メールマーケティングとは?基礎知識やメリット、実施方法5ステップから成功事例まで解説
メールマーケティングとは、メールを用いて顧客とコミュニケーションをとり、最終的にコンバージョンへと導くデジタルマーケティング手法です。能動的なアクションを取っていないもののニーズがある人へ適切なタイミング・内容のコンテンツを送付し、アプローチやナーチャリングを実施します。
近年ではSNSなどの普及が進み、一部ではメールマーケティングは古いという声も聞かれます。しかし、メール利用者数は2020年代も増加し続け、マーケティングにおいて見逃せない領域であることは間違いありません。
本記事では、コミュニケーション・ツールのひとつとして大きな役割を担うEメールを用いたメールマーケティングについて説明するとともに、なぜメールマーケティングが今もなお重要な施策であるかをご説明します。
はじめてならまずここから!
メールマーケティングのすすめ
「メールマーケティングに取り組みたいと思っているが、何からやっていいかわからない」「コストをかけずに、まずは身近なメールを使って顧客にアプローチしたい」という方向けにメールマーケティングの基礎から明日から役立つTipsまでわかりやすくおまとめしました。
メールマーケティングとは?
メールマーケティングとはメールを用いたデジタルマーケティング手法の一つです。保有するリストに対してメールを送付することで、見込み顧客へのアプローチを行ったり、反応に応じたアクションを取る一連の活動を指します。
メールマーケティングの種類はメール広告、メールマガジン、ステップメールなど様々な手法が存在し、それらのメールを用いて潜在顧客やリード、顧客とコミュニケーションを取り、意図する行動を取ってもらえるように促します。その歴史は長く、メールがこの世に生み出されてきてから長く用いられてきました。
まずはメールマーケティングがどのように実施されてきたのか、歴史から振りかえってみましょう。
メールマーケティングの歴史
メールマーケティングを理解するにあたって、メールマーケティングがこれまで辿ってきた歴史を簡単にみていきましょう。
メールマーケティングは、1990年代後半に登場した「メール広告」によって始まります。その頃メールが一般的に利用されるようになって登場した「メール広告」は、その後マーケティングの一般的な手法としての「メールマガジン」へと進化します。そしてひとまずメルマガが登場すると、その発信力は徐々に大きくなっていったのです。
そして2010年になるとWebサイトやECサイト、SNSの企業アカウントを持つ企業が増加。メルマガは「Webサイト更新のプッシュ通知機能」及び、店舗などの「リアルとデジタルの複数メディアをつなぐ役割」へと変化していきました。
SNSの台頭などによって一見廃れたかのように思えたメールマーケティングですが、 2015年になってMAの効果測定によりその有効性が明らかになり、今では主要なマーケティング手法の一つとして地位を確立しました。
なぜ今メールマーケティングが必要なのか?
2023年6月に総務省から発表された「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、
近年ではSNSがコミュニケーションツールの主流になってきているものの、30代以上の働き世代は平日のメールとSNSの利用量は僅差となり、40代以上はSNSの利用率よりメールの利用率の方が高いという結果が出ております。
実際にビジネスにおいて、社内コミュニケーションツールとして社内チャットツールが普及してきておりますが、 社外とのコミュニケーションは未だメールが主流となっております。つまり、未だにメールは働く世代にとってもっとも身近なコミュニケーションツールということです。
これが、メールマーケティングが必要である大きな理由の1つになります。ターゲットにもっとも身近なメディアであるメールを用いることでより多くの見込み顧客にコンテンツを届けることができ、有益なマーケティング施策となるのです。
また施策を実行する側からしても、メールは日常的に使っているツールのため使い慣れないツールを利用するような他の施策と比べると施策実行のハードルが低いと言えます。
メールマーケティングが今もなお必要な理由には、他にもあります。以下でご紹介します。
メールマーケティングの市場は大幅拡大中
メールマーケティングは世界でも非常に有効なマーケティング手法として位置づけられています。
株式会社グローバルインフォメーション社の市場調査レポートによると メールマーケティングソフトウェアの世界市場規模は、2028年までに22億米ドルに達する と言われております。
