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リードとは?マーケティングでリード獲得から売上を作る施策11選

2024/11/18 (公開:2024/03/25)
リードとは?マーケティングでリード獲得から売上を作る施策11選

「リード(Lead)」とは、「見込み顧客」を意味するBtoBマーケティングの用語です。マーケティング業務や営業活動に携わる人であれば、一度は耳にしたことがある言葉ではないでしょうか。

企業が売上を伸ばしていくためには、見込み顧客を獲得し、購買意欲を高め、商談・受注につなげていく必要があります。特にBtoB企業の場合、BtoCと比べて意思決定者が多く、製品やサービスの導入から成約までに長い時間がかかります。そのため1人でも多くのリードを獲得し、製品やサービスに対して継続的に興味を持ってもらえるよう、工夫していかなければなりません。

本記事ではリードの種類や代表的な施策、成功のポイントなどについてわかりやすく解説します。

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リードとは

「リード」とは、BtoBマーケティングにおいて、自社の製品やサービスを将来的に購入してくれる可能性のある企業や個人のことを指します。「きっかけ」や「先導」、「手がかり」を意味する英単語の「lead」から名付けられています。以下は例です。

  • 自社のメールマガジンに登録してくれた企業・個人
  • 製品やサービスの資料請求をしてくれた企業・個人
  • 展示会やセミナーへ参加してくれた企業・個人

いずれも検討度の高さは異なりますが、将来的に自社の顧客になる可能性が高い存在です。 検討度に応じたアプローチを行い、製品やサービスに興味を持ってもらい、商談といった購買に近いアクションに徐々に誘導していきます。

 

リードマーケティングの全体像

BtoB企業がリードマーケティングを実施する際は、リード獲得から売上につなげるための「デマンドジェネレーション(demand generation)」を意識することが重要です。デマンドジェネレーションは、日本語で直訳すると「需要の創出」という意味を持ち、購買意欲の高いリードを営業部門に引き渡すまでの一連のマーケティング活動全般を指します。主に企業間取引(BtoB)で用いられており、BtoBマーケティングに取り組むうえで有効な考え方であるとされています。

デマンドジェネレーションは大きく分けて3つのプロセスで構成されています。

  • リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)
  • リードナーチャリング(見込み顧客の育成)
  • リードクオリフィケーション(見込み顧客の選別)
リードマーケティングの全体像(デマンドジェネレーション)

上記の図のように、リードジェネレーションでリードを獲得し、リードナーチャリングで購買意欲を高め、リードクオリフィケーションで確度の高いリードを選別し、営業部門にそのリードを引き渡すまでの活動を指します。

 

リードを獲得してから受注するまでの流れ!まとめて解説

ここからはリードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーションそれぞれのプロセスについて詳しく解説します。

リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーションそれぞれのプロセスについて

リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)

リードジェネレーションとは見込み顧客を発掘するための活動全般を指します。自社の商品・サービスを認知させる施策を行い、関心のある見込み顧客をピックアップします。

具体的にはWeb広告やSEO対策、セミナー開催などが挙げられます。従来はテレアポや飛び込み営業などのアウトバウンド型の手法が主流でしたが、インターネットの発達に伴い顧客は自ら情報収集を行うようになりました。そのため、近年はニーズが顕在化する前から見込み顧客と接触し、リードを獲得するインバウンド型の手法が拡大しつつあります。

リードジェネレーションはデマンドジェネレーションで最初に行うプロセスであり、ここで獲得したリードの量や質が、その後のマーケティング活動に大きく影響します。そのため、リードジェネレーションを行う際は、自社のターゲットとなる層を明確にしたうえで、その層を獲得できる施策を実施し、リードを一定数確保することが大切です。もしリード数が少ないと、次のリードナーチャリングのフェーズにおけるリード数も少なくなってしまい、最終的な受注数も少なくなってしまいます。

関連記事:リードジェネレーションとは?代表的手法10選と成功事例解説

 

リードナーチャリング(見込み顧客の育成)

