット企業の情報を正確に扱う必要があります。業種・企業規模・課題・行動履歴など多くのデータを整理できていなければ、的確なアプローチは難しくなります。
早い段階でCRMやMAツールを導入し、情報を一元管理することで、チーム内連携もスムーズになります。
リソースの配分
ABMでは企業ごとに個別対応が求められるため、人手や時間の負担が大きくなりがちです。
優先度に応じた段階的なアプローチが有効で、特に成果につながりやすい「重点アカウント」を早期に選定し体制を整えることで、限られたリソースを効果的に活用できます。
営業とマーケティングの連携
ABMの成功には営業とマーケティングの連携が欠かせません。
ABMの立ち上げ時点から両部門でターゲットアカウントの選定や施策の方針を共有し、定期的に進捗や課題を共有する場を設けることが重要です。
長期的な追客が必要
ABMは信頼を築きながら関係性を深めていくアプローチのため、結果が見えるまで時間がかかる場合もあります。大手企業を対象とする場合は関係者が多く、検討期間が長期化しやすい傾向があります。
最終目標だけでなく、Webアクセス数・セミナー参加などの中間目標を設定しておくことで、チームの意欲を維持しながら前進できます。
効果測定が難しい
ABMでは企業ごとに施策を展開するため、効果の可視化が難しい場面があります。
「対象アカウントからのアクセス数」「メール開封率」「商談化の割合」「アカウント単位の売上」など複数の観点を組み合わせて評価することで、より実態に近い効果測定が可能になります。
ABMはすべての企業に向いている戦略ではない?導入を検討すべき企業の基準
ABMは強力な手法ですが、すべての企業・商材に適しているわけではありません。導入の前に、自社がABMに向いているかどうかを以下の基準で確認しましょう。
| 判断基準 | ABMが向いている | ABMが向いていない |
|---|---|---|
| 商材単価 | 高単価(数百万円〜) | 低単価・量販型 |
| ターゲット企業数 | 絞り込める(数十〜数百社) | 市場が広く絞り込みが難しい |
| 営業リソース | 営業が個別対応できる体制 | 営業人員が極端に少ない |
| 既存顧客のLTV | 高い・拡大余地がある | 単発取引が多い |
| 競合環境 | 特定企業を深く囲い込む必要がある | 広く薄くシェアを取る戦略 |
ABMが特に向いているのは、高単価商材を扱い、ターゲット企業を絞り込めるBtoB企業です。一方で、低単価・量販型の商材や、広く薄くシェアを取る戦略をとる企業には、リードベースドマーケティングやデマンドジェネレーションのほうが適している場合があります。
「ABMをやってみたいが、専任マーケターがいない」「営業主導の組織でも始められるか不安」という方には、BowNowのABMテンプレートが有効です。
ターゲット企業の見込み度を自動で可視化し、条件に合致したタイミングで通知が届くため、営業部門だけでもABMの第一歩を踏み出すことができます。クラウドサーカスでは16,000社以上の導入実績をもとに、組織の状況に合った最適なABMの進め方をご提案しています。
ABMの実践を後押しする!営業もマーケターも使いやすいMAツール『BowNow』
BowNowは、現在16,000社以上に導入されている国内シェアNo.1※のMAツールです。少人数のマーケ組織や、専任のマーケターが在籍していない営業部門でも運用できるよう、「簡単で使いやすい機能」「シンプルな操作性」にこだわり開発されています。
導入後のカスタマーサクセスも充実しており、売上・商談を増やすことにフォーカスしたMAの活用方法などについてもアドバイスを受けられます。
※出典:株式会社DataSign「DataSign Webサービス調査レポート 2024.06」
詳しくはこちら:MAツール『BowNow』とは
また、BowNowには、ターゲット企業の社員の見込み度を自動で可視化してくれる独自機能『ABMテンプレート』が搭載されています。ABMテンプレートは、一定の条件に合致した顧客を「いま商談すべき、アツい見込み顧客」として自動で見える化し、条件に合致したタイミングでお知らせが届くよう設計されています。
これにより優先度高く接触すべき見込み顧客に対して、営業部門・マーケティング部門から連絡をとりやすくなり、売上や商談を増やす機会を能動的につくることができます。
詳しくはこちら:ABMテンプレートとは
ABMテンプレートの活用で成果を出している企業事例2選
MAツールBowNowの「ABMテンプレート」を活用し、成果を出している企業の事例をご紹介します。
MA導入で問い合わせ数が2倍に!受注率も9%から30%に上昇|アーティサン株式会社
アーティサン株式会社は、Azure・SharePoint・Power PlatformといったMicrosoftの技術を中心にしたITコンサルティングや設計・構築支援を行っている会社です。もともとインバウンド営業を主体としていましたが、問い合わせ件数が少なく安定的に案件を獲得することが難しい状況が続いていました。
そこでBowNowを導入し、ホワイトペーパーの制作・メール配信・Webサイト導線の見直しと並行して、ABMテンプレートを活用した顧客のステータス分けと架電によるアプローチを実施。その結果、月5件だった問い合わせが2倍の10件に増加し、受注率も9%から30%にUPしています。
ABMテンプレートでキャリア支援プログラムの参加者状況を見える化|一般財団法人エン人材教育財団
エン人材教育財団様は、就業を希望する若者や仕事を通じた成長をめざす人に対し、中立な立場で成長を支援する団体です。2,000〜3,000名のリストをExcelで管理し、案内・リマインドメールをすべて手作業で送っていたため、業務効率化の目的でBowNowを導入しました。
導入後はリストをBowNow内に一元管理し、ABMテンプレートを活用して参加者のステータスを可視化。
縦軸を「学年」・横軸を「参加ステータス」・タグで「地域」に設定し、各参加者の状況に合った情報をメールで効率的に送れるようになりました。また、メールトラッキング・分析により参加者からの需要が高いテーマの傾向把握も実現しています。
まとめ 顧客データを正しく管理・分析し、ABMで成果を出そう
本記事では、ABMの基本的な考え方・背景・メリットデメリット・3つのモデル・5ステップの実践手順・アカウント選定のポイント・支援ツールとの関係・課題と対処法・適合基準について解説しました。
ABMの実践は、自社にとっての優良企業とはどのような企業なのかを明確に定義し、顧客データを正しく管理・分析することから始まります。
そして、マーケ・IS・営業の3部門が企業規模とフェーズに応じた役割分担のもとで連携することが、ABMの成果を最大化するポイントです。
「まず小さく始めてみたい」という方は、BowNowのABMテンプレートを活用することで、専任マーケターがいない組織でもABMの第一歩を踏み出すことができます。ぜひ参考にしてください。
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この資料でこんなことがわかります!・MA活用の落とし穴 ・ABM(アカウントベースドマーケティング)とは ・MAを活用し、効率的なABMを実践する3ステップ
監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子

新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。









