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【2024年最新】MAツールとは?基礎知識から機能・事例までわかりやすく解説

2024/03/15 (公開:2023/05/16)
【2024年最新】MAツールとは?基礎知識から機能・事例までわかりやすく解説

マーケティングオートメーション(MA)とは、「顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化し自動化する」ことで、それを実行してくれるソフトウェアをマーケティングオートメーションツール(以下「MAツール」)といいます。

営業やマーケティングにデジタルを取り入れ効率的に行っていくうえで、MAツールへの注目は年々高まっています。ただ、言葉自体は耳にしたことがあっても、具体的に何ができ、どんなメリットがあるのかがピンと来ていない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、「MAツール」についての基礎から事例までを解説いたします。一からインプットをしたい方も、何となくはわかっているけどおさらいしたい方にも、双方におすすめの記事となりますので是非お役立てください。

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MAツール(マーケティングオートメーションツール)とは?

マーケティングオートメーション(MA)とは、「顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化し自動化する」ことで、それを実行してくれるソフトウェアをマーケティングオートメーションツール(以下、MAツール)といいます。

MAツールは、問い合わせや展示会、セミナーで企業が獲得した見込み顧客(リード)を育成し、受注確度を高めた状態で営業部門に渡すまでの流れを自動化・仕組み化します。

マーケティングオートメーション(MA)で、マーケティングリード獲得から商談化までの活動を効率化する

 

MAツール(マーケティングオートメーションツール)が注目される背景と今後の市場

MAツールについて、一通り解説しました。この章ではMAツールが生まれた背景について振り返ってみましょう。

顧客接点(チャネル)の拡大

近年のインターネット、スマホやSNSの普及により、消費者がたどる情報経路は複雑化してきました。とくにコロナ禍においてデジタルシフトが加速したことから、BtoB/BtoC問わず、オンライン上での顧客接点は多様性に満ちています。

2000年以前は、消費者はマスメディア(チラシ・TVCM)やカタログなどで情報を認知してから、店舗で販売員から説明を受けて購入、アフターフォローは電話でのカスタマーサポートを利用するなど、オフラインでの購買行動が主流でした。インターネットが普及してからの消費者は、検索エンジンを糸口に、Webサイトをはじめ各種SNS・動画コンテンツ・口コミサイトなど、さまざまなチャネルを活用して情報収集・比較検討できるようになっています。

消費者自らが情報収集することが当たり前になった時代背景において、一方的に情報を送りつけるだけのやり方では、「いらない情報」と判断されてしまうかもしれません。2業には「消費者がほしいタイミング」で「ほしい情報を提供できる」多様なチャネルの運用が求められています。

 

顧客の消費行動(バイヤージャーニー)の変化

顧客が商品やサービスを認知してから購入するまでのプロセス(バイヤージャーニー)は、大きく変化しています。その理由となるのが、情報収集の経路がオンライン化したことにあります。

BtoCにおいては8割以上、BtoBにおいては9割以上の消費者が、購買前にみずから情報収集をおこなっていることが米国の調査で明らかにされました。また消費者の半数以上は、価格よりも購入のプロセスにおける「体験」を重視しています。消費者は、自らのニーズにマッチしたより質の高い情報を、自分がほしいタイミングで獲得したいと考えるのです。

オンライン上の顧客行動を可視化し、顧客ごとのデータに基づいたアプローチによって「質の高い顧客体験」までを自動化できることから、MAツールはデジタルマーケティング施策において欠かせない存在となっています。

 

ログデータ分析の必要性

コロナ禍でさらにインターネットの活用頻度が高くなったことにともなって、オンライン上での「見込み顧客のログデータの重要性」も高くなっています。

顧客との適切なコミュニケーションを、適切なタイミングで提供するシナリオ設定のために、「どのユーザーがどのような行動をとっているのか」という正確なデータの取得はより重視されるようになりました。

MAツールを活用すれば、顧客のサイトへのアクセスや資料のダウンロードはもちろん、ページ遷移などのこまかなデータまで収集し、分析できます。人力ではむずかしい大量のデータを自動で処理できるようになり、より精度の高いログデータ分析が可能になるのです。

 

今後も伸び続けるMAツール市場

MAツールの市場規模は、年々成長を続けており、今後もますます拡大していくことが予想されます。

先述した、コロナ禍における購買行動のデジタルシフトに対応することはもちろん、MAツールを活用する側の働き方のオンライン化においても、営業活動の効果的なサポートツールとして役立っています。パーソナライズされた情報提供による、質の高い顧客体験が求められる時代背景や、近年のDXの台頭により、MAツール市場はますます追い風を受けているともいえます。

 

矢野経済研究所によるDMP/MA市場に関する調査資料(2021年)より

参考元:矢野経済研究所「DMP/MA市場に関する調査を実施(2021年)」より

 

国内企業のMAツール導入率

ここ数年で国内外問わず注目を浴びているMAツールですが、実際に国内企業のMAツール導入率がどのように推移しているかを見ていきましょう。

弊社のBowNowのMAツール導入企業の調査レポートによると、2017年では導入している企業は7%だったのに対して、2018年に10%、2019年に13%、2020年に15%、2021年に17%と、年々増加傾向をたどり、5年間で約10%も増加していることがわかります。

また2021年に弊社で行った意識調査では、全体の72%以上が「MA導入の効果を感じている」と回答しています。MAツールごとでも改良が進み、使いやすいツールも増えていること、今後もビジネスのデジタルシフトが進んでいく中で、MAツールの導入企業はさらに増加していくことが予想されます。

マーケティングオートメーション意識調査による国内企業のMA導入率の伸び

参照元:BowNow「マーケティングオートメーション意識調査」資料

 

MAツール(マーケティングオートメーションツール)の役割・できること

潜在顧客のそれぞれの興味・関心・行動に対して「最適なコンテンツ」を「最適なタイミング」「最適なチャネル」で提供するマーケティング活動には、膨大なマンパワーが必要になります。見込み顧客をフォローしたくても手が回らないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。この人的なマーケティングのオペレーション部分を効率化・自動化するために開発されたのが、「MAツール(マーケティングオートメーションツール)」です。

 

マーケティングオートメーション(MA)の対応領域

近年、BtoB業界におけるマーケティング活動では、「デマンドジェネレーション」という考えが重視されるようになりました。デマンドジェネレーションは3つのプロセスで成り立ち、まずは見込み顧客を獲得する「リードジェネレーション」、次に獲得した見込み顧客を育成する「リードナーチャリング」、最後に見込み顧客を選別する「リードクオリフィケーション」で確度の高い顧客を抽出し、営業部門へ送ります。MAツールはこの「デマンドジェネレーション」を支援する役割を果たします。