リードナーチャリングとは、リードジェネレーションで獲得した顧客に対し、購買意欲を高めて受注・成約につなげる活動を指します。

BtoBマーケティングはBtoCと比較して商品・サービスの検討期間が長い傾向にあり、基本的にすぐに契約や受注に進むことはほとんどありません。従って、獲得したリードに対してメールマガジンの配信やセミナーなどを適宜開催し、見込み顧客に「この商品を使ってみたい」「このサービスを利用したら課題が解決するかも」というような購買意欲を高めるマーケティング活動を行っていく必要があります。

リードジェネレーションでいくら質のいいリードを大量に手に入れたとしても、その後のナーチャリング活動が不十分であれば、競合他社へ流れてしまい、せっかくのビジネスチャンスを失ってしまいます。逆に適切なリードナーチャリングができていれば、自社を支える優良顧客になる可能性も十分にありえます。リードの検討度に応じた適切なコンテンツを提供していくことが、ナーチャリング成功の鍵を握ります。

関連記事:リードナーチャリングとは?成果につながる7ステップと事例解説

 

リードクオリフィケーション(見込み顧客の絞り込み)

デマンドジェネレーションの最後のプロセスが、見込み顧客の選別を行うリードクオリフィケーションです。リードナーチャリングによって購買意欲が高まったリード(ホットリード)を抽出し、営業部門に引き渡す活動を指します。

ホットリードを抽出することで、営業部門が求める受注確度の高いリードの取りこぼしを防げます。また営業部門も検討度の高いリードのみにセールス活動を集中できるため、営業活動の効率化が進み、売上アップが図れます。

 

営業による商談・クロージング

営業部門は引き渡されたホットリードに対して、アプローチを行います。商談を通して顧客が自社の製品やサービスに興味を示してくれる場合は、クロージングに持ち込みましょう。クロージングとは営業活動の締めくくりを指し、商談を成約へ結びつける重要なフェーズです。このクロージングの良し悪しで受注か失注かが決まります。

ホットリードは自社商材に強い興味・関心を抱いており、アプローチ次第で受注につながる重要な存在です。クロージングでホットリードの抱える課題や問題点を丁寧に取り除き、自社の製品やサービスを活用するメリットを提示することで、成約に進みやすくなります。

 

リードリサイクル

リードリサイクルとは、失注や休眠状態になったリードを再度ナーチャリングし、商談につなげる取り組みを指します。BtoB企業はBtoCと比較し、ターゲットとなる顧客数が限られています。新規でリードを獲得し続けることには限界があり、獲得するにも相応の手間とコストが発生します。

時間やコストをかけて新規リードを獲得するよりも、失注や休眠状態のリードに再度アプローチしたほうが商談化する可能性も高く、効率的なマーケティング活動や営業活動を行えます。

またこのようなリードは、BANT条件に合致した顧客が多いのが特徴です。BANTとはBudget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(必要性)、Time frame(導入時期)の頭文字を取った言葉で、法人営業の際にヒアリングしておくべき4つの情報を表しています。

BANT:Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(必要性)、Time frame(導入時期)の頭文字を取った言葉

特に失注したリードに関してはBANT条件をほぼ満たしているものの、導入時期が合わずに見送りになったケースがほとんどです。再アプローチを行うことで、受注につながることも少なくありません。

リードリサイクルを実施することで、保有しているリードを最大限に活かしたマーケティングや営業活動を展開できます。

 

リードジェネレーションの種類

リードジェネレーションは大きく分けて、アウトバウンドとインバウンドの2種類があります。ここではそれぞれのアプローチ方法について紹介します。

リードジェネレーションの種類

アウトバウンド

アウトバウンドマーケティングとは、企業から顧客へアプローチするプッシュ型の施策です。テレアポや飛び込み営業、メディアへの広告出稿などが当てはまります。不特定多数のターゲットに情報発信を行い、リードの獲得を目指します。

