BtoBマーケティングとは?基本の流れからおすすめの施策6選、成功事例まで解説
BtoB(Business to Business)マーケティングとは、企業間の取引においてマーケティングを活用し、顧客の獲得や顧客との良好な関係づくりを行うことを指します。
本記事では、BtoBマーケティングの基礎知識から進め方、成功事例などについてわかりやすく解説します。「そもそもBtoBマーケティングってなに?」「BtoBマーケティングに着手したいけど、やり方がわからない」「BtoBマーケティングの成功事例を知りたい」といった方におすすめです。ぜひ最後までご覧ください。
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BtoBマーケティングとは
BtoB(Business to Business)マーケティングとは、企業間の取引においてマーケティングを活用し、新規顧客の獲得や企業顧客との良好な関係づくりを行うことを指します。
BtoBのビジネスでは、これまで飛び込み営業やテレアポなどのプッシュ型営業がメインでしたが、コロナ禍をきっかけにデジタル化が進み、従来の対面営業から「Webサイトを活用したBtoBマーケティング」と「対面での営業活動」を組み合わせた統合型へと変化しつつあります。
その背景には、BtoB企業が製品やサービスを購入する際における、情報収集経路の変化があります。トライベック・ブランド戦略研究所社の調査によると、BtoB企業が製品やサービスを購入する際に最も利用する情報源は、Webサイト(65.1%)であると判明しています。今後もこの傾向は続くと見られており、Webサイトを活用したBtoBマーケティングに取り組む企業が増えているのです。
また、Webサイトを活用したBtoBマーケティングは、顧客が購買に至るまでの行動データを取得かつ活用しやすく、データをもとに顧客目線に立った提案やアプローチができるため、商談獲得から受注までのプロセスを効率化できるといったメリットがあります。営業担当者も、受注に繋がりやすい見込み顧客に対する営業活動に集中できるようになります。
BtoBマーケティングの全体像
BtoBマーケティングが企業間の取引を対象としている一方で、企業と一般消費者の間で成立する取引に関するマーケティングをBtoC(Business to Consumer)マーケティングといいます。両者の違いについては以下のようにまとめられます。
BtoB | BtoC | |
---|---|---|
ターゲット種別 | 企業 | 一般消費者 |
ターゲット数 | 少ない(限定的) | 多い(幅広い) |
価格設定 | 案件ごとに見積り | 企業側が決定 |
取引金額 | 高額 | 少額(例外あり) |
意思決定プロセス | 企業の経営層や担当者 | 個人 |
購入の検討期間 | 長期間 | 短期間 |
主なマーケティング施策 | 長期間 | 短期間 |
両者に共通する施策 | Web広告 SEO コンテンツマーケティング |
BtoBはBtoCと比べてターゲットの母数が限定的になることや、1企業あたりの取引金額が高額であること、購入の意思決定に至るまでが長期にわたるといった違いがあります。
一方でBtoCはターゲットの母数が多いものの、1人あたりの取引金額が少ない商材が多く、購入の検討期間もBtoBよりも短い傾向にあります。マーケティング施策も、BtoBと共通する施策はあるものの、個人を意識したマーケティング手法が用いられています。
適切なタイミングでアプローチを行い、購買活動を促進するという点では同じですが、成約に至るまでのプロセスは大きく異なるため、ターゲットのニーズや特徴を踏まえたうえで戦略を練る必要があります。
BtoBマーケティングの基本的なプロセス
ここではBtoBマーケティングの基本的なプロセスについて解説します。
デマンドジェネレーションとは、BtoBマーケティングにおいて受注確度の高い見込み顧客を獲得または育成し、営業部門に渡すまでの一連のマーケティング活動全般を指します。