「見込み顧客獲得から商談の創出」に至るまで(営業部門へリードを渡すまで)が、MAツールの活用領域となっており、この精度を高めれば高めるほど受注確度も上がっていくことから、注目を集めています。

次の章では、デマンドジェネレーションの各プロセスの意味とMA活用法をご紹介します。

関連記事:デマンドジェネレーションとは

 

リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)

リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)とは?マーケティング施策・手法や、活用方法を解説

リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)とは

リードジェネレーションとは、見込み顧客(リード)を「獲得する」ための取り組み、活動のことです。具体的には「Webサイトへの来訪者に問い合わせや資料請求などのアクションを促すこと」や、「展示会やセミナーの来場者と名刺を交換する」ことで、見込み顧客の情報を取得することを指します。

これまでのリード獲得方法はテレアポや飛び込みによる対面での営業手法が主流でした。しかし、インターネットの普及により顧客は自ら検索して欲しい情報を取りにいくようになり、それに伴い顧客接点(WebサイトやSNS、メール、Web広告などのタッチポイント)も多様化し、企業は顧客接点に合わせたさまざまなリード獲得の施策を打つ必要が出てきました。

関連記事:リードジェネレーションとは?具体的な手法とMAツールの活用方法

 

マーケティング施策・手法

リードジェネレーションの施策・手法としては主に下記の5つが挙げられます。

 

①SEO対策・コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングはユーザーが求めている価値ある有益な記事コンテンツを作成・配信することで個人情報の提供を求める施策です。 例えばお役立ち情報のハウツー記事や事例紹介、ノウハウ・ナレッジ系のホワイトペーパーダウンロードなどもコンテンツマーケティングにあたります。

 

②Web広告

Web広告はWeb上の広告枠に自社商材の広告を掲載・配信できる施策です。Web広告は主にリスティング広告、ディスプレイ広告、リターゲティング広告、純広告、動画広告・Youtube広告、SNS広告などさまざまな種類があります。価値のあるコンテンツマーケティングができていれば、Web広告を経由してより多くの質の高いリード獲得が期待できるでしょう。

 

③展示会・イベント

展示会・イベントは、自社製品やサービスの情報を幅広く発信でき、認知のきっかけになります。展示会では名刺交換で顧客の情報を得られるだけでなく、会話を通じて関係性を築くことも可能です。

 

④セミナー

セミナーには自社開催セミナーと外部の企業が主催するセミナーがあります。どちらも自社のサービスやノウハウに興味を持ったユーザーが参加しているため有効なリード獲得施策と言えます。また、オンラインセミナー(Webセミナー)の場合は参加申し込みの時点でリード獲得ができるため、MAツールと連携することで、セミナー参加者、申し込んだが参加していないなど顧客を自動的に分別してメール配信することが可能になります。

 

⑤オフライン広告

オフライン広告は、インターネットを介さない広告のことで、交通広告、テレビCM、新聞、ラジオ、雑誌などが挙げられます。広範囲で多くの人に告知が可能ですが効果測定が難しい施策です。ターゲットにマッチしているかを確認し、できるだけ効果測定が可能なデジタル媒体と併用して実施する必要があります。

 

MAツールでできること・活用方法

リードジェネレーションにおけるMAツールの活用方法としては、上記の施策に伴い、LP(ランディングページ)やフォーム作成機能をつかって、ユーザーがアクションをおこしやすい導線を引いたり、一度訪れたユーザーにリターゲティング広告やプッシュ通知を行いうことで再訪を促したりする施策があげられます。また、SNSと連携することで認知を拡大し、自社サイトへの流入を増やす効果も期待できます。

弊社が提供しているMAツール『BowNow』を例にあげれば、IPアドレスを分析して企業を判別する機能が搭載されており、その後の営業活動において有益な情報となるでしょう。

 

リードナーチャリング(見込み顧客の育成)

リードナーチャリング(見込み顧客の育成)とは?新規見込み顧客にナーチャリングを行う方法や、活用方法を解説

 

リードナーチャリング(見込み顧客の育成)とは

リードナーチャリングとは、獲得した見込み顧客を「育成する」=「購買意欲を高める」施策です。見込み顧客を育成しながら継続的につながりをもつことで、最適なタイミングでアプローチすることが可能になります。 マルケト社でも「すぐに案件化する見込みのある顧客は全体の10%」といわれているように、リードナーチャリングにおける施策がその後の成果に大きく影響していることがわかります。

関連記事:リードナーチャリングとは

 

見込み顧客にナーチャリングを行う方法

ナーチャリングを行う方法には、具体的にどういったものがあるのでしょうか。以下でご紹介します。

 

(1)見込み顧客(リード)のリストの精査

まず、はじめに見込み顧客リストの作成を行います。 見込み顧客リストの中から、競合他社やパートナー企業などターゲット外のリストを省きます。 顧客情報が重複しているケースも多いため、名寄せや選定によるマージ作業を実施することで次に行うマーケティング施策を効率化できます。

 

(2)顧客をカテゴリ分けする

作成した顧客リストをもとに、顧客のカテゴリ分けを行います。 カテゴリ分けの方法はさまざまですが、自社のターゲット顧客像を定義した「ポテンシャル」と、顧客の検討度や見込み度に合わせた「ステータス」の2軸で顧客を分類することで自社にとって価値のある優良顧客となる企業を選定し、マーケティング活動を行うABM(アカウントベースドマーケティング)という手法を用いるのがおすすめです。

顧客のカテゴリ分けをする方法

関連記事:ABM (アカウントベースドマーケティング)とは

 

(3)コンテンツを提供

顧客をカテゴリ分けした後、フェーズごとの顧客にどのような施策・アプローチを実施するか決定します。具体的な施策としては、メールマーケティング・セミナー・製品サービス資料・ホワイトペーパー配布など、ターゲット顧客のニーズに則したコンテンツを提供していきます。

顧客分類ごとに提供コンテンツを変える

 