その背景として人工知能(AI)を活用したメール配信ツールが登場し、メールの作成や分析・評価までのスピードが大幅に向上した事により、細かい顧客セグメントを行なった複数のターゲティングメールを短時間で量産出来るようになったことが挙げられます。
またメールマーケティングは広告等のマーケティング手法とは異なり、低コストで施策を実行することが出来るため、費用対効果の高さも非常に注目されているポイントの一つとなります。
メールは未だに人々にとって身近なツールであり、SNSが浸透してもなお、効果的なマーケティング手法として今後も投資対象となりうる施策の一つです。このことから、 メールマーケティングは利益や売り上げに大きな影響をもたらし、今でも必須のマーケティング手法であると考えられています。
顧客と継続的にコミュニケーションを取れる
もうひとつ、メールマーケティングが必要な理由に、 「顧客と継続的にコミュニケーションを取れる」という利点が挙げられます。
顧客が商品・サービスを検討するには様々なフェーズがあるため、定期的なコミュニケーションを通して顧客の現在の検討段階を見極め、顧客に最適な情報を提供してアプローチしていくことが重要です。
メールを活用することで顧客との接点をもち続け、最適なタイミング・コンテンツを送ることによって次の検討段階へと背中を押すことができます。またそれによって検討を打ち切られたり、競合他社へ乗り換えたりするという可能性も低くなるでしょう。
メールマーケティングのメリット・デメリット
前章ではメールマーケティングの重要性をお話してきましたが、どんな施策も万能なわけではありません。ここからはメールマーケティングのメリットとデメリットをご紹介します。
メールマーケティングのメリット
まずは、メールマーケティングのメリットから見ていきましょう。
①低予算で施策をスタートできる
メールマーケティングは、掲載するコンテンツを社内で内製化しやすいしさくです。また、配信先のリストさえ手元にあればすぐに実施できる施策で、コストとしても配信ツールや効果測定を行う分析ツールの導入費用がかかるのみで、比較的低予算でスタートできる施策であるところが特徴です。
②高い効果が期待できる
低予算でスタートできて、高い効果が見込めるのがメールマーケティングの大きなメリットです。
メールを送信するに当たり、リードや顧客には事前に承諾を得ていることが前提となるため、開封やリンク、コンバージョンについても、成果を出しやすいといえます。また、既述のとおり日常的にビジネスマンに利用されているのがメール施策の特徴でもあるため、通常の広告よりも高い反応率を獲得できます。
メールマーケティングのデメリット
一方、メールマーケティングにもデメリットは存在します。
①中長期的に運用しないと効果が出にくい
メール広告を除き、メールマーケティングではメール送信の回数を重ねながらリードや顧客との関係性を構築していくため、中長期的に運用しないと効果が出にくいという特性があります。その最たるものがメールナーチャリングです。
「いつどんなメールをだれに送るのか」「どんな頻度で何を送るのか」「そのコンテンツをだれが作るのか」などなど、メールマーケティングを開始するには設計すべきことがたくさんあります。そのため、中長期的に運用できる体制を立てて取り組む必要があります。
②コンテンツ制作に手間ひまがかかる
配信や効果測定はデジタルツールを活用して自動化できますが、コンテンツ制作はある程度は人力で作成する必要があるため工数がかかります。送付内容のクオリティが低ければ購読解除をされてしまうため、しっかりとコンテンツにはこだわって送付する必要があり、そういったコンテンツ制作にはリソースが必要となります。
すでにWeb上に掲載されているコンテンツを配信するなど、工夫次第で工数の軽減は可能ですが、ある程度型ができるまでは一定の工数は覚悟しておく必要があります。
メールマーケティングの種類5つ
ここで改めてメールマーケティングの種類を整理してご紹介いたします。
①メール広告
メール広告とは、電子メールで送信される広告の種類で、メールマガジンの一部(ヘッダやフッタなど)に掲載されるタイプと、メール一通が丸ごと広告の二タイプがあります。
また、それぞれ、表示形式がテキストのみのタイプとHTML形式のタイプがあります。
ターゲット層に合った送信先に直接アプローチすることで可能で、入稿から配信までの期間が短い反面、スパムメールとみなされて閲覧してもらえない恐れがあったり、受信する側の環境によってはHTMLの画像や動画がうまく表示されない可能性があります。