テレアポや飛び込み営業の実施には人的コスト、メディアへの広告出稿には広告費が発生します。成果を出すためには豊富な資金やリソースが必要な手法です。

 

インバウンド

インバウンドマーケティングとは、顧客ニーズに即したコンテンツを提供し、自社製品やサービスに興味関心を抱いてもらうプル型の施策です。Webサイトや動画・SNSなどを通して見込み客の購買意欲を高め、問い合わせや資料請求に繋げてリード創出を狙います。

企業が注力している商品を顧客に売り込むプッシュ型のアウトバウンドに対し、インバウンドは見込み顧客から会社や商品・サービスに興味を持ってもらえるように仕掛けるのが特徴です。

近年はこのインバウンドマーケティングが主流になりつつあります。背景にはインターネットの発達やスマートフォンの普及により、顧客自らが商品・サービスに関する情報収集を積極的に行うようになったことが要因とされています。

また企業側としても、アウトバウンドよりも低コストかつ施策が豊富であることから、施策を実施しやすいというメリットがあります。効果測定や分析もしやすいため、効果の最大化が狙えます。

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リードジェネレーションの代表的な施策

リードジェネレーションの施策はオフラインとオンラインに分けられます。ここではそれぞれの特徴について解説します。

オフラインの施策

対面で行うオフライン施策は、リアルイベントなどで見込み客と直接コミュニケーションを取れるため、リード獲得のタイミングで信頼関係を構築しやすいのが特長です。会話を通してリードが抱える課題や問題点を把握できることから、その後の商談もスムーズに進みやすくなります。

一方で、オフライン施策はイベント開催により人件費やコストが高額になったり、オンライン施策のような不特定多数に向けた情報の拡散が難しい側面があります。広範囲のリードを獲得するというよりは、ターゲットを絞ったリードの獲得に向いているといえるでしょう。

リード獲得のためのオフライン施策

展示会

自社の製品やサービスに関連する展示会に出展し、集客を行う方法です。
展示ブースに訪れた見込み顧客に対し、自社の製品やサービスを紹介し、その場で名刺交換を行うことでリードを集めます。来場者数の多い展示会では大量のリードを獲得できますが、そのぶん購買意欲の低いリードも多く含まれるため、展示会後のナーチャリング活動やアプローチが必至となります。

展示会で多くのリードを獲得するためには、事前準備や当日のオペレーションが大切です。有効なリードジェネレーション施策として機能させるためにも、しっかりと戦略を立てて準備を怠らないようにしましょう。

関連記事:展示会マーケティングとは?展示会を成功させるためのポイントを徹底解説

 

セミナー

セミナーとは、企業側でセミナーのテーマを設定し、そのテーマに興味のある人を募り行う、講義やワークショップ形式のイベントです。講演会やワークショップ、パネルディスカッションなどさまざまな開催形式があります。

セミナーのメリットは、自社の製品・サービスや、関連する情報に興味のある顧客をピンポイントで集客できる点です。そのため、他の施策に比べて案件につながりやすいことが多く、その後の営業活動を優位に展開できます。

また、自社開催の場合、製品やサービスの魅力はもちろん、自社の魅力も最大限に伝えることができ、購買意欲の醸成やブランディングにも繋げることができます。多くの参加者を募るためにも、広告出稿やPRで積極的に集客を行いましょう。

関連記事:セミナー開催のための準備を解説!チェックリストや段取り・アフターフォローまで全て公開

 

DM送付

DM(ダイレクトメール)は、企業が見込み顧客に対して自社の製品やサービスを訴求する目的で送付する紙の広告媒体(ハガキや手紙・チラシなど)を指します。
古くからあるマーケティング施策ですが、スマホやパソコンをあまり利用しない層などには効果があり、現在でも積極的に活用されています。

実際、 日本ダイレクトメール協会が2021年に実施した調査によると、DMの開封率は約79.5%と、インターネットを活用したメールマガジン(メルマガ)の開封率約20%よりも約4倍高い数字を記録しています。メルマガは低コストかつ気軽に送れる反面、大量のメルマガが届くため、受信者がすべてのメールに目を通すことができず、開封されづらくなるというデメリットがあります。