MAツールでできること・活用方法

MAツールはWebサイト上の顧客の行動まで追えるため、顧客の閲覧ページや滞在時間、読了率から興味関心のあるコンテンツを特定することができます。これらの情報を活用し見込み顧客の属性やニーズ(業種や職種、興味のあるコンテンツ)に合わせたメールマーケティングを実施することが可能です。送信したメールの開封率やリンクのクリック率、行動ログの閲覧管理も行えます。見込み顧客の行動履歴に応じて、リターゲティング広告を表示してWebサイトへの再訪を促したり、適切なタイミングでセミナー案内を送ることも可能です。

また、シナリオ作成によるステップメールを活用することで、見込み顧客の行動に合わせた育成ステップが踏めることもメリットです。 例えば展示会やセミナーのお礼メールをMAツールであらかじめ設定しておくことで、参加者へ自動的にメールが送信される。メールのリンククリックの有無からシナリオが分かれ、その後も資料ダウンロードの有無や料金ページを見たかどうかなどユーザーの行動をもとに分岐していき、最後に設定されたアクションが実行されます。

これらの効果的なリードナーチャリングは、中長期的な視点をもって、顧客の属性や確度を正確に把握することが必要になるため、MAツールによって顧客情報を統合的に活用することで実現できます。

 

リードクオリフィケーション(見込み顧客の選別)

リードクオリフィケーション(見込み顧客の選別)とは?MAでできること・活用方法を解説

 

リードクオリフィケーション(見込み顧客の選別)とは

リードクオリフィケーションとは、ナーチャリングで育成した見込み顧客から、とくに受注確度の高いリードを選別する作業です。見込み顧客の購買意欲を「可視化」するために、自社サイトへのアクセス回数・メルマガの開封率・資料ダウンロード履歴・セミナー参加などの項目ごとにスコアリングをおこない、ステージごとに分類します。

これにより、アプローチしたときに高い成果が見込める「ホットリード」リストを作成し、営業部門に引き渡すことができるため、効率よく営業活動を行えるようになります。中にはSFA連携機能が搭載されたツールもあり、既存の顧客情報と一元化することでよりスムーズなコミュニケーションを可能にします。

 

MAツールでできること・活用方法

リードクオリフィケーションにおいて、MAツールでできることは有望な見込み顧客のリスト化です。購入意欲や関心の度合いをスコアリングし、可視化できます。たとえば、「機能ページ・価格ページを何回閲覧している」=何点というように数値化することで、受注確度を客観的に判断できます。

アプローチ後に受注には至らなかったリードに対して、再び興味を促すマーケティング活動「リサイクル」を行うのもこのフェーズです。「見込みがないとみなして放置したリードの8割が3年以内に競合他社から購買している」というデータがあるように、すぐに商談化しないケースでも、引き続き適切なナーチャリングをしていくことが重要です。

 

MAツール(マーケティングオートメーションツール)導入のメリット・デメリット

マーケティングオートメーション(MA)を導入・活用することのメリットとデメリットを整理してご紹介します。

メリット

まずはMAツールを活用するメリットについて、5つのポイントをご説明します。

 

(1)マーケティング業務の効率化

MAツールを活用することで、条件にあった顧客リスト作成・メール配信・営業へのアサイン業務・リードの選別など、マーケティング担当者の煩雑な業務を減らして、効率的なマーケティング活動を可能にします。施策を改善する余力を与え、収益の向上につなげます。現代のにおいては、「マーケティングオートメーション(MA)ツールを活用してこそ、本来のマーケティング業務が行えるようになる」ともいえるのです。

インターネットの普及、購買行動の多様化により、現代の「マーケティング業務」は多岐に渡っています。メール配信やLP・フォーム制作のツールや、施策ごとの管理を一元化することで、効果検証・分析・改善をスムーズに行えるようになるでしょう。

 

(2)新規獲得に依存しないプロセスができる

顧客の新規獲得には、予算面や問い合わせのCVの頭打ちなど、どこかでCV数の伸びに限界がくることになります。

このとき、MAツールによるリードナーチャリングの役割が重要になってきます。適切なリードナーチャリングを施すことで、休眠顧客や潜在顧客を育成し、営業への送客につなげることが可能です。

またMAツールでは、リードナーチャリングはもちろん、受注に至らなかった顧客のリサイクルや、既存顧客に対してアップセル・クロスセル施策を行い、収益向上を実現します。新規獲得施策だけでなく、既存顧客への施策によって、新規獲得に依存しない安定的なリードの創出が可能になるはずです。

 

(3)リード(見込客)の取りこぼし・放置を防ぐことができる

展示会における名刺交換で獲得した大量の名刺や、問い合わせなどのアクションを起こしてくれたものの成約には至らなかったリードなどが、そのまま放置されているケースも多いのではないでしょうか。「見込みなし」と見なして放置した顧客の大半が、競合他社に流れているというデータからも、リードナーチャリングは中長期的な視点でコツコツ行うことが大切です。

MAツールを活用すれば、「Webサイトに訪れてプラン一覧ページを閲覧してくれた」「メルマガに記載のURLをクリックしてくれた」といったリードのこまかな動きを追うことができるため、適切なアプローチをかけることが可能になり、取りこぼしを防ぐ効果が期待できるはずです。

 

(4)優先度の高い(質の高い)見込み顧客を送客することができる

MAツールでは、見込み顧客がWebサイト上で「どこを閲覧しどのように遷移したか」「どんな資料をダウンロードしたか」などのこまかな行動履歴を把握できるため、興味や関心の度合いに応じた適切なコンテンツを提供できるようになります。データに基づいて、アプローチ方法もWeb広告・メール・電話など、それぞれの見込み顧客に最適な方法を抽出できるでしょう。

MAツールを使えば、見込み顧客がホットリードになったタイミングで営業部門に送客できます。確度の高い見込み顧客にねらってアプローチをかけることで受注率の向上を実現し、業務効率化がはかれる上、見込み顧客の「ほしい情報」を適切なタイミングで提供することで、顧客とのより良好な関係構築を可能にします。

 

(5)属人化しない営業組織で受注率・案件化率を向上させることができる

受注率が高く優秀な「少数の営業マン」が数字の柱を作っている「属人的な営業組織」では、その営業マンが離職してしまうことで営業成績が下がってしまうことは想像にたやすいでしょう。研修などの教育で営業組織全体の底上げを図ることも重要ですが、時間と労力がかかり、即効性は期待できません。

MAツールを導入し、インサイドセールス部隊がリードナーチャリングを行い、ホットリードに育ったタイミングで営業部門にパスすれば、営業力があまり高くない人でも成約へつなげやすくなります。新人や、営業力の弱い人でも受注確度をあげられるため、営業組織全体の受注率・案件化率を向上させることが可能です。