②メールマガジン
事前に許可してもらったユーザーに自社のメルマガを配信し、定期的に情報を届ける手法です。同一コンテンツを登録ユーザーへ一斉に配信するため、どのユーザーにとっても有益になる情報を厳選して掲載する必要があります。たとえば、 新製品情報やキャンペーン情報、お知らせ といった内容が向いています。
どうしても画一的な内容になってしまうため、メルマガから直接のお問い合わせにつなげるのは難しい傾向があり、集客やコンバージョンよりもエンゲージメントの強化を目的とした運用が良いでしょう。
③ステップメール
各ユーザーの検討度合いやアクションに合わせ、あらかじめ準備しておいたメールを設定スケジュール通りに自動配信するのがステップメールです。
たとえば、自社サイトに掲載しておいたカタログをダウンロードしてくれたユーザーへ、さらなるアクションを促すために、「ダウンロードのお礼メール→自社製品の導入事例→キャンペーン案内」といった流れで段階的に関心の度合いを高めていき、最終的にはお問い合わせや購入などを目指します。ターゲット層のペルソナとカスタマージャーニーを作成し、検討フェーズに合わせたメールを届けます。
④セグメント(ターゲティング)メール
リード(見込客)を条件ごとにセグメント分けし、それぞれのセグメントに必要とされる情報を届けるのがセグメントメールで、ターゲティングメールともよばれます。
セグメントの方法としては、ユーザーの所属企業の業種や規模、ユーザーの性別や年齢層といった属性と、Webサイトの特定のページを閲覧した履歴を持っていたり、ホワイトペーパーをダウンロードしたことがあるなどの条件を組み合わせるものがあります。
複数のメールコンテンツを用意しておき、各セグメントで必要なメールのみを送信する手法が楽です。配信する順番を決めれば、ステップメールとも組み合わせられます。配信ユーザーを絞って、的確な情報を届けられることから、開封率やクリック率は高い 傾向があります。
⑤休眠発掘メール
一定期間、動きのない休眠顧客や休眠リードに対し、アクションを促す メールを届けるのが休眠発掘メールです。
それまで送信しているメールに対して反応がないために休眠しているので、それまでとは違ったタイトルや内容を意識してコンテンツを作成する必要があります。休眠発掘メールによりアクションがあれば、その後はステップメールやセグメントメールを送信して商談や問い合わせにつなげていきます。
メールマーケティングの実施方法と手順
メールマーケティングを実施するには、具体的にどのような手順で進めると良いのでしょうか?詳しくみていきましょう。
手法によって、使用するツールや細かなフローは異なりますが、大筋の流れはほとんど同じで、大きく5つのステップがあります。
①目標設定
「目標設定」では、 メールマーケティングで解決したい課題や本来の目的を洗い出し、それを基に具体的な目標を設定します。
例えば、「メールでの問い合わせを月○件に増やす」など最終目標となるKGIを具体的に設定し、それを達成するためのKPI(メール開封率や到達率、CTRなど)を設定します。
②メールアドレス獲得、配信リストの作成
アンケートや資料ダウンロード、名刺交換やメールマガジンへの登録促進などを行い、 ユーザーのメールアドレスを獲得したら、メールの送付先となる配信リストを作成します。
ユーザーが多いほど属性を振り分けやすくなり、精度の高いマーケティングが実施できるため、配信先を増やすための努力を怠らないようにしましょう。
③メール作成
ユーザーにとって需要の高いコンテンツや情報をメールで届けられるように、 どのユーザーにどんな内容のメールを配信するのかを考えて、メールを作成します。
本格的に作成するのであれば、カスタマージャーニーやペルソナを設定して作業を進めると良いでしょう。ユーザーを育成し、次のフェーズへと導ける内容かどうかが鍵となります。
④メール配信
メールが作成できたら、いよいよユーザーへ配信します。大量のメールを扱うメールマーケティングの場合は、 様々な機能を搭載したMAツールを活用すると良いでしょう。
工数やミスが減るほか、導入することでより効率の良いマーケティング活動を実現してくれます。
⑤効果測定および検証、改善
メールを配信した後は、ツールに備わっている分析機能を活用して、 必ず効果測定を行いましょう。 最初に設定した目標の達成率の確認や、配信数の減数などのデータ分析を通して、改善点を見つけていきます。