DMは、自宅に必ず届き、数もメルマガほど大量ではありません。印刷物のレイアウトもデザイン会社が手掛けていることからクオリティが高く、読んでみたいという興味を掻き立てる視覚的な要素が大きいということもあります。

BtoBビジネスにおいてDM施策を行う際は、受け取り人(担当者)と読み手(決済者)が異なることが予想されます。両者が「自社にとって有益な情報だ」と思えるような内容やデザインを施すことを心がけましょう。

 

オンラインの施策

オンライン施策は、インターネットを活用し、Web上で展開される施策です。限られた人数にしかアプローチできないオフライン施策に対し、オフラインは場所や時間に縛られることなく、インターネットに接続している人であれば誰にでもアプローチできるのが特長です。

オンライン施策のメリットは、Web上のユーザーのリアクションや行動を数値化できることです。施策の効果が一目でわかるため、問題点を把握しやすくすぐに改善できます。

リード獲得のためのオンライン施策

Web広告

Web広告とは、名前のとおりWeb上に掲載される広告のことです。Webサイトや検索エンジンの検索結果ページ、SNSのタイムラインなどに設けられた広告枠を利用して、自社の製品やサービスをアピールします。

多種多様な広告枠があり、代表的なものではWebサイトやアプリの広告枠に表示されるディスプレイ広告をはじめ、検索エンジンの検索結果上部に表示するリスティング広告、動画内に挿入される動画広告などが挙げられます。

Web広告の特筆すべき点は、詳細なターゲティングが可能なことです。性別や年齢、地域から興味・関心、Web上の行動履歴まで細かく設定でき、条件に当てはまるターゲットに広告配信を行えます。自社の製品・サービスのターゲット像が明確になっている場合、高い効果を発揮し、すぐに受注・成約といった成果につながることも少なくありません。

また、広告出稿中でも、広告クリエイティブや配信設定を変更できます。紙媒体の広告出稿では、途中でクリエイティブを差し替えることはできません。しかし、Web広告は施策の効果を見ながらクリエイティブの変更や配信設定を変えられるため、柔軟な運用が可能です。広告費も安く、1,000円から出稿可能なWeb広告もあります。コストを抑えながら運用でき、自由度の高い広告媒体であることから、多くの企業が取り組んでいます。

 

SEO

SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略語で、Googleなどの検索エンジンに、自社サイトやオウンドメディアを上位表示させる戦略的な取り組みです。

Webサイトの集客は、検索エンジンによる自然流入が大部分を占めます。SEOにより、Webサイトが上位表示されることで、アクセス数が増加し広告費などのコストを掛けることなく継続的な集客が実現できます。また、上位表示を獲得し続ければ、「◯◯といえば△△会社」というようなブランディングやサイトの権威性を高めていくことも可能です。

SEOの主な施策には、コンテンツの作成があります。ユーザーの疑問や悩みを解決するコラム記事や導入事例などを提供することで、多くの人に読まれるようになり、Webサイトが上位に押し上げられます。この上位に表示される仕組みは、各検索エンジンに搭載されている検索順位を決めるためのルール(アルゴリズム)によって行われ、SEOはこのアルゴリズムに則った対策をする必要があります。

Webサイトが上位表示されるまでには、それなりの時間とコストがかかりますが、自社の顧客になりうる「潜在顧客」へのアプローチができる点や、検索したキーワードに興味関心を持つ見込み顧客に製品やサービスをPRできたりと、多彩なメリットをもたらします。

 

リードナーチャリングの代表的な施策

続いてはリードナーチャリングで行われる施策について紹介します。

メール

メールを使ったリードナーチャリングの手法は、以下のものがあります。

リードナーチャリングの代表的な施策

メルマガとは企業が顧客に対して定期的に発行するメールです。自社商材の紹介や活用方法を掲載したメールを定期的に発行し、継続的なアプローチを通して顧客の購買意欲を高めます。他の施策よりも安価で実施できることから、業種問わず多くの企業で導入されています。特にBtoBビジネスにおいては、費用対効果の高いマーケティング手法として広く認識されています。