 

デメリット

万能に見えるMAツールにも、デメリットがないわけではありません。おこりうるケースを事前に想定し、デメリットを最小限におさえましょう。

 

(1)効果が出るまでに中長期的な運用が必要になる

MAツールを活用したリードナーチャリングは、リードの検討段階に合わせて情報を与えながら少しずつ信頼関係を築いていくものなので、ある程度の時間がかかります。

ただ、リードナーチャリング以外の用途にも使えるため、たとえば、営業のアプローチリストを作るなどに活用すれば、短期的にも効果が得られます。

 

(2)最初からすべて自動化できるわけではない

MAツールを導入すればすべての業務が自動化完了、というわけではありません。マーケティング担当者が、運用ルールやコンテンツ作成、シナリオ設計などの初期設定をすることで仕組みの自動化を行わなければ、効果は期待できないのです。

まずはリード獲得の仕組みをつくる必要があります。具体例として、新規顧客を獲得するために「ホワイトペーパーをダウンロード」できるよう設定すること、また保有している顧客リストから見込み顧客を創出するために、どのタイミングでどのようなアクションを起こすかという「シナリオを設計」することなどです。

また「ナーチャリング」の工程においては、メールやホワイトペーパーなどのコンテンツが必要になります。MAツールは各種テンプレートを備えているとはいえ、コンテンツ作成は一からはじめる場合それなりの工数がかかります。導入初期には一時的に業務量が増えることも想定しておきましょう。

関連記事:MA(マーケティングオートメーション)ツールのメリット(効果)・デメリット

 

MAツール導入の8ステップ

日本で利用できる海外のMAツールも国産のMAツールも増えてきており、自社に必要な要素から最適なものを選ぶことが大切です。

ここでは、導入後に「使いこなせない・使わなくなった」とならないためのMAツール選びのフローをご紹介します。

 

(1)課題と目的を明確にする

まずは、自社のマーケティング、セールスにおける課題を洗い出し、MAツール導入で解決したいことを明確にしましょう。

できるだけ掘り下げて課題要因を細分化していくことで、MAツールに求める要素・機能が見えてきます。

逆に、導入目的を明確にせずに多機能さや金額に惹かれて選んでしまうと、結局は自社にとって役に立つ機能がないMAを導入することになり、コストが無駄になってしまいます。

 

(2)目的や自社の成長フェーズにあったMAツールを選ぶ

企業の成長フェーズによっても最適なMAツールのタイプは変わってきます。目的から選ぶと同時に、自社のマーケティング部門の成熟度や規模に合わせて使いこなしやすいMAツールを選びましょう。

ここでは、成熟度・規模別におすすめのMAツールのタイプをご紹介します。

 

MAツールの選び方

前項でも少しお伝えしましたが、企業の成長フェーズによっても最適なMAツールのタイプは変わってきます。目的から選ぶと同時に、自社のマーケティング部門の成熟度や規模に合わせて使いこなしやすいMAツールを選びましょう。

ここでは、成熟度・規模別におすすめのMAツールのタイプをご紹介します。

 

  • マーケティング成熟度が高く、リソースや予算も豊富にある場合
    スコアリング機能やシナリオ作成機能、分析・レポート機能、パーソナライズ化、SFA・CRMとの連携など、豊富な機能を備えた高性能なMAツールがおすすめです。

  • マーケティング成熟度は高いが、リソースや予算は少ない場合
    基本的には、上でご紹介したような多機能・高性能なMAツールがおすすめですが、同時にコンサルティングサービスの導入も検討した方が良いでしょう。

  • マーケティング成熟度は低いが、今後、リソースや予算をしっかりと確保する予定がある場合
    まずは、マーケティングの運用そのものを強化する必要があります。 ユーザートレース機能やメールマーケティング機能が簡単に実行でき、かつ、今後も拡張性のあるMAツールがおすすめです。

  • マーケティング成熟度が低く、リソースや予算も少ない場合
    まずは、マーケティング活動のボトルネックを把握して、何から始めるとROIがもっとも高くなるかを考える必要があります。 MAツールのベンダーやWebサイトのコンサルティング業者などに相談してみて、MAツール導入がボトルネック解消に役立つと判断したら、MAツール導入の検討を始めると良いでしょう。

関連記事:MAツール(マーケティングオートメーションツール)の選び方

 

MAツールベンダーのサポートやコンサルティングを利用する

初めてMAツールを導入する場合、社内に専門知識をもつ人員が少ない場合は、サポートがない状態では失敗してしまう可能性が高くなります。たとえば、「MAツールの設置方法」をはじめ、「運用体制の決め方」「カスタマージャーニーの作り方」「ツールの使い方」などあらゆる面で支援してくれるサポート体制の整った会社を選ぶと安心です。

また費用面などから継続的にはむずかしい場合も、導入から運用開始後の少しの期間だけでもコンサルティングサービスを受けると、さまざまな問題の回避につながり、高い費用対効果を得られるはずです。ユーザー会の開催、ユーザーコミュニティが設置されている企業であればなお良く、自社と似た業種の担当者がどのような使い方をしているかを学ぶことができ、課題解決の糸口を見つけるきっかけになるかもしれません。

 

(3)他部署と連携し、運用体制を決める

MAツール導入の際には、ベンダーとの窓口となる担当者が必要です。さらに運用段階では、マーケティング部門をはじめ、インサイドセールス部門・営業部門・できればカスタマーサクセスの部門が連携して、またそれらを総括する担当者も必要になります。具体的に「スコアリング」「シナリオ設計」などはマーケティング部門、元となる「ノウハウ」は営業部門、などと部門ごとの役割分担を決めておきます。

MAツールの運用に必要なリソースとして、たとえば「顧客管理」「メールマーケティング」「検証・分析」ごとに担当者を明確に決めるとスムーズですが、企業の成長フェーズや規模によっては、それが難しい場合があるかもしれません。逆に、専任者を複数立てられる企業もあるでしょう。実現可能な運用体制により、選ぶべきMAも変わってきます。基本的には、人的リソースが少ないほど、機能を絞ったシンプルなツールを選ぶことをおすすめします。

 

(4)カスタマージャーニーマップの作成

MAツールを正しく導入・運用していくためには、カスタマージャーニーマップを用意しておくことは非常に重要です。

 

カスタマージャーニーマップとは

顧客が商品を認知し、購入に至るまでを「カスタマージャーニー」と呼び、このプロセスにおける顧客の思考の変化・それにともなうアクションを時系列で記録したものが「カスタマージャーニーマップ」です。