効果測定・検証・改善が終わったら、最初の「目標設定」へ戻り、この流れを繰り返します。目標設定・配信・改善を繰り返すことで、より効率の良いメールマーケティングが実現できるでしょう。
さて、メールマーケティングの実施手順がわかったところで、まず何から始めたらいいでしょうか?以下でご紹介します。
まず取り組むべきマーケティング施策
まず最初に取り組むべきなのは、 過去に集めた名刺に対してメールを送信し、見込みのある顧客に対してアプローチを行っていく ことです。いざマーケティングを実施するとなると身構えてしまうかもしれませんが、とにかく実践あるのみです。
まずは今手元にある名刺リストにメールを送信することから始めましょう。そこから成功体験を重ねながら、自ずから徐々にメールマーケティングのレベルが上がっていくはずです。
メールマーケティングのよくある失敗例
メールマーケティングについて理解が深まってきたところで、良くある失敗例についてお話しします。同じような過ちを犯さぬようにしっかりとチェックしておきましょう。
失敗例1:目標を定めずにとりあえずメールマーケティングに取り掛かる
ただ単にメールを送るだけでは、メールから商談を創出したり売上を伸ばすことは難しい為、目的・目標を定めた上で顧客にどんな行動を取って欲しいかを決めてから、メール施策に取り組むことをお勧めします。
失敗例2:開封率を目的にする
開封率や到達率はメールマーケティングにおいて非常に重要な指標ではあるものの、あくまで目標を達成するための中間指標に過ぎません。メールマーケティングの目的はメールを読んでもらうことではなく、メールを読んでもらい、自社やサービスのことを知ってもらったその先に、お客様にどんな行動を促したいのか、最終的に達成したい目標は何かを意識して、指標を追う必要があります。
正しいKGIとKPIの設定をするために
メールマーケティングでは、KGIとして「売り上げや商談数」といった最終的に達成したい目標を設定し、KPIとしては「KGIを達成するための指標(メール到達率・開封率・クリック率など)」を具体的に設定します。
しかし、 あくまでもKPIは目標設定であり、「売り上げを伸ばすという目的を見失わない」ように注意してください。 KPIにとらわれすぎると、本来一番の目的である「売り上げ」を疎かにしてしまうことがあります。マーケティング活動において売り上げが最終目的であることを忘れずに取り組みましょう。
効果測定数値の目標値
効果測定数値の目標値の設定は悩まれる方も多いはずですので、 メールマーケティングを行う上で一般的に目安となっている大体の目標値 を以下にまとめました。
目安とされている以下の目標値ですが、調査を行う企業の業種の分け方や、配信対象のユーザーとの関係性、調査方法などによって異なる場合があります。あくまでも目安ということを踏まえた上で参考にしてみてください。
- 到達率:90%以上
- 開封率:15〜30%
- クリック率(CTR):1.5%以上
- コンバージョン率(CVR):目的によって異なる
- エラーメール率(バウンス率):10%以下
- 解約率(オプトアウト率):0.25%以下
メールマーケティングのポイント
メール作成における型
メールを作成の基本の型として、以下の3つのポイントを意識しましょう。
1つは件名にこだわることです。個性が少ないメールの件名は埋もれてしまうため、独自性や具体性を意識しましょう。
2つ目のポイントは、ファーストビューにこだわるということです。 メールを読まれる時間は平均して7秒と短いため、メールの前半にリンクを設置するなど工夫をしてクリックを促しましょう。
3つ目のポイントは、メッセージを1つにするということです。要点を絞ってシンプルな構成のメールにすることで、読んでもらえる可能性は高くなります。
メール本文作成ステップ
次にメールの本文を作成する際のステップをご紹介します。メールの例も載せていますので参考にしてみてください。
ヘッドコピーの作成
ヘッドコピーは、メール本文のつかみとなる部分です。
ターゲットを明示した上で、つい反応してしまうようなワードや商品の特徴的な売りとなるワードを提示しましょう。
ボディコピーの作成
ボディコピーとは、メールのメイン本文となる部分を指します。
ここでは 問題を解決するメリットや、効果実績などを提示しましょう。
クロージングコピーの作成
クロージングコピーは、メールの受信者に行動を促す部分を指します。ここでは 商品のお問い合わせなどを促す特典、キャンペーンなどを提示しましょう。
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