ステップメールとは、特定のアクションを取った見込み顧客に対して段階的にメールを配信する手法です。たとえば資料請求を行った見込み顧客の場合、1通目は資料請求のお礼メールを送り、2通目では導入事例を載せた資料の送付、3通目では同じ資料を請求した人が抱える課題とその解決方法を載せたメールといったイメージで、顧客との関係構築を目指します。

セグメントメールは、見込み顧客を性別や年齢、地域、興味・関心、行動履歴などの細かい条件で分類し、その条件に該当した顧客のみに送信する方法です。配信準備には時間と労力がかかりますが、見込み顧客の属性や興味の度合いに応じた配信内容になっているため、通常のメルマガよりも開封率やクリック率が上がりやすいのが特徴です。

BtoBビジネスは、製品やサービスを導入するまでの検討期間が長く、内容によっては年単位になることも少なくありません。その際のフォローアップに役立つのがメールマーケティングです。長期間に渡って定期的にフォローしやすいうえに、少ないリソースで多くの企業をアプローチできるため、BtoBビジネスに適した施策であるといえるでしょう。

関連記事:メールマーケティングとは?基礎知識やメリット、実施方法5ステップから成功事例まで解説

 

メールでのリードナーチャリングに最適!MAツールとは

メールマーケティングの成果を最大化するためには、メール配信後の効果測定が大切です。メルマガは「送って終わり」ではありません。配信後のデータ分析をもとに、メールの配信時間、タイトル、ターゲットの絞りこみを工夫し、改善を繰り返す中で初めて効果を感じられます。

メールマーケティングを便利にするツールは数多くありますが、中でもおすすめなのがMAツール(マーケティングオートメーションツール)です。これまでお伝えしてきたリードの獲得・育成・選別を自動化および効率化できるツールです。

メール配信機能も備えており、メールの作成からステップメール機能、メルマガ内のリンククリック後の行動履歴の取得(自社のどのWebページを閲覧したのかなど)までメールマーケティングに必要な機能を網羅しています。見込み顧客の検討状況や関心度合いが可視化されるため、リードナーチャリングに便利なツールです。

マーケティングオートメーション(MA)でマーケティング活動を効率化

関連記事:MAツールとは?基礎知識から機能・事例までわかりやすく解説

 

リターゲティング広告

リターゲティング広告とは、過去に自社サイトを訪問し、製品やサービスに関する情報を閲覧した見込み顧客に対し、再度広告を表示する追従型広告を指します。Webサイトに訪れた見込み顧客は製品やサービスに興味関心を抱いている可能性が高く、再アプローチによって、受注・成約に結びつきやすくなります。コストを掛けて新規顧客を獲得するよりも効率的にアプローチできます。

また見込み顧客に対して何度も広告を表示させるため、単純接触効果(ザイオンス効果)による好感度の向上も期待でき、顧客の購買意欲を醸成するリードナーチャリングに効果的な施策です。

 

インサイドセールスからのアプローチ

リードナーチャリングにおいては、インサイドセールスを活用するのもおすすめです。見込み顧客に対して継続的なアプローチを取れるようになります。顧客ニーズにあわせた適切な情報発信やアプローチが可能になり、商談創出につなげられる可能性があります。

 

インサイドセールスとは

見込み顧客に対して電話やメール、Web会議ツールなどを活用し非対面でアプローチする営業手法です。マーケティング部門と営業部門の橋渡しをするポジションを担っており、マーケティング部門が獲得したリードにアプローチして顧客との信頼関係を高め、購買意欲が高まった時点でアポイントを獲得して商談を創出し、そのリードを営業部門に引き渡して受注率を高めます。