カスタマージャーニーマップをつくることで、最適なタイミングで最適なコンテンツを顧客に届け、各タッチポイントに効果的なマーケティング施策を実施できるようになります。客観的な視点で、カスタマージャーニーマップを作成して視覚化することで、顧客の状況をより正確に判断するのに役立ちます。

 

カスタマージャーニーマップの作成手順

カスタマージャーニーマップは、おおまかには以下の手順で作成していきます。カスタマージャーニーマップは、ペルソナの人数分作成しましょう。

  • (1)ペルソナ(ターゲット顧客)設定
  • (2)ペルソナの行動の検討・細分化
  • (3)ペルソナの感情・意識の想定
  • (4)ペルソナのタッチポイントごとの施策・KPIの設定

 

(5)カスタマージャーニーマップに沿ったコンテンツを準備

カスタマージャーニーマップが作成できたら、マップにしたがってコンテンツを準備していきます。「どのフェーズにいる顧客が、どのようなコンテンツを必要とするか」を元に設計しましょう。

コンテンツの例には、オウンドメディア(自社サイト)の各種記事・ブログ・メルマガ配信・SNS投稿・動画コンテンツ・セミナー・カタログ・ホワイトペーパーなどがあり、機能比較資料や導入事例の資料ダウンロードも人気のあるコンテンツです。コンテンツの数はある程度の量があるほうが効果は高くなりますが、はじめはそれぞれのユーザーの購買フェーズに適したコンテンツを最低限用意しておけばよいでしょう。

カスタマージャーニーマップの作成方法と提供するコンテンツの種類

 関連記事:MAツール運用のためのカスタマージャーニーの作成方法

 

(6)シナリオの設計を行う

シナリオ設計が必ずしも必要ではないMAツールもありますが、もし搭載されているツールの場合は、導入初期で設定する必要があります。

 

シナリオの設計とは

シナリオ設計では、見込み顧客が購入に至るまでの行動プロセスを想定し、顧客を次のフェーズに引き上げるためのアクションを促します。見込み顧客を、属性や、購入までのフェーズごとにセグメントし、ある行動をとった見込み顧客に対して次のアクションを促す施策です。具体的には「誰に」「いつ」「なにを」「どのような手段で」アプローチするか、という観点から細かく設定していきます。次の項で具体例を見ていきましょう。

 

シナリオ例

シナリオの設計の例は「機能・価格ページを数回閲覧しているが問い合わせのない見込み顧客に、資料を送る」「展示会に訪れているが問い合わせのない見込み顧客に、セミナーの案内を送る」「1ヶ月以上アクションのない休眠顧客に、キャンペーンの案内を記載したメルマガを配信する」など、ケースバイケースになるため、自社の見込み顧客に合わせた形で設計します。コンテンツの内容が顧客のニーズにマッチしているかを見直し、また適切なチャネル(メール・SNS・自社サイトなど)を顧客に合わせて選択することも可能です。

 

(7)テスト配信

MAツールは、導入したら終わりではありません。マーケティング担当がMAツールの使い方を熟知し、課題や目的に対して適切な施策を行えるよう、MAツールを使いこなせるようになるよう練習をくりかえしましょう。

ある程度使いこなせるようになったら、一旦社内のメンバーに対してテスト配信を行います。機能のトラブル・表示画面の不具合がないかを確認するのはもちろん、顧客視点で「わかりやすいコンテンツか」「導線はスムーズか」など、より質の高いコンテンツの再検討にも役立ちます。うまくいけば少人数のお客様に配信→全体に配信、というように運用の流れをつかんでいくのがおすすめです。

 

(8)運用・検証

MAツールを運用し成果を出すには、定期的な分析・検証と改善をコツコツ行っていくことが不可欠です。「成果が思うように出せない」ことの原因に、Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善)のPDCAサイクルがうまくまわせていないケースがしばしば見られます。

適切な目標設定に対して、どのくらい達成したか、達成できていない場合はどこに問題点があるかを検証しひとつずつ改善することは、確実に成果に直結していきます。社内にリソースが不足している場合は外部のサポートなども活用しながら、継続的にPDCAサイクルをまわすことを意識しましょう。「期待する効果が得られているか」データを元に分析し、常に改善していくことでツールの精度もあがり、さらなる業務効率化につながるはずです。

 

MAツールの導入でよくある失敗

ここからは、意外と見落としがちなMAツール導入でよくある失敗についてご紹介します。MAツール導入を成功させるためにも、事前に失敗例を把握しておきましょう。

 

機能が使いこなせない

当社が行った「マーケティングオートメーション意識調査」によると、MAツールを「完璧に使いこなしている」と回答したのは21%で、58%の人が「メール配信程度の運用になっている」と答えています。実に、8割の人が使いこなせていないと感じていることがわかりました。

とくに、海外で開発された高機能ツールは、専任のマーケターが使うような高度な機能が備わっており、デジタル初心者には難しい場合もあります。機能が使いこなせないと、次第にツールにふれる機会も減り、イメージしていたより成果が出なかったという結末を迎えてしまうかもしれません。

運用が軌道に乗るまでは、ベンダー会社などにコンサルティングをお願いするのもひとつの方法です。ツールの使い方だけでなく、マーケティング知識について学べるので、その後の運用をスムーズにしてくれるでしょう。

 

目標や目的があいまいで成果が出ない

MAツール導入が失敗してしまう理由のひとつとして、目的や目標があいまいなまま運用開始してしまうことが挙げられます。導入の際に、具体的なマーケティング戦略を明確にしていないと、どのようなプロセスを自動化するべきかが不明瞭になってしまいます。単にMAツールを導入するだけでは成果はついてきません。そのツールを使って何を達成したいのか、導入前に目標を掲げておく必要があります。

そのためには、先述したKGIとKPIをきちんと設定し、ゴールを数値化することが重要です。「売上アップ」といった漠然とした目標ではなく、受注率や商談化率などの数値を設定することで達成度合いが把握しやすくなります。投資対効果などの効果測定を行うためにも、具体的な目標を定義してから運用を進めましょう。

関連記事:MAのKPIとKGIとは?設定のポイントと具体例を紹介

 

設計を立てずに運用して効果が感じられない

導入ステップにもあるとおり、効果的な運用をするためには各プロセスの設計をしっかり行うことが大切です。運用中の思いつきで設定や方針を決めていくと、設計が複雑になってしまい、うまくシステム化できないかもしれません。