具体的にはテレアポ、セミナー、展示会、SEO、リスティング、外部メディアへの出稿など、さまざまな施策を通して獲得したリードに対して、それぞれの購買意欲にあわせたフォロー(メルマガ配信やDMの送付、セミナーの開催、ホワイトペーパーの配布など)で購買意欲を高め、営業がアプローチすべき見込み顧客、すなわちホットリードへと育てていきます。
デマンド(demand)とは日本語で「欲求」や「需要」と訳され、消費者が「こういう商品・サービスがあったらいいな」という欲求、あるいはその商品やサービスに対する需要のことです。このデマンドを呼び起こすデマンドジェネレーションは、主にBtoBで行われており、現代のBtoBマーケティングにおいて欠かせない活動のひとつになっています。
リードジェネレーション(創出) :見込み顧客の獲得 リードナーチャリング(育成) :見込み客の関心や購買意欲を高める リードクオリフィケーション(選別):受注確度の高い見込み顧客の絞り込み |
デマンドジェネレーションは、上記の3つのプロセスで構成されます。次の章で、それぞれについて解説します。
関連記事:デマンドジェネレーションとは
リードジェネレーション(見込み顧客の創出)
リードジェネレーションとは、見込み客を獲得するための活動のことです。Webサイトの問い合わせや資料請求、展示会やセミナーで交換した名刺といったものが当てはまります。自社のターゲットに合った施策を選び、実行することにより、より受注確度の高い見込み顧客を獲得することができます。
リードナーチャリング(見込み顧客の育成)
獲得したリードの中には、購入をほぼ決めている「今すぐ客」と、まだ自社商品やサービスを理解しておらず検討度の低い「そのうち客」が存在しています。後者の見込み顧客の検討度を高めていく活動が、リードナーチャリングです。主な内容としては、メルマガやオウンドメディア、SNSやセミナーといった媒体を活用した情報発信があげられます。
リードクオリフィケーション(見込み顧客の選別)
リードナーチャリングで育成した見込み顧客のうち、購買意欲の高い見込み顧客(以下、ホットリード)を選別する活動をリードクオリフィケーションと呼びます。
見込み客の選別は、見込み顧客の属性や興味・関心、行動に応じて点数(スコア)を付与し、そのスコアを基準として見込み客の成熟度(購買意欲)を判断するスコアリングという方法や、見込み顧客の属性や特定の行動をトリガーにセグメントを行いダッシュボード上に可視化するといった方法があります。
商談・受注
抽出されたホットリードは営業担当者に引き渡され、製品やサービスの提案やクロージングが行われます。ホットリードは購買意欲が高いため、商談の進むスピードが早く、受注につながりやすい傾向にあります。
クロスセル・アップセル(追加受注)
クロスセルとは、顧客が検討または購入している商品とは別の関連商品を提案する営業手法です。アップセルは顧客が検討または購入している商品よりも、価格などのグレードの高い商品を勧める営業手法を指します。
いずれも顧客に対して単価アップをはかるマーケティング施策で、企業の売上拡大に加えて、「よりよい商品を提案してもらった」という顧客満足度の向上や、LTVの最大化といった効果が期待できます。
BtoBマーケティングの進め方7ステップ
BtoBマーケティングを成功させるためには、緻密な戦略設計と実行が欠かせません。ここでは、BtoBマーケティングを実践する際の手順を7つのステップにわけて解説します。
ステップ1.目標やありたい姿の設定
BtoBマーケティングを進めるにあたり、まずは活動の目標や目的を定めます。ここがはっきりしないまま進めてしまうと、成功したかどうかの判断がつかなくなってしまいます。またBtoBマーケティングに取り組む担当者たちとも共通認識が持てず、失敗に終わる可能性が高くなります。
ステップ2.現状調査
3C分析などを行い、市場や顧客のニーズ、競合他社、自社の現状を把握しておきます。3C分析では、「市場・顧客のニーズ」→「競合他社」→「自社」の順番で分析します。
調査すべき事項 | 見るべきポイントの例 |