従来は1人の営業マンが新規顧客の開拓から商談の実施、クロージング・受注までを一気通貫で行っていました。しかし既存顧客のフォローもあるため、新規顧客になりうるリードを獲得しても対応できず、失注や休眠顧客となるケースが多々ありました。

リードへのアプローチから商談創出までを担当するインサイドセールスを設置することで、営業部門はセールス・クロージング活動のみに集中できるようになり、効率的な営業活動を展開できます。

関連記事:「インサイドセールス」をわかりやすく解説!成功させるための3つのポイント

 

リードクオリフィケーションの代表的な施策

リードクオリフィケーションでよく実施される施策について紹介します。

インサイドセールスによるヒアリング

1つ目の方法は、ヒアリングによって見極める方法です。シンプルですが、最も有効で効果的な方法だと言えます。顧客の検討状況や温度感を把握でき、受注確度が高い見込み顧客かどうかを判断することができます。

 

MA(マーケティングオートメーション)

2つ目はさきほどご紹介したMAツールの活用です。MAツールには、事前に決めておいた条件(属性や行動ログなどから決める)のもと、自動的にホットリードを抽出し、マーケティング・営業部門にメールで通知するといった機能があります。

 

アンケート

3つ目は見込み顧客に行うアンケートです。アンケートの回答内容によって自社の興味関心度合いを測り、購買意欲が高ければリードを営業部門に引き渡します。見込み顧客のリアルな回答を得られるため、受注確度を見極めやすいのが利点です。

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リードマーケティングを成功させるためのポイント6つ

リードマーケティングを成功に導くうえで注意したい6つのポイントを解説します。

リードマーケティングを成功させるためのポイント6つ

①顧客情報は一元管理しておく

リードマーケティングを実施するにあたり、顧客情報は必ず一元管理しましょう。顧客情報をバラバラに管理してしまうと、アプローチの重複やフォローの抜け漏れ、データを探し出すのにも時間がかかったりと、業務が煩雑になりがちです。また属人化にもつながりやすく、担当者が不在・退職した場合、業務が滞りやすくなるといったリスクもあります。トラブルを防ぐためにも顧客情報の集約・共有化に努めましょう。

 

②顧客を理解し整理しておく

リードマーケティングを成功させるためには、ターゲットである自社の顧客が何を求めているのか・何が課題なのかを理解することが大切です。顧客に対する深い理解がなければ、顧客視点に立ったマーケティング戦略を設計できず、効果のない施策を打ち出してしまう可能性があります。顧客ニーズに即した施策を実施するには、自社の顧客が求めている商品・サービスや、抱えている課題を明確に理解し、整理しておきましょう。

 

ペルソナとは

顧客理解には、自社の商品やサービスを利用している典型的な顧客像を導き出すペルソナが有効です。性別や年齢、抱えている課題などを詳細に設定し、1人の顧客像を具体的にイメージすることで、企業は顧客目線に立ったマーケティング施策が行えるようになるため、より訴求力の高い商品・サービスを提供できます。

またペルソナ設定をすることで、社内で顧客像を統一できるのもメリットのひとつです。プロジェクトの方向性や意思決定が早くなり、素早い施策の実行が可能になります。

自社の商品やサービスを利用している典型的な顧客像を導き出すペルソナ

関連記事:マーケティングで重要なペルソナとは?

 

③受注に顧客を繋がるリード(営業部門が求めるリード)を定義しておく

営業部門は、新規アポの創出からヒアリング・提案・クロージングと多岐にわたるタスクを、いくつものリードを相手に進めています。さらに既存顧客のフォローも求められるため、その業務負担は多大なものといえます。

そのような中でマーケティング部門から受け取ったリードが「まだ情報収集の段階」のケースが多いと、営業部門は「受注確度の低いリードを渡された」と感じ、マーケティング部門への不信感が生じる恐れがあります。部門間の対立を防ぐためにも、営業部門がどのようなリードを求めているのかを正確に把握しましょう。

 