どのような顧客に商材を届けたいのかといった「ターゲットの設定」、反応があった顧客への営業対応を決める「営業アクションの設定」、顧客のアクションに対してスコアをつける「スコアリングの設定」など、設計する項目はたくさんあります。少し時間がかかるかもしれませんが、ひとつずつ設計することが成功への近道です。

 

使いこなせる人材が足りない

MAツールを使いこなすには、マーケティング知識に長けた人材が数名必要になります。しかし、マーケティング人材が不足している日本では、多くの企業で人的リソースの確保が課題となっています。

不足したまま導入してしまうと、創出したリードへのアプローチを継続できない可能性があります。また、プロセスを循環させるPDCAサイクルまで手が回らずに、運用の見直しが行えないかもしれません。

さらに、運用にはマーケティングの知識だけでなく、営業などの理解も大切です。各部門との連携体制が求められるため、場合によっては社内の配置換えも行い、MAツール専任の担当者を配置することが理想といえます。

 

すべて自動化できると過大評価してしまう

MAツールを導入すれば、面倒なことはすべてまかせて自動でマーケティングができると考えている方もいるのではないでしょうか。確かにMAツールは作業を効率化してくれますが、万能ツールではありません。人の介入や適切な管理が必要な場面もあります。

たとえば、MAツールは自動でメールを送信できますが、これらのメッセージが適切にカスタマイズされていない場合、受信者からの反応やエンゲージメントが低下する可能性があります。せっかくのコミュニケーションが無機質に感じられてしまうかもしれません。

MAツールは効率化や自動化を支援するもので、戦略的な判断や顧客ニーズにあわせたカスタマイズには人の介入が必要です。導入すれば必ず成果につながるといった過度な期待はしすぎずに、人がすべき作業も事前にイメージしておきましょう。

 

マーケティングと営業部門が連携していない

MAツールの導入を成功させるためには、マーケティングだけでも、営業の力だけでも成功しません。お互いの壁をなくして、共通の目標とプロセスを確立することが大切です。

両部門が連携できていないと、マーケティングが生成したリード情報を信用せずに、営業部門が適切にフォローアップしないといったことが起きてしまいます。MAツールでせっかくリード獲得できても、受注につながらなければ運用がムダになってしまいます。

また、営業の持っている情報がツールで正しく更新されなければ、データの不一致が発生し、顧客への適切なコミュニケーションが難しくなってしまうでしょう。各担当が独立した部門といった認識をなくして、協力し合うことが必要です。

 

リード・コンテンツ数が不足している

MAツール導入には、適したタイミングがあります。目安としては、5,000以上のリード数が集まれば、ツールを使った見込み顧客の育成がしやすくなるといいます。また、新規リードを獲得するためのWebサイトやコンテンツが整備されていることも必須です。このような土台が不十分だと、MAツールでのナーチャリングの成果を最大限に引き出せません。

リード数が足りない場合は、問い合わせフォームやLP(ランディングページ)の改善など、Webマーケティングを中心とした施策を見直して、見込み顧客の獲得を目指しましょう。また、オウンドメディアをまだ立ち上げていない場合は、顧客育成のためのコンテンツマーケティングにも活用できるので、作成を検討してみてください。

また、よくある失敗については動画でも詳しく解説しておりますので、あわせて参考にしてください。

 

 

MAツールの導入で失敗しないためのポイント

MAツールの導入で失敗しないためには、しっかりと事前準備を行うことが大切です。ここからは、導入時に押さえておきたいポイントについてご紹介します。

 

マーケティング・営業の現状と課題を確認する

先述した「導入ステップ」にもあるように、現在のマーケティングと営業の活動を振り返ることからはじめて、どのような施策を行っているのか、どのくらい成果があるのかを洗い出しましょう。現状を把握することで、課題が浮き彫りになってきます。そのうえでMAツールを選定したり、目標を定めたり、さまざまな導入ステップを進めることが重要です。

このとき、マーケティング担当者だけで現状把握するのではなく、営業部門やシステム部門などさまざまな部署とやりとりをしておくと、導入後の衝突が防げます。さらに導入・運用の責任者を決めておくと、他部署とのコミュニケーションがスムーズに取れるようになるでしょう。

 

自社のリソースをチェックする

自社では、どのくらいのリソースが確保できるのかも確認しておきましょう。あわせてマーケティング知識や、データマネジメント知識のレベルについても、現状を確認しておきたいところです。知識レベルやデジタル人材が不足している場合は、シンプルなMAツールを選ぶことをおすすめします。最低限の機能を活用しながら、まずはツールに慣れることからはじめるとよいでしょう。高機能なツールを選ぶと、使いこなせないままコストばかりがかさんでしまうかもしれません。

たとえば、当社のMAツール「BowNow」は、無料のフリープランからメール配信機能などが使えるので、トライアルからはじめて徐々にプランアップしていくことも可能です。自社のリソースや成熟度にあわせて、ツールを選択していくとよいでしょう。

 

サポート体制を重視する

サポート体制は、ツールを提供するベンダーによってさまざまです。専任スタッフが電話で応対してくれる企業やFAQだけの場合など、運営会社ごとに異なるので事前の確認が大切です。なかには高額なコンサルティングを受けないと、満足にツールが使いこなせない場合もあるので注意しましょう。

とくにデジタル初心者やマーケティングに不慣れな場合は、導入初期をフォローしてくれるオンボーディングの手厚いツールがおすすめです。初期設定でつまずいてしまうと、ムダな時間を消費するだけでなく、社内でツールが定着せずに放置されてしまうかもしれません。反対にオンボーディングがしっかりしていれば、スムーズに運用体制が整えられるでしょう。

 

必要な機能を明確にする

マーケティングの目的やデジタル人材の有無など、企業によってMAツールに求める機能は異なります。機能が多ければよいというわけではありません。多機能すぎるとすべての機能を使いこなせない可能性も出てきます。導入を失敗しないためには、「自社に必要な機能を明確にする」ということが大きなポイントです。

Webマーケティングでのリード獲得を目指す企業なら、フォームやLPの作成、スコアリング、セグメント機能、メールによるフォローアップなど、見込み顧客を確実にセールスにつなげる機能が求められます。

一方、Eコマース企業なら顧客の過去の購買履歴や閲覧履歴に基づいて、関連性の高い商品、おすすめアイテムを表示してくれるパーソナライズ機能があると便利です。

自社に最適な機能を明確にするには、先述したように課題や目的を確認しておく必要があります。社内の課題をクリアしてくれるのか、新たな施策を実行できるのかなど、さまざまな視点から機能を絞り込んでいきましょう。