---|---|
市場・顧客のニーズ | ・市場規模や成長率 ・購買人口 ・顧客ニーズ ・購買までの行動と感情 |
競合他社 | ・競合他社のシェアやポジション ・競合他社の特徴や戦略 |
自社 | ・製品の提供を通して目指す世界観 ・売上と利益率 ・過去に実施した施策のデータ ・市場シェア ・現場のリソース |
ステップ3.課題の明確化
自社の目指している姿や掲げている目標を実現する際に、課題となることを洗い出します。現状分析と課題の分析を適切に行うことができれば、正しい方向性で戦略を打ち立てることができます。
ステップ4.戦略設計
ステップ3で自社の課題の洗い出しができたら、戦略設計に入ります。
これまでの分析をもとに、自社の製品やサービスを利用する典型的な顧客像(ペルソナ)や、顧客の購買プロセス(カスタマージャーニー)を設定します。その上で、そのペルソナが購買に至るよう、綿密な戦略や施策を設計していきます。
ステップ5. 施策の選定
戦略設計をベースに施策を選んでいきます。BtoBマーケティングの施策はオフライン施策とオンライン施策の2種類に大別されます。
オフライン施策
主に、インターネットを活用しないマーケティングの施策のことです。代表的な施策は以下のとおりになります。
- テレビCM
- 展示会や見本市への出展
- ダイレクトメール
- 交通・看板広告
- 広告出稿(新聞・雑誌・交通・看板など)
オフライン施策のメリットとしては、1回の広告配信で数千万人に情報を届けられるため認知拡大がしやすいことや、エリアを絞ってセグメントできる点、テレビや新聞といった公共性の高い広告出稿を通して企業イメージの向上を図れるなどが挙げられます。
オンライン施策
インターネット上で行われるマーケティング施策全般を指します。近年ではオフライン施策に加え、オンライン施策を取り入れるBtoB企業が増えています。代表的な施策は以下のとおりです。
- Web広告
- SEO(検索エンジン最適化)
- リスティング広告(検索連動型広告)
- オウンドメディア
- SNSマーケティング
- メールマーケティング
- コンテンツマーケティング
- 動画マーケティング
オンライン施策のメリットは、費用対効果が高いことです。オンライン施策はテレビCMや新聞広告などのマス広告よりも、少ない費用で広告出稿を行うことができます。
また、ほとんどの場合データで成果を計測することができるため、施策の良しあしを定量で振り返ることができます。リアルタイムでの変更や改善もできるので、数値を見ながら広告を最適化し、コンバージョン率を高められるのもオンライン施策ならではの特長といえるでしょう。
オフライン・オンライン施策ともにメリット・デメリットはありますが、うまく活用すれば高い成果を得られます。ステップ4で決めた戦略設計に応じて適切な施策を選びましょう。
ステップ6. 施策ごとのKPI・計画の設定
施策を選定したあとは、施策ごとのKPIを設定します。施策の進捗を可視化し課題を明確にするためも、KPIの設定は必要不可欠です。施策ごとに定量的なKPIを設定しましょう。
ステップ7. 施策の実行と改善
施策の実行後は効果検証を必ず行い、PDCAを回しましょう。PDCAを回すことで、課題や問題点が明確になり、継続的な改善が可能になります。実行した施策の成果が分からないままの状態が続いてしまうと、誤った方向のまま施策を続けてしまいコストが無駄になったり、効果があった場合も気づかないため貴重なデータが蓄積されずに終わってしまいます。
そのような事態を回避するためにもPDCAを回し、効果がなかった施策に関しては課題点を見つけ出し、常に改善を図ることが大切です。
BtoBマーケティングで払拭すべき4つの不
「4つの不」とは、顧客が製品やサービスの購入を検討する際に抱きやすい4つの不の感情のことです。内訳は「不信」「不要」「不敵」「不急」で、それぞれの意味は「不信=信用できない」「不要=必要ない」「不敵=他社のものでよい」「不急=今じゃない」となっています。