④リードナーチャリングの過程を整理・定義しておく

リードナーチャリングは、見込み顧客との中長期的な関係構築を目指すための施策です。 見込み顧客が、自社の顧客になるまでの行動や思考、感情などを段階ごとにイメージし、それにあわせた施策を行うことが大切です。カスタマージャーニーマップを作成し、見込み顧客の状態を可視化しておくようにしましょう。

 

カスタマージャーニーマップとは

カスタマージャーニーマップとは、見込み顧客が最終的な購買・受注に至るまでのプロセスを図式化したものです。顧客が購入を決めるまで企業とさまざまな接点を持ち、意思決定を進める様子を旅(ジャーニー)に見立てています。

購買プロセスを可視化することにより、見込み顧客の心理状態を把握でき、適切なタイミングでコミュニケーションを図れるようになります。カスタマージャーニーマップを用いて、それぞれの検討フェーズでどのようなコンテンツや情報を届ける必要があるのか、どのようなタッチポイントが最適なのかを整理しておきましょう。

カスタマージャーニーマップ:見込み顧客が最終的な購買・受注に至るまでのプロセスを図式化

⑤リードマーケティングに必要な体制構築

リードマーケティングは、受注・契約といった成果を出してこそ意味があります。成果を出すためには、マーケティング部門と営業部門の連携を強化し、リード創出から受注・契約につながる体制の構築が不可欠です。

リードの育成から受注までを見据えて戦略的にリード獲得を進めるのであれば、インサイドセールスを設置するのも効果的です。

非対面の営業活動を行うインサイドセールスは、マーケティング部門が獲得したリードにアプローチしてナーチャリングを手掛け、ホットリード化したものを営業部門にトスアップする役割を果たします。マーケティング部門と営業部門の橋渡し役のような存在であり、リードの活用をスムーズにするための重要なポジションであるといえます。

必ずしもインサイドセールスを設置する必要はありませんが、マーケティング部門、営業部門それぞれがリード創出から売上獲得までの目的を共有して連携できていることが重要です。

 

⑥営業部門との連携

営業部門とのスムーズな連携は、リードマーケティングを成功させるうえで欠かせない要素のひとつです。営業部門がマーケティング部門の活動意義を感じられていなかったり、連携ルールが不明確、または守られていないと、両部門のパフォーマンスを上げることは困難になります。

部門間での連携を円滑にするには、それぞれの役割や目標、KPIなどを明文化し共有しておきましょう。口頭で説明しただけでは忘れ去られてしまう可能性があります。特に営業部門に引き渡す際のホットリードの基準については、しっかりと話し合っておく必要があります。リードの内容によって受注率や金額が大きく変動するため、この基準が決まっていないと、マーケティング部門への信頼を失ってしまいます。

 

まとめ

本記事ではリードの種類や代表的な施策、成功のポイントなどについてわかりやすく解説しました。

企業が成長するうえで欠かせないのが新規顧客の獲得です。しかしBtoBビジネスはターゲットとなる顧客数が少ない傾向にあるため、リードの獲得後のナーチャリングは特に重要になります。これまでお伝えしてきたリードマーケティングの一連の流れを意識し、まずはターゲットとなる自社の見込み顧客像を具体化したうえで、自社に合う施策を選び、見込み顧客をホットリードへと育てていきましょう。

また先述したように受注・成約といった成果を導くには営業部門の協力も重要です。リードジェネレーションからリードナーチャリング・リードクオリフィケーションに加え、営業活動までの一連のプロセスを視野に入れた設計をすることで、成果の最大化が狙えます。
本記事が自社のビジネスヒントの一助になれば幸いです。

 

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監修者
クラウドサーカス株式会社 石本祥子

新卒でコンサルティング会社に営業職として入社。3年で営業所長代理を経験後、ベンチャー企業を経て、クラウドサーカス社にマーケティング職として入社。
営業とマーケティング、いずれの経験もあることを活かし、クラウドサーカス社が提供しているMAツール『BowNow』において、マーケティングと営業に関するメディアの監修を含む、Webマーケティングの全域を担当している。

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