 

MAツールの主な機能6つ

国内産、海外のものなどMAツールよって機能に多少の差はありますが、共通する主な機能としては、以下のようなものがあります。

 

①リード管理機能

リードジェネレーションで行った施策で獲得した、見込み顧客情報(会社名、氏名、メールアドレス、電話番号など)を管理できる機能です。フォーム経由の顧客情報を自動登録したり、見込み顧客の特徴やWeb上での行動ログを取得してリストを作成したりすることができます。

 

②フォーム作成機能

今あるWebサイトのフォームを、MAツールで作成したフォームに差し替えることで、フォームで送信されたユーザーの情報をMA内のデータベースに蓄積できます。データベース上に見込み顧客の情報が溜まることで、そのデータを使ったマーケティング活動が可能になります。多くのMAツールでは簡易的なフォームの作成や修正はマーケティング担当が対応できるような機能になっています。

 

③セグメントメール送信機能

登録したリード(見込客)をセグメント化し、それぞれに適切なメールを送る機能です。

 

④トラッキング機能(個人・法人)

リード(見込客)データと紐づけたIPアドレスをもとに、各リード(見込客)がどのような行動を取っているかを把握するために履歴を取る機能です。

 

⑤スコアリング機能

リード(見込客)の行動に点数を設定しておき、一定の点数を超えたら特定の情報を送信するといった設定を行う機能です。

関連記事:MAツールのスコアリングとは?仕組みからMA初期の設計で失敗を防ぐ方法まで徹底解説!

 

⑥シナリオ作成(キャンペーン管理)機能

MAツールで、自動化するルール=シナリオを作成・設定する機能です。

また、MAツールの各種機能については、以下の記事でも紹介しておりますので、よろしければご参考ください。

関連記事:MAツールの機能

 

MAツールとSFA、CRMとの違い

マーケティングオートメーション(MA)とSFA、CRMとの違いを解説

MAツールは「見込み顧客の獲得」から「育成」を担い、主にマーケティング部門で活用されます。MAと隣接するツールとして、同じく「顧客情報を管理する機能」を持つ、「SFA」や「CRM」があります。

どのツールが何のためのツールなのか、混乱してしまうこともあるかもしれません。ここでは、MAとCRM・SFAの関係性についてわかりやすく解説します。

 

MAツールとSFA、CRMの関係性

MAツールと、SFAやCRMのツールは、段階的に活用されます。

MAツールは、マーケティング活動における施策の自動化・仕組み化に特化しており、リードの獲得から商談を作り出すまでの段階で使われるため、一番最初に利用されるツールです。

次の段階でつかわれるSFA(セールスフォースオートメーション)は、主に営業部門における「営業活動」に活用されるツールです。MAツールによって獲得・ナーチャリングして受注確度の高まった見込み顧客は、営業部門に送客されます。MAツールを通じて購買意欲を高めた見込み顧客に対してアプローチをかける際の、営業担当の行動を「SFA」に記録することで、適切に管理し成約につなげる役割をはたしています。

最後、成約後の顧客関係に用いられるCRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)は、「既存顧客との関係向上」のためのツールです。MAツールも顧客管理機能を有する点では一致していますが、マーケティング活動全般の「効率化」に特化したMAツールに対して、CRMは「顧客データの蓄積・管理」により特化しており、解約を防ぎリピーターを増やす意味合いが強いでしょう。類似企業へのアプローチ強化にも有用なデータとなるため、さまざまな部門でそれぞれの目的において活用されます。

 

SFAとは

SFA(エスエフエー)とは、Sales Force Automation(セールスフォースオートメーション)の略称で、営業活動を視覚化し、効率化するツールです。

顧客情報に基づく営業活動全体をデータベース化することで、営業マンの行動管理を行い、商談化率や読みの精度をあげていく役割を担います。

 

SFAツールの主な機能

見込み顧客の情報(企業や役職などの属性)に紐づけて、どのようなアプローチをしたか、どのようなリアクションがあったか、次にどのようなアクションが想定されるかといった営業活動におけるデータ(活動履歴・スケジュール等)を蓄積・分析できます。

顧客や案件ごとの情報共有も、漏れなく正確に行えるようになるため、担当者間での引き継ぎもスムーズになり、属人化しない効率的な営業活動を実現します。

 

CRMとは

CRM(シーアールエム)とは、Customer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)の略称で、顧客と継続的に信頼関係を構築するためのツールです。

顧客のこれまでの購買履歴や要望などをデータベース化し、顧客とのよりよい関係構築に役立てながら、リピート・アップセル・クロスセルなどの売上向上につなげます。蓄積したデータの分析をもとに、顧客とのエンゲージメントを強めて、顧客ロイヤリティを高める目的でも活用されます。

 

CRMツールの主な機能

顧客の購買行動に関する情報(購入履歴・他商品の購入履歴)、顧客に対するアプローチ履歴、アフターフォローでの対応履歴(意見・要望など)といった顧客にかかわる情報を蓄積し、管理します。

よりきめ細やかな対応が可能になるため、顧客の満足度向上と、信頼を獲得していくために必須のツールといえます。またロイヤリティの高い顧客情報は、社内の部門とわず有益な情報となるため、共有してそれぞれの施策に役立てることが可能です。

 

はじめて導入する企業におすすめのMAツール

MAツールについて詳しくわかったところで、初めて導入する際におすすめのツールを紹介します。

MAツールは以下のように、大きく3つのタイプ「はじめてでも安心導入型」「シナリオ重視型」「多機能&CRM完全連携型」に分けることができます。3つのタイプの中から自社にあったタイプを選ぶといいでしょう。

MAツール3タイプ

以下では「①はじめてでも安心導入型」に分類されるMAツールの中でも、特に初めての導入におすすめのツールを紹介します。

 

BowNow(バウナウ)

 

MAツール『BowNow』

「BowNow(バウナウ) 」は、国内シェアNo.1※のMAツールで、2024年1月時点の導入社数は13,000社を超えています。「圧倒的な使いやすさで、働くに楽を」というコンセプトを掲げており、「リーズナブルな価格」と「シンプルな操作性」にこだわっているのが特徴です。

運用体制が小規模である企業や、ツールに不慣れな企業でも安心して導入・運用できるよう開発・提供されています。無料で利用できるフリープランや導入後約3か月間の無料カスタマーサクセスサポートなどが用意されているのも魅力です。