4つの不はマーケティングや営業活動において非常に重要な概念で、これらの不をクリアするような施策を実行することで、顧客に自社の製品やサービスを選んでもらいやすくなります。
BtoBマーケティングでまず取り組むべき!おすすめの施策6選
BtoBマーケティングでまず最初に行うべき施策を、デマンドジェネレーションの各フェーズごとに解説します。
リードジェネレーション
リードジェネレーションは、自社の製品やサービスに興味のある顧客を創出することを目的とする活動です。いかに、売上や商談といった成果に繋がる見込み顧客を獲得できるかどうかが、成功の鍵を握ります。
リードジェネレーションの施策の種類は多数ありますが、BtoBマーケティングをはじめて間もないときには、成果に繋がりやすい施策から取り組むことをおすすめします。
BtoBマーケティングの施策で成果が出ることがわかれば、社内の理解も得られ、周囲を巻き込みやすくなり、BtoBマーケティングにあてる社内予算も増える可能性があるためです。以下では、すぐに反響を得やすい2つの施策をご紹介します。
①Web広告
Web広告とは、インターネット上に掲載される広告のことです。Web広告の他に、インターネット広告やオンライン広告、デジタル広告などさまざまな呼び方があります。
Web広告には出稿目的に応じた多種多様な広告フォーマットが用意されていますが、いま製品やサービスを検討している顧客を獲得するには、リスティング広告またはリターゲティング広告が適しています。
リスティング広告
GoogleやYahoo!といった検索エンジンの検索結果画面に表示されるテキスト型広告のことです。顧客が検索したキーワードに連動して広告が表示される仕組みになっているため、購買意欲の高い顕在層にアプローチすることが可能です。
リターゲティング広告
自社のWebサイトに訪れたことがある顧客に対して配信できる広告です。過去に1度でも自社サイトに訪れたことのある顧客をターゲットにして広告を配信することで、自社に興味を持つ顧客にピンポイントでアプローチできます。
BtoBの場合、顧客は基本的に商品の購入を即決することはなく、他商品との比較検討を経て、最終的に意思決定をします。しかし、顧客は情報収集や検討を進めていくうちに、検討意欲が下がることがあります。そのため、検討意欲が低くなる前に再度アプローチできるリターゲティング広告は、検討期間の長いBtoBビジネスにおいて非常に効果的です。
②展示会
展示会とは、自社の製品やサービスを展示・販売するイベントのことです。自社の製品やサービスに関心のある層と、まとめて接点を持つことができます。
マーケティングコストが限られている初期段階ではブースなどの費用を抑えながら出展し、成果が出てきたら出展規模や出展数を拡大するなど、自社のマーケティングの成長段階に応じて活用していくと良いでしょう。
リードナーチャリング
リードナーチャリングには、顧客との信頼関係の構築が必要不可欠です。顧客1人ひとりに合った最適なアプローチやフォローを行う必要があります。しかし、それらをすべて人力で行おうとすると、多大な労力と時間がかかってしまいます。
最短で成果を出すためにも、マーケティングのナーチャリング施策を取り入れ、顧客との信頼関係の構築や、検討確度を高める活動を自動化・効率化していきましょう。
以下は、リードナーチャリングにおいて、まず取り組むべき施策です。
③MAを活用したメールマーケティング
MA(マーケティングオートメーション)ツールとは、見込み顧客の育成、検討確度の高い見込み顧客(ホットリード)の抽出といった一連のマーケティング活動を自動化できるツールです。
MAツールで行える施策として有効であるのが、メールマーケティングです。メリットとしては他のマーケティング施策に比べて安価で実施できることに加え、顧客との継続的なコミュニケーションを図れる点や開封率などの効果検証が容易であることが挙げられます。
また、MAツールはWebサイトの閲覧ログと連携できるため、リード1人ひとりの行動を可視化することができ、これにより正確にリードの興味関心や検討確度を把握することができます。
リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションとは先述したとおり、見込み顧客の中から自社の製品やサービスの検討確度の高いひとを選び、営業部門へ引き渡すプロセスを指します。この工程がうまく機能すれば、営業活動の効率化や売上の獲得を実現できます。
成果を出すためには、売上に繋がりやすい見込み顧客の属性や抱える課題を良く理解したうえでアプローチし、営業部門に引き継ぐことがポイントです。
④MAツールによるリードクオリフィケーション
MAツールは、リードナーチャリングだけでなく、クオリフィケーションのフェーズにおいても、その価値を発揮します。MAツールによっては、見込み顧客の属性や興味・関心、行動に応じて点数を付与し、その点数を基準に見込み顧客の成熟度(購買意欲)を判断し選別するという「スコアリング」という方法があります。
但しスコアリングは、使いこなす難易度が高いと言われているため、BtoBの場合においては、見込み顧客の成熟度別にセグメントを切り、ダッシュボード上に簡易で可視化するといった他の方法もあるため、代用することもおすすめします。
⑤インサイドセールスの導入
インサイドセールスとは、電話やメール、Web会議ツールなどを活用し、非対面で商談創出を目指す営業活動のことを指します。主に、見込み顧客の育成(リードナーチャリング)や見込み顧客の選定(リードクオリフィケーション)を担当し、マーケティングとフィールドセールスとの間のハブになる存在です。
いくら質の良いリードを獲得しても、その後のナーチャリングからホットリードの選別がしっかりできていなければ、その先にある商談や成約に結びつけるのは難しくなります。
マーケティングとフィールドセールスの橋渡し的な役割を担うインサイドセールスを導入することで、見込み客への継続的なアプローチが可能になり、信頼関係の構築や商談成約率アップが見込めます。
商談・受注
リードクオリフィケーションで絞り込んだ購入期待度の高いリードに対して、営業担当者が直接アプローチし、商談へ持っていき受注へつなげます。
商談の前には、顧客の課題や状況、自社商品・サービスへの関心度合いを把握しておきましょう。事前に見込み顧客に対する理解を深めておくことで、商談時の営業トークや具体的な提案に活用でき、受注率を高められます。
⑥SFAの活用
SFA(Sales Force Automation)の略語で、営業のあらゆる業務を効率化するツールです。主な機能としては顧客情報や商談・案件管理、見積り作成などが搭載されており、営業担当者の仕事をサポートします。SFA導入のメリットは、営業活動の見える化やノウハウの共有、業務の標準化が行える点です。
営業活動は、能力やスキルが営業担当者個人の力に依存してしまうことが多く、属人化が起きやすい職種のひとつです。属人化が進んでしまうと、担当者が不在の際の対応遅延が発生し、顧客からの信頼を失う恐れがあります。
SFAを導入することで、顧客情報が集約されるため、営業担当者が不在の際にも、顧客からの問い合わせに別の担当者がスムーズに対応できたり、データやノウハウの蓄積によって効率の良い営業活動を展開できるなど、属人化の解消のみならずさまざまなメリットを得られます。
BtoBビジネスは顧客数が限られており、見込み顧客もBtoCほど多くはありません。1件1件の商談を大切にし、継続的な取引を続けることが重要です。営業活動に欠かせないツールといっても過言ではないでしょう。
アップセル・クロスセル
BtoBビジネスは扱う商材の専門性が高いことから、一度築いた関係性は長期にわたって維持されることが多いです。そのため企業間での信頼関係が重視される傾向にあります。関係性が良好であると、追加受注や利用している商品・サービスのアップグレードがされるようになり、顧客単価を引き上げることができます。信頼関係を構築・維持していく手段として、受注後は顧客満足度を上げる施策を行いましょう。
カスタマーサクセス