※出典:株式会社DataSign「DataSign Webサービス調査レポート 2023.12」

関連記事:MAツール『BowNow(バウナウ)』とは

 

MAツール導入で成功した企業の事例

当社のマーケティングオートメーション(ツール)「BowNow」を導入された企業様の事例を一部ご紹介します。

 

メルマガ送信にかかっていた工数を10時間/月削減!(ティネクト株式会社)

ティネクト株式会社では、オウンドメディアの立ち上げ支援やコンテンツ提供、自社メディア「Books&Apps」の運営を手がけています。

同社では、メルマガ送信に使用していた無料ツールの機能が限定されているために、手動による配信リスト作成などに工数がかかり、ミスを防ぐためにも、より効率的なツールを必要としていました。

そこで、MAを導入したところ、施策ごとに配信先を選び直す手間などが大幅に削減され、メルマガ配信にかかる工数を毎月10時間程度も削減できました。 また、自社のオウンドメディアからコンバージョンにつながるポイントにフォームを設置し、リード情報が自動的にリスト化される仕組みも作りました。

今後は、増加したリードを契約に結び付けるための仕組み作りに注力したいそうです。

導入事例:BowNow導入で月間10時間の工数削減&効率的なリード創出が可能に!|ティネクト株式会社様

 

導入から1週間でアポ獲得率5.6%アップ!(株式会社LIG)

株式会社LIG 様

株式会社LIGでは、Webサイト制作・メディア運用・コンテンツ制作を手がけています。

同社では、営業部門が電話アプローチするためのリストが少なく、作るのにも工数がかかるという課題や、リストがあってもコールするまで検討レベルや温度感がわからないという課題を抱えており、解決しようにもマーケティング担当者のリソースが限られているというネックがありました。

そこで、MAを導入し、Webサイトのなかで「実績ページ」など、重要なページを閲覧した企業をホットリードとして抽出し、リスト化。これに営業部門が電話アプローチする流れを作りました。

その結果、導入から1週間でアポ獲得率が6.3%から11.9%へと5.6%アップ。 ほかにもフォーム作成機能を使って記事内にフォームを埋め込むことで、CVR(コンバージョン率)0.28%から0.48%へと向上しました。

 

導入事例:営業リストをBowNowで抽出したリストに変更したら、アポ獲得率6.3%→11.9%にアップ!|株式会社LIG様

 

「見込み顧客を獲得し、発掘する」流れを効率化!(株式会社エクシート)

株式会社エクシート 様

株式会社エクシートでは、印刷会社を母体としながら、販促企画・採用企画など総合的な広告戦略を提案。地元である福井県の企業へのマーケティングノウハウの啓蒙にも力を入れています。

同社では、「お客様のところに何度もうかがい、お客様が発注するタイミングであれば発注していただき、売上を上げていく」という印刷業界に従来からある御用聞きスタイルを脱し、「見込み顧客発掘」「見込み顧客獲得」を効率化したいという課題を抱えていました。

そこでMAを導入し、獲得名刺に対するメール配信を開始しました。今後は、ホワイトペーパーを活用したリード獲得にも取り組みたいということです。

 

導入事例:福井のマーケティング普及の担い手に! 印刷会社での自社利用とお客様への提案を両立|株式会社エクシート様

 

ログ情報で営業アプローチがしやすく!(ホームネット株式会社)

ホームネット株式会社 様

ホームネット株式会社では、主に高齢者を対象とした緊急通報サービスや電話相談サービス、健診予約代行事業、システム販売事業などを手がけています。

同社では、アウトバウンド中心のセールススタイルから脱し、マーケティングを活用してインバウンドに取り組みたいというのが課題でした。また、既存顧客への情報提供にも力を入れるため、メールマーケティングも視野に入れていました。

そこで、使いやすいMAとしてBowNowを選定・導入し、お問い合わせフォームや資料ダウンロードフォームを作成・設置しました。そして、フォームから送信されたリード情報やアクセスログを営業部門へパスして電話アプローチを行いました。

その結果、営業部門からは「お客様の興味・傾向がわかるから電話がかけやすくなった」など良い反応が返ってくるようになりました。

 

導入事例:はじめやすい機能と価格が決め手! 使いながら自社にあったマーケティングの形を模索|ホームネット株式会社様

 

ホットリードの抽出機能を活用してアポ率が40%超に(スターティアレイズ株式会社)

スターティアレイズ株式会社 様

スターティアレイズ株式会社では、クラウドストレージ事業やRPA関連事業を手がけています。2018年4月にスターティア株式会社の一事業部から分社化したばかりでマーケティング担当者もいないなかでMAを導入し、2019年の4月からマーケティング担当者を立て、1名体制で運用を本格開始しました。

同社では、展示会、Webサイトといった接点ごとのリード数やそこからの受注率が把握できておらず、費用対効果を算出できないという課題を抱えていました。

そこで、展示会で獲得した名刺へMAからメール配信を行い、メールへの反応によって条件を絞り込み、電話でアプローチする施策をスタートしました。

その結果、12件の有効リスト中、40%以上のアポを獲得しました。今後は、毎月3回以上開催しているセミナーへの参加者に送っているお礼メールの分析と追客も行っていきたいということです。

 

導入事例:大きな展示会をきっかけにBowNow利用を促進 展示会リードからのアポ獲得で順調な滑り出し|スターティアレイズ株式会社様

 

まとめ

マーケティングオートメーション(MA)に関する概要をまとめてご紹介しました。
MAは、Webマーケティングを中心としたマーケティング施策を効率化・可視化し、マーケティング部門の人的リソース不足もカバーすることができます。

MAというと、「企業の成長フェーズが進んだ、マーケティング部門の成熟度の高い企業が使うツール」というイメージを持たれる方も多いですが、価格や操作性を見て適切なツールを選べば、人的リソース不足でマーケティングに手が回っていない中小企業様にこそ有益なツールです。

たとえば、BowNowはホットリードの抽出に優れ、導入してすぐに使えるABMテンプレートを搭載しています。設定に手間がかかる多機能で高性能なMAとは一線を画す、シンプルな機能構成で、使いやすく効果が出やすい点が特長です。

中小企業様で初めて導入される方も多く、価格と操作性、充実したサポート体制から、BowNowをお選びいただいております。 期限無制限で使える無料プランがございますので、ご興味のある方は、ぜひ使ってみてください。

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