カスタマーサクセス(Customer Success)とは、自社商品・サービスを購入した既存顧客に積極的に働きかけ、顧客のサクセス(成功体験)の実現を支援する活動のことです。自社商材の運用サポートや定例ミーティング、ウェビナー開催など、サービスの利用段階に応じて多彩なアプローチを行い、顧客の成功を目指して支援します。
BtoBビジネスにおいては、新規顧客の獲得以上に既存顧客との関係性の維持や、ロイヤルカスタマー化を狙った施策が重要です。顧客との継続的なコミュニケーションを通して強固な関係性を築くことで、チャーンレート(解約率)を抑えながらアップセル・クロスセルの機会創出やLTVの向上が可能です。
BtoBマーケティングの成功事例2選
最後に本記事の執筆元であるクラウドサーカス株式会社が提供するCMS『BlueMonkey』およびMAツール『BowNow』を導入し、BtoBマーケティングを実践した企業様の成功事例をご紹介します。
BtoBマーケティング強化で売上240%アップに!│ヒロセ補強土株式会社
ヒロセ補強土株式会社様は、地山補強土や軽量盛土など、補強土壁工法の提案・コンサルタント・工事を行っている企業です。
新型コロナウイルスの影響で受注数が大幅に減少したのをきっかけに、対面での営業活動に限界を感じ、新たな顧客開拓方法を模索していました。
そこでクラウドサーカスが提供するCMS「BlueMonkey」で自社サイトをリニューアルし、Web広告をスタート。その後MAツール「BowNow」も導入され、メルマガの配信やセミナー・ウェビナーの開催、ホワイトペーパーの実施など本格的なデジタルマーケティングを展開。
その結果、セッション数は2年で1,727から9,257の536%アップ、CV数は317%、売上は240%向上しました。デジタルマーケティングをきっかけに、自社のサービスを知らない新規顧客からの問い合わせも増加し、設計関連の問い合わせ数は約3倍に。施策を通してデジタルマーケティングの効果を感じられています。
強みやノウハウをアピールしてCV数の232%向上│株式会社ノビテック
株式会社ノビテック様は、ハイスピードカメラや画像計測機器、放送用カメラ機材の輸入を中心に、販売、保守、レンタル業務、さらにオリジナル製品の開発、設計、製造まで行っている会社です。
同社では取扱い製品の専門性が高く、高額品も多いため、対象顧客が非常に限られていることが課題となっていました。既存顧客からの売上拡大には限りがあると感じ、新規顧客の開拓のため、紙媒体や展示会などでの販促を実施。しかし、幅広い見込み先への周知が困難であり、継続性がないと感じていました。
そこで当社のCMS「BlueMonkey」でWebサイトをリニューアルし、自分たちの強みやノウハウをアピール。SEOを強化して、Web広告も出稿されました。MAツール「BowNow」も導入され、メール配信などを積極的に行われました。
デジタルマーケティングに注力された結果、CV数は年間268から622となり、232%向上を実現。セッション数も8,422から17,387となり、206%アップとなりました。Webサイトなどで商品・サービスの情報を確認してから問い合わせしてもらえるようになり、CVの質も向上したとのことです。
まとめ
本記事ではBtoBマーケティングの基礎知識から進め方、効果的な施策や成功事例などについて解説しました。
BtoBマーケティングのプロセスは大きく分けると7ステップです。それぞれのステップごとに取り組むべき施策がいくつかあり、大変そう…と感じる方もいるかもしれません。
もちろん全部のプロセスをバランスよく進められるのが理想ですが、すべてを行うのは難しいのも事実です。まずは自社の課題や取り巻く現状を把握し、優先度の高い取り組みから着手していきましょう。
クラウドサーカスでは現在、デジタルマーケティングの基本知識と手法について60ページ以上の大ボリュームでまとめた「BtoBマーケティングハンドブック」を公開しています。こちらもぜひご覧ください。
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